神棚は、家庭の平安や繁栄を願って設置される神様を祀る祭壇です。
処分や買い替えを検討する際、「普通に捨てても良いの?」と戸惑う方は多いのではないでしょうか?
この記事では、神棚を正しく処分する方法や処分費用、注意点について詳しく紹介します。
また、神棚以外の神具の捨て方についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
適切な処分方法を把握して、大切な神棚を安心して手放しましょう!
神棚は捨ててもいいの?
神棚を処分することに抵抗のある方は多いかもしれませんが、実際には明確な決まりはなく、神棚の処分方法は持ち主の価値観に沿うことが重要です。
長年使用するうちに神棚の汚れや劣化が進むことがあるため、新調が必要になることあります。また、手入れやお祈りの習慣が少なくなり、手放すケースもあるでしょう。
神棚を処分する際には、魂抜きやお祓いを行うことが推奨されていますが、必須ではありません。自分が納得できる形であれば、自治体のごみ収集で処分することも可能です。
信仰心や感謝の気持ちを大切にして、適切な処分方法を選びましょう。
神棚を捨てるタイミング
一般的に神棚を処分するタイミングとして、下記のような状況が挙げられます。
- ひび割れや変色が目立つとき
- 引っ越しや家の建て替え
- 気持ちを一新したいとき
- 式年遷宮
それぞれの時期について、解説していきます。
ひび割れや変色が目立つとき
檜(ひのき)や欅(けやき)などの無垢材で造られている神棚は、購入から約5~10年を目安に買い替えることが一般的です。
木材に染みができたり、亀裂が入ったりした場合は、神棚が劣化してきたサインとなります。また、設置環境によっては湿気を含み、木材が反り返ったり、カビが発生したりすることも。
神棚にはホコリが溜まりやすいため、ハタキや乾いた雑巾を使って定期的に掃除することが必要です。
引っ越しや家の建て替え
引っ越しや家の建て替え、リフォームに伴い、古い神棚を新しいものに買い替える人は多いです。新居のインテリアや設置場所に合わせて、最適な神棚を選びましょう。もちろん、古い神棚をそのまま移動しても問題ありません。
地域が変わる場合は、氏神様に感謝を伝えて、お神札を返却することを忘れずに行ってください。
引っ越し時には神棚を最後に取り外し、新居では最初に設置するのが一般的です。その際は「神棚奉鎮祭」を依頼して、新しい神棚を用意したことを紙様に報告し、家内安全を祈りましょう。
気持ちを一新したいとき
日常的にお参りをしているのに、不運が続いている、気持ちが沈みがちだと感じるときも、神棚を新調する良い機会です。
新しい神棚に変えることで、気分をリフレッシュすることができます。
また、家庭環境や住宅の事情で、実家にある神棚を引き継ぐ人がいないことも珍しくありません。特に身内に不幸があった場合、神棚の取り扱いに悩むことがあります。喪中でも50日祭が過ぎれば神棚を交換できますが、忌明けまでは神棚を封じておき、手を触れないようにすることが大切です。
式年遷宮
神棚を新しくするタイミングとして、伊勢神宮の式年遷宮に合わせる方法があります。
式年遷宮は、伊勢神宮で20年に一度行われる大切な神事で、社殿や神具を新しくし、神様を新しい社殿にお迎えする儀式です。この儀式に習い、家庭でも20年ごとに神棚を新調する習慣があります。
その背景には「常若(とこわか)」という考え方があり、古いものを新しくすることで、いつまでも新鮮で若々しい状態を保つという意味が込められています。家庭での神棚も、新しいものに取り替えることで、清々しい気持ちで日々を過ごせるでしょう。
神棚の処分方法5選!メリットデメリット比較
神棚の捨て方は主に5通りあります。
下記の表に、処分方法に関するメリット・デメリット、処分費用をまとめました。
処分方法 | メリット | デメリット | 処分費用 |
寺社で祈祷・ お焚きあげを依頼する | 儀式に則り、 安心して手放せる | ・費用がかかる ・手続きが必要 | 約1,000~5,000円 |
