ごみ出しのルールは自治体によって違う?日本全国から海外までごみの分別について徹底解説!

目次

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毎日何気なく行っているごみ出しですが、自治体によって分別や回収されるものされないものまで違うことをご存知でしょうか?

もともと住んでいた場所と引っ越し先のごみ出しのルールが違うことを知らなかったせいで、トラブルになってしまった…なんてことは実は珍しい話ではありません。

可燃ごみ、不燃ごみ、空き缶や空きびんに分けるくらいはどこも同じですが、さらに細かく分別する自治体や逆に分別の種類が少ない自治体もあります。

ではなぜ、自治体によって大きくルールが変わるのでしょうか?

今回は、日本のごみ出しのルールの違いと共に、各自治体や東海三県の例、海外でのごみ出しのルールの例まで幅広くご紹介していきます!

引っ越しを控えているという方や、最近引っ越したけど今住んでいるごみ出しのルールがよくわからないとお困りの方は是非、参考にしてみてくださいね。

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日本はごみ出しルールが厳しい!

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そもそも日本のごみ出しルールは厳しい傾向にあります。
再利用が可能な資源をリサイクルしてごみの排出量を減らすことを目指していることから、かなり細かくごみを分別して捨てるよう定められています。

分別の細分化だけでなく、自治体によって「ペットボトルは潰して捨てる」場合や「ペットボトルは潰さず捨てる」といったように規定が真逆であったりと、地域や自治体ごとに微妙にルールが違う点も「日本のゴミ捨ては難しい」と思われる一因となっています。

それでは、具体的に日本のごみ出しルールについて見ていきましょう。

地域別の指定ごみ袋がある

お住まいの地域は、可燃ごみ、不燃ごみ専用の指定ごみ袋で出すよう定められていますでしょうか?
日本全国で見てみると、ごみを捨てる袋に指定がない地域もあれば、自治体が指定したごみ袋を使用しないと収集して貰えない地域もあります。

例として東京都では、東京23区と武蔵村山市以外の地域では指定ごみ袋の使用が定められ、東海三県ではほとんどの市町村で指定ごみ袋の使用が定められています。
指定ごみ袋の価格は地域によって異なりますが、高いものだと45Lのごみ袋一枚当たりで90円近くする場合もあります。

愛知県瀬戸市では10枚180円ほどであったごみ袋を、一気に500円に値上げするとニュースになりました。

自治体が指定ごみ袋を導入するのは、主に次のような目的があります。

➀ゴミの排出量を減らす
②リサイクルを促進する

まず➀については、ごみを多く出す=ごみ袋を複数枚購入することになるので、出費を減らす目的でごみを出す量を減らそうという人を増やす狙いがあります。
また、ごみの種類ごとに指定ごみ袋があると分別が分かりやすくなるので、指定ごみ袋を導入することで➁も同時進行出来るのではという寸法です。

指定ごみ袋の大幅な値上げ案は、人口が減少傾向であるのにごみの量は横ばい、または増加傾向にあることやごみ処理施設で焼却され、最終処分場で埋め立てられる灰の量に限界が来ていることなどが理由のようです。

これらの目的を知ると指定ごみ袋の存在で助かっている部分もあることは理解できますが、ごみ捨ての度に指定ごみ袋を購入するのは負担だと感じる人も少なくありません。

地域や自治体によって分別が異なる

地域や自治体によって分別が異なることも、日本のごみ出しルールが厳しいといわれる要因の一つ。
すぐ隣の市では乾電池は燃えるごみの日と一緒に出すのに、こちらの市ではごみステーションにすら出せないといったことも珍しくありません。

では、どれほど地域や自治体によって分別に差があるのでしょうか。
まずは多くの地域や自治体が行う、一般的な分別を例に挙げて見ていきましょう。
環境省が発表している「一般廃棄物処理実態調査」を参考にすると、多くの自治体ではごみの分別を11~15種類に分類するよう定めています。

