弦楽器の中でももっとも明るく華やかな音色を持っているのが「バイオリン」。
バイオリンは、ごく小さい音から大きい音まで、音の強弱が自由自在。
早いパッセージ(一節、楽節)も演奏でき、音域も4オクターブ以上で広く、また長く音を続けることもできます。ピアノのように決まった音階や音程にも拘束されず、美しいビブラートも自由自在に表現できる、たいへん優秀な楽器。
オーケストラでも主要なメロディを奏でることが多く、オーケストラの中心的な役割を担っています。
バイオリンを弾いたことがなくても、誰もが一度は「ストラディバリウス」という名前を聞いたことがあるのでは?
ストラディバリウスとは1600~1700年代にかけて、イタリアのストラディバリ家の親子三代により作られた弦楽器で、バイオリン、ヴィオラ、チェロ、ギター、マンドリン、ハープなどがあります。
中でも、バイオリンは特に高く評価されており、現存するものは1本数百万~数千万円とかなりの高値で取り引きされるほどの人気ぶり!2011年に取り引きされた1721年製「レディ・ブラント」の約1600万ドル(当時のレートで約12億7千万円)で落札され、大きな話題となりました。
このように、ストラディバリウスとまではいかなくても、バイオリンは中古でもとても人気があり、高値で売買されている楽器のひとつです。
趣味で弾いていたけれどやめてしまった、買い替えなどで不要になったバイオリンは、廃棄処分してしまう前に、ぜひ中古買取を試してみてはいかがでしょうか?
今回は、そんなバイオリンの人気な理由、買取相場、より高く売るためのコツなど、お得な情報をまとめてご紹介して行きたいと思います!
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1.バイオリンの魅力
皆さんはバイオリンに対してどのようなイメージを持っていますか?
バイオリンは、主にクラシックオーケストラで演奏される楽器のため、知ってはいても身近な楽器とは到底呼べません。
そのため、「高そう。」、「難しそう…。」など、少々敷居の高いイメージの方が多いかもしれませんね。
スポーツ、音楽、美術、芸術などさまざまな習い事の中でも、バイオリンは特に敷居が高く、「お金がかかる、特別な習い事」という印象があります。
しかしそれは、あくまで音大に進学する場合や将来音楽の道に進むために特別なレッスンを受けるなど、より質の高い道具を揃えなければならない場合の話。
個人的に音楽を楽しんだり、地域のオーケストラに参加するなどの目的であれば、実はそれほど高額の費用をかけずにバイオリンを習ったり楽しんだりすることができます。
「バイオリン」とは?
バイオリンは擦弦楽器(弓または棒で、弦をこする(擦・さつ)ことによって音を出す楽器(弦楽器)の総称)のひとつ。 全長約60cmで、4本の弦を張り、5度間隔に調弦して、弓でこすって演奏する楽器です。
また、弓に張られているのは馬の尾で、1本の弓あたり約150本の毛が張られています。 馬の尾は目には見えないほどの小さな凹凸があり、それが摩擦効果を高めて、バイオリン属特有のすすり泣くような妙なる音色を生み出すのだとか。 中でも人気があって、音にも良いと言われているのは、モンゴル産の白馬の尾なのだそう。
弦はガット(羊の腸)、スチール、ナイロンなどの素材が使われているが、現在の主流はナイロン弦のようです。
「バイオリン」、「ビオラ」、「チェロ」、「コントラバス」の違い
似た形の4つの楽器ですが、その違いは至ってシンプル。
実はこの4つの楽器は、大きさの違いで分かれます。バイオリン楽器が大きくなるのに対応して音域が低くなっていくので、違いがわかりやすいのではないでしょうか?
バイオリンとそれより少し大きいビオラは共通点が多く、両方を弾きこなす方も珍しくありません。
この2種類は立っても座っても演奏できますが、チェロは基本的に座って演奏、コントラバスは全身を大きく使ってと、その演奏スタイルもさまざまです。
バイオリンとチェロは主にメロディ(主旋律)を弾き、ソリスト(独奏者)としても大活躍。一人で曲を練習するのも楽しい楽器です。
反対にコントラバスは低音でアンサンブルを支え、ジャズや吹奏楽など、さまざまな音楽シーンで活躍しています。ビオラは弦楽アンサンブルやオーケストラでは主に中音域を担当します。
バイオリンは誰でも楽しめる楽器!
もちろん、上手に音を出せるようになるまでには時間がかかりますが、バイオリンは、小さなお子さんからお年寄りまで、男女問わず楽しむことができる楽器です。
バイオリンには、小さい頃から習い始めて、専門の先生についてみっちりレッスンを受けるというイメージがありますが、学生時代に、あるいは大人になってからバイオリンを習い始めて、自分のペースでレッスンや演奏を楽しんでいる方も実はたくさんいます。
中には、退職してから始めたという方も!もちろん独学でも構いませんし時間をかけてゆっくりと楽しむこともできるので、平均寿命が伸びた現代人には、老後の長い時間を過ごすのにかなりオススメの趣味かもしれません。
バイオリンは難しい?
誰でも長く楽しめる楽器のバイオリンですが、バイオリンは数ある楽器の中でも、音程を取るのが難しい楽器です。
というのも、ピアノのように、この鍵盤を弾けば「ド」が出ると決まっていないからです。 バイオリンも指を抑えるポジションは決まっていますが、必ずしも合っている音が出るとは限らないため、自身の耳で正確な音を認識する必要もあるのです。
音を聴いて合っているのか、合っていないのかを理解し、合っている音が出る場所をおさえなくてはいけません。
そのため、バイオリンは他の楽器と比べて、音程を取るのが難しいと言われているのです。
だからこそバイオリンで得られるメリットは大きい!
