実家の整理や遺品整理をしていたら日本刀を見つけたけれど、どうすればいいかわからずお悩みの方もいるのではないでしょうか?
日本古来から受け継がれた職人技で造られる日本刀は、国内外問わず美術品としての価値も高くコレクターの多い品でもあります。
どうせ処分するなら少しでもお得に処分しましょう。
とはいえ、知識のないコレクター品の処分方法を探すのは難しいもの。
その上、日本刀は銃砲刀剣類所持等取締法により厳しく取り締まられているため、処分するには正しい知識が必要となります。
今回は、日本刀と模造刀の違いから日本刀におすすめの処分方法、守らなければいけない法律についてなどをお話しします。
日本刀をどう処分したらいいか見当がつかない、とお悩みの方は是非参考にしてみてください。
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その刀、本当に日本刀?
刀に詳しくないと刀を見ればぱっと見どれも日本刀に見えますし、模造刀との違いなんてよくわかりませんよね。
蔵の整理をしていたら刀が出てきたけど、日本刀ではなく模造刀だった!なんてことはよくあることだったりします。
刀が出てきたら即警察へ連絡するのでも構いませんが、自分で見分けられるなら見分けたいところ。
ここでは、日本刀と模造刀の違いをざっくりとご説明します。
日本刀とは
日本刀とは、日本特有の鍛刀方法で作られた刀剣類の総称です。
日本刀の大きな特長は、刀身に反りがあり、片側にだけ刃が付けられていること。
平安時代末期頃に出現した、このような形の刀のことを「日本刀」と呼んでいます。
日本刀は基本、刀身の寸法で「太刀」(たち)、「打刀」(うちがたな)、「脇差」(わきざし:同音で「脇指」とも表記します)、「短刀」(たんとう)の4つに分類されています。
さらには「薙刀」(なぎなた)や「槍」(やり)「長巻」(ながまき)なども日本刀として扱われています。
日本刀を所持するには必ず銃砲刀剣類登録証が必要となり、ないものは警察で処分されます。
模造刀とは
模造刀とは「真剣で使われる鉄と鋼以外の金属を用いて日本刀を再現した道具」のこと。
模造刀に使われる素材は亜鉛、アルミニウム、銅など非鉄合金が主流ですが、プラスチック製や木製の模造刀もあります。
日本刀との大きな違いは「所持するのに銃砲刀剣類登録証が必要ない」ことです。
刀に興味があって所持したいけれど、銃砲刀剣類登録証を申請するのは面倒という場合には模造刀がうってつけです。
プラスチック製の模造刀や木製の模造刀でしたら一目で日本刀との違いも分かりますが、武道の稽古や演武に使われる「模擬刀」または「居合刀」と呼ばれる模造刀や高級模造刀となると、素人では日本刀との見分けがつきにくくなります。
特に高級模造刀は一見すると日本刀と見紛うほど精密な作りとなっていて、美術品として扱われる場合もあるほどです。
日本刀を見つけたら銃砲刀剣類登録証の確認を!
日本刀のような刀剣類(刃渡り15cm以上の刀、槍、および薙刀、刃渡り5.5cm以上の剣、あいくち、飛び出しナイフ)を所持するには、銃砲刀剣類登録証が必要です。
銃砲刀剣類登録証とは一般人でも美術品として所持を許可する証明書のようなもので、各都道府県の教育委員会が発行しています。
刀1本1本に銃砲刀剣類登録証が発行されていますので、複数見つかった場合は刀と同じ数だけ銃砲刀剣類登録証があるか確認してください。
銃砲刀剣類登録証には、刀剣の種別・長さ・反り・目くぎ穴・銘文(裏表)・その他備考が記されていますのでどの刀の物か判断できます。
所持するだけでなく、売買・譲渡・相続するにも必ず必要となりますので、まずは銃砲刀剣類登録証があるかどうか確認してください。
模造刀だった場合
発見された刀が模造刀だった場合、銃砲刀剣類登録証は必要ありません。
模造刀には日本刀のように刃が付けられていないので、一般的に高い殺傷力はないとされる模造刀ではありますが、法律上では「模造刀剣類」と呼ばれ、業務などの正当な理由がない限り、所持や携帯に関して一定の決まりが設けられています。
刀剣専門店や武道具専門店などで模造刀を購入して持ち帰る場合や武道の修行者が稽古場・競技会に向かう場合、映画や舞台など演技を職業とする人が、稽古や出演のために模造刀を専用ケースに入れて携帯することは「業務かつその他の正当な理由」に該当し、法には触れません。
日本刀を処分可能にするまで必要な手順
前述した通り、日本刀には処分できるようになるまでに必要な手順がいくつかありますので、順番に説明していきますね!