家庭ごみの分別例

  • 燃えるごみ(可燃ごみ)※プラスチック類を含む
  • 燃えないごみ(不燃物)
  • 資源ごみ(ペットボトル、白色トレイ、空きびん、空き缶、段ボール、紙パック、古紙)
  • 電球
  • 乾電池
  • 粗大ごみ

上記のような分け方が多いのですが、自治体によってプラスチック類は分けて出すところもあります。

さらに細かく分別する自治体もある

一般的な分別より、さらに細かく分別をする自治体もあります。
一例をご紹介しましょう。

千葉市の場合

千葉市では7種類に分類しています。
紙類やプラスチックは、直接食品が入っているもの、外箱、汚れの違いなどで分別が変わります。

燃えるごみ台所ごみ、カセットテープ、軟質プラスチック類、皮革類、ゴム類、木の枝、再利用できない布類、紙おむつなど
燃えないごみ硬いプラスチック類、金属類、ガラス・せともの類、指定袋に入る小型家電
ペットボトル本体はペットボトルに出し、キャップは可燃ごみ
紙類トイレットペーパーの芯、メモ用紙、お菓子の箱、ティッシュペーパーの箱(ビニールは取り外す)は資源ごみ
水に溶けない紙(紙コップやラップの芯)、ピザやケーキの箱など食品の汚れがついているもの、においがついている洗剤の箱は可燃ごみ
プラスチックマヨネーズの容器など手で曲げられるものは可燃ごみ
定規やボールペンなど手で曲げると割れるものは不燃ごみ
乾電池有害ごみだが、ほかのごみと混ぜてはいけない(例:乾電池1本とスプレー缶を同じ袋に入れてはいけない)
粗大ごみ          千葉市指定のごみ袋に入れ、口が結べないものや、口が結べるがはみ出してしまうごみ
参考:千葉市 HP

燃えるごみで出せる品目が幅広いのが特徴。
都市部では千葉市のように燃えるごみで出せる品目が幅広く、分別が比較的シンプルです。

水俣市の場合

水俣市では以下のように23種類に分別しています。

びん類生きびん(リターナルびん)
雑びん(透明)
雑びん(茶色)
雑びん(その他の色)
紙類新聞・チラシ
雑誌・その他の紙類(紙パックなど)
飲料等紙パック(白色)
飲料等紙パック(銀色)
段ボール
缶類アルミ缶
スチール缶
ペットボトルペットボトル本体
キャップ
電気関係蛍光管・電球類
乾電池類
電気コード類
小型家電
容器包装プラスチックお菓子の袋、レジ袋、シャンプーや洗剤の容器等
布類衣類など
食用油使用済みの油は専用容器にいれる
生ごみ残飯、野菜、果物の切りくず等
燃やすもの生ごみ、布類、ペットボトル、紙類、容器包装プラ、粗大ごみ以外のごみ
粗大ごみ・埋め立て・破砕 大型化燃物
参考:水俣市 HP

生きびんとはしょうゆや一升びん、ビールびん、深緑色の酒のびん、Rマークのついたびんなどのことで、これらは洗って、またびんとして繰り返し使用されます。
割れたびんは雑びんになります。

一方、雑びんは再びびんとして再利用するほか、ガラス工芸品などに加工されます。
食用油はバイオディーゼル燃料や石鹸などに再利用されます。

令和2年4月1日からは、それまで21品目だった分別が23品目となっています。
地域の住民が一体となって分別活動に継続して取り組んでいるのが分かりますね。

ごみの分別によって出す曜日が細かく決められている

地域により差はあるものの、多くの自治体では「月曜日と木曜日は燃えるごみ」「第3水曜日はビン、カン、ペットボトル」といったように、ごみの種類で自治体の収集日が決まっており、それに合わせて捨てるよう定められています。

ごみ出しの時間も「当日の午前9時まで」や「前日の夜から出せる」というように、自治体によってさまざまです。

当日の朝に出すよう指示される理由は、生ごみなどは長時間放置しておくと異臭を発したり、動物によって荒らされ近辺の道路が荒らされたりする可能性があるので、前日から出さず収集日当日の朝にごみ出しを行うべきだというのは妥当だと言えます。

ですが、夜間業務のある仕事に就いている人や、生活リズムによっては朝にごみ出しを行うのが難しい人もいます。

「臭いの強いごみを早く捨てたい」のに指定曜日が来るまで捨てられない場合など、ごみ出しルールに厳しさを感じてしまうかもしれません。

ごみ出しルールは国で統一されていないの?

