
普段使いから災害時まで、非常に便利なモバイルバッテリー。実は寿命が1~2年と長くはないことをご存知でしょうか。
もちろん寿命は使用頻度によって異なりますが、ほとんど使っていない場合でも5年ほどで買い替えが必要になります。
安全面を考慮すると定期的な買い替えが必要になりますが、その際に悩むのが古いモバイルバッテリーの処分です。
モバイルバッテリーは自治体で「普通ごみ」として捨てられないことが多いため、正しい捨て方を知っておかなくてはなりません。
また、簡単に捨てられないからと言って、そのまま放置しておくと、事故に繋がるおそれもあり危険です。
この記事では、モバイルバッテリーの正しい処分方法についてお伝えします。
無料回収や、捨てる際の注意点についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
▼この記事でわかること▼
- モバイルバッテリーの処分方法と手順
- 処分時の注意点
- 処分のタイミングや長持ちさせるコツ
モバイルバッテリーの処分方法5選

モバイルバッテリーは、基本的には自治体で回収してもらえません。
しかし地域によっては「電池類」として回収していることもあり、ルールに違いがあります。
また、自治体以外にも無料で処分できる方法や、売却する方法などもあるため、お持ちのモバイルバッテリーに合わせて最適な方法を選びましょう。
処分方法1.自治体で電池類として処分する
自治体によってはモバイルバッテリーを電池類として回収しているところがあるため、お住まいの地域のルールを確認してみましょう。電池類で回収してもらえれば、通常のごみと同じように無料で処分できます。
また、定期的に回収がある地域なら手軽に処分できるでしょう。
例えば、愛知県名古屋市では令和4年7月から、モバイルバッテリーを以下の電池と一緒にごみに出すことが可能です。
【電池一括回収対象品目】
- アルカリ・マンガン乾電池
- ボタン電池
- モバイルバッテリー
- リチウム電池
- 小型充電式電池(リチウムイオン電池、ニカド電池、ニッケル水素電池)
出す際は、電池、モバイルバッテリーをひとまとめにし、無色透明の袋に入れます。このとき名古屋市の指定袋は使えないため注意しましょう。
名古屋市では週1回のプラスチック資源と同じ日に収集してくれるため、比較的利用しやすいと言えます。
また、大阪市でもモバイルバッテリーを自治体で回収しており、次のような手順でおこないます。
- お住まいの地域を担当する環境事業センターに電話で申し込み
- 申込みの際に、氏名、住所、電話番号(連絡先)と数量をお知らせ
- 回収日を調整
- 訪問回収にて回収
大阪市では、モバイルバッテリーを小型充電式電池(リチウムイオン電池、ニカド電池、ニッケル水素電池)などと一緒に訪問にて回収します。
名古屋市、大阪市のどちらも無料回収となりますが、手順や対象品目などに違いがあります。
このように地域によってルールが異なるため、自治体での回収を利用する際は事前に確認しておきましょう。
乾電池式モバイルバッテリーは自治体によって「普通ごみ」で処分可能
通常のモバイルバッテリーはUSBケーブルやコンセントを使って電力を充電しますが、乾電池式のモバイルバッテリーはその名のとおり乾電池を使用します。
本体と電池を分けられるため、自治体によっては「普通ごみ」として処分できるでしょう。
乾電池式をお持ちの場合は、お住まいの地域のルールを確認して処分するのをおすすめします。
処分方法2.JBRCの回収ボックスに出す
お持ちのモバイルバッテリーが「一般社団法人JBRC(Japan Portable Rechargeable Battery Recycling Center)」に加入しているメーカーのものであれば、JBRCの協力店・協力自治体に設置している回収ボックスへ投入し、処分できます。
JBRCは、「資源有効利用促進法」に基づいて小型充電式電池のリサイクルをおこなっている一般社団法人で、回収されたモバイルバッテリーは適正にリサイクルされるので安心です。
電池を回収してもらえるボックスは、以下のような場所です。
- 家電量販店
- ホームセンター
- スーパーマーケット
- 町の電気屋
- 自治体施設
この方法であれば回収ボックスへモバイルバッテリーを投入するだけなので、買い物のついでに手軽に利用できます。
手続きや回収費用は不要なので、お近くに店舗がある場合は利用してみましょう。
ただし回収しているモバイルバッテリーは以下のようなものになります。
- 電池の種類が明確であること(ニカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池)
- 破損や水濡れ、膨張など異常がない電池、外装なしのラミネートタイプの電池ではないこと
- JBRC会員企業が製造したものであること (会員企業でない品、メーカーが不明な品は回収できない)
上記3点の条件を満たしていないと回収してもらえません。
また、店舗によってはモバイルバッテリーに破損や膨張があると回収してもらえないため、状態によっては店員さんへ確認が必要です。
製造メーカーがJBRC会員企業であるかどうかはJBRCのホームページで確認できます。処分の条件を満たしており、お近くにボックスがある場合は利用を検討してみましょう。
