剥製の売買は違法?!正しい処分方法と注意点とは

目次

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「博物館に展示されているもの」もしくは「お金持ちの家に飾ってあるもの」というイメージのある剥製。あまり一般のご家庭にはないものですが、実家のお片付けや親族の遺品整理の機会に出てくることもあり、いざ処分するとなるとどう処分していいかわからない、という方も多いかと思います。

剥製は学術的・美術的な価値があるのでコレクターも多く、一定の需要があるので売却することも可能です。しかし、剥製にされた動物の種類によっては売買すると法令違反になり逮捕されてしまうケースもあるため、注意しなければなりません。

条約や法律を知ったうえで、正しい手段で処分をする必要があります。

今回のコラムではそんな剥製の処分前に知っておきたい注意点、売却方法をご紹介していきます。

  • 実家のお片付けで出てきた剥製、どう捨てればいい?
  • 親戚から剥製を譲られたけど、持て余している
  • どんな剥製なら売れるの?
  • 希少な剥製をできるだけ高く売りたい!

といった疑問がある方はぜひ、この記事を参考にして剥製の処分をしてみてくださいね!

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剥製の売買は違法?!売却前に知っておきたい注意点

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一般のお店で見かける機会がほとんどないため、そもそも売れるの?と思ってしまいがちな剥製ですが、学術的な価値があるほかインテリアとして使用されることも多く、またコレクターもたくさんいるので一定の需要があります。貴重なものであれば高額買取の可能性も!

しかし売却可能だからといって、なんでも売れる、というわけではなく、さらに剥製の種類によってはきちんと手続きをしなければ法律違反になってしまう可能性があります。

きちんと正しい方法で剥製を処分するために、知っておくべきポイントを確認しておきましょう。


「売ってはいけない」剥製とは?

剥製のなかには、「ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)」や「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(通称:種の保存法)」指定され保護されているものがあります。

ワシントン条約
国際希少野生動植物
アオウミガメ
アカエリトリバネアゲハ
アフリカゾウ
アジアゾウ
ウンピョウ
オオフウチョウ
ヒグマ
キングコブラ
ジャイアントパンダ
センザンコウ
ハヤブサ
ヒョウ
ベンガルヤマネコ
アフリカライオン
ワニ など
種の保存法
国内希少野生動植物
トキ
コウノトリ
イリオモテヤマネコ
ハヤブサ
イヌワシ
タガメ
シマフクロウ など

※指定生物は以下のホームページを参照し調べることができます。

種の保存法で「国内希少野生動植物」「国際希少野生動植物」「緊急指定種」に指定されたものは、基本的に生きているもの・剥製・毛皮などに加工されたものでも取引(譲渡・売買・貸借)は有償・無償関係なく禁止となっており、また、取引につながる販売・広告や陳列(フリマアプリ・ネットオークションへの出品など)も禁止されています。

これに違反すると、違法な譲渡・捕獲・輸出入であれば「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金」、違法な陳列・広告ならば「1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金」といった重い刑罰が科せられます。

取り扱いには十分注意しなければなりません。


中には取引できるものもある

種の保存法の指定生物の中には、以下のような登録要件のいずれかを満たし、自然環境研究センターで登録票を取得すれば売却や譲渡ができるものがあります。

  1. 国内で繁殖させた個体や、その器官・加工品
  2. 規制の効力発生前に国内で取得した個体・器官・加工品
  3. 関税法の許可を受けて輸入された個体・器官・加工品

まずはお手持ちの剥製の種類を確認し、自然環境研究センターに問い合わせをしてみましょう。

登録申請の手順は以下のとおりです。

  1. HPの確認し問合せや相談をおこなう
  2. 申請書類を作成し提出する
  3. センターで書類の確認がおこなわれ、問題なく受理されれば登録票が交付される

申請書類を提出してから登録票の交付までは1~3ヶ月程度、時期や混み具合によってはそれ以上かかる場合がありますので余裕をもって申請をおこないましょう。なお生体や剥製の場合、手数料は1個体につき5,000円かかります。

一般社団法人 自然環境研究センター

  • 住所:〒130-8606 東京都墨田区江東橋3丁目3番7号
  • TEL:03-6659-6018
  • 対応日時:土日祝日を除く平日10:00〜17:00 昼12:30~13:30 


判断に迷ったら必ず相談しよう

昔の剥製だとラベルがないもの、個体の大きさや色によっては種類がはっきりしないものもあるかもしれません。その場合は、自己判断せず自然環境研究センターに問い合わせてみてください。

また、環境省のホームページでは、種の保存法についてより詳しい説明がされており、以下のようなわかりやすい確認チャートも掲載されています。剥製の処分に迷った際は一度確認をしてみるのがおすすめです。

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(出典:環境省譲渡し等の規制及び手続きについて


買い取ってもらえる剥製ってどんなの?