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結論からお話しすると、ごみの分別やごみ出しのルールは国で統一して定められたものではなく、各市区町村単位で決められています。

地域や自治体によってごみの分別方法やルールが異なる背景に「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」があります。

この第6条には「市町村が分別して収集するものとした一般廃棄物の種類及び分別の区分等を定めた一般廃棄物処理計画を定めること」となっています。

各市町村はこの法律に基づき、その地域の状況に合う一般廃棄物処理計画を定めていて、各地域に合ったごみ出しのルールを各市町村で決めているのです。

なぜ地域や自治体によってルールに差があるのか

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例えば、同じ燃えるごみのようでも、割りばしや紙おむつは別に分けなければいけなかったり、プラスチックごみは可燃ごみとして扱う自治体もあったりで、同じ市内でも区や町が異なればルールが変わるなんてこともあります。

ではなぜこのように、各地域や自治体別でルールに差が出来てしまうのでしょうか?

焼却設備の違いで分別方法が違う

プラスチックごみを可燃ごみとして扱う自治体には「焼却設備が最新式のもので高温処理が可能である」こと、「有害なガスが発生しない」こと、「焼却時の熱をエネルギーとして発電に利用できる」ことなどが理由として挙げられます。

一方、焼却設備の処理能力が低いと細かく分別するケースが多くなっています。

人口が関係している

人口が多い都市は人口数に比例してごみの量も多くなります。

ごみの量が多くなるほど、分別して出されたごみを自治体の職員や委託された業者などが回収し、リサイクルや処理をするのが大変になってしまいます。
そのせいで分別が大まかになる傾向があります。

人口の多い都市部では、焼却設備も最新式のものであることが多いので、大まかな分別でも対応できるという背景もあります。

日本全国、ルールが厳しい地域・ゆるい地域の例

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日本はごみ出しルールが厳しく、地域や自治体によりごみ出しルールが違う理由はわかりましたが、同じ日本の中でもルールが厳しい地域やゆるい地域と差があります。

どれほどの違いがあるのか見ていきましょう。

日本一分別が細かい徳島県上勝町

徳島県の上勝町では、2003年から「2020年までに焼却や埋め立てをせずにごみをゼロにする」ことをめざす「ゼロ・ウェイスト宣言」を掲げ、さまざまな取り組みが行われています。
ごみをなるべく再利用し、生ごみはなるべく各家庭で堆肥にするように呼び掛け、驚異のリサイクル率80%を達成しており、世界からも注目されています。