音程を取るのが難しい楽器ではありますが、だからこそバイオリンを練習することで得られるメリットは大きいのです。では、バイオリンを練習することで、一体どんなメリットを得られるのでしょうか?
① 音感が身につく
先程お伝えしたとおり、バイオリンは決まった場所で必ずしも合っている音が出るとは限らず自分で音を作っていく必要がある楽器です。
そのため、「他の楽器と比べて音感が身につく」とも言われています。音を聴く力も必要ですし、その音を出す力も必要。したがって、バイオリンを練習していくことで、より正確な音感が身につくことが期待できるのです。
② 集中力が身につく
バイオリンは自分で音を作っていく楽器なので、音をしっかりと聴き表現していく必要があります。さらには、右手と左手が全く違う動きをするため、演奏にも集中しなければなりません。
右手は弓を動かす、左手は弦をおさえる、耳では音聴く、目は楽譜や弦をチェックする…などとても忙しいために集中力が必要になります。
そんなの無理!と思うかもしれませんが、これも慣れ。少しずつできるようになるはずなので、ゆっくり練習して行きましょう。
③ 脳が活性化!
先程お伝えしたように右手と左手が違う動きをし、弦をおさえる指はたくさん動かさなくてはいけません。実はこの動作で脳が活性化するのです。
指は「第二の脳」や「外部の脳」とも呼ばれているのですが、これは指をたくさん動かすことで脳が活性化されるため。バイオリンはたくさん指を動かす必要があるため、その分脳が活性化されていくということです。
2.バイオリン選びのコツ
バイオリンを買いたいけど、どのバイオリンが良いんだろう…と悩む方は多いようです。というのも、バイオリンの値段はとても幅広く安いものは数千円から、高いものになると数十万から100万円を超えるものまでさまざま。
初心者とは言え、安ければ良いってものでもありません。
バイオリンは完全に機械で作ることができない、とても繊細な楽器です。その中でも、主に機械で作られた量産品は安定した質のものをとても安く購入できるため初心者向けと言われますが、実はあまり長持ちしないという欠点も。
それに対し、信頼できる職人に1本1本心を込めて作られたバイオリンは、丁寧にメンテナンスをすることで長く使い続けることが可能です。手作りで作られた手工品のバイオリンは、安くても10万円以上、一般的には30万〜50万円程度、より良いものになると100万円以上の価格になっていることが多いようです。
ここでは、初心者からベテラン奏者までのレベルを3つに分けて選び方の解説をしていきますが、まずは順番に目を通して見てください。
レベルの分け方を理解できれば、自分がこれから目指したいレベルをより具体的に認識できるはずです。
これから始める方やまだ正しい音程が出せない方
バイオリンを弓で弾いてみて、弾きやすさを実際に確かめてみてください。
バイオリンは、ネックや本体の大きさ、厚み、形状がさまざま。実際に手に取って持ち比べ、自分の体や手に馴染む弾きやすいものを選ぶのが◎。
その際、音の響き方が自分の好みかどうかもチェックするのもオススメです。
なお、小さいお子さんが弾く場合には、子ども用のサイズ(分数バイオリン)が展開されているバイオリンを探しましょう。そしてお子さんの身長により、使用に適した大きさのバイオリンを選択するようにしてください。
身長によるバイオリン選択の目安
身長 | 105㎝以下 | 105~110 | 110~115 | 115~125 | 125~130 | 130~145 | 145㎝以上 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
サイズ | 1/16 | 1/10 | 1/8 | 1/4 | 1/2 | 3/4 | 4/4 |
※ バイオリンの大きさは分数で表記されます。
このように一番小さいサイズは1/16、一番大きいサイズは4/4(通常の大人用フルサイズ)と表記されます。
初心者やお子さんには1~4万円の価格帯が◎
趣味やお子さんの習い事など、初めてバイオリンに触れる初心者なら、まずはバイオリンに慣れることが先決です。はじめは1万円程度と格安な値段で購入できるもので十分かもしれません。
しかし、もしも予算が許すのであれば、質の高い2~4万円台のものもオススメ。数十万円する高価なバイオリンは、ある程度音が鳴らせるようになり、本格的にやってみたい!という場合に購入しても遅くはありませんよ。
反対に長く使える一生ものとして探している、昔習っていて音もある程度鳴らせるという方には、高価なバイオリンのほうが弾いたときに満足感を得られるかもしれません。
高価なバイオリンのなかでも、有名な職人が丁寧に手作りしたものが良いでしょう。きっと思ったような音を出しやすく、さまざまなニュアンスの音を鳴らすことができるはずです。
備品やテキストがセットになったものを選ぶ
バイオリンは本体だけでは弾けません。弾くための弓はもちろん、弓と本体の摩擦で音を生み出す松脂や、調律するためのチューナー、保管のためのケース、そして楽譜やテキスト、譜面台など、必要なものは数多くあります。
メーカーから「バイオリン初心者セット」、「入門セット」としてバイオリンのほかの備品がセットになって販売されている商品もあります。何を選んで良いのかさっぱり分からない場合には、まずは分かりやすいセットで一式揃えるのも良いかもしれませんね。
なるべく試奏してから買うのが◎
1万円代の安いバイオリン、数十万円する高価なバイオリンのどちらだとしてもバイオリンは個体差の大きい楽器なので、近くに楽器店がある場合は試奏してから買うのが絶対オススメ!