銃砲刀剣類登録証があるか確認する
日本刀と一緒に銃砲刀剣類登録証が見つかったら、名義を確認します。
譲渡・相続する場合は名義変更をしてください。
所有者変更届は各教育委員会のWebサイトにPDFファイルがあるので、そこからダウンロードします。
愛知県の場合、電子申請・届出システムでも手続きが出来ます。
銃砲刀剣類登録証がない場合は警察に届け出る
銃砲刀剣類登録証がない場合は日本刀を所持し続けることはできませんので、まず警察署へ届け出ます。
所轄の警察署に発見届をして規程の手続きに従って登録すると、日本刀を所持することが可能となります。
長く所持するつもりがなくても、売買・譲渡・相続する場合には銃砲刀剣類登録証が必要となりますので、処分したい、買取店などへ持ち込みたいと考えている場合も必ず発見届は行ってください。
注意点は【発見したそのままの状態で移動させずに警察に電話をすること。】
場合によっては、発見時の証拠写真を撮ることもあります。
移動させると銃刀法違反に問われる場合もあるそうなので、日本刀と一緒に銃砲刀剣類登録証が出てこなかった場合は触らず、まずは日本刀が見つかった場所の所轄の警察署に電話してください。
例えば、田舎の実家で刀が発見され、両親に代わり自分の住んでいる東京などで登録をしよう、ということはできません。刀が発見されたところの警察署で行ってください。
この時に必要となるものは日本刀・印鑑です。
一般的には世帯主が届出をしますが、事情によっては家族の方が行ってもかまいません。
ただし、第三者の人が届け出を代行することは出来ませんのでご注意ください。
発見したいきさつを正直に説明すれば、警察署で発見届の書類を作ってくれますので、あらかじめ発見した日時や場所を確認しておくのがおすすめです。
所持・売買・譲渡・相続するつもりもなく、そのまま処分して貰いたい場合、警察に無料で引き取ってもらうことも出来ます。
警察署の生活安全課が対応部署となっていますので、相談してみてください。
登録書の手続きをする
発見届が済んだら今度は登録証の交付を依頼します。
発見届を行った警察署で登録の審査日や会場などを教えてくれたり、案内書を用意してくれたりするので聞いてみるのもいいでしょう。
都道府県によっては、審査日が3カ月に1度だったり1か月に1回、年に8回だったりまちまちなようです。
登録審査に必要なものは、発見された日本刀、所轄の警察署で申請した発見届出済証、登録料(1本 6,300円)です。
過去に登録申請され、登録証を紛失してしまったなど再交付の場合は登録料として1本3,500円かかります。
登録審査日に本人が行けない場合、委任状を用意すれば第三者に手続きを依頼することができます。
日本刀の登録に関することや登録証の発行は都道府県の教育委員会が行っており、依頼された日本刀に登録証を付けるかどうか具体的な審査は、登録審査委員が行います。
登録証が交付された刀は所持はもちろん、売買・譲渡・相続することも出来ます。
登録証が交付されなかった日本刀はどうなる?
登録証のない刀を個人が所持することは原則として法律で認められませんので、警察に処分を依頼することになります。
所持できないのは刀身の部分のみですので「家族や先祖の形見として手元に置いておきたい」という場合は、鞘(さや)や鍔(つば)などの刀身装具は持ち帰ることができます。
ほとんどの刀には銃砲刀剣類登録証が交付されますが、銃砲刀剣類登録は美術品、骨董品的な価値があると認められた銃砲刀剣類を対象にしていることから、第二次世界大戦中の軍刀や古い時代の日本刀でも状態によっては登録対象にならない場合もあり、一部については登録証が交付されないことがあります。
ただし、基準外の品であっても公安委員会の所持許可申請に通ると保持が可能となります。
所持許可申請には美術的な評価は不要ですが、登録審査よりも厳しいものとなっています。
登録も所持許可も得られなかったものに関しては、警察にて廃棄処分することになります。
日本刀は自治体の一般ごみとして捨てられる?
