
蛍光灯はどこの住宅にもある照明器具でしたが、LEDの普及もあり、メーカーによっては製造中止や生産終了などの対応をとっています。
今、自宅やオフィスで蛍光灯を使用しているという場合も、「今後はLED照明へ交換する」という予定の方は多いでしょう。
そんな蛍光灯ですが、「割れ物」であることや「取り外し方がわからない」など、処分に困ることもありますよね。
また蛍光灯は水銀が含まれていることもあり、取り扱いには注意しなければなりません。
今回の記事では蛍光灯の処分方法や処分時の注意点などをお伝えしていきます。
蛍光灯がよく使用される法人での処分についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
▼この記事でわかること▼
- 蛍光灯の処分方法
- 法人での処分の仕方、家庭用との違い
- 処分時の注意点
蛍光灯の処分方法

蛍光灯は家庭用か事業用かで処分方法が異なります。
まずは、家庭から出た蛍光灯の処分方法について紹介します。
処分方法1.自治体で指定された分別区分で処分する
家庭で使用した蛍光灯は自治体で処分できますが、地域によって分別区分や回収方法が異なります。
お住まいの地域のルールに従って処分しましょう。
一般的に蛍光灯は、次のような分別区分で処分できます。
- 不燃ごみ
- 粗大ごみ
- 資源ごみ
- 自治体の回収ボックスへ投入
- 有害ごみとして回収
ただし割れている蛍光灯に関しては、普段の回収方法とは別の方法になる場合があるためご注意ください。
1.不燃ごみとして処分
蛍光灯の分別が自治体で「不燃ごみ」になっていた場合、指定された収集日に出すだけで、無料で処分できます。
ただし、蛍光灯の出し方については自治体ごとに決められている指示に従ってください。
例えば、神奈川県横浜市では次のような手順で処分します。
- 購入時の箱に入れるか、新聞紙や厚紙などで包む
- 「蛍光灯」「電球」など品物名を表示する
- 週2回の「燃えないごみ」の収集日(「燃やすごみ」と同じ収集日)に出す
蛍光灯はガラス製でできているため、不燃ごみで回収する際に割れてしまい、作業員がケガをする可能性も考えられます。そのため、箱に入れたり新聞紙などで包んだりしてから出すように指示がある自治体が多いでしょう。
そのほか、「蛍光灯」や「キケン」などを記載する指示があることも多いため、必ず確認してから出してください。
2.粗大ごみとして処分
蛍光灯の長さや大きさによっては、「粗大ごみ」に分別される自治体もあります。
粗大ごみで処分する際は事前予約が必要になることが多く、処分手数料がかかります。
お住まいの地域のルールに従っておこないましょう。
一般的に、粗大ごみで処分する手順は以下のとおりです。
- 自治体のホームページや電話などで事前予約をする
- 収集場所、収集日時などを確認する
- コンビニやスーパーなどで手数料納付券(シール)を購入する
- シールに必要事項を記入し、粗大ごみへ貼る
- 指定日時に収集場所へ運び出し、処分完了
粗大ごみの戸別収集であれば、自宅近くまで取りに来てくれるため不燃ごみと同じように処分できます。
しかし回収日は月に1回程度と少ないことが多く、申し込みのタイミングによっては処分までに時間がかかってしまうこともあるでしょう。
また、処分手数料は1個あたりにかかる場合が多いため、複数の蛍光灯を捨てたい場合は費用も確認しておくと安心です。
3.資源ごみとして処分
自治体によっては蛍光灯を「資源ごみ」として回収している場合もあります。
例えば東京都新宿区では、蛍光灯は「金属・陶器・ガラスごみ」に分類されており、次のような手順で処分します。
- 購入時の箱に入れるか、新聞紙や厚紙などで包む
- 紙ケースに入れて収集日の朝8時までに集積所へ出す
また、東京都渋谷区でも蛍光灯は「資源ごみ」となり、割れていなければ週1回の資源ごみの回収日に出して処分します。
いずれの場合も、割れないよう購入時のケースに入れるか、新聞紙や厚紙に包んでから出すようにしましょう。
4.自治体の回収ボックスへ投入
水銀が使用されている蛍光灯は、自治体が指定する回収ボックスにて回収している場合もあります。
回収ボックスの設置場所や利用手順などは自治体によって異なるため、事前に確認してからおこなうようにしてください。
例として大阪市での回収について紹介します。
- 蛍光灯は回収ボックスまたは環境事業センターの窓口で受付回収