音の響きはもちろん、サイズ感など実際に弾いて試してみないと分からないことも多いものです。自分が「弾きやすい!」、「弾いて楽しい!」と思えるバイオリンを探すのが上達する近道かもしれません。
ある程度曲が演奏できる方
ある程度曲を自由に演奏できるレベルに到達している方は、信頼できる弦楽器専門店に相談することと自分の好みに忠実に探すことが大切です。
そして複数の候補を選んだら、「自分の好みか」または「音色は自分の演奏スタイルに合っているか」などを見定めながら比較検討してください。
プロを目指している音大生などのベテラン奏者
まずはさまざまな弓で弾いてみて、音の出方がどのように変わるかを確認するのがオススメです。
選択肢が狭まったらそれらを広い場所でも弾いてみて、友人などに遠くから音色が出る様子を聴いてもらうと良いかもしれません。
また、ハイレベルなベテラン奏者向けのバイオリンともなると、製造・販売・作者・年代・産地など見極めるポイントがたくさんあります。
そのため、弦楽器専門店のスタッフの中でも特にバイオリンに詳しい方に意見を求め、じっくりと検討していくことが多いようです。
3. バイオリンのおすすめブランド
バイオリンの選び方を理解したところで、レベル別にオススメのバイオリンブランドにはどんなものがあるのか一緒に見て行きましょう。
初心者向けバイオリンブランド
Carlo giordano(カルロ・ジョルダーノ )バイオリンアウトフィット VS-1
こちらは、明るい音色に豊かな音量が特長のバイオリンです。
特にVS-1は音を鳴らしやすいのと価格も4万円程度と手が出しやすい印象です。そのため、これからバイオリンを始める方たちから支持されており、全国のバイオリン教室でも多く採用されています。
なお、Carlo giordanoのすべての製品は、経験を積み重ねてきた職人により1本1本丁寧に調整されているのが特徴です。また、購入した後も長く演奏が楽しめるよう、万全のサポート体制を整えているのも嬉しいポイントです。
1stモール バイオリン シトラス セット ST-SITORAS-NB
1kg未満の軽量モデルのこちらは5,000円以内という破格の値段で買えるので、続けていけるかどうかが心配な方に特にオススメです。
本体・弓・ケース・松脂がすべてセットになっており、届いたその日から早速練習を始められます。
何万円もするバイオリンを購入した場合、慣れないうちは緊張して上手く扱えなくなってしまいがちですが、こちらなら最初からリラックスしてバイオリンを扱えるのではないでしょうか?
ただし、注意して欲しいのは、このバイオリンはチューニング(調弦)されていないという点。自分で調弦する必要があるので、いきなり弾けるというわけではありません。
鈴木 アウトフィット バイオリン No.230
鈴木バイオリンは、日本で初めてバイオリンを製作した老舗バイオリンメーカーです。中でもこのモデルには、手頃な価格でありながらもしっかりした品質と使いやすさを感じることができます。
特に本体の板が厚めに製造されているので、よほどの力を加えない限り破損する心配はないため、バイオリンに初めて触れる方でも安心して練習を重ねることが可能なのです。
また素材だけではなく、演奏性にもこだわって作られています。その分価格も5万円以上と決して安い金額ではありませんが、その分音質および音量がしっかりとしており、音色も十分に納得できるバイオリンなのです。
ケースや松脂なども付属するため、老舗メーカー選りすぐりのアイテムも一緒に手に入れたい!という方にはぴったりです。
中級者向けバイオリンブランド
YAMAHA Braviol(ヤマハ ブラビオール)バイオリンセット V7SG
こちらは一応、初心者向けシリーズとして販売されているものの、職人による入念な手作業により丁寧に作られた手工品です。
音質に最も良いとされる「オイルニス塗装」仕上げで、見た目から高級感があります。また、テールピース(弦のエンドを止める部分)一体型のアジャスター(音程の微調節ができるネジ状のパーツ)が4本の弦すべてに装備されているので、操作性も抜群。
あちこちに細やかな配慮が施されているこちらのバイオリン。その奏でる音色はもちろん申し分ありません。「本物の音を奏でたい!」とお考えの方にお勧めしたいバイオリンです。
Roderich Paesold(ローデリヒ・ペゾルト) PA-801J バイオリン
Roderich Paesold(ローデリヒ・ペゾルト)のバイオリンは、ニスや木材の品質、職人の技術レベルに重きを置いて作られている逸品です。なお、こちらPA-801Jは14万円ほどで、シリーズの中で最も安価なモデルとなります。
長い年月をかけて乾燥させた木材による本体の仕上がりは、世界的にも評価が高いです。音の立ち上がりが抜群で芯のある華やかな音色は、ドイツのイメージそのものと言った感じでしょうか。
全体がアンティーク調の仕上げとなっているので、見た目の美しさでこちらのメーカーを選ぶ方も多いのだとか。
また、テールピースには老舗中の老舗であるWittner(ウィットナー:メトロノームの生産を行ってきた、ドイツのメーカーの名称)を採用しており、調弦が簡単に行えます。調弦が苦手だという方にもお勧めしたいバイオリンのひとつです。
上級者向けバイオリンブランド
Raffaello Di Biagio(ラファエロ ディビアッジョ)工房
こちらのバイオリンは専門的にバイオリンを弾く方がターゲットなため、コンサートホールでも問題なく通用するほどの規格が施されています。そのため、値段も70万円を超える代物にはなりますが、その価値は十分にあります。
その誇るべき規格は、それに相応しい素材と製作技術、ニスの厚みまでも計算し尽くされ、音色の鳴りを追求した結果の賜物です。コンサートはもちろん、リサイタルでもまったく支障のない輝かしい音の鳴り方と、どんどん加速する音の飛び方はイタリア製ならでは。
音色の素晴らしさと即戦力としてのパワーが十分に認められ、現在ではイタリアをはじめ、ドイツ・イギリス・フランス・アメリカ・シンガポール・台湾・中国などでも非常に高い評価を得ています。
Francia-Italia(フランチャ・イタリア)
こちらは、先述した「ラファエロ ディビアッジョ工房」の弟分とされているバイオリンで、価格は52万円ほど。
楽器本体はフランスで、 ニスと最終仕上げはイタリアで施されており、ニスに至っては手塗り作業を25回以上も重ねるという、イタリア伝統の手法が用いられている高級品です。
このように、量産される作品には決して費やせないほどの時間をかけることにより、他では得られないニスの輝きと奥深さを実現しています。
また、マエストロであるラファエッロ・ディビアッジョ本人が、細部に至る箇所まで徹底的に監修したこちらは、倍ほども高価な新作イタリアンバイオリンと比較してもまったく引けを取るどころか抜きん出ているほどです。
このバイオリンは、製作者や流通に携わる方、そして厳しい目を持つ方々が心から納得した、渾身の作品なのです。
4.バイオリンは中古でも人気があるの?