結論から言うと、自治体では日本刀は回収して貰えません。
金属ごみや不燃物としてごみに出さないように注意しましょう!
一方、模造刀の場合は一般ごみとして処分することが出来ます。
登録証がある日本刀の処分方法4選!
日本刀は銃砲刀剣類登録証があることで、所持・売買・譲渡・相続することが出来ますが、正しく処分しないと法律に違反してしまうことになります。
ここからは正しい日本刀の処分方法について解説していきますね。
警察署に引き取ってもらう
日本刀は、警察に引き取りに来てもらうことができます。
対応部署は生活安全課ですので、事前に電話で連絡をし、処分したい旨を伝えてください。
警察に引き取り処分して貰う場合、銃砲刀剣類登録証がある日本刀はもちろん、銃砲刀剣類登録証がないものまたは紛失したものでも受け付けて貰えます。
例えば、古い蔵の整理をしていたら刀が出てきたけれど、登録証の有無が分からない場合。
警察に問い合わせ「処分したい」と伝えればそのまま引き取って貰えます。
警察まで自分で持ち込みたい場合、銃砲刀剣類登録証があるなしでは少々異なります。
順番に説明します!
銃砲刀剣類登録証がある日本刀の場合
銃砲刀剣類登録証がある日本刀の場合は必ず銃砲刀剣類登録証の原本を携帯し、警察へ持ち込んでください。
銃砲刀剣類登録証はコピーでは効力がありませんのでご注意ください。
銃砲刀剣類登録証がない、見当たらない日本刀の場合
登録証がない場合は自分で警察へ持ち込まず、警察に自宅に来てもらい引き取って貰いましょう。
銃砲刀剣類所持等取締法では刃長が6cmを超える刃物(刀剣類)について「何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、これを携帯してはならない」と定められています。
正当な理由というのは、日本刀を購入・売却する場合、研ぎに出す場合などが該当するのですが、正当な理由により持ち運ぶ場合でも、登録証の所持を免除される訳ではありません。
自分で日本刀を警察に持ち込む場合であっても、銃砲刀剣類登録証を携帯する必要があります。
日本刀は刃物ですし、もしものことを考えても引き取り処分の方が安心です。
日本刀買取業者に買い取って貰う
日本刀は、骨董品・古美術店や日本刀の買取業者に買い取って貰うことも可能です。
ただし何度も前述している通り、銃砲刀剣類登録証がある日本刀であることが必須条件です。
骨董品や美術品として価値のある日本刀なら、高額な買取査定が期待できるかもしれません。
日本刀の買取金額の目安を表にまとめましたので参考にしてみてください。
日本刀種類 | 買取金額目安 |
---|---|
短剣 | 5千円~10万円 |
太刀 | 1万円~80万円 |
脇差 | 3万円~20万円 |
打刀 | 3千円~60万円 |
どんな日本刀でも買取対象となる訳ではありません。
高額で買い取ってもらえる日本刀の特徴は以下の通りです。
- 作者と流派が明確で名物や業物である
- 保存状態が良い
- 付属品が揃っている
在銘、無銘で大きく買取価格に違いは出ますが、無銘刀だからと言って買い取って貰えないとは限りませんので、まずは相談してみましょう。
買取店に持ち込む前に、どのくらいの買取価格になるのか知っておくと買取業者と査定価格の交渉が出来る場合もありますので、ざっくりとでもいいので調べていくのがおすすめです。
また、更に査定額を上げるためにはいくつかの店舗で相見積もりを取るのもおすすめします。
買取店の在庫状況や査定担当者によっても査定額は変化しますので「他の店舗でも査定して貰った」と話題にしてもいいでしょう。
