寒い冬は温かいお布団が心地よく、ついつい二度寝してしまってなかなか起きられない…という方も多いのではないでしょうか。
何気なく毎日使っているお布団ですが、中には「なんだか最近寝返りをうつ回数が増えて、あまり熟睡できていないような…」「肩まで布団をかけているはずなのに寒い…」「ペットが布団に粗相をしてしまって匂いがとれない…」という方も。
これ、もしかしたら布団が原因かもしれません。長年使っていると布団も劣化し、人知れず買い替えのサインを出しているのです。一日の三分の一は睡眠時間なのですから、心地よい寝具に包まれて眠ることはわたしたちの健康を維持するのにとても大事な要素です。
今回は布団を買い換えるべきタイミングと、不要になった布団の処分方法についてお話したいと思います。
長年使っていた布団を思い切って手放し、きれいなお布団で今夜もぐっすり眠りましょう!
布団の種類とそれぞれの寿命
布団、と一口に言っても中に使われている素材によって種類があります。寝心地の好みでお選びいただいていることと思いますが、素材によって傷むペースも違うため寿命も変わってきます。
羽毛布団
最高級の布団と言われるのが羽毛布団です。詰めものに水鳥(ダック・グース)の羽毛を使用した布団で、軽いうえに体にフィットし熱を逃さず暖かいのが特徴です。
羽毛にはダウンとフェザーという異なる形状の羽毛・羽が使われていて、羽毛布団と呼べるのはダウンが50%以上入ったものを指し、フェザーが50%以上入ったものは「羽根布団」という名前になり、暖かさは空気を多く含むことができるダウンを使用した羽毛布団のほうが格段に上です。
布団の中でも羽毛布団の寿命は10~15年ほどと、比較的長持ちします。使っているとだんだん中の羽毛がつぶれてカサが減ってくるので、かけていても暖かくなくなってきます。5年を目安に羽毛の補充や専門店でのクリーニングを行うとさらに長持ちさせられます。
綿布団
1200年以上もの間、わたしたち日本人に親しまれてきたのが昔ながらの綿の布団です。
日本は湿気が多く布団も湿気を吸い込みじっとりとしてしまいますが、天日で干すと新品のようにフカフカ、ポカポカとして心地よく眠ることができます。
綿布団は、長く使用していると綿が偏ってきたりよじれたりして綿が固くなります。解きほぐして打ち直しを行えばまたふんわりと復活させられます。それでも敷布団なら3年、かけ布団であれば5年ほどで戻らなくなってくるので、そうなってきたら買い替えを検討すると良いでしょう。
ポリエステル布団
軽くて暖かく、現在使われているかけ布団の実に70%ほどを占めているのが合繊(ポリエステル)の布団です。軽くて扱いやすいうえに保温性も高く、ホコリや羽毛布団のような独特の匂いなどもなく、清潔で衛生的なのが特徴です。
長い期間ポリエステル布団を使用していると、かさ高性やクッション性が損なわれてきます。
かさ高性がなくなると保温性が低下し、敷布団のクッション性が低下すると、寝心地が悪くなります。
また、ポリエステル布団は防ダニ、抗菌防臭加工など他の布団にはできない様々な加工をすることができるので、比較的清潔に使うことができますが、やはり長く使うと汗などの不純物が詰めものに付着し衛生面も損なわれてきてしまいます。
そのためポリエステル布団の買い替えは、掛け布団で約5年くらい、敷き布団では5年くらいが目安となっています。
羊毛布団
ヨーロッパで長年使用されているのが羊毛(ウール)の布団です。繊維の表面が独特のちぢれを持っていて、この形状が優れた保温性、吸湿・発散性、弾力性を作り出しています。
羊毛というとセーターなどを連想し暑いのかなと思いがちですが、羊毛は身体が発散する水分を吸収し空気中に放湿させるので、夏の間でも湿っぽい感じがありません。
使用しているとへたってきますが、機能面ではそこまで変わることはないようです。それでも使用から3年ほど経ったら一度メンテナンスを行い、5年ほどして寝心地に変化が出てきたら寿命と考えてもいいかもしれません。
布団を処分するタイミング
まだ布団が寿命と呼ばれる期間を過ぎてなかったとしても、
- 新しいものに買い替えたとき
- 布が破れたり破損してしまったとき
- しまい込んでいてカビが発生したり匂いがあるとき
などは、処分を検討するタイミングと言えるでしょう。布団は大きく、かさばるためクローゼットや押入れにしまっておくと場所を大きく取ってしまいますし、しまっている間に湿気を吸ってダニやカビの温床となってしまっていることも。
来客用の布団などは今はレンタルで清潔なものを借りたりできますし、使っていない、すぐ使う予定のない布団はこれを機に処分することをおすすめします。
布団の処分方法
さて、ここからは実際にいらない布団を処分する方法を解説していきます。布団を捨てる方法はひとつではなく、労力や費用によっていくつかの手段を取ることができますので、布団の状態やご自身のかけられる手間を考えて、ベストな方法を選んでくださいね。
自治体の粗大ごみで処分する
布団はたたんでもかなり大きいので、まず思いつくのが粗大ごみとして捨てる方法でしょう。
事前に回収の予約をし、処分金額に応じた手数料納付券を買っておく必要がありますが、名古屋市では布団一つにつき250円という安さで処分ができます。
