日本の楽器メーカーYAMAHA(ヤマハ株式会社)が開発した電子オルガン「エレクトーン」は、子どもから大人まで幅広い年齢層に愛用されている、人気の楽器です。
しかしそんなエレクトーンは、使わなくなったり故障したりして捨てようと思うと「何ごみになるかわからない」「高かったので捨てづらい」などの理由で処分が困難になりがちなものでもあります。重たくて持ち出しにくいということもあり、そのまま放置してしまっている・・・というご家庭は多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、エレクトーンの処分方法と注意点について詳しく解説していきます。自治体での処分方法以外にも、売却や譲渡でお得にエレクトーンを処分する方法、持ち出せないエレクトーンの処分を業者に依頼する方法などさまざまな方法をご紹介しますので、処分時にはぜひ参考にしてみてください。
▼こちらのコラムもおすすめです▼
エレクトーンは何ごみ?解体できる?
エレクトーンはそのサイズの大きさから、自治体では「粗大ごみ」とされていることが多いです。
自治体 | 分別 | 処分手数料 |
---|---|---|
北海道札幌市 | 大型ごみ | 1,300円 |
埼玉県朝霞市 | 受入不可 | – |
千葉県千葉市 | 粗大ごみ ※長さが1.5mを超えるものは購入店、メーカーなどに相談 | 1,560円 |
愛知県名古屋市 | 粗大ごみ ※100㎏を超えるものは、販売店等に相談 | 1,500円 |
山口県下松市 | 市では収集しないごみ | – |
福岡県福岡市 | 粗大ごみ | 1,000円 |
しかし上記の表からもわかるように、自治体によってはエレクトーンを収集不可物としていたり処分手数料が異なっていたりと、分別やルールは自治体ごとに違います。また、自治体の分別一覧に「電子ピアノ」「オルガン」としか書かれておらず、判断がつかないというケースもよくあるため注意が必要です。
「サイズが大きいから粗大ごみだろう」「電子ピアノと同じ手数料だろう」と自己判断せず、まずはお住まいの自治体の分別を確認し、わからないところがあるなら直接窓口に問い合わせて確認しておきましょう。
エレクトーンは解体できる?
100kg近い重量があるエレクトーンは持ち上げるだけでも重労働です。ましてや2階から階段を通って運び出したり、距離のあるごみ収集所まで持って行ったりするのは難しいですよね。
その場合はパーツごとに解体し、運びやすくするという方法もあります。ヤマハのエレクトーンで分解・組立が可能な機種は以下になりますので、お手持ちのエレクトーンの機種と取扱説明書を確認してみてください。
- ELC-02
- ELB-02
- ELS-01 / ELS-01C / ELS-01X(含むtypeU)、ELS-01CH
- STAGEA D-DECK PACKAGE
- ELB-01
- EL-100
- HS-8 / HS-7 / HS-6 / HS-5 / HS-4
エレクトーンを解体すれば持ち運びが簡単になるほか、本体の木の部分は可燃ごみ、電子部品は不燃ごみ・・・といったように分別することで一般ごみとして費用をかけずに処分ができる可能性もあります。しかしその一方で、以下のようなデメリットもあるため注意が必要です。
- 解体に時間や手間がかかる
- 解体不可能な機種もある
- 作業時にケガや床・壁などを破損する恐れもある
- 分解したパーツの素材ごとに分別が必要
- 分解したパーツそれぞれに処分手数料がかかることもある
解体できない機種をお持ちの場合や解体作業が難しそう、ということなら、無理せず別の方法を検討しましょう。
エレクトーンの処分方法7選!