後程「高額査定が期待できる日本刀」をご紹介しますので、そちらも参考にしてみてください。
美術館・博物館へ寄贈する
日本刀は国公立の美術館や博物館に寄贈することも出来ます。
美術館・博物館へ寄贈する場合、銃砲刀剣類登録証の有無にかかわらず、文化的・美術的価値から日本刀の寄贈を受け入れている文化施設も数多く存在しています。
審査会に落ちて銃砲刀剣類登録証を得られなかった刀や、鑑定での価値が低かった刀を、警察に持ち込み処分するのは忍びない、という方もいらっしゃるでしょう。
美術館・博物館へ寄贈すれば手元に保管しておくことはできなくとも、一般公開されればまた目にすることが出来ますし、作刀技術を次世代に継承していくためにも所蔵・保管することはとても意味があります。
日本刀を博物館や美術館に寄贈する手順は、まず各施設の公式サイト等を確認し、適切な窓口に連絡をして日本刀を寄贈したい旨を伝えます。
その後、担当者の指示に従うと、施設への寄贈が可能となります。
不用品回収業者に引き取りを依頼する
不用品回収業者の中には、買取が可能な「古物商の許可」を取得している業者もあります。
古物商の許可とは、リサイクル品の買い取りをしたり、回収した不用品を売る場合に必要な資格のこと。
古物商の許可を取得した業者に日本刀の回収を依頼すると、適正価格で買い取って貰うことが出来ます。
例えば、物置を整理した際に日本刀が出てきたというケースであれば、恐らく日本刀以外にも処分したい不用品が多く出てくる場合が多いでしょう。
そんな時に日本刀の買取業者に依頼すると、処分できるのは日本刀のみです。
古物商の許可を持つ不用品回収業者であれば、日本刀の他にも家具・家電、その他の粗大ごみにあたるごみなども一気にまとめて回収依頼できるので大変便利です。
大量の不用品を処分する時に大変なのは、持ち運びはもちろんですが、ごみの分別も非常に面倒です。
自治体の回収するごみに出すには分別が必須となりますが、不用品回収業者へ依頼すれば分別することなくそのまま回収をお任せ出来ます。
回収した後は、スタッフが正しく分別を行い適切に処分しますので、安心です。
このように便利に利用できる不用品回収業者ですが、どの不用品回収業者でも行えるわけではありません。
便利に依頼できる不用品回収業者の選び方は次の項目「不用品回収業者を選ぶポイント」を参考にしてください。
▼古物商許可について詳しくはこちら▼
不用品買取業者には必須!「古物商許可」とはどんなもの?
不用品回収業者を選ぶポイント
日本刀の買取が出来てその他のごみも回収できる不用品回収業者を選ぶには、一般廃棄物処理業の許可・古物商の許可があるかを確認してください。
買取を行うには古物商の許可があるかの確認が必要だとお話ししましたが、一般家庭で出たごみや不用品を回収するのにも資格が必要です。
回収するごみによって資格は異なりますが、以下の資格を持つ業者であるか確かめてください。
一般廃棄物収集運搬業許可 | 一般家庭から家具や家電、ごみなどを回収する場合に必要 |
産業廃棄物収集運搬業許可 | 法人からごみを回収する場合に必要 |
古物商の許可 | 回収した不用品を売ったり、リサイクル品の買い取りをする場合に必要 |
資格はホームページの「会社概要」ページ内に「許認可」や「取得許可番号」という項目で書かれていたり、直接電話で問い合わせることも可能です。
こちらの資格は都道府県ごとに許可が必要なので、複数所持している業者も多いようです。
もし許可がない業者であれば、ごみや不用品回収行為は違法となりますので依頼すべきではありません。
模造刀の処分方法4選!