処分方法3.リサイクルショップで売却する
モバイルバッテリーは需要があるので、リサイクルショップや、中古の電子機器を取り扱う専門店などで買い取ってもらえます。
景品として無料でもらったものでも、店舗によっては買取OKな場合があるため、処分する前に確認してみるのもいいかもしれません。
ただし、モバイルバッテリーの買取額は数百円~千円程度が相場です。
もちろん、人気メーカー・人気モデルのものは高価買取になることもありますが、基本的にはあまり高額にはならないことを理解しておいたほうがよいでしょう。
さらにノーブランドの中古モバイルバッテリーは、買取を断られることがほとんどです。
わざわざ店頭へ持ち込んでも数百円であったり、買取不可になったりすると「時間や手間がもったいない」と感じることも。
できれば事前に、買取対象品目や買取相場を確認しておくことをおすすめします。
売れるモバイルバッテリーとは?
中古のモバイルバッテリーは、次のような状態であれば売れる可能性があります。
- 未開封・ほぼ使っていないもの
- 電源が入って充電が可能なもの
- 目立つ傷や汚れがないもの
- 大手メーカーが発売しているもの
さらに購入時についていた箱や説明書、保証書などが揃っていれば、より高い金額で買い取ってもらえる可能性があるため、できれば捨てずに取っておきましょう。
一方で、次のようなモバイルバッテリーは買い取ってもらえない可能性が高くなります。
- あまりに古すぎるもの
- バッテリーが膨張や発熱しているもの
- 傷や汚れが激しいもの
- 購入時安価だったもの
- 無名のメーカーのもの
買取店によっては買取条件をホームページ上で紹介しているため、事前に確認してみてください。
処分方法4.フリマアプリ・ネットオークションに出品する
メルカリやYahoo!オークションといったフリマアプリ・ネットオークションでも、たくさんのモバイルバッテリーが販売されています。
出品や配送などの手間がかかりますが、リサイクルショップよりも高い金額で売れる可能性があるので、より高く売りたい方にはおすすめです。
また、リサイクルショップでは買い取ってもらえないような、多少不具合がある製品でも需要があれば売れるかもしれません。時間に余裕があれば一度出品してみると良いでしょう。
その際には、以下の商品説明を正しくおこない、取引後にトラブルにならないようにしておくことが大切です。
- 傷や汚れの状態
- 不具合のある個所
- 使用年数や使用状況
- 動作確認できているかどうか
また、PSEマークがないモバイルバッテリーは出品禁止物であり、販売できません。
PSEマークとは、電気用品安全法が定めている基準をクリアしており、安全性が担保されている証拠となるマークのことです。モバイルバッテリーによる発火や発煙という被害が相次いだことから、国内ではPSEマークがついていない商品は製造販売することが禁じられています。
輸入も不可となっており、PSEマークのついていないモバイルバッテリーをフリマアプリやネットオークションなどで出品できないため注意しましょう。
処分方法5.不用品回収業者に依頼する
近所に回収ボックスがない、モバイルバッテリーのほかにも処分したい不用品がある、などの場合には不用品回収業者に依頼するのがおすすめです。
不用品回収業者は電話やメールで依頼するだけで、自宅まで不用品を引き取りに来てくれます。
まとめて回収してもらえるため、分別やごみに出す手間が省けるうえに、好きな日時に利用できるのも嬉しいポイント。
また、買取をしている回収業者の場合は不用品に思わぬ値段が付くことがあり、その場合は回収費用がお得になるかもしれません。
もし買取が難しいものでも確実に処分してくれるので、複数の業者を回る必要がなく、時間や労力の節約にもなるでしょう。
ほかにも、不用品回収業を利用するメリットは次のようなものがあります。
- 不用品回収の品目が多い
- 自治体では回収をしていない、処理困難物(タイヤ、消火器など)も回収可能
- リサイクル家電の引き取りも簡単
- オフィスや個人、どちらも利用可能
- ハウスクリーニングや引っ越しなどのオプションが充実
自治体では、モバイルバッテリーのように「家庭ごみ」で捨てられないものは意外に多くあります。
例えば「リサイクル家電」である冷蔵庫やエアコンなど、処分に手続きや運搬が必要なものも業者であれば簡単に処分できるため、モバイルバッテリーとあわせて依頼するのもおすすめです。
不用品回収業者選びのコツ
不用品回収業者の中には不法投棄や高額請求をおこなう悪徳業者も多く存在しているため、注意が必要です。悪徳業者とそうでない業者を見分けるコツは、以下の5点を確認することです。
- 見積もりは無料か
- キャンセル代・追加費用はかからないか
- 料金体系が分かりやすいか
- 実績や口コミが掲載されているか
- ホームページに会社概要が掲載されているか
信頼できる業者であれば、見積もりの際に分からないことがあれば丁寧に教えてくれます。
料金の相場は1点4,000円~、トラック積み放題であれば一律33,000円~など不用品の量に応じて変わるため、まずは無料見積もりを取ってみましょう。相場を把握するためにも、2~3社を比較検討することがおすすめです。
不用品回収業者については、以下のコラムでも詳しく解説しています。
モバイルバッテリーを処分するタイミング