バイオリンの魅力についてや選ぶ際のポイント、ブランドなどを見てきましたが、「バイオリンはとても繊細な楽器」と言われると、果たして一度使ったものでも売れるのか心配になりますよね。
実は、中古楽器を専門に扱うショップのHPを見ると、かなりたくさんの中古バイオリンのラインナップが並んでいます。というのも、中古バイオリンは、ユーズド楽器の中でも人気のある商品のひとつだからです。
これまでの内容を読んでいただければ分かるとおり、バイオリンはとても高価な楽器なため、
- 習い始めにバイオリンを安く買いたい
- バイオリンが壊れ、急遽買い替えたい
このような場合に中古のバイオリンを選ぶケースが多いようです。
また、お子さんがバイオリンを習う場合、成長に合わせてバイオリンのサイズを変えていく必要もあり、買い替えの頻度はより高くなる…というわけです。
古いバイオリンの方が価値がある?
バイオリンには、かなり古い時代から使い続けられている「オールド」、「ヴィンテージ」と呼ばれるものがあります。冒頭でお話ししたように特に有名なメーカーのバイオリンは、10億を超える驚きの金額で取り引きされることもあり、古いバイオリンの価値はかなり高いことが分かるかと思います。
ではなぜ、古いバイオリンが良いと言われているのかご存知ですか?
実は、長く使われているバイオリンは、その分しっかりと木が乾燥してより良い音が出ると言われており、あえて、新品ではなく古いバイオリンを選ぶという方も多いようなのです。(ただし、ひとつひとつ手作りで作られた手工品で、丁寧に手入れされたものに限ります。)
「中古」と「オールド」の違い
ここで気をつけたいのは、同じ古い楽器でも、「オールドバイオリン」と「中古バイオリン」は違うものとして評価されます。
明確な定義はないのですが、簡単に説明すると、
オールドバイオリン | 造られてからおよそ100年以上経ち、市場価値の高い楽器のこと |
中古バイオリン | 一度でも使用されたことのある量産性の楽器のこと |
ストラディバリウスのような、人気のある製作者や生産国の楽器で、楽器の健康状態がとても良く、経過した年月によって音色がより成熟した市場価値の高い楽器が「オールド」と呼ばれます。
一方で、一度でも使用された事のある初級〜中級者向けの量産楽器、または職人の手で造られた手工楽器のことを「中古」と呼びます。
100年以上経っている楽器や高価な楽器(100万円以上)は無条件でオールドと呼ぶ方もいるようで、実際のところオールドと中古の境目の判断が曖昧なため明確にこれ!とはお伝えしづらいのですが、最終的には市場価値が判断基準になると考えた方が良さそうです。
真のオールド楽器となると安くても500万円以上、基本的には数千万円単位の金額でしか手に入らないレベルの楽器で、これほど価値のあるバイオリンとなると将来有望な音大生や、第一線で活躍されている奏者の方など、限られた方が手にするものとなります。
オールドバイオリンの中の歴史的価値のある「名器」と呼ばれるものは、個人で所有することは禁じられていることが多く、美術館などに寄贈されており、限られた方のみが演奏することを許されるのです。
「手工楽器」と「量産楽器」
中古の中でも「手工楽器」と「量産楽器」の2つに分けられるバイオリン。
この2つはどう違うのかというと、手工楽器は職人が一から全て手作業で作り上げるのに対し、量産楽器は、ある程度の工程を機械で制作します。
どちらが良いというわけではなく、手工楽器はその職人の良し悪しで楽器の質が大きく左右されるのですが、反対に量産楽器は一定の水準の楽器を効率良く生産することが可能です。
高額で取り引きされるオールドバイオリンは、もちろん素材も職人も一流でなければなりませんが、「手作り」を謳い文句に質の悪いバイオリンを販売している業者が存在しているという事実もあるのです。
現在の量産楽器は侮れず、中にはかなり良い楽器もあります。「量産楽器だから」と言ってバカにせずまずは試奏してみることをお勧めします。
どちらのバイオリンにしろ、試奏することが良い楽器かどうか見極めるコツでもあります。
中古バイオリンが人気な理由
オールドバイオリンは私たちのような一般の方には縁がないものかもしれませんが、中古バイオリンは違います。
中古バイオリンを選ぶ理由として、
- 値段の低さ
- 音色の変化
この2つが挙げられます。
一般的な中古バイオリンは、定価のおよそ半額程度で購入することができます。
続くか分からないから最初は安価な楽器にしたい方や、1年前後しか使用できないお子さんの分数楽器(身体の小さい方やお子さんがバイオリンを習得・演奏する為に作られる楽器)は安く済ませたいという方には持ってこいかもしれません。
そして、「造られたばかりで誰も弾いていない新品の楽器」と、「造られてから数十年経過し、それまでに誰かが弾き込んでいた楽器」では、音色が全く違うのがバイオリンの魅力でもあります。
初心者向けにご紹介したような入門セットなどのバイオリンは、年月と共に音色が成熟し魅力的になることは残念ながらありません。
しかし、職人が手作業で製作した質の良い楽器は、使用されている木材が乾燥したり、楽器に塗られているニスが馴染んできたり、さまざまな条件が揃うことで「年月が経った楽器だからこそ奏でられる音」であり、これは、腕の良い職人がどんなに努力しても造ることのできない「歳月のみが生み出せる音色」なのです。
しかし、このような楽器の場合、値段は数十万〜数百万円と条件によって幅があり、とにかく安いものを!という方向けではありません。
5. 中古のバイオリンはいくらで売れる?