演劇などで使う模造刀の処分方法についても解説していきます。
模造刀はあくまでもレプリカであるため銃砲刀剣類登録証は必要ありませんし、日本刀と異なり、一般的な不用品とほぼ同じ方法で処分が可能です。
自治体の粗大ごみや燃えないごみに出す
模造刀であれば、自治体の粗大ごみや燃えないごみに出すことも可能です。
多くの自治体では「一辺が30cm以上」「一辺が50cm以上」のものを粗大ごみとして分類しています。
自治体によってごみの分別ルールが異なりますので、お住まいの自治体の粗大ごみルールを確認してください。
それでは、燃えないごみとして出す場合と粗大ごみとして出す場合の手順をご紹介します。
燃えないごみに出す場合
模造刀といっても、精巧に作られた模造刀であれば先も鋭利に作られていますので、収集員が安全に処分できるように処理しておく必要があります。
可能であれば短く折りまとめるのもいいですが、難しければ刃先に段ボールなどを巻いて保護し、ごみ袋の表面には「危険」と明記し、ごみ収集での危険がないよう配慮しましょう。
粗大ごみに出す場合
自治体の粗大ごみの基準に当てはまる模造刀は、以下の手順で粗大ごみとして出します。
1.電話やインターネットで粗大ごみ収集の申し込みをする
2.必要な手数料分の粗大ごみ処理券を購入する
3.模造刀に粗大ごみ処理券を貼る
4.指定の日の朝に指定された場所に出しておく
自治体によっては、立ち会いが必要で事前に粗大ごみシールを購入するのではなく処分手数料を現金で支払う場合もあります。
また模造刀が自治体のホームページに記載されておらず、処分できるとわからないことも多いです。
その場合、市役所などの担当部署に電話で「模造刀が粗大ゴミとして出せる対象か、処分手数料がいくらなのか」など詳細を確認しましょう。
刀買取専門店に買い取ってもらう
日本刀を買取している買取専門の業者であれば、模造刀も買い取ってくれます。
同じ模造刀でも素材の種類によって価格に大きく差が出ます。
模造刀の素材別での大まかな販売価格の違いは、以下で一覧表にしましたので参考にしてください。
素材の種類 | 大まかな販売価格 |
---|---|
プラスチック製の模造刀 | 4,000~8,000円 |
天然木・非鉄合金を素材とした模造刀 | 12,000~22,000円 |
武道の稽古や演武に使われる模造刀 | 22,000~30,000円 |
高級模造刀 | 100,000円~ |
お土産売り場で扱われる玩具のようなプラスチック製の模造刀は1,000円前後ですが、舞台での殺陣(たて)やコスプレなどで使用する日本刀に作りを似せている製品は上記の値段となっています。
高額な査定額が期待できるのは4つの中でも模擬刀と高級模造刀です。
素人では一見すると日本刀と見分けがつきにくい模造刀で、高級模造刀となると日本刀制作の技術が蓄積する土地で、技術レベルの高い職人が再現した製品であるとコレクターの評価も高く、高値が付きます。
フリマアプリやネットオークションで売却する
模造刀であればフリマアプリやネットオークションで売ることも出来ます。
気軽に模造刀を手に入れたいという方や演劇やコスプレなどで一定の需要もあります。
近頃は利用者が多く、設定価格が高額すぎなければ購入されやすい流れですので、フリマアプリやネットオークションに出品してみましょう。
フリマアプリやネットオークションを利用する手順は以下をご参考ください。
1.アカウント登録をする
2.出品したい品を撮影する
3.瑕疵情報(傷や汚れの箇所)を文章で入力
4.販売価格を決める
5.購入されたら購入者へ連絡をする
6.梱包し指定した発送方法で発送する
7.購入者へ到着したら評価をする
さまざまなフリマアプリやネットオークションがありますが、大まかにいうとどれも上記のような手順となっています。
また、フリマアプリやネットオークションを利用するには、手数料がかかります。
現在多く利用されているフリマアプリやネットオークションの利用手数料を一覧表にしましたので、ご参考ください。
アプリ名 | 手数料 |
---|---|
メルカリ | 販売価格の10% |
楽天ラクマ | 商品価格の6.0%(税抜) |
PayPayフリマ | 販売価格の5% |
ヤフオク! | Yahoo!プレミアム会員 8.8%(税込) Yahoo!プレミアム会員登録なし 10%(税込) |
