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「陶磁器食器リサイクル」をご存知でしょうか?
要らなくなった古い食器セット、欠けてしまったマグカップ、割れた皿など、不要な陶磁器類をごみとして廃棄処分(埋め立て処分)するのではなく、リサイクルして再利用する取り組みのことを、陶磁器食器リサイクルといいます。
陶磁器食器リサイクルではどのような活動を行っているのか、その具体的な内容、メリットなどについて。さらに、陶磁器食器リサイクルを実施している自治体や民間の団体についてご紹介します!
目次
お気に入りの食器を落として割ってしまったり、フチが欠けたり、ヒビが入ってしまったらどうしますか?あるいは、買い替えで不要になった食器、古い不揃いの食器セット、重たくて使いづらい食器など。家庭から排出される不要な食器は、年間を通してかなりの数にのぼります。
未使用の食器やブランド品なら中古で売ることができるかもしれませんが、古くなった食器や割れた食器は廃棄処分するしかありません。
割れた食器、要らなくなった皿やコーヒーカップなどの陶磁器は、ほとんどの自治体で「不燃ごみ(燃やせないごみ)」として回収しています。
回収されたあとはどうするのかというと、残念ながら、最終処分場で埋め立て処分することになります。ちょっともったいないですが、割れた皿はほかに使い道がなく、燃やして灰にすることもできないので、埋め立て処分するしか方法がないのです。
しかし近年、廃棄処分するしかなかった陶器のかけらを、再利用できる仕組みが始まっています。
それは一体、どのようなものなのでしょうか。
今まで、「不燃ごみ」として回収し、埋め立て処分していた陶器のごみを、新たに陶磁器をつくるための再生原料として使う。という取り組みが、陶磁器食器リサイクルです。
割れた食器や要らなくなった食器をリサイクルする目的は、埋め立て処分されるごみを減らすことだけではありません。リサイクルされた食器を、新たに生成する陶磁器の原料にすることができるという点がとても大きなメリットになっているのです。
皿やマグカップといった陶磁器の原料となる「陶土(とうど)」は、土の中に含まれる粘土やけい石といった自然の素材から作られています。これらは、長い長い年月をかけて生成された天然の資源で、とても貴重なものです。
最近では、良質な陶土を入手することがとても難しくなってきており、陶磁器の原料を輸入に頼っているケースも少なくありません。この問題の救世主となっているのが、陶磁器をリサイクルした再生原料です。
陶土に再生原料を配合することで、天然資源の粘土などの使用を減らすことができます。陶磁器リサイクルが、大切な天然資源を守ってくれているのです。
それだけではありません。一度焼成した食器からリサイクルされた再生原料を使って作られた食器は強度が高く、破損が少なくなるという特性があるのだそうです。さらに、再生原料を使った陶磁器は、低い温度で焼成することができます。陶器の焼成に欠かせない熱エネルギーを削減できるというメリットもあるのですね。
<陶磁器食器リサイクルによるメリット>
・埋め立て処分するごみを減らせる
・限られた天然資源を節約できる
・強度の高い食器ができる(割れる危険を低減)
・低い温度で食器を作れる(熱エネルギー消費の削減)
家庭や飲食店ほか、さまざまな場所で回収された使用済みの食器は、リサイクルされて再び食器として生成されます。
再生された食器は再び流通し(お店で売られ)、食卓で使われた後、古くなって劣化、割れるなどした使用済みの食器として回収されるという「資源循環のループ」が形作られています。
▶ 使用済食器を回収
⇒ 食器を粉砕(ふんさい)
⇒ 粘土に混ぜて陶磁器の原料になる
⇒ 成形・焼成
⇒ 流通(店で売られる)
⇒ 食器として使用される
⇒ 食器が劣化、割れる
⇒ 使用済食器を回収
※資源循環のループが繰り返される
「陶磁器食器リサイクル」は公共のプロジェクトではないのですが、このリサイクル活動を積極的に推進し、中心となって活動している団体があります。それが、グリーンライフ21プロジェクトです。
要らなくなった食器の回収、粉砕から再生原料の生成、再生原料を使って新たな食器を作ること、再生された食器を流通し販売する。という資源循環のループを、企業や研究機関、自治体や専門家など複数の団体が共同で担っています。
そうして生み出された、再生原料を使った陶磁器が「Re-食器」です。
Re-食器には、国内外のデザイナーによる食器、人気キャラクターをデザインした食器、より強度を高めた食器シリーズなどさまざまな種類があります。また、再生原料は工業用を含めた陶芸の原料としても販売されています。
グリーンライフ21プロジェクトのほかにも、国内で陶磁器食器リサイクルを積極的に行っている自治体や団体をご紹介します。
瀬戸焼で有名な愛知県瀬戸市では、愛知県陶磁器工業協同組合(愛陶工)と市の資源リサイクルセンターが連携し、2004年に廃陶器の回収をスタート。循環型社会を目指し、企業、行政、市民が一体となって取り組む、陶磁器リサイクルの仕組みが誕生しました。
自治体が回収した食器類を分別し、愛陶工が引き取って粉砕、金属類を除去します。こうしてできあがった原料を粘土に加え、通常よりも低い温度で低温焼成して省エネルギー、省資源の陶磁器「Re瀬っ戸」をつくっています。
Re瀬っ戸は愛知万博の会場で使われるなど、注目を集めています。
東京都小平市では、家庭で不要になった茶わんや皿など陶磁器製の食器を回収、リサイクルする取り組みを行っています。
回収した陶磁器は、資源化工場で粉砕処理し、食器の材料は建材などの原料として使われます。
埼玉県所沢市では、家庭から出る資源ごみひとつとして、2004年度より廃陶磁器(不要な食器類)の回収を行っています。
回収された食器のうち未使用のものや状態の良いものは、市が開催する「もったいない市」で販売、残ったものを業務委託で粉砕処理し、陶芸用粘土製造会社に販売しています。
陶磁器食器リサイクルという取り組みについてご紹介しました。
この活動により、不燃ごみとして埋め立て処分するしかなかった壊れた食器や不要な食器を再利用することができます。それにより、ごみの量を削減。それだけでなく、ごみとして出された廃食器を陶土として再利することで、限られた貴重な天然資源である粘土を節約することができます。
また、再生された原料を使った陶磁器は低い温度で焼成することができるので、省エネルギーの効果があるという利点もあります。
資源を循環させる陶磁器食器リサイクルのシステムは、まだまだ一部の限られた地域でしか実施されていませんが、少しずつ活動の輪が広がっていくことが期待されます。
回収内容についてお教えください。詳しくご記入いただくほど、精度の高いお見積もりが可能です!
不明点等はスタッフが丁寧に確認いたしますので、まずは分かる範囲でお気軽にご記入ください。