- 会社や事業所から出たものは利用できない
- 紙箱や紙筒に入れるか新聞紙等で包んでから出す
- 割れている蛍光灯管は、訪問回収で回収(厚紙などに包んで「キケン」と表示)
- 粗大ごみ収集に該当する大きさ(最大の辺又は径が30㎝を超えるもの、棒状で1㎝を超えるもの)の蛍光灯管は訪問回収
この方法は、回収ボックスを設置している場所まで自分で蛍光灯を持って行く手間はかかりますが、回収費用は無料で、自分の都合のよいときに処分できます。
5.有害ごみとして回収
自治体によって、「水銀」が含まれる製品は「有害なもの」として回収をしています。
例えば愛知県名古屋市では水銀を資源化・適正処理するため、「蛍光管」を含め、水銀体温計や水銀温度計についても拠点回収の対象です。
回収方法は次のとおりです。
- 各区の環境事業所へ持ち込む
- 回収ボックスを設置している拠点では、回収ボックスに入れる
ただし名古屋市では、割れた蛍光管は丈夫な紙などに包み、「キケン」と表示して不燃ごみで出すことになっています。
また、回収は無料ですが、各施設の営業(開庁)時間でないと利用できないため、土日は処分できません。お住まいの区の環境事業所の場所や営業時間を確認してから利用しましょう。
家電量販店で回収してもらう
蛍光灯は、家電量販店で回収している場合もあるため、お近くの店舗を確認してみるとよいでしょう。
自治体によっては家電量販店での回収を推奨していることもあり、名古屋市でも家電販売店・ホームセンターなどが蛍光管回収協力店舗となっています。
店舗での回収は、蛍光灯を無料で処分できるうえ、買い替えの際にも便利です。
ただし店舗によって回収ボックスが設置されている場合や店頭受付など、回収方法が異なります。
回収には「新しい蛍光灯の購入が必要」のような条件がある場合や、回収を実施していない店舗もあるため、注意してください。
不用品回収業者に依頼する
「処分する蛍光灯がたくさんある」「蛍光灯以外にも家具や家電、衣類など、まとめて処分したいものがある」という場合には、不用品回収業者を検討してみましょう。
不用品回収業者は家庭から出た不用品を回収し、処分してくれる業者です。
スタッフが運び出しから作業をしてくれるため、蛍光灯のように持ち運びに不安がある割れものや、大きなもの、重たいものなどは依頼すると安心して処分できます。
業者によっては蛍光灯の取り外しもしてくれるため、「自分では天井から取り外せない」という場合には相談してみましょう。
また、「産業廃棄物収集運搬許可」を取得している不用品回収業者に依頼すれば、オフィスや店舗など、事業活動で使用した蛍光灯にも対応してもらえます。
業者は年中無休のところが多く、回収日時も自分の都合に合わせられるため、「土日に回収してほしい」「蛍光灯を急いで処分したい」という場合にもおすすめです。
不用品回収業者の利用手順
不用品回収業者を利用するには、ホームページから問い合わせたり、電話したりすると簡単に申し込みができます。
手順を以下に紹介します。
- 自宅のある地域に対応している業者を選ぶ
- 見積もりを依頼し、プラン内容や費用を確認
- 内容に納得できたら申し込む(作業日の調整)
- 作業後、料金を支払う
不用品回収業者は業者ごとにプランや費用が異なるため、できれば2社以上で見積もりを取るのがおすすめです。相見積もりによって料金の相場やスタッフの対応が確認できます。
見積もりは自宅まで来てもらうほうが確実ですが、メールや電話で対応している業者も多くいます。優良な業者であれば見積もり後のキャンセルは無料なので、事前に確認してから見積もりを依頼しましょう。
不用品回収業者については、以下の記事で詳しく解説しています。
オフィスや店舗から出た蛍光灯は「事業ごみ」となる

家庭で使用した蛍光灯とは違い、オフィスや店舗などの事業活動で使用した蛍光灯を捨てる場合は、「事業ごみ」となるため注意が必要です。
ここでは事業ごみとして蛍光灯を処分する方法をお伝えします。
産業廃棄物処理業者へ依頼する
事業ごみとして排出される蛍光灯は、「産業廃棄物」に分類されます。
産業廃棄物とは、事業活動で出たごみのうち、法令で定められた20種類を指す廃棄物のことで、蛍光灯は混合廃棄物(ガラスくず・金属くず・廃プラスチック類)に該当します。
産業廃棄物を処分する際は、自治体から許可を得た「産業廃棄物処理業者」へ依頼するのが一般的です。
処理業者については自治体のホームページで紹介している場合が多いため、一度確認してみるとよいでしょう。
