習い事の中でも常に上位の人気をキープしているピアノ。
しかし、「子どもがレッスンを辞めてしまった」「自分の趣味で購入したもののいつのまにか弾かなくなり、放置している」なんて方も多いのではないでしょうか?
大きくて重いピアノは自分で持ち運ぶには大変だし、捨てるのはもったいないしと、なにかと処分に困る品。どう処分すべきか迷ってしまいますよね。
そこで今回のコラムでは、ピアノの処分方法と注意点を解説していきます。
買取や無料での引き取り、廃棄や寄付などさまざまな処分方法をお伝えしていきますので、ピアノの処分を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
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ピアノの種類と寿命について
処分費用や処分の方法は、ピアノの種類によっても変わってきます。
まずは、自分が処分したいと考えているピアノの種類について、また処分の目安にもなるピアノの寿命についても確認しておきましょう。
グランドピアノ
ピアニストやオーケストラがコンサートホールで使用するのがグランドピアノです。一般家庭に置かれることは少ないですが、学校や音楽教室で触ったことがあるという方も多いのではないでしょうか?
グランドピアノは重量が250~400kgとほかのピアノと比べて非常に重たいため、ほとんどの自治体で回収不可となっています。
そのため、処分するなら専門業者に買取や引取を依頼するのが一般的です。販売店やメーカーにまず確認をしてみてください。
アップライトピアノ
「コンパクトで場所を取らない」「グランドピアノよりも価格が安く手に入れやすい」といった特徴があり、一般家庭に置かれることが多いのがアップライトピアノです。
コンパクトな造りをしているものの重量は200~250kgと重たいため、こちらもグランドピアノと同じく自治体では回収不可とされていることが多いので注意が必要です。
状態の良いアップライトピアノであればピアノ買取専門店での高価買取が期待できます。捨てる前に一度、査定を受けてみるのがおすすめです。
電子ピアノ
電子ピアノは音源部に電子回路を用いており、あらかじめ調律された音が収録されているので調律も不要。コンパクトで設置しやすいというメリットもあります。
重量は40~80kg程度とグランドピアノやアップライトピアノと比べて軽量なので、業者に依頼しなくても自治体で「粗大ごみ」として回収してもらえる場合もあります。
売却も可能ですが、ピアノ買取専門店では電子ピアノを買取不可としていることも多いため注意が必要です。売却するなら楽器全般を取り扱う業者の利用をおすすめします。
エレクトーン(電子オルガン)
エレクトーンとは、ヤマハが開発を手がける電子オルガンの商品名です。
出すメーカーによって呼び名が異なり、カワイ製品だと「ドリマーン」、ナショナル(現パナソニック)製品だと「テクニトーン」と呼ばれました。
実は日本発祥の楽器でもあります。
重量は20kg~100kg程度と比較的軽く、自治体の多くは「粗大ごみ」としてエレクトーンを回収できるとしています。
こちらも電子ピアノと同じくピアノ買取専門店では買い取ってもらいづらいため、楽器全般を取り扱う業者の利用がおすすめです。
ピアノの寿命は30年~40年程度
アップライトピアノやグランドピアノといったアコースティックピアノの寿命は一般的には30年~40年といわれていますが、ピアノの材質や置いている環境、使い方によってはそれより長く使えることももちろんあります。
そのため、ピアノの処分は使用期間を目安にするよりも実際のピアノの状態を見て判断するのがおすすめです。
【寿命が近づいたピアノのサイン】
- 音が出ない
- 鍵盤が上がらなくなった
- 外装部分の線傷やヒビ、剥がれ
- ピアノ内部から異音がする など
ピアノは修理して使い続けることも可能ですが、基本的に手作業での修理となるため費用が非常に高額になります。新しいピアノの値段より修理費用の方が高かった・・・なんてこともありますので、修理前には見積もりを取って確認しておきましょう。
電子ピアノの寿命は10年~20年
電子ピアノは電子機器のため、寿命はアコースティックピアノより短めの10年~20年程度といわれています。もちろん電子ピアノも使用頻度や使い方によってはそれよりも長く使用できることもありますが、以下のような症状が出てきたら処分を検討しましょう。
- 音が出なくなった
- 電源が入らない
- 鍵盤がうまく動かない
- 異音がする など
電子ピアノも修理は可能ですが、製造から時間が経ったものは部品の供給がなくなってしまうため、修理不可となることもあります。その場合は、買い替えや処分を検討しましょう。
ピアノの処分は買取がおすすめ!高く売るコツとは?
ピアノは決して価格の安い楽器ではありません。
廃棄処分を考える前にまずは買取処分出来ないか調べてみましょう。
ここではピアノを売却する方法について詳しく解説します。
ピアノは専門業者に売却がおすすめ!