上勝町のごみの分別は、なんと「13種45分類」で、生ごみは基本収集には出さず、各家庭で肥料などにして処分することが推奨されています。

以下は上勝町のごみの分類表です。

びん類リサイクルびん(酒・ビールなどのびん)
透明びん
茶色びん
その他のびん(緑・青・黒など)
紙類新聞・チラシ(白の紙ひもでしばる)
雑誌・コピー用紙(白の紙ひもでしばる)
段ボール(紙ひもでしばる)
紙パック(切り開いて洗って出す)
紙カップ(白)(切り開いて洗って出す)
紙パック(銀)(切り開いて洗って出す)
硬い紙芯
シュレッダーくず
その他の紙
レシート・伝票・写真・汚れた紙
缶類アルミ缶
スチール缶
スプレー缶(中身を使い切って穴を開けて出す)
雑金属
金属製キャップ(水洗いして出す)
ペットボトルペットボトル本体(ラベルをはがして洗って出す)
キャップ
電気関係電球・蛍光管(そのままと壊れたものは分ける)
電球
乾電池
ライター
廃バッテリー
小型家電製品
布類衣類・毛布(ぬれたものはダメ。透明の袋に入れて出す)
その他の布類(濡れた布類・カーテン・座布団・枕・ハギレ等) 
割り箸・木竹製品汚れを落として出す
廃食油ボトルなど容器に入れる
プラスチック製容器包装
プラマークが付いている物
食品などの袋、薬の容器、パック、洗剤などのボトルなど 
その他のプラスチック
プラマークが付いていない物
汚れたプラスチック製容器包装 
レトルト食品の袋、ソースなど小袋、スプーン、ストロー、歯ブラシ、ビニール手袋、湿布のフィルムなど
 白トレイ色柄トレイ、納豆の容器、たこ焼きの容器、即席焼きそばの容器以外のトレイ
ガラス・陶磁器類割れていてもよい
鏡・水銀体温計できるだけ割らないように出す
粗大ごみ金属製
木製
布団・絨毯・カーペット・畳
塩ビ製品・ゴム製品など、どうしても燃やさなければならないもの
どうしても燃やさなければならないものタバコの吸い殻、ビニール製バッグ、靴、使用済ティッシュなど
紙おむつ・生理用品・ペットシート 使用済み紙おむつ、ネコ砂、 ペットシート、生理用品など
どうしても埋めなければならないもの貝殻、カイロ、中身のあるマニキュア、水槽など
廃タイヤ自動車用、耕運機、バイクなど
廃消火器リサイクルシールの有無で処理費用が変わる
参考:上勝町役場 HP

分別の一覧を見ているだけでも大変そうだという感想を抱きます。

上勝町はもともと多くのごみを各家庭の庭先で焼却処分を行う野焼きが行われていました。
ですが、法令で定められた処分法ではなかったため、法改正をきっかけに焼却コストや環境に与える影響などを考慮すると、ゴミの再利用・再資源化をめざすほうが町にとって有益ではないかとの結論に至り「ゼロ・ウェイスト宣言」が可決されたそうです。

ごみ収集車はない

上勝町では今までごみ収集車が町内を走ったことはないのだとか。
そもそも、上勝町にはごみ収集車がありません

町民は自家用車で町内唯一のゴミステーションまで持ち込んでいます。
手間はかかりますが、ゴミステーションは年末年始以外持ち込み可能なので、どんなごみも自分の都合のいいタイミングで出せるというメリットの方が大きいようです。

運搬支援もある

車に乗れないなど、自分でごみを運べない人のための制度があります。
登録した人の家には奇数月に伺い、ごみを回収してくれます。
粗大ごみは有料ですが、その他の処分手数料は無料。
また、ご近所の方がついでに運んであげるなどの助け合いもあるようです。

リサイクルできるかできないかで分別する神奈川県横浜市

ごみの分別が厳しすぎると有名な神奈川県の横浜市。
分別の種類自体は10種類ほどでそこまで細かい分別という印象はありませんが、分別する条件次第で一見同じものでも燃えるごみに分類されたりプラスチック製容器包装になったりします。

例えば、シャンプーや洗剤などのボトル。 
洗ってプラスチック製容器包装に分類する自治体が多いのですが、横浜市の場合は「中身が入った状態で購入したボトルはプラスチック製容器包装」、「空のボトルを商品として購入した場合は燃やすごみ」に分類されます。
購入時のことを覚えておいた上で分別しなくてはなりません。

また、他の自治体では見られない分別条件はポケットティッシュの包装。
購入したポケットティッシュの包装の場合は、プラスチック製容器包装へ、もらったポケットティッシュの包装の場合は、中身が商品ではないため燃やすごみに分類されます。

このように同じように見える品目でも条件次第で分類が変わるので、横浜市では分別辞典の「MIctionary(ミクショナリー)」でごみの分別の案内をしています。

分別の細かさだけでなく、分類する条件で分別が変わるとはルールの規定は自治体次第とはいえ、本当に個性が出ますね。

殆どのごみは普通ごみに分類する大阪市中央区

2009年、1人当たりの1日のゴミ排出量が東京23区(1122g)を抜いて、全国ワースト1(1358g)となった大阪市は、ごみの分別がシンプルで他の地域よりも規制がゆるいことでも有名です。

