「ガスや火を使わないので火災リスクが低い」「温度調整やお手入れが簡単」…などメリットが多いIHクッキングヒーター(IHコンロ)。
愛用者の多い調理家電ですが、不要になった際には「どう処分する?」「普通の家電と同じ捨て方でいいの?」と迷う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回のコラムでは、IHクッキングヒーターの処分方法を詳しく解説していきます。
処分前に知っておきたいIHクッキングヒーターの種類や寿命についても解説していますので、処分をお考えの方はぜひ目を通してみてください!
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IHクッキングヒーターとは?
具体的な処分方法についてお伝えする前に、ここではまずIHクッキングヒーターの種類や分別、そして寿命や処分のタイミングについて解説します。
IHクッキングヒーターの種類
IHクッキングヒーターには以下の3つの種類があります。
- 据置型
- ビルトイン型
- 卓上型
コンロ台の上にIHクッキングヒーターを設置する据置型や、IHクッキングヒーターをキッチン天板の中に埋め込むビルトイン型のクッキングヒーターは、口数が多いため複数の料理を同時に作るのに適しています。ファミリー層や、料理をたくさん作る方におすすめの調理家電です。
ただし、据え置き型やビルトイン型は口数が多いぶん本体サイズが大きくなりがちで「持ち運びしにくい」「捨てる際には少なからず費用がかかる」といったデメリットも。処分時には注意が必要です。
その一方で卓上型IHクッキングヒーターは「口数が少ない」というデメリットはあるものの、そのぶん「持ち運びが簡単」「電源があればどこでも使用できる」というメリットがあります。
サイズが小さいため「不燃ごみ」や「小型家電」として比較的簡単に処分できるのも魅力のひとつです。
ちなみに、IHクッキングヒーターに似た製品で、電気コンロ(電熱器)というものもあります。IHクッキングヒーターと電気コンロの違いは以下の通りです。
製品名 | 加熱方法 | 消費電力 |
---|---|---|
IHクッキングヒーター | 電磁誘導で鍋自体を発熱させる | 1,000~1,400W程度 |
電気コンロ | コイル状(渦巻き状)の電熱線を加熱させる | 600W~ |
どちらも電気製品であることから混同されやすいですが、上記のように加熱方法や消費電力は全く違います。IHクッキングヒーターと電気コンロでは使える調理器具が異なることもあるため、選ぶ際は注意が必要です。
寿命は10年程度
IHクッキングヒーターの寿命は10年~15年程度。
火を使わないため、ガスコンロよりは長く使用できると言われています。
とはいえ、使用頻度や使い方によってはそれよりも短い使用期間で寿命を迎えることもあるため注意しましょう。IHクッキングヒーターの買替のサインは、以下の通りです。
- 出力が落ちている
- 温まらない
- 電源が入らない
- 機能が使えない
- 異臭・異音がする
- トッププレートの破損 など
IHクッキングヒーターに不具合が起こると料理ができず日々の生活に支障がでるのはもちろん、トッププレートの破損や温度検知機能の故障は感電や火災を引き起こす恐れがあり、大変危険です。
「IHだから火事は起こらない」と過信せず、不具合があるなら早めに買替や処分を検討しましょう、
IHクッキングヒーターの処分方法7選!
ここからは実際にIHクッキングヒーターを処分する方法を確認していきます!