上記でご紹介したような、条約や保存法の指定を受けた生物の剥製でないもの、また許可や届出、登録をうけた剥製は売却することができます。

しかしどんなものでも売れるわけではありませんので注意が必要です。買い取ってもらえる剥製の特徴を確認してみましょう。


状態の良い剥製が買取対象

ほかの中古買取と同じく、剥製も状態の良いものが買取対象となります。

  • カビが生えている
  • 虫が湧く
  • 毛が抜け落ちている
  • 破損している
  • 退色・変色している

といった状態の悪いものは希少なものでも買取不可になってしまい、ごみとして処分をせざるを得なくなってしまうため注意してください。

良い状態で剥製を売りたいのであれば、普段から

  • 直射日光に当てないようにする
  • 温度変化の激しい場所に置かない
  • 風通しの良い、湿気のこもらない場所に置く
  • ケースに入れる
  • 防虫剤などで虫予防をする

といったように適切な環境で保管することを徹底し、ハケなどを使いホコリをはらう、傷みがある箇所はその都度修理するなど、定期的なメンテナンスをおこなう必要があります。


希少生物の剥製は高価買取が期待できる

高額買取が期待できるのは、

  • トラ
  • ライオン
  • シロクマ
  • オオカミ
  • ヒョウ
  • ヘラジカ
  • ダチョウ

といった希少生物の剥製です。サイズが大きければ大きいほど高額な金額になる傾向があります。

その一方で、状態の良い剥製でも、流通している数が多くあまり珍しくないタヌキやイタチ、キジなどの剥製は需要も少ないため、買取額が安価になってしまう、または買取不可になる可能性もあります。


状態の良い剥製の売却方法!

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条約や保存法に指定されていない生物の剥製、もしくは登録票のある剥製であれば、状態が良いきれいなものは売却することができます。また、それが希少な生物の剥製であれば高額買取も期待できます。

剥製を売却する方法や手順について、確認していきましょう。


リサイクルショップ

まずは剥製をリサイクルショップで売却するという方法です。

さまざまなものを取り扱うリサイクルショップであれば、剥製のほかに要らなくなった家具や家電、衣類などをジャンルに関係なく買い取ってもらえるのが便利ですよね。剥製が大きかったり大量だったりして持ち運びが困難、という場合は出張買取を利用することで、自宅に居ながら査定を受けることも可能です。

持込査定であればその日中に査定から支払いまでが完了し、急ぎの場合にも便利なリサイクルショップですが、剥製が買取対象かどうかは店舗によって異なります。剥製は保管が難しいこと、独特な臭いがすることから買取を不可にしているリサイクルショップも多いため、査定依頼前には一度、ホームページを確認しておきましょう。


専門店や骨董品店

リサイクルショップでの売却をご紹介しましたが、リサイクルショップは剥製を専門で取り扱っていないため、希少な剥製でもその価値が考慮されず、安価で買取されるケースも多いです。もし貴重な剥製をお持ちであれば、リサイクルショップではなく剥製を専門で取り扱う専門店や、骨董品店に査定を依頼するのがおすすめです。

これまでさまざまな剥製を鑑定してきたスタッフが、適切な価格をつけてくれるため安心して依頼ができます。また、自然環境研究センターへの登録の代行をしてくれる専門店であれば、手続きする暇がない、やり方がわからないといった場合にも安心です。

骨董品店でも剥製を取り扱えるかどうかは店舗によって異なり、また専門店でも買い取ってもらえる剥製の種類が限られていることがあります。こちらも事前にお店のホームページで買い取り実績や買取条件を確認しておきましょう。


フリマアプリ・ネットオークション

不用品処分の定番となりつつあるフリマアプリ・ネットオークションにも、多くの剥製が出品されています。リサイクルショップや専門店で買取不可になった剥製でも需要があれば売却できるため、捨ててしまう前には一度出品してみてはいかがでしょうか。

  • 自分で値段を自由に設定できる
  • スマホひとつあれば簡単に出品できる
  • 入会金や月会費は不要の場合も多いので、気軽に利用できる

とメリットの多いフリマアプリ・ネットオークションですが、その反面、

  • 売却できた場合はアプリごとに設定された手数料がかかる
  • すぐに売れるとは限らないため、急ぎの場合には不向き

といったデメリットも。
特に手数料はアプリごとに違いが大きいためご注意ください。

フリマアプリ
ネットオークション
手数料
メルカリ販売価格の10%
楽天ラクマ商品価格の6.0%(税抜)
PayPayフリマ販売価格の5%
ヤフオク!Yahoo!プレミアム会員 8.8%(税込)
Yahoo!プレミアム会員登録なし 10%(税込)
モバオク月額利用料330円 または 360円/月(税込)が必要
販売手数料、売上金の振込(入金)手数料は不要