ここからは実際にエレクトーンを処分する方法を確認していきます!今回ご紹介する処分方法は以下の7つです。
- 粗大ごみとして捨てる
- 中古楽器買取専門店に買取を依頼する
- リサイクルショップに売却する
- フリマアプリ・ネットオークションに出品する
- 人に譲る・ジモティーを利用する
- 寄付する
- 不用品回収業者を利用する
手順や注意点について、詳しく見ていきましょう。
粗大ごみとして捨てる
エレクトーンを粗大ごみとして捨てる場合、予約や手数料納付券の購入など事前準備が必要です。いきなりごみに出しても回収してもらえないため注意してください。
- 受付締切日までに粗大ごみ受付センターに電話かインターネットで申込
- 収集日、収集場所、料金を確認する
- 指定の販売店などで(スーパーやコンビニ他)、手数料納付券(シール)を購入
- 処分する家具や家電に受付番号や氏名を記入した手数料納付券を貼る
- 指定日時に指定場所に出す(立ち合いは不要)
粗大ごみとして捨てられれば、数百円~1,000円程度と、比較的安い費用でエレクトーンを処分することができます。ただし「重いエレクトーンを回収場所まで自分で持ち運ばなければならない」「すぐに捨てられない」という点で利用できない方も多いかもしれません。
部屋から運び出す手段がない、すぐに捨てたいという場合は別の方法を検討しましょう。
クリーンセンター(ごみ処理施設)への持ち込みも可
エレクトーンを粗大ごみ回収日を待たずに処分したいなら、自治体のクリーンセンター(ごみ処理施設)に自己搬入し処分するという方法もあります。
処分するものの重さ・数量によっては戸別回収よりも費用が安くなるというメリットもあるため費用を節約したいという方にもおすすめです。事前予約の有無や搬入手順、処分手数料は自治体ごとに異なるため事前確認をしっかりしてから搬入しましょう。
ただしお住まいの自治体でエレクトーンが収集不可物となっている場合は自己搬入しても回収してもらえないため注意してください。また、以下のようなデメリットもあります。
- 車が必須
- エレクトーンの積み下ろしはすべて自分たちで行う必要がある
- 稼働日は平日のみなので日程の調整が必要
利用できない場合は、別の方法を検討しましょう。
中古楽器買取専門店に買取を依頼する
高いお金を出して購入したエレクトーンを捨てずに処分したい、ということでしたら中古楽器買取専門店に買取を依頼するという方法もあります。
専門の知識を持ったスタッフが査定してくれ、楽器の取り扱いや搬出にも慣れているので安心して引取してもらえる、という点がメリットです。そのほか買取できなくても無料引取をしてくれたり買替であれば下取りしてもらえたりと、ただ捨てるよりもお得に処分が可能な場合もあるため、捨てる前には一度査定に出してみるのをおすすめします。
ただし、査定前には以下のような点に注意が必要です。
- 買取対象となるのは最新モデルのエレクトーンのみ
- 古すぎるものや故障しているものは買取不可になる
- エレクトーンは取扱不可にしている店舗が多い
- 無料引取でも搬出費や出張費など別の費用が発生することもある
依頼前には店舗ごとの買取・引取条件を忘れずにチェックしておきましょう。
高く売るためのポイント
- ちゃんと動作するか確認する
- ホコリや汚れを取り除き、きれいな状態にしておく
- 取扱説明書や保証書、付属の椅子やカバー、補助ペダルなど、付属品はすべて揃えておく
- 複数の店舗で査定を受ける
エレクトーンをできるだけ高く売りたいなら、背面部分のホコリや鍵盤についた手垢を落とし、きれいな状態にしてから査定に臨みましょう。
ただし、きれいにしたいからといってアルコール類や洗剤などを使用してしまうと本体や鍵盤の変色・変質を引き起こし取り返しがつかなくなってしまう可能性も。取扱説明書に記載のメンテナンス方法を確認しつつ、自分にできる範囲でお手入れをするようにしましょう。
リサイクルショップに売却する
リサイクルショップであれば、エレクトーンや楽器に限らずさまざまなジャンルのものをまとめて売却できます。持込買取であればその日のうちに処分が完了するため、急ぎの場合にもおすすめの手段です。
ただし、こちらも比較的新しいエレクトーンが買取対象となっており、それ以外のものは買取不可になる可能性が高いという点に注意が必要です。
- セカンドストリート:家電は10年以内に製造されたものが買取対象
- ハードオフ:基本的に製造後7年以内のものが買取対象(オーディオ製品は年式問わず受付)
- トレジャーファクトリー:製造年数が7年以内
お店によってはそもそもエレクトーンや楽器を取り扱っていないという可能性もあります。査定前には店舗に直接問い合わせて、取扱商品や買取条件などを確認しておくのがおすすめです。
フリマアプリ・ネットオークションに出品する
中古楽器買取専門店やリサイクルショップで買取を断られてしまった古いエレクトーンでも、フリマアプリやネットオークションであれば売却できる可能性があります。壊れてしまったものでもジャンク品として値がつくこともありますので、どんな状態のものでも一度、出品してみるのがおすすめです。