- 自治体でごみとして処分する
- 小型家電回収ボックスに投入する
- 家電量販店に回収してもらう
- リサイクルショップで売却する
- フリマアプリ・ネットオークションに出品する
- 人に譲る
- 不用品回収業者に回収を依頼する
お手持ちのIHクッキングヒーターの種類や状態に合った方法を選んでみてください。
①自治体でごみとして処分する
IHクッキングヒーターは、自治体でごみとして回収してもらえます。
この場合は、無料もしくは安価な費用でIHクッキングヒーターを処分可能です。
ただし、IHクッキングヒーターがどの分別になるかは自治体によって異なり、また卓上型とビルトイン型では違う捨て方を指示される場合もあるため注意してください。
ごみに出す前には必ずお住まいの自治体の分別を確認しましょう。
【各自治体のIHクッキングヒーターの分別】
- 宮城県仙台市:一番長い部分の長さがおおむね30cmを超えるものは粗大ごみ。30cm以下のものは家庭ごみか小型家電
- 千葉県柏市:卓上型は不燃ごみ。ビルトイン型は資源品(金属品)※重さ制限有
- 神奈川県横浜市:粗大ごみ※金属製で30cm未満のものは小さな金属類、金属製以外で50㎝未満のものは燃やすごみへ
- 愛知県名古屋市:粗大ごみ
- 静岡県静岡市:不燃・粗大ごみ
- 兵庫県神戸市:燃えないごみか小型家電リサイクルBOX。指定袋に入らない、または5kg以上の場合には「大型ごみ」
自治体によっては分別一覧に「IHクッキングヒーター」の記載がなかったり、「電磁調理器」「電気コンロ」など違う名称が書かれていたりすることもあります。
自治体の分別一覧を見ても分別や捨て方がわからない場合は、直接自治体の窓口に確認しておくと安心です。
不燃ごみの出し方
お手持ちのIHクッキングヒーターが規定サイズ以下のものであれば、指定ごみ袋に入れ、指定日時にごみ収集場所へ出すだけで処分が完了します。
予約や手数料は必要ないので手軽な捨て方です。
ただし、不燃ごみの収集頻度は月一回程度と低く、すぐに捨てられないというデメリットがあります。
急ぎで捨てたいなら別の方法を検討しましょう。
粗大ごみの出し方
据置型やビルトイン型など、サイズの大きなIHクッキングヒーターは粗大ごみとして排出します。
その場合の手順と、各自治体の粗大ごみ手数料は以下の通りです。
- 受付締切日までに粗大ごみ受付センターに電話かインターネットで申込
- 収集日、収集場所、料金を確認する
- スーパーやコンビニなど指定の販売店で手数料納付券(シール)を購入
- IHクッキングヒーターに受付番号や氏名を記入した手数料納付券を貼る
- 収集日に指定場所に出す(立ち合いは不要)
【各自治体の粗大ごみ手数料】
- 宮城県仙台市:高さ・幅・奥行の合計が1.5m未満は処理手数料400円。1.5m以上は800円
- 愛知県名古屋市:500円
- 静岡県静岡市:無料
粗大ごみ回収の手数料はどの自治体も数百円程度となっており、費用が安く済むのがメリットです。
ただし収集頻度は不燃ごみと同じく月一回程度となっているほか、「予約や手数料納付券の購入など事前準備が必要」「重いIHクッキングヒーターをごみ収集場所まで運ばなければならない」というデメリットもあるため注意しましょう。
②小型家電回収ボックスに投入する
卓上IHクッキングヒーターは、自治体で「小型家電」として処分できるケースもあります。
その場合は自治体が設置している小型家電回収ボックスにIHクッキングヒーターを投入するだけで、費用をかけずに処分可能です。
ただしIHクッキングヒーターのサイズによっては、回収ボックスの投入口に入らない場合もあるため注意してください。
【回収ボックス投入可能サイズの一例】
- 神奈川県横浜市:30×15㎝(長さ30cm未満)
- 愛知県名古屋市:縦15×横40×奥行25㎝以下
- 大阪府大阪市:15×30cm
- 福岡県福岡市:25cm×8.5cm
せっかく持ち込んだのに投入口に入らず、再度家までクッキングヒーターを持ち帰ることになってしまった…なんてことにならないよう、持ち込む前には投入口サイズの確認を済ませておきましょう。
「小型家電回収ボックスに入らない」「近くに回収ボックスがない」という場合は各自治体が実施しているやイベント回収、認定事業者による宅配回収を利用するという方法もあります。
お住まいの自治体の実施している回収方法の中から、利用しやすい方法を選んでみてください。
▼小型家電の処分について詳しくはこちら▼
③家電量販店の回収サービスを利用する
家電量販店でも、IHクッキングヒーターを小型家電として回収しています。
費用はかかるものの、営業時間内ならいつでも利用できるのがメリットです。
各店の対応をまとめましたので、処分時には参考にしてみてください。
- エディオン:550円(税込) ※卓上型
- ノジマ:処分のみの対応は不可。同等商品を購入すれば同じ数量まで無料で処分(※モバイル会員限定)
- ヨドバシカメラ:2,200円(税込)
- ビックカメラ・コジマ:小型家電まとめて回収一括1,958円(税込)
- ジョーシン:550円(税込)※ビルトイン型は不可
- ケーズデンキ:2,200円(税込)
家電量販店で回収してもらえるのは卓上型のIHクッキングヒーターのみです。
据置型やビルトイン型の回収には対応していないことがほとんどなので、ご注意ください。