モバオク | 月額利用料330円 または 360円/月(税込)が必要 販売手数料、売上金の振込(入金)手数料は不要 |
販売価格が高額になるほど、支払う手数料が高くなるアプリもあれば、一定額の手数料ですむアプリもあります。
手数料で選ぶのも一案ではありますが、多くの人の目に触れるほど希望者に巡り合いやすくなるので、利用者が多いアプリを選ぶのがおすすめです。
不用品回収業者に回収してもらう
日本刀と同じく模造刀についても不用品回収業者に回収して貰えます。
日本刀ほど高価買取はかないませんが、せっかくですから模造刀も買取が可能な「古物商の許可」を取得している業者に依頼して買取して貰うのがお得です。
模造刀のみの処分であれば他の方法を利用するのもいいでしょう。
しかし、模造刀以外にも処分したい不用品があるなら、不用品回収業者はとても便利です。
多くの不用品回収業者の料金形態は「不用品1点につきいくら」ではなく「トラック1台に入るだけなら何個でも同じ料金」であることが多いので、トラックに乗る分だけなら量が多い方がお得。
ですから「物置の中を一掃したい」「蔵の片付けで出た不用品を全て回収して貰いたい」といった依頼とはとても相性がいいのです。
模造刀を見つけたきっかけが物置の整理や実家の片付けなどでしたら、買取も可能な不用品回収業者への依頼を是非お考え下さい。
不用品回収業者のデメリット
便利に思える不用品回収業者にもデメリットがあります。
メリットとデメリットをしっかり把握した上でご検討ください。
費用が掛かる
不用品回収業者へ依頼する際の大きなデメリットは費用が掛かること。
自治体でのごみに出す場合もフリマアプリやネットオークションに出す場合もそれぞれ手数料がかかりますが、不用品回収業者へ依頼する金額と比べると大きな差があります。
自治体でのごみに出す場合やフリマアプリやネットオークションに出す場合、自分で行わなくてはならない分、手数料が安く済むというのが不用品回収業者以外を利用して処分するメリットともいえます。
不用品回収業者は、不用品回収業者に依頼する以外の方法を利用して処分する際にかかる手間が全てかからずお任せ出来る分、費用はかかる、と考えて間違いありません。
とはいうものの、いくつかの不用品を回収依頼するとなると安価で処分できる場合もあります。
また、前述した通り買取可能な不用品回収業者へ依頼した場合、模造品の買取価格次第では結果 不用品回収業者に依頼する以外の方法での処分より安く済む、または現金を手にすることになる場合もあります。
少量であれば専門の買取店を利用したり、フリマアプリなどを利用するのが手軽でしょう。
しかし、コレクションしていて大量の模造刀を処分したいなら重量もあるので、模造刀ほか不用品処分に時間がとれない、片付けが進まない、一気に片付けてしまいたい方は不用品回収業者への依頼も視野に入れていいでしょう。
悪質な業者が紛れていることもある
殆どの不用品回収業者は信用できる良質な業者ですが、中には、無料回収と謳いながらいざ依頼してみると実際は高額を請求する悪質な業者がいることも否定できません。
本当に無料で回収したものの、山中などに不法投棄し適切に処分しない場合も。
このケースでは、後に依頼者側が不用品の所持者ということで罪に問われてしまうということもあるようです。
また「不用品回収と共に高価買取をしているから不要になった貴金属はありませんか」といい、相場よりも大幅に安価で強引に買取を行う悪徳な業者も存在します。
日本刀や模造刀、着物などは、急に自宅へ訪問し安価で強引な買取を行う「押し買い」のターゲットにされやすい品です。
このような悪質な不用品回収業者を選ばないためにも、不用品回収業者を選ぶときは必ず「一般廃棄物処理業の許可・古物商の許可があるかを確認する」こと、また依頼する前の費用相談時に出す「見積もりが分かりやすい」かどうかもチェックしておきましょう。
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「無料回収」は危険!悪徳不用品回収業者の特徴や依頼時のチェックポイントとは
日本刀の価値を決めるポイント
せっかく買取に出すなら少しでも高く買い取って貰いたいものです。