中古市場でバイオリンが人気な理由はお分かり頂けたかと思いますが、次は「処分する際にいくらで取り引きされるのか」です。
もちろん、バイオリンの状態や買取に出す業者によってもその差は大きく異なります。ここで紹介するのは、あくまでも目安ですので、参考までにご覧くださいね。
中古バイオリン ブランド別買取相場
なお、ここでは数千〜数万円程度の一般的な価格帯のブランド3つに絞って買取相場をご紹介して行きたいと思います。
ブランド名 | 買取価格の相場 |
---|---|
Suzuki Violin(鈴木 バイオリン) | 2,000~11,000円(税込) |
YAMAHA(ヤマハ) | 15,000~25,000円(税込) |
Carlo giordano(カルロ・ジョルダーノ ) | 4,000〜48,000円(税込) |
このように、比較的手頃な価格のブランドでも買取相場は低くないことが分かるかと思います。ここでは載せていませんが、例えばイタリア製の一流の職人が手掛けたバイオリンともなると、その買取価格は予想すら難しいほど高値になることも。
バイオリンの査定は難しく、同じブランド内でもモデルごとに元々の品質や価格も異なるので、一概にいくらとはお伝えできないのが現状なのですが、中古バイオリンの人気の理由でお話ししたように状態が良くメンテナンスされたバイオリンは価値があり、比較的良い値で取り引きされることが多いようです。
6. バイオリンをできるだけ高く売るには?
せっかくバイオリンを手放すのであれば、少しでも高く買い取ってもらいたいと思いますよね。
バイオリンをできるだけ高く売るためには、どのような工夫ができるのでしょうか?
ここでは、バイオリンを売る際のちょっとしたポイントを解説して行きたいと思います!
できる限りキレイにしてから買取に出す
バイオリンを少しでも高価買取してもらうには、キレイにしてから買取に出すことが大切です。
新品に近い状態であるほど買取額は高くなる傾向があるため、査定前にバイオリンをキレイにしておくことで査定額が減るのを防げるのです。
バイオリンを簡単に掃除する方法を紹介すると、
- 専用クロスでニスや弦、指板をやさしく拭く
- 少量のクリーナーをクロスにつけて拭き、もう1枚のクロスで乾拭きする
ここで気をつけたいのは、バイオリンが傷付く可能性もあるため、クリーナーを使用する際は研磨剤入りのものを避けるようにしてくださいね。
弦をメンテナンスして売る
バイオリンをより高値で売るためには、弦もメンテナンスしてから査定に出すようにしましょう。
査定時には音色を確かめることが多く、弦の状態が悪いと必然的に音が悪くなってしまいます。当然のことなのですが音が悪いバイオリンは買取価格が下がりやすいため、自身で簡単にでもメンテナンスしておくのがオススメです。
弦をメンテナンスする際は専用クロスでしっかり拭き取りましょう。
付属品を新品に近い状態にそろえて売る
バイオリンを少しでも高価買取してもらうには、本体以外に付属品を合わせて売ることが重要です。
付属品の有無は査定額を大きく左右する可能性があるため、できるだけ準備しておくのが◎。
バイオリンの付属品として挙げられるのは以下のようなものです。
- 取扱説明書
- 鑑定書
- 弓、弦
- 肩当て
- ケース
上記の中でも高級バイオリンを売りたい場合は、鑑定書があると高価買取されやすいため必ず用意しましょう。
複数の買取店で見積り査定をしてもらう
実は、買取市場において有名ブランドのはずなのに査定額が低いということも非常に多くあります。
というのも、店舗によって査定するスタッフも違いますし査定基準にバラつきがあるため、思ったような査定額にならなかった…という事態が起こってしまうのです。
必ず取り引きを済ませてしまう前に、少なくとも3つ以上の買取業者に見積もり査定額を出してもらっておきましょう。後から他店の方が高価買取してもらえることを知った場合、バイオリンを返してくれるお店は滅多にありません。
最近は、LINEやメールなどで簡単に無料査定が出せる業者も多いので、直接相見積もりするのが不安という場合にはそういったサービスを活用するのもオススメですよ!