メーカー品のピアノでまだ見た目も綺麗なピアノを処分するなら、ピアノ専門の業者へ買取を依頼するのがおすすめです。
- 専門の知識を持ったスタッフがピアノを査定してくれる
- 取り扱いや搬出にも慣れており安心して引き取りを依頼できる
- 新しいピアノを購入するなら古いピアノを下取りしてもらえることも
- 買取不可のピアノを無料引取してくれる場合も
しかし、ピアノ買取を行う業者でも「電子ピアノは不可」としているところがあったり、買い取ってもらえるメーカーが限定されていたりと、業者によって買取条件が異なるため注意が必要です。
買取業者 | アコースティックピアノ | 電子ピアノ 電子オルガン |
---|---|---|
タケモトピアノ | 〇 | ー |
島村楽器 | 〇 | 〇 製造から8年以上経過しているものは不可 |
冨士楽器 | 〇 | 買取不可 引取りは可能 |
伸和ピアノ | 〇 | ー |
ピアノワン | 〇 | 〇 |
ヤマハピアノサービス | 〇 ヤマハのピアノのみ可 | ー |
依頼前には買取対象のメーカーや対応エリアなど、細かく確認しておきましょう。
「無料」引取は注意が必要
ピアノ買取業者の中には、買取不可のピアノを無料で引き取るとしているところもあります。捨てるには少なからず費用や搬出の手間がかかるピアノを無料で引き取ってもらえるなら、助かりますよね。
しかし、無料引取の対象となるのは新品に近い、まだ使えるピアノのみとなっていることが多く、故障しているものや古すぎるピアノは引取不可になってしまったり、回収自体は無料でも搬出費や出張費など別の費用が発生したりするケースも多いので注意が必要です。
依頼前には、引き取りの条件や処分費用の有無などを忘れずに確認しておきましょう。
査定に必要な情報とは?
査定依頼をする前には、処分したいピアノの情報をまとめておくとスムーズに査定を依頼できます。
- ピアノの種類
- メーカー名
- 型番
- 製造番号(5~7桁の数字)
- ペダルの数 など
メーカー名や型番、製造番号などはアップライトピアノの上蓋やグランドピアノの大屋根を開いた際に見えるフレーム部分、もしくは本体内部にあるフレーム部分に刻印されています。
また本体内部に「調律カード」が残っているならそちらにも品番と製造番号の記載があります。お手持ちのピアノを確認してみてください。
買取されやすい有名メーカーは?
- ヤマハ(YAMAHA)
- カワイ(KAWAI)
- ディアパソン(DIAPASON)
- アポロ(APOLLO)
- スタインウェイ&サンズ(Steinway&Sons)
- ベーゼンドルファー(Bösendorfe)
- C.ベヒシュタイン(C.BECHSTEIN)
上記のようなメーカーのピアノは中古市場でも人気の高い製品ですが、特に高価買取を期待できるのはヤマハやカワイのピアノです。
ヤマハやカワイのピアノであれば多少古かったり不具合があったりしても買取してもらえる可能性が高いので、どんな状態のものでも一度査定に出してみるのがおすすめです。
ピアノを高く売るためのコツ
大切にしてきたピアノをより高く売りたいということなら、査定前に以下のポイントを確認しましょう。
- ホコリや汚れを取り除き、きれいな状態にしておく
- 取扱説明書や保証書、付属の椅子やカバー、補助ペダルなど、付属品はすべて揃えておく
- 動作確認をしておく(電子ピアノ)
- 複数の店舗で査定を受ける
ピアノはそのまま査定に出すことももちろん可能ですが、手入れされていないピアノよりも普段から手入れされているピアノの方が査定額もアップします。
業者に査定してもらう前に、出来る限りメンテナンスをしてピアノをきれいにしておきましょう。
また、売却前にピアノ椅子や補助ペダル、ピアノカバーなど、ピアノを購入した時についていた付属品を出来るだけ揃えておくことも大切なポイントです。長年使用しているとどこにやったかわからない・・・ということもあるかと思いますが、できる限り探し出してセットで査定に出すようにしましょう。
「売れない」ピアノはどう処分する?