産業廃棄物処理業者を利用する流れは以下のようになります。
- オフィスや店舗などの不要な蛍光灯を集めておく
- 産業廃棄物処理業者へ収集運搬を依頼する
- 見積もりで費用を確認したら、契約
- 回収日の日程を調整
- 回収後、マニュフェスト発行
蛍光灯には水銀が含まれていることがほとんどですので、依頼の際には「水銀使用製品産業廃棄物」を運搬、処分できるか確認しましょう。
蛍光灯や水銀灯に関しては、水銀取り扱いの許可がないと依頼できません。
また、業者によっては「少量での回収は不可」という場合があります。
その場合、持ち込みであれば対応できることもあるため、確認してみるとよいでしょう。
リサイクル業者に依頼する
蛍光灯の回収は、リサイクル業者へ依頼することも可能です。
リサイクル業者では、回収した蛍光灯のうち水銀を安全に回収し、鉄、ガラス、アルミ、プラスチックなど素材別に分別してからリサイクルします。
これにより埋め立てられていた蛍光灯が資源として有効活用されるほか、埋め立てによる環境汚染や場所の確保といった問題解消にも繋がるでしょう。
リサイクル業者の利用方法は業者ごとに異なりますが、次のような手順が一般的です。
- 近くのリサイクル業者を探し、運搬方法を選択(持ち込みまたは運搬業者へ依頼)
- 産業廃棄物処理委託契約書を交わす
- 回収、マニュフェスト発行
リサイクル業者へ依頼するときの費用の相場は、1㎏あたり200円~1,000円程度です。
ただし、持ち込みではなく回収・運搬も依頼する場合は、別途運搬費用がかかります。利用前に回収費用や手順などを確認しておきましょう。
蛍光灯を処分する際の注意点

蛍光灯の処分の際には、以下の点に注意してください。
割れた蛍光灯の取り扱いに注意
蛍光灯はガラス管で覆われているため、外すときや外したあとの持ち運びの際に割ってしまうこともあるかもしれません。
しかし、お伝えしているとおり蛍光管には水銀が使用されていることがほとんどです。
水銀は人体には有害な物質であるため、取り扱いには注意してください。
蛍光灯が割れた場合は、次のように対処しましょう
- 蛍光灯を割ってしまったあとは、可能であれば数時間、部屋を喚起する
- 破片や粉は、手に触れないよう注意しながら硬い紙などですくい取り、ポリ袋へ密封する
- 微細な破片や粉は粘着テープや、湿った布、紙などでふき取り、ポリ袋へ密封する
- 手や身体に付着した場合は、必ず洗う
割れた蛍光管は処分方法によって対応が異なる場合があります。
処分方法 | 取り扱い |
---|---|
自治体 | 割れた蛍光灯は、分別が異なる場合がある (例)愛知県名古屋市 |
事業ごみ | 割れていても「水銀使用製品産業廃棄物」扱い |
「水銀使用製品産業廃棄物」の取り扱いが変更
以前は水銀を含む蛍光灯であっても単なる「産業廃棄物」として可能でしたが、法改正によって規制が厳しくなっています。
蛍光灯を事業ごみとして業者へ処分を依頼する場合には、「水銀使用製品産業廃棄物」の収集運搬・処分許可を持つ業者にしか依頼できないため注意してください。
もし、資格を持たない業者へ依頼したり、不適切に処分したりした場合には、蛍光灯を排出した事業者が責任を問われることになります。
業者を利用する前には必ず資格を確認し、責任を持って処分しましょう。
証明器具の種類に注意
蛍光灯には水銀が含まれていますが、そのほかにも以下のような照明器具に水銀が使用されています。
- 蛍光ランプ類
直管蛍光灯(棒状の物)・サークル管・ツイン菅 - 水銀灯
- ナトリウム灯
- 冷陰極蛍光灯
一方で、白熱電球・ハロゲン電球・LEDランプには水銀が使われていません。
このようにさまざまな照明器具がありますが、蛍光灯とほかの証明器具では同じ処分方法でないことが多いため注意しましょう。
例えば名古屋市では、白熱電球やLED製品については「不燃ごみ」で処分します。
蛍光灯だと思っていたら、実はLED製品だったということもありますので、処分の前に確認しておくと安心です。
そのほかの証明器具に関しては、次のコラムで処分方法を詳しく解説していますので参考にしてみてください。
「蛍光灯」の処分の際によくある質問

出張回収センターでは蛍光灯やそのほかの証明器具をはじめ、さまざまな不用品を回収しています。
蛍光灯の回収時によくいただく質問についてまとめました。
Q.相談や見積もりにお金はかかりますか?