とはいえ出品したからといってすぐに売れるわけではないので、急ぎの場合には不向きな方法となっています。また、以下のようなデメリットもあるため注意が必要です。
- 梱包から発送までを自分ですべておこなうので手間がかかる
- 重さとサイズがあるエレクトーンは送料が高くなりがち
- 精密機械なので梱包を厳重に行う必要がある
- 売却できた場合は販売額に応じて5%~10%の手数料がかかる
サイズの大きなエレクトーンは送料が高額になってしまうため、せっかくエレクトーンが売れても送料を差し引くと手元にお金が残らなかった・・・なんてことになる可能性もあります。配送手段や配送料をあらかじめ確認しておき、販売価格の設定は慎重に行うようにしましょう。
人に譲る・ジモティーを利用する
親族や知人、友人など身近な人にエレクトーンを譲り、使ってもらうという方法もあります。
- 廃棄や売却時の面倒な手間がなくなる
- 引取りに来てもらえれば梱包や送料も不要
- 捨てるよりもエコ
ただしお譲りしたエレクトーンに汚損・故障があったり、搬出ができなかったりすることでトラブルになる可能性もあるので注意が必要です。譲る前にはきちんと動作確認とメンテナンス、搬出方法について確認しておき、問題なくお譲りできるようにしておきましょう。
ジモティーを利用して譲り先を探すのも◎
周囲に譲る相手がいないなら、不用品を「譲りたい」「譲ってほしい」人が無料で利用できる掲示板「ジモティー」で譲り先を探してみるのもいいかもしれません。
- 取引が成立しても手数料がかからない
- 最寄り駅や自宅まで取りに来てもらえれば梱包・発送も必要ない
- 0円~希望金額を設定可能
ただしこちらも事前説明より状態の悪いエレクトーンをお譲りすることでトラブルになる可能性があるほか、「すぐに譲り先が決まるとは限らない」「受け渡し方法や日程など、譲り先との調整が必要」といった点で手放すまでにどうしても時間がかかってしまいがち、というデメリットも。
時間をかけずに手放したいなら別の方法を検討したほうがいいでしょう。
寄付する
エレクトーンを捨てたり売ったりせず有効活用したいということなら、学校や幼稚園といった公共施設やNPOやNGO団体に寄付するという方法もあります。郵送する場合の送料は自己負担となりますが、楽譜やほかの楽器があるならまとめて寄付してみてはいかがでしょうか?
ただし、団体や施設によってはエレクトーンが寄付対象でなかったり、状態が悪すぎるものは受け取ってもらえなかったりすることも考えられます。いきなり持ち込んだり郵送したりするのは避け、事前に問い合わせをして寄付できるかどうか、持込の手段などを確認しておくことが大切です。
寄付先をお探しなら「ユースマイル」をご利用ください
「寄付先に迷っている」「近所に寄付できる団体や施設がない」ということでしたら弊社「出張回収センター」がおこなっている取り組み、「ユースマイル」での寄付をご検討ください。
ユースマイルはエレクトーンや電子ピアノなどの楽器はもちろん、もう使わないスポーツ用品やアウトドア用品、家具や家電などさまざまなものの寄付を受け付けています。
寄付いただいた品は、そのまま使用できるものは発展途上国で再利用し、輸出ができない不用品は国内で中古品として販売、その売上で購入したワクチンを寄付するという形で発展途上国の支援に役立てられています。寄付実績や寄付品目についてはホームページで詳しくご確認いただけますので、興味のある方はぜひ一度、ご覧になってみてください。
▼「ユースマイル」活動について詳しくはこちらから▼
不用品回収業者を利用する
ここまでエレクトーンの処分方法をいくつかお伝えしてきましたが、「重いエレクトーンを持ち運ぶ人手がない」「分解できない」といった方も多いのではないでしょうか?そんなときにおすすめなのが不用品回収業者の利用です。
- 古い・壊れたエレクトーンでも回収してもらえる
- 運搬やトラックへの積込はすべてスタッフにおまかせしてOK
- 壁や床の養生もしてもらえ、安全に運び出してもらえる
- 買取できるものは買い取ってもらえる
上記のようなメリットのほか、業者の多くは年中無休、即日回収や夜間作業にも対応していて自分の都合のいい日に処分を依頼できるという大きなメリットもあります。「引っ越しを控えているのですぐ来てほしい」「遠方の実家のお片付けをお願いしたい」などさまざまなご希望に臨機応変に対応してもらえるので、ぜひ一度問い合わせをしてみてはいかがでしょうか?
お得に不用品回収業者を利用するコツ
持ち運べないエレクトーンや処分に困る不用品を手放すのにとても便利な不用品回収業者ですが、手間や時間をかけずに済むぶん、ほかの手段より費用がかかるというデメリットがあります。
できるだけ安く、お得に不用品回収業者を利用したいなら、複数の業者から見積もりを取って費用を比較する「相見積もり」をぜひ試してみてください!
- 業者それぞれの料金やプランを比較できる
- 同じサービス内容でより安い業者を見つけられる
- 見積書の不審な点にも気づきやすくなり、悪徳業者対策にも
- 業者の特色や担当者の人となりがわかるようになる
- 他社の見積もりの金額を利用して、価格交渉ができることも!