ここまでピアノを売却する方法をお伝えしてきましたが、あまりに古いピアノや電子ピアノの場合は、残念ながら売却できないこともあります。
その場合は、以下のような方法で処分が可能です。
- 各自治体の収集する粗大ごみとして出す
- フリマアプリ・ネットオークションでピアノを処分する
- 知人・友人にピアノを引き取ってもらう
- 施設や支援団体に寄付する
- 不用品回収業者へ依頼する
専門業者に買取も引取もできないと言われてしまった・・・という方はぜひ参考にしてみてください。
自治体で粗大ごみとして出す
アップライトピアノやグランドピアノなどのアコースティックピアノは自治体で回収不可となることが多いのですが、処分したいピアノが100kg以下のコンパクトな電子ピアノ・電子オルガンの場合は、粗大ごみとして回収してもらえることもあります。
粗大ごみとして出すまでの手順は以下の通りです。
- 電話やインターネットで粗大ごみ収集の申し込みをする
- 必要な手数料分の粗大ごみ処理券を購入する
- 電子ピアノ・電子オルガンに粗大ごみ処理券を貼る
- 指定の日の朝に指定された場所に出しておく
ピアノの取り扱いや収集費用、事前予約の有無など細かいルールは自治体ごとに異なるため、まずはお住まいの自治体のホームページを確認しましょう。
自治体で粗大ごみとしてピアノを捨てられれば、処分費用を比較的安く抑えることができます。
しかし、自分でピアノを運び出す必要があるため利用できない方も多いかもしれません。無理をすればケガの可能性もありますので、難しい場合は業者の利用を検討してください。
フリマアプリ・ネットオークションでピアノを出品する
メルカリやラクマ、Yahoo!オークションなどのフリマアプリ・ネットオークションにも、たくさんのピアノが出品されています。
【メルカリで実際に取引されているピアノ】
- ヤマハ アップライトピアノ 1982年製:190,000円
- ヤマハ アップライトピアノ 2000年製:350,000円
- カワイ アップライトピアノ 1997年製:143,000円
専門業者に買い取ってもらえなかったピアノでもフリマアプリ・ネットオークションでは需要があり思いがけない価格がつく可能性があります。どんなものでも捨てる前に一度、出品してみるのがおすすめです。
フリマアプリ・ネットオークション利用の注意点
- 梱包から発送までを自分ですべておこなうので手間がかかる
- ピアノは重量があるため送料が高額になる
- 配送時の故障を防ぐため厳重な梱包が必要
- 売却できた場合は販売額に応じて5%~10%の手数料がかかる
- すぐに売れるわけではないので急ぎの場合には不向き
ピアノは重量もサイズもあるため、送料が非常に高額になります。送料を自己負担にするなら販売価格の設定を慎重に行わないと、ピアノが売れても送料を差し引くと手元にお金が残らなかった・・・なんてことになる可能性も。事前に配送手段やかかる送料については念入りに確認しておきましょう。
人に譲る・ジモティーを利用する
「ピアノを習いはじめた」「中古のピアノを探している」という友人・知人がいたら譲って使ってもらうのも一つの手です。周りにピアノを必要としている人が見つからないなら、ジモティーを利用して譲り先を探してみるのもいいでしょう。
この方法であればピアノを売ったり捨てたりする手間がなくなり、また引取に来てもらえるなら梱包や発送も不要になります。子どもとの思い出があるピアノを捨てたくない、という方も譲って使ってもらえるなら、手放しやすいのではないでしょうか?
ただし、重量のあるアコースティックピアノを自分たちで持ち出せない場合は業者への依頼が必要となり、その場合には解体費用や運搬費用などがかかります。
また、お譲りしたピアノの状態が悪かったりお譲り先の部屋に入らなかったりすると譲った後でトラブルになることも。譲る前にはピアノのメンテナンスや置くスペースの確認を済ませておき、問題なく譲渡を終えられるようにしておきましょう。
施設や支援団体に寄付する
ピアノは高齢者施設、児童養護施設といった施設や支援団体に寄付することも可能です。
ネットで「ピアノ 寄付」と検索するといくつかヒットしますので、お住まいの近くで利用できる寄付先を探してみてはいかがでしょうか。
ただしどの施設や団体でもピアノを受け入れてくれるというわけではなく、受入の方法や寄付された品がどう活用されるかなどは施設・団体ごとに異なります。いきなり持ち込んだり郵送したりせず、まず問い合わせて確認しておきましょう。
ちなみに、ピアノを遠方へ郵送する場合の送料や運搬費はすべて自己負担となることがほとんどです。ピアノは運送費が高額になりがちなので、寄付前にはそちらも確認しておきましょう。
弊社「出張回収センター」が行っている取り組み、「ユースマイル」でもピアノやエレクトーンといった楽器やそのほかの不用品の寄付を受け付けています。
寄付実績や寄付品目についてはホームページで詳しくご確認いただけますので、「寄付に興味がある」「どの団体に寄付するか迷っている」という方はぜひ一度、ご覧になってみてください。
不用品回収業者へ依頼する
ピアノを手間なく、簡単に処分したいなら不用品回収業者に依頼するという方法もあります。
- どんな状態のピアノでも回収可能
- ほかの不用品もまとめて回収OK
- ピアノの解体や搬出、積込など面倒な作業はすべてスタッフにおまかせできる
- 買取してもらえればピアノの処分費用がお得になる可能性も
そのほか、不用品回収業者は自分の都合のいい日時に回収を依頼できるというメリットもあります。
「引っ越しまでにピアノを処分したいので2、3日中に来てほしい」「日中は忙しくて対応できないので夜に作業してほしい」などさまざまな要望に臨機応変に対応してくれるので、お困りでしたら一度相談してみてはいかがでしょうか?