大阪市中央区のごみの分別の種類は普通ごみ、資源ごみ、容器包装プラスチック、古紙・衣類、粗大ごみの5種類です。

その中でも普通ごみの許容がとても幅広く、通常の生ごみや燃えるごみに分類される台所ごみから、プラスチック製品、食器やライターや傘などの日用品、家具・寝具類も30cm以下であれば普通ごみとして収集して貰えます。

また、指定ごみ袋はなく「中身の見えるごみ袋での排出」と指定されているだけなので透明または半透明の袋であれば受け入れてもらえます。

以下は大阪市中央区でのごみの分別一覧表です。

普通ごみ30cmを超えない日用品、プラスチック製品、台所ごみ、
普通ごみ、紙おむつなど、電気器具類、ガラス製品、
家具・寝具類、スポーツ用品など
資源ごみ空き缶・空きびん・ペットボトル、金属製のなべ・やかんなど
容器包装プラスチック商品を入れたり包んだりしていたプラスチック製の容器や袋
古紙・衣類新聞・折込チラシ、段ボール、紙パック、雑誌、その他の紙、衣類
粗大ごみ最大の辺または径が30センチメートルを超えるもの、
あるいは棒状で1メートルを超えるもの
参考:大阪市 HP

日本で一番分類が細かいといわれる徳島県上勝町の一覧表と比べると違いが分かります。

政令指定都市で唯一、夜間にごみを収集する福岡市

多くの自治体では収集日の午前8時から9時までの間に、決められたごみ置き場やごみステーションなどに出すよう指定されていますが、福岡市のごみの収集は夜間

決められた日の日没から(暗くなってから)夜12時までと定められています。

その理由は交通渋滞の回避ですが、それだけでは収まらない夜間のごみ収集のメリットが以下の3つです。

都市美観への貢献
 昼間、街中にごみ袋が無いため、景観が保たれるメリットがある。

カラスからの被害を回避
 カラスは主に明け方から活動している、夜間にごみを回収するとカラスに荒らされる被害が減る。

防犯・防災につながる
 夜間に収集していると、防犯上や防災上の効果も期待できる。
 実際、徘徊していた認知症患者を発見・通報した事例も。

もちろん、メリットばかりではなく、作業で発生する音や、作業員がごみの中身を確認しづらいこと、夜間であると人目に付きにくくなるので、分別意識への懸念などがデメリットとしてあります。

とはいえ、福岡市での家庭ごみの分別は「燃えるごみ」、「燃えないごみ」、「空きびん・ペットボトル」、「粗大ごみ」の4分別で非常にシンプル。

台所ごみからプラスチック用品やゴム類、皮革類、木材など、福岡市指定のごみ袋に入れば殆どのものが燃えるごみで出すことが出来ます

福岡市のごみの焼却施設では、ごみを焼却した時に出た熱を利用して蒸気を作り、ごみ発電しています。
焼却炉で高温処理が行え、多くのごみを焼却することが可能。
そのおかげで多くの品目を燃えるごみで出すことが出来るのです。

東海三県の自治体による例

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同じ日本の中でも自治体によってはルールが厳しいところと緩いところがあるのだとわかりました。
では、東海三県の中ではどのように規定されているのでしょうか?