お店によってはそもそも小型家電回収に対応していない可能性もあるため、引き取ってもらえるかどうかや費用については事前にお店に確認しておくのをおすすめします。
④リサイクルショップで売却する
まだ使用できるIHクッキングヒーターであれば、リサイクルショップで売却することも可能です。
以下のようなメーカーの商品であれば高額買取が期待できます。
【IHクッキングヒーターの人気メーカー】
- Panasonic(パナソニック)
- HITACHI(日立)
- IRIS OHYAMA(アイリスオーヤマ)
- MITSUBISHI(三菱電機)
- 山善
- 象印
ただし、リサイクルショップでは買取できる家電製品を「製造から5~7年以内のもの」としていることが多いため注意してください。
- セカンドストリート:家電は10年以内に製造されたものが買取対象
- ハードオフ:基本的に製造後7年以内のものが買取対象(オーディオ製品は年式問わず受付)
- トレジャーファクトリー:製造年数が7年以内
人気メーカーの製品で状態が良いものでも、製造年数が古いというだけで買取不可になってしまうこともあります。持込前にはお手持ちのIHクッキングヒーターの製造年数を確認しておきましょう。
⑤フリマアプリ・ネットオークションに出品する
フリマアプリ・ネットオークションには、卓上型・ビルトイン型問わずさまざまなIHクッキングヒーターが出品されています。
【メルカリで実際に取引されているIHクッキングヒーター】
- アイリスオーヤマ 据置型クッキングヒーター:6,000円
- パナソニック 卓上型クッキングヒーター(ジャンク品):2,499円
- 山善 卓上型クッキングヒーター:2,300円
- 三菱 ビルトイン型クッキングヒーター:13,000円
フリマアプリ・ネットオークションは自分で価格が設定できるため、「リサイクルショップよりも高値で売れやすい」のがメリットです。リサイクルショップでは買い取ってもらえなかった古いもの、壊れたものでも需要があれば売却できますので、一度出品してみるといいでしょう。
ただし、こちらの手段は出品から発送までの作業をすべて自分で行うため、少なからず手間や時間がかかるのがネックです。
「すぐに手放したい」「手間をかけられない」ということでしたら、別の方法を選んだほうがいいかもしれません。
⑥人に譲る
知人や友人でIHクッキングヒーターを必要としている人がいれば、譲って使ってもらうという手もあります。
譲り先が見つからないなら、地元の掲示板「ジモティー」を利用して譲り先を探すのもいいでしょう。
この方法のメリットは、何より手間が少ないことです。IHクッキングヒーターを手渡しできるのであれば、梱包や発送は必要ありませんし、送料も必要なくなります。
まだ使えるIHクッキングヒーターを捨てずに済むので、罪悪感がなくなるのもいいですよね。
ただし、お譲りするIHクッキングヒーターに不具合があった場合は、お譲り後のクレームや返品などトラブルに発展する可能性もあるため注意が必要です。
お譲り前には一度IHクッキングヒーターを使用・点検してみて、不具合がないか確認しておきましょう。
⑦不用品回収業者に回収を依頼する
「もっと手軽に処分したい」「ほかにも回収してもらうものがある」という場合は、不用品回収業者に回収を依頼するのがおすすめです。
「不用品回収業者」利用時のメリット
- IHクッキングヒーターの種類・状態を問わず回収してくれる
- そのほかの家具や家電もまとめて回収OK
- 分別や運び出しはスタッフにおまかせできる
- まだ使えるものは査定・買取してくれる
不用品回収業者は年中無休で稼働しているので、自分の都合のいい日程で回収を依頼できます。
即日・夜間の回収にも対応しているので、お急ぎの方には非常に便利な手段です。
「賃貸物件の退去日が迫っているのですぐ来てほしい」「実家の片付けで出た不用品をまとめて回収してほしい」などお困りの方は、ぜひ依頼してみてはいかがでしょうか。
悪徳業者に注意
- 高額な費用を後から請求してくる
- 大切な荷物を許可を取らずに勝手に捨てる
- 貴金属を無理やり買い取っていく
便利な不用品回収業者ですが、中には上記のような悪質な業者も残念ながら存在しています。トラブルに巻き込まれないよう、依頼時には注意が必要です。
(参考:国民生活センター|不用品回収サービスのトラブル)
とはいえ、初めて利用する際には業者の選び方がわからないという方も多いでしょう。そんなときにおすすめしたいのが複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」です。
【相見積もりのメリット】
- 業者の費用の相場がわかる
- 提示された料金やプランが自分に合っているものかどうかを判断できる
- 同じサービス内容でより安い業者を探すことが可能
- 業者の不審な点に気づきやすくなる
- ほかの業者の見積書を利用して、値引きの交渉ができることもある
- 複数の業者と連絡を取ることで、業者や担当者の人柄がわかって安心
お急ぎの際に複数の業者と連絡をとるのは非常に面倒ではあるのですが、そこを確認しなかったせいでトラブルに巻き込まれてしまっては元も子もありません。
依頼前には必ず相見積もりをとって、優良な不用品回収業者に依頼できるようにしてくださいね。
別のページでは不用品回収業者に必須の「古物商許可」についてや、業者選びのポイントについても解説しています。業者選びの際はぜひ参考にしてみてください!