悪徳業者に注意
便利な不用品回収業者ですが、残念ながら中には「高額な費用を後から請求してくる」「引き取った不用品を不法投棄する」ような悪質な業者も存在しています。依頼時には注意が必要です。
とはいえ、どの業者が悪徳業者かなんて見分けがつかない・・・という方も多いですよね。そんなときにおすすめしたいのが複数社から見積もりを取る「相見積もり」です。
【相見積もりのメリット】
- 業者の費用の相場がわかる
- 提示された料金やプランが自分に合っているものかどうかを判断できる
- 同じサービス内容でより安い業者を探すことが可能
- 業者の不審な点に気づきやすくなる
- ほかの業者の見積書を利用して、値引きの交渉ができることもある
- 複数の業者と連絡を取ることで、業者や担当者の人柄がわかって安心
時間がないときや忙しいときに複数の業者と連絡を取るのは面倒・・・と避けてしまいがちですが、相見積もりをするかしないかで数千円~数万円の費用の差が出ることもあります。できれば2~3社以上の業者から見積もりをとって比較してみてください。
▼業者選びについては以下のコラムでも詳しく解説しています▼
ピアノ処分時の注意点
ここではピアノを処分する際の注意点を解説します。
処分前には参考にしてみてください。
追加料金に注意!
重量があるピアノは搬出費用が高額になりがちですが、
- 2階以上の部屋やエレベーターがない建物からの搬出
- クレーンや手吊りといった特殊作業が必要になった
- ピアノを解体して運び出した
- 遠方への配送
・・・といったケースはさらに追加で費用がかかり、処分費用が跳ね上がることもあるため注意が必要です。また、ピアノの種類や重量で金額が変わることもあります。
費用 | グランドピアノ | アップライトピアノ | 電子ピアノ・エレクトーン |
---|---|---|---|
解体・組立費 | 30,000円~ | 30,000円~ | – |
搬出費 | 20,000円~ | 10,000円~ | 10,000円~ |
運送費 | 30,000円~ | 18,000円~ | 13,000円~ |
業者によって設定されている費用は異なるため、できるだけ多くの業者に見積もりを出してもらい費用の確認をしておくことをおすすめします。
搬出当日になって「追加費用がかかるなんて知らなかった」「搬出できないと言われた」などトラブルにならないよう、追加費用や搬出方法についてはあらかじめ業者としっかり確認を済ませておきましょう。
自力での解体や運搬はおすすめできない
前述したように、ピアノの搬出費や運搬費は非常に高額になります。そのため自分たちでピアノを運搬したい!とお考えの方も多いのではないでしょうか?
しかし、ピアノは家庭用のアップライトピアノでも重量が200kgを超えるものがほとんどで、大人2人で運ぶとしても大変な重量です。慣れない作業の最中にピアノを壊してしまう可能性があり、運搬には2トン以上のトラックを使用するため、そちらの手配も必要になります。
また、ピアノは重量があるうえに複雑な構造をしているので解体するのも一苦労です。無理して作業をすると中途半端な状態で解体が止まってしまったり重いパーツを落としてケガをしてしまったりする可能性も。
上記のようなデメリットを考えると、自力での解体や運搬はおすすめできません。費用はかかりますが業者に依頼して、安全にピアノを手放しましょう。
まとめ
有名メーカーのものやまだ新しいピアノが買取や無料引取でお得に処分できる一方で、古いピアノは買取・回収不可になることが多く、処分費用も高額になりがちです。
なるべく費用を節約したいからと重いピアノを自力で運び出そうとするとケガや家の破損の恐れもありますので、無理せず業者に処分を依頼しましょう。
「ピアノが自治体で回収不可になっていて捨てられない」「ほかにも処分したいものがある」などお悩みの方は不用品回収業者に依頼するのがおすすめです。
- どんな状態のピアノでも回収可能
- ほかの不用品もまとめて回収OK
- 搬出や積込などはすべてスタッフにおまかせできる
- 買取できるものは買い取ってもらえる
- 都合のいい日時に家まで来てもらえる
記事の中では業者選びに有効な「相見積もり」についても解説しています。利用前にはぜひ参考にしてみてくださいね。
弊社「出張回収センター」でもピアノをはじめとしたさまざまな不用品の回収を行っています。
見積もりは無料となっておりますので、ぜひ一度ご相談ください。