どんど焼きに持ち込む | 地域の行事で 処分できる | 近所で開催していない 場合がある | 約1,000~3,000円 |
自治体でごみと して捨てる | 費用が安い | 抵抗を感じる 場合がある | 無料~数百円 |
販売店の引き取り サービスを利用する | 買い替えと同時 に処分できる | 回収のみは 受け付けていない | 16,000円 ※店舗により異なる |
不用品回収業者 に依頼する | ・手間が省ける ・神具や不用品も 処分可能 | 費用がかかる | ※要見積もり |
それぞれの処分方法について詳しく解説します。
神社で祈祷・お焚きあげを依頼する
神棚は神社に持ち込み、お焚き上げをして捨てる方法が一般的です。お焚き上げは、神仏に関する物や遺品、大切にしてきた物を手放すときに行う儀式です。祈祷で供養し、神棚に宿る神様を丁寧にお送りできるため、安心して処分できるのが特徴です。
依頼する際は、玉串料あるいは初穂料を納める必要があり、費用は約1,000~5,000円が相場です。祈祷料とお焚き上げ代が別料金である神社や、「お気持ち程度」と明確に決まっていないところもあるため、ホームページや社務所で確認しましょう。
名古屋市で神棚のお焚き上げができる神社
名称 | 尾陽神社(びようじんじゃ) |
住所 | 愛知県名古屋市昭和区御器所2丁目9-19 |
費用 | 幅50cm以内:3,000円 幅70cm以内:5,000円 幅100cm以内:8,000円 |
申し込み方法 | 電話にて事前連絡 |
尾陽神社では、直接の持ち込みが難しい場合、出張引取を行っています。名古屋市内であれば出張料2,000円を加算して納めることで自宅まで取りにきてくれるため、負担なく依頼できます。
神棚を郵送してお焚き上げを依頼することも可能
一部の神社では、神棚のお焚き上げ依頼を郵送で受け付けています。
愛知県西尾市の伊文神社では、神棚や御札、人形などをダンボールにまとめて入れて送ることができるため、そのまま処分しにくい不用品を安心して手放すことが可能です。
申し込み手順は下記の通りです。
- 電話、メール、申し込みフォームで依頼
- 住所、氏名、電話番号、品目、荷箱のサイズを伝える
- 指定の銀行口座に振り込み(80サイズ:2,000円)
- ダンボールに神棚を梱包して発送(送料:自己負担)
神棚のサイズに応じて初穂料が異なります。160サイズ以上の場合は、電話で費用を確認してください。
どんど焼きに持ち込む
神棚は、神社で開催される「どんど焼き」に持ち込むことで焼却処分できます。
どんど焼きとは、正月飾りや絵馬、御札を燃やし、無病息災を願う伝統的な新年の行事です。「左義長」「どんどん焼き」と呼ぶ地域もあります。一般的に1月15日に行われることが多いですが、地域によって開催日が異なるため、事前にホームページで日程を確認してください。
注意点として、サイズの大きい神棚は持ち込みが難しい場合があります。また、不燃性の金属や陶器の神具や、神棚飾りに関係のないものは持ち込みできない場合がほとんどです。
費用は、神棚の大きさによって異なりますが、約1,000~3,000円が相場となっています。
愛知県名古屋市でどんど焼きを開催している神社
名称 | 住所 | 電話番号 | 費用 |
熱田神宮 | 名古屋市熱田区神宮1-1-1 | 052-671-4151 | ー |
三輪神社 | 名古屋市中区大須3-9-32 | 052-241-7468 | ー |
若宮八幡社 | 名古屋市中区栄3-35-30 | 052-241-0810 | 500円~ |
どんど焼きは全国各地で開催しています。日程や費用の詳細については、直接問い合わせましょう。
自治体でごみとして捨てる
神棚は家庭の小さな神社といわれていますが、魂入れをしていない神棚はごみとして処分しても問題ありません。
木製の神棚の場合、一般的に「可燃ごみ」として分別され、解体が難しい大きなものは「粗大ごみ」として扱われます。
費用は、無料~数百円で収まり、宗教的な儀式を重視しない方に適した処分方法です。
自治体 | ごみ区分 | 処分時の注意事項 |
