遠隔で自由自在に操作できるドローンは「無人飛行機」とも呼ばれ、探索や撮影の現場でもよく使用されています。
しかし近年、取り扱いについて規制が増えたこともありなかなか使用する機会がないという人もいるのではないでしょうか。
使わずに眠ったままになっているドローン、処分方法がわからないドローンは、この機会に正しい方法で処分しませんか?
実はドローンの処分方法は複雑で、一般的なゴミのように「袋に入れて他のゴミと一緒に出す」という方法は叶わない可能性が高いのです。
この記事では、複雑なドローンの処分方法について、しっかり解説していきます。
お手持ちのドローンに関して「どうすればいいかわからない」と悩んでいるとき、取り扱い方法に悩んでいるときにはぜひ参考にしてくださいね。
ドローンはどんな風に捨てればいい?
まずは、ドローンを捨てるにあたっての基本情報から解説していきましょう。
ドローンは一般ゴミとして捨てられない!
通常、いらなくなったものは「燃える」「燃えない」などの分別をした上で、ゴミ袋に入れて自治体が指定している回収場所に持ち込むという方法で処分できますよね。
しかしドローンの場合には、産業廃棄物扱いとなるため一般ゴミとは分けて処分する必要があります。
産業廃棄物とは、企業や店舗といった事業所にて発生したゴミのことです。
例えば燃え殻や鉄くずのようなものが、産業廃棄物として扱われています。
ドローンの場合には、事業に関係なく一般家庭で使用している人も多いですが、それでも一般ゴミにならないため「なぜ産業廃棄物になるの?」と疑問に思うのではないでしょうか。
この原因は、ドローンの本体に取り入れられているバッテリーやコントローラー、センサーといった装置にあります。
これらの電子回路が搭載してある製品は、取り扱い方法が難しいため事業とは無関係な一般家庭から出たゴミであっても産業廃棄物として扱われるのです。
産業廃棄物には「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(産業廃棄物処理法)」という法律が適用され、違反した場合には、5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金」が科されることもあります。
ドローンの処分方法
それでは、ドローンを処分しようと考えたとき具体的にどのような方法を選べば良いのでしょうか?
ここからは、ドローンの処分方法について詳しい手順とともに解説していきます。
自治体の許可を受けている処分業者へ依頼する
一般の家庭ゴミのように処分できないドローンは、自治体の許可を受けている産業廃棄物処理業者へ依頼することによって正しい方法で処分してもらえます。
各自治体の公式サイトに、認可を受けている産業廃棄物処理の業者がリストアップされていますので、それらを参考にしながら業者選びをすると良いでしょう。
産業廃棄物を取り扱う際には「産業廃棄物収集運搬業許可」という自治体の許可を得ている必要があります。
本来、この資格がなければ産業廃棄物の処分業者としての営業はできないのですが、中には無許可で営業している悪徳な業者も存在するのです。
悪徳な業者に依頼してしまった場合、契約時に聞いていた金額とは違う高額な費用を請求されたり、依頼後にドローンを不法投棄され、持ち主が罪に問われたりする可能性もあります。
そのほか、必要な資格を保有していない業者に依頼してしまったようなときにも「知らなかった」と言えど、持ち主や依頼主が罪に問われるため注意しましょう。
自治体の公式ホームページに掲載されている業者は、そうした悪徳業者に該当しない信頼性の高い業者と言えますので次のような手順で依頼しましょう。
- 自治体の公式サイトから依頼したい業者を決定する
- ドローンを処分したいという旨と、どのようなドローンなのかを伝える
- 見積もりを作成してもらう
- 受け渡しの日時を決定して処分する
見積もりは、できれば複数の業者で相見積もりをとることによって金額についても具体的なイメージがしやすくなり、安すぎる、高すぎる業者を見極められます。
リサイクル品回収ボックスへ持ち込む
ドローンを含む「小型充電式電池」は、自治体によって指定されたリサイクル品回収ボックスへ持ち込むことによって、回収してもらえます。
リサイクル品回収ボックスは、スーパーや家電量販店、ショッピングモールなどに設置されています。
「リサイクル回収協力店」として展開されている店舗を探し、持ち込んでみてください。
ただしこの処分方法の場合、自宅まで回収に来てもらうのは難しいので注意しましょう。
買取業者に売る
きれいなドローンや、まだまだ使えるドローンであれば捨てるのではなく「売る」という方法もあります。