実はどちらかというと、愛知県周辺はごみの分別が厳しい方に入ります。

厳しめの地域ではありますが、同じ東海でも差はありますので順番に見ていきましょう。

大都市でも分別は厳しい愛知県名古屋市

大都市であるほど焼却炉の燃焼力が強く、また人口が多くごみの量も多い傾向にある為、分別が緩い傾向にあるとお話ししていましたが、名古屋市は大都市でありながらも分別が厳しい都市です。

名古屋市では、以下のように15種類に分類します。

可燃ごみ生ごみ類、草・小枝、紙くず、繊維・革・ゴム類、100%プラスチック製品、金属との複合製品(大半がプラスチック)、コンセントを使わない小型の電気製品
不燃ごみなべ・やかん類、はさみ、ガラス・陶磁器類、コンセントを使う小型の電気製品(充電式のものも含む)
発火性危険物スプレー缶類、使い捨てライター等
粗大ごみ30cm角を超える大型ごみ
プラスチック製容器包装プラスチック製容器包装マークが付いた、容器や包装
電池類電池類をひとまとめにして、指定袋以外の透明・中身の見える半透明の袋に入れて出す
紙製容器包装・雑がみ紙製容器包装マークが付いた、容器や包装
ペットボトルペットボトルマークがついた飲料・酒・みりん類・しょう油などのペットボトル
空きびん飲料用、食品用、化粧品用に使われた空きびん
空き缶飲料用、食品用に使われた空き缶
紙パック紙パックマーク」がついた飲料用に使われたもので、内側にアルミ箔が貼られていない紙パック
小型家電・充電式家電回収ボックスに入る大きさの小型家電
食用油植物性油
蛍光管・水銀体温計・水銀温度計白熱電球やLED製品は不燃ごみ
新聞・雑誌・段ボール・衣類・布類地域の集団資源回収に出す(市では回収しない)
参考:名古屋市 HP

基本は燃えるごみ、燃えないごみ、資源の3種類の指定袋に入れて、ごみ集積所に出せば収集して貰えますが、中にはリサイクルステーションなどに自分で持ち込まなければならないごみもあり、なかなか厳しい分別が定められている印象です。

同じ名古屋市の中でも区によって若干の違いはありますが、殆どの区でこの分別が行われています。
愛知県はごみの分別が厳しいといわれるのは、名古屋市の分別の厳しさから来ているかもしれませんね。

分別が少ない岐阜県岐阜市

ごみの分別が厳しいとされる東海の中でも、分別が少ない岐阜市。

普通ごみ、プラスチック製容器包装、びん・缶・ペットボトル、粗大ごみ、廃蛍光灯・乾電池の5種類に分類します。

実はプラスチック製容器包装の分別収集が始まったのは、令和4年4月からで近年のこと。
それまでは4種類の分別なので、全国的に規制がゆるいといわれる大阪市中央区よりもシンプルだったことが伺えます。

また、岐阜市指定のごみ袋はなく、市販の透明・半透明の袋に入れて出すことが出来ます。

粗大ごみにも指定袋が存在する

燃えるごみ、燃えないごみ専用の指定袋はよくありますが、岐阜市には粗大ごみ専用の指定袋を定めている自治体もあります。

粗大ごみ専用の指定袋に入らないものは、粗大ごみ処理券を貼って出すか、各自治体のごみ処理場まで自己搬入する流れになっています。

粗大ごみ指定袋があるのは、岐阜市、本巣市など。

粗大ごみの指定袋はありませんが、亀山市では「10kgまでなら透明の袋に入れて出せる」という規定もあります。

一般的な分別を行う三重県

三重県のごみの分別は厳しすぎず、緩すぎずといった具合。

津市では13種類、四日市市では10種類、鈴鹿市では7種類など、多すぎず少なすぎずといった分別数です。
同じ三重県内でも、指定袋のない津市、指定袋がある四日市市や鈴鹿市というように自治体によって違いがあります。

三重県は比較的粗大ごみの手数料が安価な傾向があり、戸別回収を行っていない市町村が多いものの、志摩市を除くと数百円で粗大ごみを処分することが出来ます。

海外のごみ捨てルールとごみ事情

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同じ東海の中でもごみの分別ルールに差があるのだとわかりました。
では、今度は海外でのごみの分別はどうなっているか見ていきましょう。

ごみを全く分別しないジョージア

ジョージアではごみの分別は全く行われません。
紙でも瓶でも、不要になったものはそのままごみ箱に入れてしまい、ごみを分別する習慣はありません。

オフィスなどでは稀に紙や瓶、ペットボトルなどの専用ごみ箱が設置されているようですが、これらの資源ごみはお金を払って民間の収集業者を利用する必要があるため、家庭では分別しないのが一般的なのだそうです。