東京都東久留米市 | 粗大ごみ | 装飾品を取り除く |
千葉県柏市 | 収集不可 | ごみ処理センターに持ち込み可 |
神奈川県横浜市 | 燃やすごみ | 50cm以上は「粗大ごみ」 |
静岡県静岡市 | 可燃ごみ | 100cm以上は「不燃・粗大ごみ」 |
愛知県名古屋市 | ー | 環境事業所に問い合わせて確認 |
千葉県柏市では、自己施工の神棚のみ、ごみ処理センターに直接搬入して処分できます。取り付けを業者に依頼した場合は、自治体で処分できないため、購入先に相談するか業者に依頼するなど他の方法を検討しましょう。
また、愛知県名古屋市のように、神棚のごみ区分が掲載されていない市町村もあります。その場合は、担当課に処分方法を問い合わせてください。
ごみ処分の前には塩でお清めをするのがマナー
神棚を可燃ごみとして処分する際は、塩でお清めすることが一般的なマナーです。
家族を見守ってくれたことに感謝の気持ちを込めて、手や口を清めて一礼しましょう。その後、柔らかい布で神棚の汚れを丁寧に拭き取ります。ホコリをかぶったまま捨てるのは失礼にあたるため、綺麗にしてから処分することが大切です。
最後に塩を振りかけて、人の目が気になる場合は、紙に包んでごみ袋に入れてください。
販売店の引き取りサービスを利用する
新しい神棚に買い替える場合、販売店の引き取りサービスを利用する方法があります。神棚の祈祷やお焚き上げが依頼できるところもあるため、丁寧に処分したい人におすすめです。
費用の内訳は、送料とお焚き上げ・供養料となり、店舗によって16,000円以上と高額になる場合もあります。
販売店 | 費用 | 申し込み方法 |
伊勢宮忠 | 送料、お焚き上げ料(おこころざし) | 問い合わせフォーム から事前連絡 |
神棚専門店 神棚の匠 | 送料:6,980円(三辺合計120㎝まで) お焚き上げ供養料金:10,000円 | 購入時に選択 |
古い神棚を梱包して発送するだけなので手間はかかりません。
販売店によっては、御焼納報告書(お焚き上げ証明書)を発行してくれるところもあります。
不用品回収業者に依頼する
引っ越しや遺品整理で早急に神棚を処分したい人や、重い神棚の取り外しが難しい場合は、不用品回収業者に依頼する方法が良いでしょう。
費用は自治体よりも高くなってしまいますが、神棚以外の不用品も一度に処分できるため、効率性を重視したい人に向いています。
まずは見積もりを依頼して、具体的な費用を確認することが大切です。
遺品整理サービスでお焚き上げも依頼できる
遺品整理サービスを提供している業者なら、神棚の供養やお焚き上げもまとめて依頼することが可能です。
実家の片付けや、遺品整理と合わせて神棚を処分したい場合は、遺品整理士が在籍している業者を選ぶと、より丁寧に対応してくれます。
魂抜きをしていない神棚の処分も任せられることがメリットです。
神棚の大きさ・素材を問わず回収
不用品回収業者では神棚のサイズや素材を問わず、そのまま引き取ってくれます。
神棚はコンパクトなものだけでなく、大型のものを設置しているご家庭もも少なくありません。また、鉄や金属を使用した装飾がついていると、自治体によっては分解が必要な場合もあります。
自力での運び出しが難しい重たい神棚でも、専門業者なら取り外し作業や搬出を全ておまかせできるので負担が少ないです。
神棚以外の神具もまとめて処分可能
不用品回収業者では、神棚以外の神具もまとめて処分可能です。
神札やお守り、神鏡など素材の異なる神具を一括で引き取り、供養も行います。その他、引っ越しや実家の片付けに伴って不要になった大型家具や家電の処分も依頼できるため、片付けにかかる作業を短縮できます。
【神鏡・神札】神棚以外の処分方法
神棚を処分する際に、神具を適切に捨てることも必要になります。
下記の一覧表を参考にしてください。
処分するもの | 処分方法 |
神札、お守り | 白い紙に包み、神社の納札所に返納 |
神鏡(しんきょう) | 塩でお清めし、不燃ごみとして処分 |
榊(さかき) | 塩でお清めし、可燃ごみとして処分 |
お供え物 | 家族で食べる、または可燃ごみとして処分 |