買取業者には種類がさまざまあり、例えば「古本買取」「楽器買取」といった専門性に優れた買取業者も少なくありません。
そうした買取業者の中でも、家電や電化製品、電子機器に特化した業者であればドローンの買取に対応している場合があります。
買取のメリットは、ドローンを手放せるだけでなく多少なりとも収入につながる可能性があることです。
「せっかくなら利益にしたい」と考える人にとって、ぴったりの処分方法と言えますよ。
買取業者を利用する時は店舗まで自分で持ち込んで査定してもらうことになります。
自分で持ち込むのが難しいのであれば、自宅まで査定に来てもらう出張買取や、配達によって査定・買取をしてくれる宅配買取のサービスを展開する店舗を利用しましょう。
ネットオークションやフリマアプリに出品する
買取業者へ査定を依頼して売却する場合には、査定担当者が具体的な買取金額を決定するため「絶対にこの金額で売りたい」と考えていても思い通りにいかないかもしれません。
買取を希望する金額が明確に決まっているのであれば、ネットオークションやフリマアプリを利用するのもおすすめです。
これらのサービスでは、出品者が自ら価格を設定できるで、自分の理想の金額で出品できます。
ただし、あまりにも相場からかけ離れた金額を設定すると買い手が見つかりにくくなってしまうので注意してください。
出品の手順は、次の通りです。
- ドローンの写真を撮影する
- メーカーや大きさ、機能、傷や汚れの状態など詳細を記載する
- ドローンの相場価格を調べ、希望金額を設定する
- 買い手が見つかったら梱包、発送を行う
ドローンのように精密な機械は、取り扱い方によっては相手の元へ届くまでのあいだに故障してしまう可能性もあります。
また、個人同士のやりとりが必要な分、相手によってはトラブルが起きるかもしれません。
そもそも買い手が見つかるまでにも時間や労力がかかるケースもあるため、こうした手間がかかっても「希望の金額で売りたい」という人におすすめの方法です。
人に譲る
身近にドローンを欲しがっている人がいれば、譲るという方法もおすすめです。
まだ使えるドローンや、状態の良いドローンであれば「欲しい」と考えている人もいるかもしれません。
「ただで譲るのは惜しい」という場合には、相手との交渉次第では金額をつけて譲ることもできるでしょう。
身近で譲る相手が見つけられない場合には、SNSやジモティーなどの地域特化型掲示板を通じて譲る相手を探すのも良いですね。
より広い範囲の人に呼びかけられるため、希望に合った相手も見つかりやすくなります。
一方で、遠方の相手に譲る場合には配送料の負担が発生する点には注意してください。
不用品回収業者へ依頼する
不用品回収業者とは、家具や家電のほか不用品を処分してくれる業者のことです。
一般ゴミに分類されるものの中でも大きな粗大ゴミや、さらには産業廃棄物まで不用品に困っている場合は依頼すれば回収してもらえます。
不用品回収業者の魅力はなんと言っても、自宅まで回収に来てもらえることにあるでしょう。
先ほどご紹介した、自治体の許可を受けた処分業者の中には「処分したいものは業者の元まで持ち込んでもらう」ということを前提としている業者もあります。
自力での運搬が難しい場合には、こうした業者へ依頼するのを迷うこともあるでしょう。
回収に来てくれる業者であれば、車を持っていない人や、遠方に住んでいて運搬に手間がかかってしまう人でも安心して利用できます。
依頼後には、スピーディーな対応も期待できます。
「早く処分したいけれど、業者との日時の都合が合わなかった」「この日までに処分してしまいたいという決まりがある」といったケースでは、ぜひ利用すべきでしょう。
また、不用品回収業者では複数のアイテムをまとめて依頼することも可能です。
ドローンだけでなく、その他にも処分したい不用品があればあわせて依頼してみましょう。
ドローンや周辺機器に関わらず「ドローンと一緒に、冷蔵庫も処分したい」「ドローンとぬいぐるみと服を処分したい」というように、自由に組み合わせて構いません。
さらには不用品を回収するだけでなく、買取までしてくれる業者もあります。
例えば回収した不用品が次のような条件に当てはまる場合には、買取市場でも価値が期待できるでしょう。
- 販売開始より時間の経っていない、比較的新しいドローン
- 傷や汚れなどがあまりなく、きれいなドローン
- 入手困難で求めている人の多いドローン
- 人気のあるメーカーのドローン
このような条件に当てはまるドローンは、回収処分として依頼しても適宜買取に変更してくれる可能性があります。
ドローンのバッテリーを処分する方法は?