こちらでは高値で買取が期待できる日本刀について、銘や状態をいくつかご紹介します。
日本刀の買取相場をざっくりと把握したい方は、ぜひ目を通してください。
日本刀のランク
日本刀にもいい刀と評価されるランクがあり、そのランクは「切れ味」と「出来の良さ」が基準となっています。
切れ味については、懐宝剣尺(かいほうけんじゃく)という江戸時代の書物の中で「最上大業物」「大業物」「良業物」「業物」と4つのランクを設けて日本刀を格付けしています。
ランク外のものは「なまくら」と言われ切れ味が悪い品を指します。
出来の良さについては「刀工辞典」の中で作位として「最上作」「上々作」「上作」「中上作」「中作」の五段階にランク付けされています。
それぞれのランクが上であるほど、日本刀の買取価格は高くなります。
制作年代
どの時代に制作されたかも日本刀の買取価格を左右させる要素の一つです。
一般的に古ければ古いほど評価されて高値が付きますが、古すぎて保存状態が著しく悪いものは買取価格を下げられてしまうことも。
刀は制作年代ごとに呼び名が変わり、新しい順から「現代刀」「新々刀」「新刀」「古刀」となります。
刀剣史の区分 | 時代(年代) |
---|---|
古刀 | 平安~安土桃山(平安時代末期~1595年) |
新刀 | 江戸前期~中期(1596~1780年) |
新々刀 | 江戸末期~明治(1781~1876年廃刀令まで) |
現代刀 | 大正~現在(1876年~現在) |
古刀より前の時代のものは上古刀と呼び、日本刀ではなく刀剣と呼び区別しています。
作者や流派
日本刀の価値はそれ自体の出来に加え、誰が制作したかによっても左右されます。
中でも村正や正宗などの人気の名工が手掛けた日本刀や刀剣は高値で取引されています。
とはいえ、無名の刀鍛冶が手掛けた刀でも、刀そのものの作りが良ければ買取の対象になりますし、物によっては高価買取が期待できます。
買取相場が高い日本刀・刀剣
以下は買取相場が高い日本刀や刀剣です。
売りたいと思っている手元の刀が当てはまっていたら、高価買取が期待できるかもしれません…!
三笠砲鋼製短剣
日露戦争で連合艦隊の旗艦として活躍した戦艦「三笠」の砲身を使って鍛刀された短刀で、通称「三笠刀」として親しまれています。
当時の名工であった堀井秀明とその一門が制作にあたり、砲身の残鉄を加えた記念刀として人気で今でも10万前後で取引されています。
御宝刀(藤原貞弘作)
日本刀と耳にすると戦で使う武器としてのイメージですが、「御宝刀」は現代の刀匠が家の御守として打った刀剣のことで、茎(なかご)に刻まれている在銘に「昭和〇年~」と制作した年号から「昭和刀」とも呼ばれます。
藤原家は岐阜県関市の刀匠として現在でも注目されており、愛好家にも高く評価されています。
需要の高い作品は買取査定も高くなる傾向にありますので、大小セットで50万円前後で買い取ってくれるケースもあります。
九州肥後同田貫藤原正国
同田貫(どうだぬき)は九州肥後国菊池の同田貫(地名)を本拠地とし、活躍した肥後刀工の一群。
「折れず曲がらず」とうたわれた、ガッシリとした頑丈な剛刀で装飾はなく、武器としての実戦を重視した造りが特徴です。
そのため美術品としての価値がそこまで高くなく、大体10万円前後の買取となっています。
豊州小倉住大和守藤原宣貞
細川三斎の創作拵である肥後拵の中でも有名な、歌仙拵(刀身之定)、信長拵(刀身信長)、希首坐拵の三振りのうちの一つ、希首坐拵の刀身の作者が宣貞です。
豊州小倉住大和守藤原宣貞は、大和守宣貞が制作した十文字槍のことで、美術品としての価値はもちろん、制作当時の実用性の高さが垣間見えるのも人気の理由です。
買取価格は50万円近くになることもあり、日本刀の中では特に高値でやり取りされる刀のひとつです。
鑑定書の階級
日本刀も他の美術品と同様に鑑定書が発行されていますが、その鑑定書に記載されている階級(ランク)によって買取価格が変化します。
ランクは高い順から「特別重要刀剣」「重要刀剣」「特別保存刀剣」「保存刀剣」の4つで、特に特別重要刀剣として認められるような日本刀は非常に高値で買取してもらえる可能性があります。
日本刀の鑑定を行う機関もいくつかありますが「公益財団法人 日本美術刀剣保存協会」の鑑定書が最も信頼されています。
無名と在銘で価値は変わる?