水玉、榊立て、瓶子 | 不燃ごみ、陶磁器類ごみとして処分 |
水玉(みずたま)、榊立て(さかきたて)、瓶子(へいじ)などの神具は、塩でお清めした後、自治体のルールに従って処分します。
米やお酒、みかんなどのお供え物は、縁起ものであるため、家族でいただきましょう。
神棚を処分する際の注意点
神棚を処分する際は下記の項目に気をつけてください。
- 魂抜きが必要なのか確認する
- 無理に取り外さない
- 神社の納札所に放置しない
それぞれの注意点について解説していきます。
魂抜きが必要なのか家族と相談する
神棚の処分には魂抜きが必要かどうかを確認することが大切です。
魂抜きとは、神棚に宿る神様の魂を取り除く儀式のこと。神棚を購入した際に「魂入れ」を行っている場合、処分時には魂抜きを行う必要があります。
前述の通り、お祓いをするかどうかは個人の信仰心によります。信仰心が強い場合、神棚を丁寧に処分するために魂抜きを行うことが適切です。
魂抜きの必要性や費用については家族と話し合い、意見を統一することが重要です。価値観の違いによるトラブルを避けるため、処分する前に相談しましょう。
無理に取り外さない
神棚は、高い位置に設置されているため取り外しには注意が必要です。
無理に作業をすると神棚が壊れたり、怪我をしたりする危険があります。そのため、取り付けを依頼した専門業者や不用品回収業者に頼むのが良いでしょう。
慣れない作業は無理をせず、プロに任せることで、安全かつ確実に神棚を処分できます。
神社の納札所に放置しない
神棚は、納札所で処分できないことがほとんどです。注意喚起している神社も多いため、無断で納札所に入れることは避けましょう。
神棚のお焚き上げや供養を希望する際は、必ず事前に相談することが必要です。
一方で、お神札は納札所で返納が可能です。お神札を返納する際は、白い半紙に包んで持参してください。
神棚の処分でよくある質問
Q.回収だけでなく神棚の取外しもお願いできますか?
A.はい、取外しもお任せください。
神棚は高い場所に設置されておりますので、慣れない方が作業をされるのは危険です。経験豊富なスタッフが、適切に取外し・回収致します。
Q.神棚を処分するのは抵抗があるのでお焚き上げをしてもらえますか?
A.もちろんです。
弊社の提携している神社にお願いし、祈祷・お焚き上げを致します。まずは、電話やメールでご相談ください。
Q.引越しの期日が迫っているのですが最短どれぐらいで神棚を回収してもらえますか?
A.名古屋周辺であれば、最短30分で回収にお伺いします。
愛知県内なら、ご連絡頂いたその日のうちに回収に伺うことができます。
スピード回収をお望みなら、お電話でご連絡ください。
Q.出勤前に神棚の回収に来てもらうことは可能ですか?
A.はい、早朝の回収にも対応しております。
ただし、早朝はドライバーのスケジュールの調整が難しいため、お早めにお知らせください。
Q.神棚だけでも回収に来てもらえますか?
A.単品回収でも喜んで承ります。
1点のみの回収でも問題はございませんが、まとめて処分される方がコスパが良くなります。
他に処分なさりたい不用品がございましたら、まとめて処分されることをおすすめします。
神棚の処分は不用品回収業者におまかせください!
神棚の処分方法は下記の通りです。
- 神社で祈祷・お焚きあげを依頼する
- どんど焼きに持ち込む
- 自治体でごみとして捨てる
- 販売店の引き取りサービスを利用する
- 不用品回収業者に依頼する
神棚の処分方法は、信仰心や価値観によって異なります。
魂抜きが必要な場合は、神社でお焚き上げや供養を行ってもらうことが一般的で、初穂料をお納めすることが必要です。
持ち込みが難しい場合は、郵送で受け付けている神社や販売店の引き取りサービスを利用するのが便利です。
神棚だけでなく、神具もまとめて処分したい場合には、不用品回収業者に依頼することを検討しましょう。
愛知県名古屋市の出張回収センターでは、神棚の撤去作業や祈祷・お焚き上げのご依頼も対応可能です。
夜間早朝の作業も承っておりますので、お気軽にご相談ください!