できるだけ早く売る
バイオリンを1円でも高く買取してもらうには、なるべく早めに買取依頼するのがオススメです。
古いものでも価値があるとお伝えしたバイオリンですが、残念ながらどんなものでもというわけではありません。
きちんとメンテナンスされたものであったり、オールドバイオリンなどのヴィンテージは例外ですが、基本的にバイオリンも古くなれば価値が下がります。
メンテナンスしないで放置している場合は経年劣化が進んでしまい、価値は下がっていく一方。
余程の価値のあるバイオリンでない限り、なるべく早く売るのが良いかもしれません。
7. バイオリンのメンテナンス方法
何度もお伝えしていますが、バイオリンはとてもデリケートな楽器です。
正しく手入れすることで修理が必要となるようなトラブルも減らすことになりますし、高価買取にも繋がることになります。
ここでは、そんなバイオリンのメンテナンス方法をまとめてご紹介いたします。
練習や演奏後など
練習・演奏後は、松脂や手垢、汗などで汚れますので、必ず楽器を拭くクセをつけましょう。
バイオリン本体のお手入れ
楽器に残った松脂の粉を放置しておくと頑固な汚れの原因になります。演奏した後は多少面倒でも、必ず楽器のお手入れをしましょう。
ここで重要なのは、本体を磨くには必ずバイオリン属の楽器専用クロスを使用すること。普通のタオルなどで磨いてしまうと、とてもデリケートなニスの表面に細かな傷を付けてしまう恐れがあります。
- 駒の周りに飛び散った松脂の粉を拭き取る
- 弦にこびりついた松脂を拭き取る
- 指板やあごあて付近に残った汗、手垢などを拭き取る
このような手順で磨きましょう。その際に松脂を落とすクロスと別のクロスを分けて使用する方もいらっしゃるようです。
弓のお手入れ
弓のお手入れは至ってシンプル。まずスティック部に飛び散った松脂の粉を拭き取り、そして手が触れるフロッグ部周辺も拭き取りましょう。
普段のお手入れ
バイオリン本体
皆さんご存知のとおり、バイオリンは木でできています。
日本の気候から考えても、温度・湿度の変化にバイオリンはとても敏感です。湿度の高い梅雨時期や雨の日は乾燥剤をケースに入れておくと◎。
夏は高温になる所は避け、涼しく風通しの良いところに保管します。冬は暖房器具のそばは避け、極度な乾燥にも注意が必要です。
そして練習・演奏の前やお手入れ時に、全体のチェックも欠かせません。
とくに駒は、繰り返す調弦で、指板の方へと傾いてくることがあります。表板に垂直に駒が立っているかどうか時々点検してみましょう。
弓
弓もバイオリン本体同様に通気性の良いところで保管します。 長期間保管する場合は、時折ケースから出して虫干し(虫食いを避けるために通気性を良くすること)をし、防虫剤をケースに入れるなど気を配りましょう。
<弓の毛替え>
弓毛は消耗品です。
定期的な毛替えが必要となり、演奏量にもよりますが3~6ヶ月に1度、最低でも1年に1回は毛替えをした方が良いと言われています。
新品の弓、毛替えをした後の弓は松脂が塗られていないことが多く、そのまま弾いても音は出ません。弓毛をピンと張り1~2分程度かけて弓先からフロッグの手前まで、毛の部分にしっかり松脂を塗るのを忘れないようにしましょう。
8. バイオリンを売るならこの業者がオススメ!
バイオリンの状態も当然重要ですが、バイオリンを査定に出す上で次に重要になってくるのは「業者選び」。どんなに良いバイオリンだとしても、その価値がわからない査定士の前では意味がありませんよね。
バイオリンを売却するのにオススメの業者は、
- 楽器専門買取業者
- ネットオークション・フリマアプリ
- 「買取に強い」不用品回収業者
この3つ。
それでは、バイオリンの売却に向いている業者を順番にご紹介して行きたいと思います!
楽器専門買取業者
バイオリンだけでなく、楽器の買取には専門知識が必要となります。どこにでもあるようなさまざまなジャンルを取り扱うリサイクルショップでは、バイオリンの価値が分からず、相場よりもかなり低く査定されてしまった…なんてことにもなりかねません。
その点、楽器専門店であれば知識のある査定士が常駐しているはずなので、こちらからの値段交渉などにも問題なく応えてくれるはずです。
しかし、楽器専門店だからと言って、全てお任せするのはお勧めしません。先程高価買取のためにできることでお話ししたように、利用する店舗によって査定基準が違い査定に大きく差が出ることがあるためです。あらかじめご自身で相場を調べていただき、信頼できる店舗に買取はお願いしましょう。
なお、買取の難しいバイオリンの場合は、残念ながら引き取ってもらえないことがほとんどなので、その場合は別の処分方法を検討し直す必要があります。
ネットオークション・フリマアプリ
ネットオークションやフリマアプリでは、出品者が設定した販売価格にて販売できるシステムとなっており、上手くいけば楽器専門店よりも高値で売ることができます。多少高額になっても価値のある品は求められる…というのがネットオークションやフリマの最大のメリットではないでしょうか?