日本刀には製作者の名前や製作地が刻まれているものがありますが、これを在銘と言い、特にそれらの表記がない場合は無銘とされます。
在銘の日本刀の場合、その日本刀がどのようなものか鑑定しやすいことから査定が高くなる傾向にあり、一方無銘の刀は鑑定しにくいので買取価格は低くなる傾向ではあります。
ただ、無銘の刀は品質が悪いというわけではなく、無銘の刀であってもしっかりとした作りの刀はたくさんありますので、そのような刀はある程度高値で買取してもらえます。
本体の状態
高価買取を期待できる日本刀でも、本体の状態が査定額に影響するため、ダメージの大きい刀剣は査定額が下がる傾向にあります。
日本刀・刀剣に見られる疵を簡単に紹介します。
錆び
錆びは一度発生すると、どんどん広がってしまうため早急な対処が必要となります。
素人が落とそうとすると本来の価値を下げるので、日本刀の錆びを落とすには日本刀専門の研師に錆び落としを依頼してください。
修繕費用は5万~7万円ほどかかります。
刃こぼれ
刃こぼれとは、刃の一部に欠けがある状態のこと。
長期間に渡り放置していたり、手入れをしていないと発生しやすくなります。
烏口・刃切れ
烏口は刃の切先にある亀裂を指し、刃切れは刃の横側に入った亀裂のこと。
この状態で使用すると斬ったときの衝撃で亀裂から折れてしまう恐れがあるので、実用面では致命的欠点です。
鑑賞目的であれば問題はありませんが、査定額は大幅に下がる恐れがあります。
割れ(鍛え疵)
刀身にある割れ目の疵のことを割れ、鍛え疵と言います。
割れの中でも「鍛え割れ」「刃割れ」「棟割れ」などといくつかのタイプに分かれます。
鍛え割れは、折り返し鍛錬の時の縦の折り返し目が研ぎにより表に出てしまうことで、欠点とは言い難いですがあるものよりないものの方が良いとされます。
刃割れは、割れが刃中に出来たもので、修復も難しく欠点になります。
棟割れとは、棟の部分に出る鍛え割れのことで「最も鍛え割れの出やすい部分で、相当酷い割れ」でなければマイナスにはなりません。
撓え(しなえ)
しわのようになった筋で、鍛錬の最中に異物が入り込んでできる疵のこと。
使用すると斬る時の衝撃で曲がったり折れたりする恐れもあり、見た目もよくありません。
実用面でも鑑賞面でも、価値が下がります。
ふくれ破れ
ふくれ破れは、折り返し鍛錬でうまく接着できなかった部分に空気が入って、水ぶくれのように小さな穴があいた部分のこと。
美観的には劣るものの小さな物であれば、実用面では問題なく埋金などでの修復が可能です。
まとめ
日本刀の処分までの手順や、日本刀・模造刀の処分方法などをご紹介しました。
蔵や遺品整理で日本刀を見つけたら、まずは刀と一緒に銃砲刀剣類登録証がないかチェックするのをお忘れなく。
日本古来の独自の技術で生み出された日本刀は、日本が誇る伝統品であり文化です。
日常生活ではなかなか目にすることがない日本刀ですが、近年さまざまな映画やアニメで取り扱われることが増え、若い世代にも支持されています。
そんな日本刀を次の世代へ残すためにも、可能な限りただ処分してしまうのではなく知識のある方へ引き継いでいくことが大切です。
どんなに価値のあるものでも、処分する側に知識がなければ正しい処分も行えませんので、日本刀のように専門的な知識を必要とする品を売却する場合は、安心できる業者を選ぶようにしましょう。
日本刀の処分に困っている、自分達では処分しきれないごみに困っている、持ち出せないごみがある、そんな方は出張回収センターへご相談ください。
正しく処理・分別して、リサイクル可能なものはリサイクル、買取が可能なものは買取いたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。