ネックとしては、回収場所まで自分で布団を運び出さなくてはいけないところでしょうか。かけ布団1枚程度なら抱えて運ぶことができますが、何組も一気に処分するとなると、何往復もしなくてはいけないためエレベーターのない物件にお住まいの方などは少し大変かもしれません。
また回収日は自治体によって異なりますが月に1回ほどしかないところがほとんどですので、予約のタイミングによっては1ヶ月近く待たなくてはいけないなど、すぐに処分できないのもデメリットと言えるかもしれません。
処分センターへ自分で持ち込む
布団が積み込めるだけの車が用意できるという方には、自治体のごみ処分センターへ自分で持ち込むという方法もあります。事前に予約が必要なところも多いですが、回収日を待つよりは早く布団を手放すことができますよ。
費用も重さで決まるので、粗大ごみで布団を処分するときと同じくらいかもしかしたらさらにお得に処分できるかもしれません。ただセンターが遠方でガソリン代がかかってしまう場合や、このためにわざわざレンタカーを借りたりしてしまうと本末転倒になってしまうので注意しましょう。
可燃ごみで布団を処分する
布団は綿や羽毛など、基本的に燃える素材でできているので自治体指定のごみ袋に入るサイズまで細かく裁断できれば、一般の可燃ごみとして処分することができます。労力はかなりかかりますが、費用は0円になりますので少しでも処分費用を節約したいという方は試してみてもいいかもしれません。
しかし分厚い布団を切り刻むというのはそれなりに大変ですので覚悟して臨みましょう。羽毛や綿クズがかなり飛び散ることと思いますので、お部屋が散らかってもいい方向けの方法です。
買い替え時に布団を引き取ってもらう方法
ニトリや無印良品などの一部の家具ショップでは、新しい家具を購入した際に古いものを有料で引き取ってくれるというサービスを行っています。同種のものを同量だけ、など条件がそれぞれ定められていますので布団をこれから買い換える予定だという方はお店に聞いてみると良いでしょう。
また「西川」や「須崎ふとん店」、「眠り姫」などの寝具専門店やジャパネットたかたなどでも寝具の買い替え時の引取や下取りを行っています。3万円以上の商品を購入するなどの条件によっては無償で引き取ってくれることもあるので、上記のお店で布団を購入しようと考えている場合は要チェックです。
不用品回収業者に依頼する
布団が何組もある、すぐにでも処分したい、もしくは他にも処分したい不用品が大量にある、そんなときは不用品回収業者にお願いするのが楽ちんです。
電話やメールでのやり取りで、早ければ即日にも対応してくれますし、土日や夜間など都合のいいときに来てくれるため忙しい方でも安心です。しかも部屋の中まで来てくれて面倒な運び出しもしてくれるため、こちらの手間はほとんどありません。
その分費用は数千円と自治体の戸別回収に出すときよりも割高にはなってしまいますが、費用はかかってもいいから手間をできるだけ省きたい!という方には良いと思います。
ただ業者の中には最初に言っていた金額と違う高額な料金を後で請求してきたり、回収した布団を私有地に不法投棄するような悪徳業者もいますので注意してください。
ホームページをよく見て、実績が多く載っていたり、質問に明確に答えてくれるなど誠実なところを選んで依頼するようにしましょう。
リサイクルショップで買い取ってもらう
寝具は肌に直接触れるものですから、人の使っていたものを買おうという人は少なく、なかなか中古市場では値段がつきにくいのが現状です。それでも、
- 新品・未使用
- 使用感がない美品
- 西川産業などの有名ブランドの布団
- アイダーダックダウン・マザーグースダウンなどの高級羽毛布団
などであれば買い取ってもらえることもあるので、一度査定に出してみましょう。出張買取に対応しているショップであれば、自分で運んで持ち込む手間もないので手軽です。
ヤフオクやメルカリなどで売る
こちらも同様によっぽどの美品でないとなかなか難しいところではありますが、中には多少使用感があってもいいから安く布団が買いたいという人もいますので、もしかしたらほしいという人が現れるかもしれません。
ただ出品してからすぐに落札されることは少なく、それまでは手元に布団を置いておかなくてはいけないためすぐに処分したい方には不向きです。
また、落札された場合自分で梱包や発送をする必要があり、大きな布団は送料もそれなりにかかりますので、価格の設定時に送料を考慮しておかないと買い手がついたのに赤字、という事態にもなりかねないため注意が必要です。
必要としているところへ寄付する
まだ使えるきれいな布団や、クリーニングに出して使っていない布団であれば必要としている国や地域へ寄付するという方法で処分するというのはいかがでしょうか。
発展途上国や災害にあった国・地域では布団や毛布などの物資が足りず、今捨てようとしていた布団が誰かの役に立つかもしれません。また保護犬・保護猫活動をしている団体でも布団や毛布は喜ばれます。
近所にそうした団体や、支援活動を行っている企業などがあれば聞いてみると良いでしょう。基本的には送料はこちらで負担することになります。
まとめ
布団の処分方法と言っても様々な手段があることがおわかりいただけたかと思います。かけられる手間と費用のバランスをとって、ご自身に合った方法で無理せず、気持ちよく手放していただければ幸いです。