※2023年12月時点

あらかじめ発送方法や送料、手数料まで計算したうえで価格を設定するようにし、急ぎの場合はほかの手段を検討しましょう。


条約や保存法違反にならないか、特に注意が必要

フリマアプリ・ネットオークションに剥製を出品する際には特に、お手持ちの剥製がワシントン条約や種の保存法に指定された生物の剥製でないか注意する必要があります。

もちろんメルカリなどのフリマアプリ・ネットオークションでも条約・保存法に指定された登録票のない剥製の出品は禁じられていますが、出品する際に違法なものかどうかが個別にチェックされるわけではなく簡単に出品することができてしまいます。

保存法に指定された生物の剥製や登録票のない剥製は出品するだけで違法です。実際に、違法な剥製のネット出品による逮捕者も出ています。

フリマアプリ・ネットオークションでは特に、お手持ちの剥製が条約や保存法に違反していないことを事前に確認する、またわからない場合は自然環境研究センターへ必ず問い合わせておく、ということを徹底しておきましょう。


買い取ってもらえなかった剥製はどうする?

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剥製の中には、残念ながら保存状態が悪く売れないものや、希少価値がなく買取不可になってしまうものもあります。その場合の剥製の処分方法について確認していきましょう。


譲る・寄付する

身の回りに剥製に興味がある人、コレクションしている人がいれば、不要になった剥製を譲るという方法があります。また、剥製を売ったり捨てたりするのではなく何かに役立ててほしい、という場合は剥製を展示する博物館や、学校や、生物の研究をおこなう研究所などの施設に寄付することも可能です。

※条約や保存法に指定された剥製・登録票のないものは無償で譲る場合でも違法となりますのでご注意ください。

無償でのやりとりだからといって状態の悪い剥製をお譲りすると、のちのちトラブルになることも考えられます。譲る前にはホコリを取る、ガラスケースを拭いておくなどのメンテナンスをおこない、お互い気持ちよくやり取りができるようにしておきましょう。

また、博物館や教育機関では剥製の寄付を受け付けていない場合も多いので、事前確認しておくことも大切です。


剥製のほかにも寄付したいものがあるなら「ユースマイル」をご利用ください

剥製のほかにも寄付したいものがある、寄付に興味があるが、どうしたらいいかわからないという場合は、弊社「出張回収センター」でおこなっている取り組み「ユースマイル」をご利用ください。

ユースマイルは使わなくなったものを発展途上国の子どもたちに寄付する取り組みで、寄付された不用品は、

  • そのまま使用できるものは発展途上国で寄付され、再利用される
  • 輸出ができない不用品は国内で中古品として販売、その売上で購入したワクチンを寄付する

という形で役立ちます。

基本的に再利用・再販売を目的とした取り組みとなるため、残念ながら剥製の寄付はしていただけませんが、剥製以外にも寄付したい不用品があるという方、寄付活動に興味のある方はぜひ一度、ホームページをご覧になってみてください。

「ユースマイル」活動について詳しくはこちらから

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自治体でごみに出す

剥製は多くの自治体で可燃ごみ、また大きいサイズのものだと粗大ごみとして処分ができるようになっています。しかし地域によっては不燃ごみに分別されることもあり、また自治体によって規定サイズが異なる場合もあるなどルールはさまざまです。

お住まいの自治体のホームページ等を確認いただき、指示に従って処分をするようにしましょう。

自治体剥製の分別区分
東京都江東区30cm以上のものは粗大ごみ
30cm未満のものは燃やすごみ
埼玉県朝霞市可燃ごみ
50cm以上のものは粗大ごみ
神奈川県横浜市粗大ごみ
50cm未満のものは燃やすごみ
神奈川県中郡大磯町可燃ごみ
裁断できない場合は不燃ごみ

粗大ごみは事前予約制の場合があります。その場合は受付センターに事前予約と、回収日より前に指定の店舗で手数料納付券(シール)を購入するなど、事前準備が必要です。予約を取らずに捨てたとしても回収してもらえませんので注意しましょう。

また、回収場所に剥製をそのままの状態でごみに出してしまうとトラブルになる可能性があります。新聞紙に包む、ごみ袋の口をしっかり閉じてごみに出すなどの配慮をしておくことも大切です。