モバイルバッテリーは、頻繁に使用するほど劣化が進みます。最適なタイミングで買い替えるためにも、寿命のサインや長持ちさせるためのポイントを押さえましょう。
モバイルバッテリーの寿命は約2年
モバイルバッテリーの一般的な寿命は約2年です。
充電回数は300〜500回が目安とされており、毎日使用すればそれだけ寿命も早まります。バッテリーは充電を繰り返すうちに徐々に性能が低下してしまいます。
長持ちさせるポイントは、以下の通りです。
- バッテリー残量がゼロになる前に充電する
- 高温環境での保管を避ける
- 長期間使用しない場合でも、定期的に充電する
- 充電中はスマートフォンを使用しない
- バッテリーに衝撃を与えない
過放電を防ぐために残量がゼロになる前に充電することや、夏の高温な環境下での保管を避けることが重要です。また、定期的に使わない場合でも、適度に充電しておくことでバッテリーの寿命を延ばせるでしょう。
【そろそろ買い替え】のサインは?充電時間と熱がポイント
モバイルバッテリーを買い替えるタイミングは次の症状が出た時です。
- 充電の減りが早くなった
- 使用中や充電中に本体が異常に熱くなる
- スイッチを押しても起動しにくい
以前よりも充電に時間がかかる場合、内部のバッテリーが劣化している証拠です。また、使用中に本体が異常に熱くなる場合、内部でガスが発生している可能性があり、放置すると発火の危険性があります
異常な熱に気付いたら、すぐに使用を中止して、適切に処分しましょう。
モバイルバッテリーを処分する際の注意点

ここではモバイルバッテリーを処分する際に、注意すべきポイントを解説します。
燃えるごみに混ぜない
モバイルバッテリーは絶対に「燃えるごみ」に混ぜてはいけません。
リチウムイオン電池を含むバッテリーは、回収時に発火の危険性があります。リチウムイオン電池は、一般ごみとして処分することが法律で禁止されており、資源有効利用促進法に基づいてリサイクルすることが義務づけられています。
正しい処分方法としては、家電量販店やリサイクルボックスを利用することが一般的です。また、モバイルバッテリーの種類によって処分方法が異なる場合もあるため、事前に取扱説明書を確認しておきましょう。
膨張したモバイルバッテリーは回収ボックスに入れない
膨張したモバイルバッテリーは回収ボックスに投入できません。
膨張や発熱が見られるバッテリーは発火や発煙のリスクがあるため、速やかに使用を中止し、適切な処分方法を選ぶことが重要です。
- 製造元のメーカーに回収してもらう
- 引き取り可能な家電量販店に持ち込む
- 不用品回収業者に回収を依頼する
上記のような手段で安全に処分しましょう。メーカーや家電量販店でのモバイルバッテリー回収サービスは、膨張したモバイルバッテリーは対象外としているところもありますので、事前の確認が必須となります。
モバイルバッテリーの処分の際によく出る不用品

ここでは、モバイルバッテリーの処分の際に出やすい不用品をご紹介します。
モバイルバッテリーの処分に関するよくある質問

出張回収センターではモバイルバッテリーの回収・処分もおこなっています。
依頼時によくある質問をまとめましたので、参考にしてみてください。
Q.モバイルバッテリーの買取相場はどのくらいですか?
A.買取相場はメーカーやモデル、状態によって異なりますが、当社では最新モデルから旧モデルまで幅広く対応しております。また、モバイルバッテリーだけではなく、スマートフォンやタブレットなど通信機器や電子機器に対応しています。事前に「商品名」「型番」「付属品の有無」などをお知らせいただければ簡易査定も案内できますので、ぜひご利用ください。
Q.モバイルバッテリー以外の回収も依頼したほうがお得ですか?
A.細々したものの点数が多い場合は、トラック載せ放題の定額パックプランがお安くなります。モバイルバッテリーでしたら、ほかにパソコン、モニターなどの通信機器を一緒に頼まれる方もいます。また、パソコンデスクやそのほかの家具も同時に回収可能ですのでご検討ください。
Q.土日や夜間しか時間が取れません。
A.当社は年中無休で対応しており、夜間の回収も可能です。お見積りや回収の時間については、なるべくお客様のご都合に合わせますので、お気軽にご相談ください。
モバイルバッテリーの処分方法まとめ

自治体で捨てられない場合ことも多いモバイルバッテリーは、リサイクル回収ボックスを利用する方法が一般的になります。
しかし、確実に回収してもらうためにはモバイルバッテリーの種類やメーカー、電池の種類などの確認が必須です。また、破損や膨張のあるモバイルバッテリーは回収してもらえないことも多いため注意しましょう。
ほかにも不用品がある場合、不用品回収業者に依頼すれば手間も少なく、不用品を処分できるのでおすすめです。
愛知県名古屋市の出張回収センターでは、膨張したモバイルバッテリーやPSEマークのないものでも回収可能です!不用品の買取も受付中ですので、まずはお気軽にご相談ください。
▼こちらのコラムもおすすめです▼