また、ジョージアには、日本のように家庭ごみを袋にまとめて集める集積所のような場所はありません。

その代わり広い歩道や車道の端にプラスチックでできたコンテナのようなものや、金属製の大きな箱がたくさん置かれているのですが、この箱がごみを集める容器となっています。
袋にまとめる必要もなく、ごみがあれば道にあるこの大きな容器にどんどん入れていき、24時間いつでも好きな時にごみを捨てることが出来ます。

ごみの回収時には、専用のごみ収集車が自動で持ち上げられるようになっているそうです。

ごみ箱付近には掘り出し物がある?

町中にあるごみ箱の横に、使い古した子どもの玩具や生活雑貨などが置かれているのですが、それらは「私にとってはごみ(不用品)だけど、欲しい人がいたらどうぞ」という意味合いで置かれています。

ごみ収集車が来ると一緒に回収されてしまうので、それまでに見つけられたらラッキー。

ジョージア人は親切で、助け合いの心に溢れている国民性なので、ごみ箱脇の不用品もそんなジョージア人の気質を感じさせる習慣なのかもしれません。

分別の意識に差があるアメリカ

アメリカ全体で見てみると多くの州での分別は、日本ほど細かくありません。

基本的に「一般ごみ」か「リサイクル」、葉などを入れる「オーガニックごみ」の3種類しかなく、その上アメリカは個人主義であることから、責任を持ってやる人もいれば、全くやらない人もいて、リサイクルボックスがあっても資源が燃えるごみにごちゃまぜに捨てられていることも珍しくないそうです。

また、リサイクルから日本のように缶・ビン・ダンボール・紙というように分けず、リサイクルできるものは全て一緒に出されます。

アメリカのリサイクルマシンは非常に高性能で、14種類のマテリアルに分類可能なのだとか。
種類別に分別した後は圧縮され再利用されます。

ゼロウェイストを目指すサンフランシスコ

アメリカの主にサンフランシスコにおいては、かねてより「ゼロウェイスト」の実現を目指した活動が行われています。

ゼロウェイストとは「地域や工場にて発生する廃棄物の排出および資源の浪費を限りなくゼロに近づけよう」という運動のことで、この目標を達成するために、サンフランシスコでは「4R’s」に関する取り組みが主に進められています。

4つのRの詳細は、以下の通りです。

・リユース(Reuse)
使用済みの製品をごみにせず、繰り返し使用する、または必要としている人に譲ることでごみを減らす活動のことです。
リユースを推し進めるために、サンフランシスコではリサイクルショップが多く立ち並びます。
また、さまざまなアーティストがごみを使ってアート作品にする活動を行っています。

・リデュース(Reduce)
リデュースは「減らすこと」を意味し、4R’sにおいては主に買うもの、使う量を減らしてごみを減らすことを指しています。
2014年以降のサンフランシスコでは公共スペースで、ペットボトル飲料の販売が全面的に禁止され、代わりに市内には給水スポットが設けられ、水筒を持ち歩けば手軽に水が入れられる環境が整備されました。

・リサイクル(Recycle)
リサイクルとは、資源に再生して再利用すること。
サンフランシスコでも日本で取り組むリサイクル活動と同様に、紙類、ビン、カン、ペットボトル、ガラスなどの資源ごみはリサイクルに回されています。

・ロット(Rot)
ロットは「腐る」という意味を指し、主に生ゴミを肥料にして土に還す活動のこと。
サンフランシスコでは2009年から生ゴミの分別および収集が義務となっていますが、これはアメリカでもサンフランシスコだけの取り組みとなっています。

日本一分別が細かいとお話しした徳島県上勝町でも「ゼロ・ウェイスト宣言」がみられましたが、サンフランシスコでも同じくらい厳しい分別が行われているようです。

ごみの日がないスウェーデン

環境先進国と名高い北欧の中でもごみ処理について最も注目されるスウェーデンですが、通常は、透明ガラス、色付きガラス、プラスチック、ダンボールや箱などの厚紙、新聞や雑誌、金属の6種類の分別だとか。