また、購入者とのやり取り、代金の受け取りなどはアプリの提供事業者を介して行われるので個人情報などが漏れる心配がなく、安心して利用することができますよね。
買取店では断られてしまったバイオリンでも、有名ブランドのものや見た目がキレイで目立ったキズがなく、破損した部分などがない場合は価格が少々高くても売れやすい傾向にあり、すでにさまざまな種類のバイオリンが出品され取り引き成立したものも多く見られます。
出品されたものの中には、弦のみであったり、松脂のみというものもあり、バイオリン本体はキズがあり難しい場合にも付属品のみ出品することも可能になります。
実際にフリマアプリを利用する手順は以下のとおりです。
- 事前にバイオリンの相場を調べたうえで、販売価格を決定する
- 商品説明をわかりやすく書く
- バイオリンの商品画像を自分で撮影して、商品ページに掲載する
- 自宅からの運び出しと発送手続き
- 購入者とのやり取り
費用がかからずスマホひとつで簡単に、付属品のみでも出品でき、価格も好きに設定できるなんて夢のような売却方法ですが、こうして手順を見てみると、自分自身で行わなければならないことが多い印象です。
さらに、ネットオークションやフリマでは「より安くしよう」と値切ってくる方も多く、出品物に対する細かい解説を求められることも多々あるため、バイオリンの知識をきちんと説明できないことには高額で落札してもらうのは難しいかもしれません。
また、バイオリンに傷が付いてはトラブルに発展しかねませんから、配送時の破損などを防ぐために梱包を厳重に行う必要もあり、自分ひとりで行うにはそれなりの労力がいるかもしれません。お得な売却方法のひとつですが、売却方法の中では唯一手間やご自身の労力がかかる方法でもあります。
商品写真の撮影や細かな説明、個人間でのやり取りや配送にかかるさまざまな費用が心配な方にはあまりお勧めできません。
「買取に強い」不用品回収業者
「不用品回収業者」と聞くと、単にいらないものをまとめて処分してくれる便利な業者と思われる方が多いかもしれません。しかし、それは少し間違いです。
不用品回収業者の中には、「買取」により力を入れ、各ジャンルの専門知識を持った査定士が常駐している業者もあるんです!そんな不用品回収業者に依頼すれば、バイオリンの価値を分かった上でしっかり査定してもらえますし、他にも不用品がある場合にはまとめて処分することももちろん可能です。
不用品回収業者に依頼するメリットは、
- 自分の都合に合わせて自宅まで回収に来てくれる。
- 不用品回収・買取を全てワンストップで行える。
- 回収・買取をしてくれる業者なら、査定額を差し引いてお得に処分できる。
- 買取不可な場合でも、引き取りに応じてくれる。
- 自分で運び出す必要がない。
- 他の不用品もまとめて処分してもらえる。(まとめて処分する方がお得になる。)
不用品回収業者のほとんどがこういったメリットがある一方、中には悪徳業者もあるので注意が必要です。
どういった点を気を付けるべきなのかというと、
- 「無料」を謳い文句にする。
- チラシ投函を積極的にしている。
- トラックで町を巡回している。
こういった業者は、後から高額請求してきたり、不用品回収後に不法投棄したりするケースも。
「無料回収」を謳い文句に、出張費用や運搬費用などを後から請求するという悪どい業者も結構あるんです。
ましてや不法投棄の場合は、業者だけでなく依頼主も法で裁かれるので他人事ではありません。
不用品の回収や処分、買取には、「一般廃棄物収集運搬業許可」や「古物商許可」などの資格が必要になります。資格を取得している業者であれば、まず安心して大丈夫です。
HPに記載されているはずなので、不用品回収業者に依頼を検討する場合、まず資格を持った業者なのか、見積もりはどうか、さまざまな方向から調べましょう。
9. これだけはやめて!バイオリンのNGな処分方法
ここまで、バイオリンは価値があるもの=売却しよう!とお伝えしてきましたが、実は絶対にやめて欲しい売却方法もあります。そして、それと同様に避けたい行動もあるのです。
それがなんなのか、一緒に見て行きましょう。
リサイクルショップに持ち込む
売却の項目では「楽器専門店」、「ネットオークション・フリマアプリ」、「不用品回収業者」の3つをご紹介しましたが、買取と言えばリサイクルショップじゃないの?と疑問に感じた方がいらっしゃるかもしれません。
バイオリンに限らず弦楽器に関して言わせていただきますと、リサイクルショップに持ち込むのだけは絶対にお勧めしません!
バイオリンのような四重奏の弦楽器は、弦楽器の中でも非常に価値があり本来高値で取り引きされるもの。
リサイクルショップは、数多くのジャンルを幅広く取り扱う便利なお店ではありますが、その分専門性に欠けるというデメリットがあります。本来なら価値のあるバイオリンも、相場の半分以下の値段で査定されてしまうこともあるのです。
そのような事態を避けるためにも、まずは専門的な知識のある楽器専門店・不用品回収業者に依頼することをお勧めします。
バイオリンの価値を知らないまま処分する
自分自身が大切にしていたバイオリンであれば、もちろんその価値は十分理解しているでしょうし、きっと慎重に処分方法を検討されると思います。
しかし、バイオリンを始めとした楽器は、実は「遺品整理」などで処分する機会が多いもののひとつ。
遺品整理の場合、いつどこで購入したか分からないものを処分することになります。
見た目が汚れていたり壊れていると安易に判断してしまい、価値のあるものを間違って廃棄処分してしまったり、適当な業者に依頼したがために価値に見合わない価格で買い取られてしまうことも。
売れるか分からないバイオリンだとしても、ぜひ一度信頼のおける楽器専門店か不用品回収業者に査定してもらいましょう。査定は無料でしてもらえますし、納得がいかなければ断ることも可能です。査定してもらってからでも廃棄処分するのは決して遅くはありません。
「何も知らないまま捨ててしまう」のと、「査定をし価値が分かった上で捨てる」のとでは意味が変わってきます。少し手間に感じるかもしれませんが、査定に出すことはバイオリンの処分においてとても意味のあることなのです。
とは言っても、残念ながら全てのバイオリンが売れるとは限りません。誰がどう見ても修復しようがないほど劣化してしまっていたり、パーツが欠損してしまっていては買取が難しいのは仕方のないことです。
では、売れなかったバイオリンは、一体どのように処分すれば良いのでしょうか?
10. 売れなかったバイオリンはどうすれば良い?