相見積もりをするとしないでは費用に大きな差が出ることもあります。相見積もりは時間も手間もかかり面倒な作業ではありますが、お得に不用品を処分したいなら少なくても3社以上から見積もりを取って比較してみるのをおすすめします。
不用品回収業者の選び方については以下の記事でも解説しています!依頼前にはぜひご一読ください。
エレクトーン処分時の注意点
ここでは、エレクトーンを処分する際に知っておきたい注意点をご紹介します。
処分前には一度、目を通してみてください。
運ぶ際は壊れないよう注意が必要
エレクトーンは精密機械なので、適当に取り扱うと壊れてしまう可能性があります。運搬途中に破損してしまい、売却できなくなった・・・なんてことのないよう、下記のような点を意識して丁寧に取り扱うようにしましょう。
- 傷がつかないように緩衝材で梱包する
- 動かないよう固定する
- 高温多湿な場所を避ける
- 搬送先までの経路やドア・廊下の幅などを事前に確認しておく
もし業者に運搬を頼むということでしたら、楽器の運搬を専門にしている業者やこれまでに楽器の運搬実績がある業者に依頼するのをおすすめします。依頼時には、運搬費用だけでなく運搬手段についても確認しておき、確実に処分ができるようにしておくことが大切です。
2階以上からの搬出は費用がかかることも
エレクトーンを2階以上の部屋やエレベーターがない建物から搬出する場合、クレーンや手吊りといった特殊作業が必要になり追加料金がかかる可能性があります。
また、エレクトーンをドアから運び出せず解体することになれば解体費用が、搬出に人手が通常よりも必要になれば人件費が追加されるなど、状況によって別の費用がかかる可能性も考えられます。
搬出当日になって「追加費用がかかるなんて聞いていない」「搬出できず後日また依頼をすることになった」などトラブルにならないよう、追加費用や搬出方法についてはあらかじめ業者としっかり確認を済ませておきましょう。
エレクトーン処分時によくある質問
Q 3段ある大きなエレクトーンですが、分解・解体もしてもらえますか?
A. はい、喜んで承ります。運び出し時にスタッフによって分解いたしますので、そのままの状態でお待ちいただけましたら幸いです。
Q 自宅から遠い実家で、空き家で売りに出すのですが、立ち会いせずにエレクトーンの処分をお願いできますか?
A. 基本的には立ち合いをお願いしておりますが、難しい場合はお打ち合わせの上、エレクトーンの搬出・処分を承らせていただくことも可能です。
Q 土日や祝日でも対応してもらえますか?もしくは、平日の夜にお願いできますか?
A. はい、年中無休で対応しております。また、お早めにお問い合わせいただけましたら、夜間のお引き上げもスケジュール調整をして出張回収いたします。
Q 空き家整理で、不用品や買取に出したい物もあるのですが、エレクトーン以外も同時に見積もり可能ですか?
A. はい、もちろん可能でございます。エレクトーンの回収以外にも、無料の出張見積もり時にまとめて査定・お見積もりをさせていただきます。
Q エレクトーン1点だけでも、回収または買取に来てもらえますか?
A. はい、可能でございます。ただし、他のお客様との兼ね合いもあるため、お急ぎの場合は今すぐお問い合わせいただくことをお勧めいたします。とくに3月~4月の引越しシーズンなどは対応が難しい場合もあります。
Q 電源が入らないエレクトーンは買取対象になりますか?
A. 故障しているエレクトーンは買取対象外ですので、回収処分となります。まとめて処分したいものや、まとめて買取に出したい家具・家電がありましたらお得に処分できますので、お気軽にご相談くださいませ。
まとめ
自治体での廃棄のほか、売却や譲渡、寄付などさまざまな処分方法が選べるエレクトーン。
しかし重たくて持ち運べない、古くて売ることができないといった理由で捨てられず放置しているという方も多いのではないでしょうか?
そんなエレクトーンを簡単に、ラクに処分したいなら不用品回収業者へ処分を依頼するのがおすすめです。
- 古い・壊れたエレクトーンでも回収してもらえる
- 運搬やトラックへの積込はすべてスタッフにおまかせしてOK
- 壁や床の養生もしてもらえ、安全に運び出してもらえる
- 買取できるものは買い取ってもらえる
- 自分の希望する日時に回収に来てもらえる
記事の中では業者選びに有効な「相見積もり」についても解説しています。利用する前にはぜひ、参考にしてみてくださいね。
弊社「出張回収センター」でもエレクトーンをはじめとした不用品の回収・買取を行っています。
エレクトーンやそのほかの不用品の処分にお困りでしたら、ぜひ一度ご相談ください!