ドローンの処分で手間取りやすい理由として、ドローンに使用されているバッテリーの取り扱いが難しいという点が挙げられます。
ドローンを処分するにあたって、特に大事なポイントととなるバッテリーの処分方法を解説していきましょう。
自治体ごとのバッテリーの処分方法を確認する
バッテリーは扱い方によって発火、爆発を招く可能性があることから、ゴミ回収場所やゴミ収集車が火災事故を引き起こしてしまう場合もあります。
特に、ドローンに使用されているバッテリーの多くは火災のリスクが大きいリチウムポリマーであることから、一般ゴミとしての処分は避けた方が良いと言えるでしょう。
東京消防庁でも「リチウムイオン電池からの火災に注意!――使わなくなった小型充電式電池はリサイクルを――」といった呼びかけがされています。
自治体ごとにも、安全なバッテリーの処分方法を推奨していますので必ず確認し、指定の方法に従って処分してください。
バッテリーは放電しておく
どのような方法で処分する場合にも、ドローンのバッテリーは事前にきちんと放電しておくことが安全性の担保につながりますので、覚えておきましょう。
放電の方法はとてもシンプルで「バッテリー残量が尽きるまでドローンを放置、もしくは使用する」というものです。
「電源を入れても使えない状態」かどうかを確認できれば安心ですね。
バッテリーを安全に処分するためさらに注意したいこと
さらに安全にバッテリーを処分するためには、次のような作業も試してみてください。
- バッテリーの接続部にビニールテープを貼ってショートを防ぐ
- 濃度3%~5%ほどの食塩水に1週間程度沈めておく
こうすることで、より安全にバッテリーの処分ができるので併用して試してみましょう。
ドローンの処分に関する注意点
ドローンのように特殊な製品は、処分の際に注意すべきことがさまざまあります。
火災への注意のほかにも、注意すべきことをご紹介していきましょう。
個人情報がそのままになっていないか確認する
ドローンは、製品によってさまざまな個人情報が含まれている可能性があります。
- GPSの情報
- アプリのログインIDやパスワード
- カメラのログ
- 音声データのログ
- センサーの取得データ
こうした情報がそのまま保存されている状態でドローンを処分してしまうと、情報を悪用されてしまうかもしれません。
必ず初期化をするなどして個人情報の流出を防ぎましょう。
リサイクル可能な素材は分解するとなお◎
ドローンにはあらゆる素材が採用されており、一部にはリサイクル可能な素材もあります。
そのような素材は、可能であれば解体して抜き取り、別途リサイクルに出しましょう。
例えばメタルやプラスチックといった部品は、捨ててしまえばそのままゴミになってしまいます。
しかし、資源として処分したりリサイクル施設に送ったりすれば、再利用やリサイクルといった形で役立てられるでしょう。
思わぬ形で不法投棄してしまわないよう注意
ドローンの処分に関連した話で、最も問題になりやすいのが「ドローンの機体をロストしてしまった」というケースです。
ドローンを使用しているときに、操縦を誤ってしまったり、機体やソフトウェアの不具合が発生したりすることで、機体があらぬ方向へ飛んで行ってしまうこともあるでしょう。
結果として、持ち主自身もドローンの位置がわからなくなってしまい、回収したくともできない状態になってしまうのです。
この場合、そうしようと思ったわけでなくとも「不法投棄をした状態」になってしまいます。