供養する

剥製は自治体でごみに出せますが、ごみとして捨てるのに罪悪感があるといった方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな場合は、お寺や神社に剥製の供養を依頼し、お焚き上げをしてもらうという方法があります。

供養のやり方や費用はお寺・神社ごとに異なり、そもそも剥製の供養を受け付けていないという場合もありますので、いきなり持ち込むのではなく事前に問い合わせをしておきましょう。

お近くのお寺や神社で剥製の供養を受け付けていない場合は、インターネットで供養の受付先を探すこともできます。遠方のお寺や神社で供養をしてもらうには剥製を郵送する必要がありますが、その場合の送料は「供養料」とは別になりますので注意してください。


不用品回収業者に依頼する

「実家にたくさん剥製があり、捨てられずに困っている」「大きな剥製を家から持ち出せずどうしたらいいかわからない」というお悩みがありませんか?

その場合は不用品回収業者に依頼するという方法があります。

法律の対象になる物に関しては不用品回収業者も取り扱いはできませんが、そのほかの剥製であれば量が多くても、大きなサイズのものでもなんでも回収可能。登録票があり希少価値の高い剥製なら買取もしてもらえるので、わざわざリサイクルショップや専門店、骨董品店に足を運ばずに売却が可能です。

また、時間の融通がきくのも大きなメリットです。業者の多くは年中無休、当日対応・夜間対応可能なため、すぐ来てほしい!夜間に作業してほしい!という希望にも対応してもらえます。

また、神社や寺院と提携している不用品回収業者を選べば剥製の供養をしてくれる場合も。ごみとして捨てるのに抵抗があるという場合も一度相談してみてはいかがでしょうか。

さまざまな希望に対応可能な不用品回収業者ですが、剥製だけを回収してもらうと、どうしてもほかの手段よりも処分費用が割高になってしまいがちというデメリットもあります。できるだけ安く不用品回収業者を利用したいなら、剥製のほかの不用品もまとめて回収してもらい、オトクな積み放題パック、定額プランを利用するのがおすすめです。

業者によってプランの内容やサービス内容は異なりますので、ぜひ一度無料の見積もりを取ってみてください!


不用品回収業者の注意点

便利な不用品回収業者ですが、業者の中には「不用品を無料で回収すると言っておきながら、作業後に高額な費用を請求する」「回収した不用品を正しい方法で処分せず、不法投棄する」といった悪質な業者も存在しているので業者選びは慎重におこなう必要があります。

トラブルに巻き込まれないよう、業者選びの際は以下のような点をチェックしてみてください!

  • 会社の住所が実在のものか確認する
  • 口コミを確認する
  • 無料見積もりできるかどうかを確認してみる
  • 電話口のスタッフの対応を判断材料にする
  • 作業実績を確認する
  • 業者のブログや作業動画を見てみる
  • 作業スタッフの顔を確認する

また、業者を選ぶなら複数の業者に見積もりを取って費用を比較してみるのがおすすめです。

業者ごとの基本プランの内容、作業の内容、費用の比較ができれば悪徳業者の不審な点にすぐ気が付くことができ、さらに同じサービスでより費用が安い業者を見つけることができます。できれば3社以上に見積もりを依頼してみると確実です。

複数の業者に連絡を取るのが面倒、といって適当な業者に依頼をすると、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。
上記したポイントを押さえていただき、安全に、オトクに剥製の処分を完了させてくださいね!

▼より詳しく業者選びについて知りたい方にはこちらのコラムがおすすめです!▼


まとめ

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一般ではあまり見かけなくなった剥製ですが、実家や親族の家のお片付けや遺品整理で出てくるケースは意外と多いものです。普段取り扱うことのないものですから処分に戸惑いますが、適当に売ったり譲ったりすると法律違反となり、最悪の場合には逮捕されてしまう可能性もありますので注意しなければなりません。

記事の中では剥製に関する条約・法律について、また、処分の方法についても詳しく取り上げていますので、処分をお考えの際にはぜひ参考にしてみてください。

剥製がたくさんあるけど処分方法がわからない、剥製のほかにも処分したいものがある、という場合は不用品回収業者の利用が便利です。

取り扱いの難しい大きなサイズの剥製も、スタッフが運び出しをおこなってくれるので手間がかからず、即日対応可能な業者であれば依頼したその日のうちに剥製やそのほかの不用品の処分が完了します。

また、剥製をそのままごみとして処分するのに抵抗がある・・・という場合には供養の手配をしてもらえることも。困ったときには一度相談してみてはいかがでしょうか。

弊社「出張回収センター」でも剥製をはじめとした不用品の回収・買取をおこなっています。

剥製の処分にお困りでしたら、ぜひ一度ご相談ください!