売ることができなかったバイオリンは、その他の処分方法を選択するしかありません。
売却以外のバイオリンの処分方法は、
- 粗大ゴミとして処分する
- 自治体の処理施設に自己搬入する
- 知人や友人に譲る
- 支援団体に寄付する
- 不用品回収業者に回収を依頼する
この5つです。では順を追って見て行きましょう。
粗大ゴミとして処分する
いらなくなったバイオリンなどその他の楽器もそうですが、ある程度大きさのある不用品を処分する方法としてもっともスタンダードなのは、自治体で粗大ゴミとして処分してもらう方法です。
有料とは言え、比較的安く不用品を処分することができるのはメリットと言えます。
バイオリンを粗大ゴミとして処分する場合、以下のような手順が必要になります。
<粗大ゴミの申し込み手順>
- 粗大ゴミ受付センターに電話で申し込む
- 収集日、収集場所、料金を確認する
- 指定の販売店などで(スーパーコンビニ他)、手数料納付券(シール)を購入
- 納付券に名前を記入して、バイオリンに貼る
- 収集日に指定場所に出す(立ち合いは不要)
※ 一般的な粗大ゴミの申し込み手順です。自治体によってルールや必要な費用は異なりますので、詳しくは各自治体のHPなどでご確認ください。
この方法のデメリットは処分するまでに時間がかかる点と不用品を指定された場所(家の外)まで運んでおかなければならないという点です。急いでバイオリンを処分したくても、予約した日にち以外で処分することはできませんし、夜勤など仕事の都合などで平日の朝に時間が取れない場合には、不便に感じるかもしれません。
なお、自治体の粗大ゴミ収集では、家からの運び出しには対応していないので注意が必要です。
自治体の処理施設に自己搬入する
自力でバイオリンを処分する方法のひとつに、「自治体の処理施設に持ち込む」自己搬入という手段があります。こちらの方法も粗大ゴミ回収同様に、比較的安く済みますが手数料が必要となります。
<ゴミ処理施設に自己搬入する手順>
- 粗大ゴミ受付センターに電話で申し込む
- 収集日、収集場所、料金を確認する
- 指定された日付に自身で処理場まで運ぶ
自治体により、自身であらかじめゴミ処理券を購入して貼る必要がある場合と、当日処理場にて現金で処分費用を支払う場合があります。ゴミ処理券の購入の必要がある場合は料金などの確認が済み次第、粗大ゴミ同様にスーパーやコンビニなどで購入し布団に貼っておきましょう。
回収・持ち込みのどちらの方法でも言えますが、自治体の処分は費用面では安くなるのは嬉しい反面、「回収・持ち込みの曜日が決められている」「自身で運ぶ手間が必要」な点が不便であり、引越しの都合などで急いでいる場合や移動手段がなく自力で運び出しするのが困難な場合には不向きかもしれません。
知人や友人に譲る
周りにバイオリンを始めたい!と興味をお持ちの方がいらっしゃるなら、譲るというのも良いかもしれません。
本体に傷があるなどで買取は断られてしまったけど、メンテナンス次第で演奏に問題がないのであれば、バイオリンとしての価値はまだまだ十分にあります。
バイオリンは購入しようと思うとそれなりに高額なものなので、譲ってもらえるとなればお相手も大変喜ばれるはずです。欲しいという方に演奏してもらえた方がこちらとしても嬉しいですよね。
ただし、相手が遠方であった場合には、配送料が発生します。
そもそもバイオリン自体が高額な場合もあるので、無料で譲るのを条件に「配送料は相手持ち」にするなど、費用の面での話し合いを事前にきちんとしておかないと、後々トラブルになりかねないのでその点だけ注意しましょう。
支援団体に寄付する
バイオリンをただ廃棄処分するのはもったいないけど、傷などがあり売れるようなものではないし…という方には、寄付がオススメです。直接団体に持ち込むことが可能であれば、その場合は費用はかかりません。
ただし、寄付する際に必要となる配送料はこちら持ちとなるので、遠方で配送しなければならないという場合は、残念ながら無料で処分できるわけではありません。しかし、廃棄処分してしまうと無駄になってしまう資源で社会貢献できるのは素晴らしいことです。
なお、費用はかかってしまいますが、自宅まで引き取りにきてもらえるサービスもあるので、自力での運搬が難しい場合や、忙しくてなかなか時間が作れない方は利用してみても良いかもしれませんね。
弊社でも「ユースマイル」という世界の恵まれない人達に寄付する取り組みをしています。画像からリンク先に飛ぶことができますので、ぜひ一度ご覧になってみてください。
不用品回収業者に回収を依頼する
不用品回収業者については先述した売却にオススメの業者3つの中で詳しく説明していますので割愛いたしますが、不用品回収業者は、バイオリンが売れない場合でも回収が可能です。
バイオリン以外にも処分したいものがある場合などに大変便利なので、一度検討して見ても良いかもしれませんね。
11.まとめ
今回は、バイオリンについて、その魅力や演奏することのメリット、買取においての相場などお得な情報もあわせてご紹介してまいりました。
今回の記事を簡単にまとめると、
- バイオリンは擦弦楽器のひとつ
- 使うことで増す深い音色が魅力
- 値段は幅広く、数千〜数百万円
- 年齢や性別は問わず、練習次第で誰でも演奏することができる
- バイオリンは中古でも人気
- 一流職人の手工されたバイオリンの価値は、時代と共に上がり続ける
- 高く売るためには日頃のメンテナンス、業者選びが重要
このような内容でした。
バイオリンはとても繊細で、その取り扱いが難しいと感じる方も多いかもしれません。しかし、手を掛けた分だけ、音色に現れる素晴らしい楽器でもあります。価値を知らないまま捨ててしまうことが無いよう、処分方法には気をつけたいものですよね。
もしもバイオリンを手放すタイミングが訪れたら、価値を理解してくれ信頼できる業者にお任せしたいと思いませんか?
不用品回収業者である出張回収センターは、そんな大切な価値のあるバイオリンも心を込めて買取・回収させていただきます!
バイオリンの処分でお困りなら、ぜひ一度ご相談ください!