最近ではこうしたトラブルを避けるためにGPSが内蔵されたドローンも展開され、常に居場所を確認できるようになっています。
ところが、落下した場所によってはそもそもGPSが機能しなかったり、だいたいの位置がわかったとしても回収に行けなかったりするケースもあるかもしれません。
そして回収の難しい場所であれば「そもそも人に見つからないだろうから、不法投棄にあたっているとしてもばれないだろう」と考えてしまうでしょう。
しかし、放置していると次のようなきっかけから大きなトラブルを招いてしまう可能性もあります。
- 墜落したドローンが電線にひっかかって停電を招いてしまった
- 線路上や道路上に墜落して交通麻痺を招いてじった
- 墜落したときの衝撃によって発火してしまった
- 木々の多い場所に墜落し発火したのち大きな山火事につながってしまった
このように、社会的な問題になってしまうケースもあるのです。
そしてもちろん、このような大きな問題につながらない場合でも、前述の通り不法投棄は罰金などの対象となります。
最近では、ロスト時の捜索をサポートしてくれるドローン保険などもあるため「どこへ行ったかわからないから」と放棄してしまわず、責任を持って回収した上で正しく処分しましょう。
ドローンの処分でよくある質問
Q.ドローンの他に、ベッドやテーブルなども回収してもらえますか?
A.はい、もちろんまとめて回収させていただきます。出張回収センターでは不用品の量に上限はなく、大量の不用品もまとめて回収することが可能です。ドローン1点からの回収も可能ですが、まとめてご依頼いただくと回収料金がお安くなりますのでおすすめです。
Q.ドローンを買取してもらうことはできますか?
A.はい、ドローンの状態によっては買取可能でございます。
当社では買取専門の事業部を設けており、本格的な買取査定を行っておりますので安心してご利用ください。原則としてリユース・リサイクル可能なものが買取対象品です。
状態の悪いドローンに関しては買取をお断りさせていただくこともございますが、自社で運営しております修理工房で修復可能なものであれば買取が可能です。
Q.ドローンのバッテリーを外しておく必要はありますか?
A.お客様の方でドローンのバッテリーを外していただく必要はございません。
当社スタッフが搬出後に分別いたしますのでご安心ください。
お客様に予めしていただく作業は一切ございませんので、気楽にお待ちいただければと思います。
まとめ
ドローンは特殊な電子回路を使用していることから、一般家庭で使用していたとしても処分の際には「産業廃棄物」として扱われます。
産業廃棄物は一般ゴミのように「ゴミ袋に入れて回収場所に置いておく」というような形での処分はできず、自治体の産業廃棄物処分に関する許可を得た業者に依頼しなければいけません。
そのほかには、買取業者に売る、ネットオークションやフリマアプリを利用する、人に譲る、不用品回収業者へ依頼するといった方法があります。
出張回収センターでは、ドローンをはじめとした一般ゴミとしての取り扱いの難しい製品でも、ご自宅まで回収にうかがい適切に処分します。
産業廃棄物や、重くて持ち運びのできない家具や家電、売れるなら売りたいと考えている不用品まで幅広くお応えすることが可能です。
お困りごとの相談は、ぜひお気軽にお聞かせください!
また、当社では電子機器の処分方法について他にもご紹介していますので、参考にしてくださいね。