処分時の注意点
IHクッキングヒーターを処分する際に知っておきたい注意点を解説します。
処分前には一度目を通してみてください。
ビルトイン型の取り外しは注意!
コンロの上に置くだけの据置型や持ち運び可能な卓上型のIHクッキングヒーターに比べて、ビルトイン型のクッキングヒーターは天板の中に本体が埋め込まれて設置されており、簡単に取り外しができません。
慣れていない方が取り外そうとすれば機器の故障やケガの恐れもあるため、注意しましょう。
「取り外し方がわからない」「慣れていない」ということなら専門業者に取り外しを依頼してください。
不用品回収業者の中には、IHクッキングヒーターの取り外しと回収を同時に行ってくれるところもあります。対応は業者ごとに異なるため、取り外しと処分を同時に行いたい方は一度、問い合わせしてみるのをおすすめします。
売る前にはメンテナンスが必須
IHクッキングヒーターは料理に使用するものなので、調味料や食材から出た水分でどうしても汚れがちです。状態の悪いものはそのぶん査定額が下がってしまったり衛生的な問題から買取してもらえなかったりすることもありますので、査定前にはメンテナンスを忘れず行うようにしましょう。
- 軽い汚れや水分は乾いたふきんで拭き取る
- 油汚れは中性洗剤をしみ込ませたふきんで拭き取ったあと、乾いたふきんで乾拭きする
- 落ちない汚れはクリームタイプのクレンザーやIH専用洗剤を丸めたラップにつけて擦り取るか、セラミック用スクレーパーなどで削って落とす
- プレートのスキマ汚れはブラシで取り除く など
ただしお手入れの際に、きれいに汚れを落としたいからとフォークやナイフ、金属製のたわしなどの先の鋭い硬いものでプレートを削ったり、酸性の洗剤を使用したりするとキズや変色の原因となってしまうこともあるため注意してください。
取扱説明書やメーカーのホームページに記載されているメンテナンス方法を確認し、無理のない範囲でお手入れをするようにしましょう。
まとめ
今回のコラムでご紹介したIHクッキングヒーターの処分方法は以下の7つです。
- 自治体でごみとして処分する
- 小型家電回収ボックスに投入する
- 家電量販店に回収してもらう
- リサイクルショップで売却する
- フリマアプリ・ネットオークションに出品する
- 人に譲る
- 不用品回収業者に回収を依頼する
IHクッキングヒーターは自治体で不燃ごみとして処分可能ですが、種類やサイズによっては「粗大ごみ」「小型家電」など分別が異なる場合があります。
処分時には必ずお住まいの自治体の分別を確認して、正しく処分を行ってください。
記事の中では、家電量販店での回収サービスの利用方法や、まだ使えるIHクッキングヒーターを売却・譲渡して処分する方法、不用品回収業者に依頼して手軽に処分する方法も解説しています。
【不用品回収業者のメリット】
- IHクッキングヒーターの種類・状態を問わず回収してくれる
- そのほかの家具や家電もまとめて回収OK
- 分別や運び出しはスタッフにおまかせできる
- まだ使えるものは査定・買取してくれる
お手持ちのIHクッキングヒーターの種類や状態、ご自身の希望に合わせた方法を選びましょう。
弊社「出張回収センター」でも、IHクッキングヒーターをはじめとした不用品の回収・買取を行っています。
IHクッキングヒーターの処分にお困りでしたら、ぜひ一度ご相談ください!