A. ご相談やお見積りは無料です。お電話はもちろん、LINEやメールでの簡単な見積もり以外に、自宅へ伺ってお見積りすることも可能です。お見積り後のキャンセル料も発生しません。お気軽にご相談ください。
Q.水銀を使用した蛍光灯の処分をお願いできますか?
A.はい、水銀を使用した蛍光灯も回収できます。水銀は回収後に適切に処理いたしますのでご安心ください。
Q.割れている蛍光灯も回収してもらえますか?
A. はい、回収にお伺いいたします。当社ではあらゆるケースに対応できるよう、20種類以上の養生セットや工具を用意しております。経験豊富なスタッフも多数在籍しておりますので、お客様のご負担をかけないよう細心の注意で作業いたしますので安心してお任せください。
Q.土日や祝日にも回収に来てもらえますか?
A. はい、当社は年中無休で営業しておりますのでご安心ください。ただ週末やお引越しが多いシーズンですとご予約が集中しやすく、お伺いするのに時間がかかってしまうケースもあります。ご予定が決まり次第、お早めにご連絡ください。
Q.LEDも蛍光灯と同じように処分してもいい?
A. LEDと蛍光灯の処理方法は異なります。LEDには水銀が含まれていないため、不燃ごみで処分できることが多いようです。出張回収センターでは蛍光灯、LEDのどちらもまとめて回収・処分できます。
Q.蛍光灯を4,000本と大量に処分することは可能でしょうか。
A. 可能です。ご相談やお見積りを無料で行っております。お電話はもちろん、LINEやメールでの簡単な見積もりや、お申込み頂ければご自宅にお伺いしてお見積りすることも可能です。お見積り後のキャンセル料も発生しません。お気軽にご相談ください。
Q 家庭で出た蛍光灯を不燃ごみにすることは廃棄物処理法に違反するのでしょうか
A. しません。廃棄物処理法に違反する対象になるものは、工場やオフィスといった企業などの事業団体から出た蛍光灯です。しかし、大量に処分する際は破損など危険が伴うため、専門業者へ委託するのをおすすめします。
まとめ

今回は蛍光灯の処分方法について解説しました。
蛍光灯の処分についてまとめると、次のようになります。
- 蛍光灯は「家庭用」か「事業用」かで、処分方法が異なる
- 家庭用は自治体で処分できるが、地域によって分別方法や回収方法が異なる
- 蛍光灯は「水銀」が使用されているため、取り扱いに注意する
蛍光灯は「割れやすい」ことや「水銀が含まれる」ことなどで、取り扱いに注意が必要です。
家庭用の蛍光灯を処分の際は、厚紙や購入時の箱などで包むよう指示されていることがほとんどですので、必ず手順を守って処分してください。
また、蛍光灯は事業者から排出することも多く、その場合は「産業廃棄物収集運搬業」の資格を保有する業者へ依頼しなければなりません。
資格を保有する業者は「産業廃棄物処理業者」以外に、「リサイクル業者」や「不用品回収業者」などがあります。蛍光灯の処分の際は水銀の取り扱いができるか確認し、状況に合わせて選択しましょう。
「蛍光灯の取り外し、処分を簡単に済ませたい」「店舗で使用した蛍光灯を簡単に処分したい」などの場合には、「不用品回収業者」への依頼がおすすめです。
不用品回収業者は複雑な契約や事前手続きなどが不要で、簡単に蛍光灯を処分できます。
また、蛍光灯以外の不用品もまとめて捨てられますので、大掃除や店舗移転など、状況に合わせてうまく利用しましょう。
当社「出張回収センター」では水銀を使用した蛍光灯の回収も可能です。
事業ごみ、家庭ごみのどちらも対応できますので、お気軽にご相談ください。