また、スウェーデンにはごみの日はありません。

スウェーデンには「リサイクルステーション」という家庭ごみの回収拠点があり、住民が歩いて行ける距離に設置することが国で決められています。
リサイクルステーションでは、プラスチック容器、古紙、ガラスなどを回収しており、住民はいつでも好きなタイミングで回収に出せるのです。

また、ビン・缶やペットボトルはスーパーなどに返却すると、デポジット制で容器代が返ってきます。

国全体でシステムが整っていることから、国民全員に自然とリサイクルの習慣が身についている印象です。

ごみを電力に変え海外からごみを輸入する!?

スウェーデンでは年間200万トン以上のごみが排出されていますが、埋め立て処理されるのは1%で、残りの99%は半分がリサイクル、半分がごみ処理場にて焼却され、電力に転換されています。

このごみの循環の発電で25万世帯もの電力をまかなっているのですが、国内から出るごみだけでは足りなくなり、ノルウェー、イギリス、アイルランド、イタリアなどから年間約80万トンものごみを輸入して補っているのです。

意識の高さは学校教育で培われる

このようにスウェーデンのごみ処理に対する意識の高さは、学校教育の中の「グリーンフラッグ(緑色の旗)制度」が大きく影響していると考えられます。

この制度は環境問題に対し一定の基準以上の取り組みをしている学校には、審査の上で緑色の旗が送られるというもので、子供の頃からこのような活動に参加することで、スウェーデンでは国民による環境改善への自発的かつ自然な取り組みを行える社会づくりが実現されているのです。

ごみの分別が分からないときはどうすればいい?

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ここまでさまざまな地域や自治体のごみの分別ルールを見てきましたが「最近引っ越してきたばかりでごみ出しのルールが把握できていない」または「引っ越し当日になって処分したいものが増えた」なんてこともありますよね。

ごみを出すルールが厳しい地域であるほど、急に出たごみの処分が出来ず戸惑ってしまいます。
そんな時に便利なのは、不用品回収業者です。

不用品回収業者とは、名前の通り不用品を有料で回収する業者のこと。

また、ごみの分別をこちらが行うことなく不要なものは全てまとめて回収して貰えるのが、不用品回収業者の便利な点でもあります。

不用品を回収した後は、業者のスタッフが正しい分別を行い適切な方法で処分をします。 
依頼者側は不用品を引き渡すだけでいいので、ごみの分別が厳しい地域であるほど、不用品回収業者を便利に活用できるのではないでしょうか。

不用品回収業者を利用する際の注意点

不用品回収業者と聞くと「トラックに積んだとたん高額な請求をされるのでは…」と不安になる方もいらっしゃるかもしれません。

現にそのような手口を行う悪質な業者もゼロとは言えません。

不用品回収業者を利用する際は、悪徳業者を選ばないよう注意が必要です。

無料での不用品回収を呼びかけながら町を巡るトラックや、空き地で不用品回収をつのるチラシがポストに入っていた経験のある方も多いかと思いますが、トラブルに巻き込まれる可能性が高いので利用は控えましょう。

不用品回収業者を選ぶ際のポイントは以下の通り。

  • 各市町村から許可を受けた業者から選ぶ
  • 資格を所持しているか
  • 買取出来るか
  • 見積もりが取れるか

不用品回収業者を選ぶ際には、各市町村から許可を受けた業者から選ぶのをお勧めします。
各市町村から許可を受けた業者であれば、法外な処分費用を請求してくることはありませんし、回収後のごみの処分も適切に処分しますので安心して依頼することが出来ます。

不用品回収を行ったり、不用品を買い取る・売るという場合には以下の資格が必要です。

一般廃棄物収集運搬業許可一般家庭から家具や家電、ゴミなどを回収できる資格
産業廃棄物収集運搬業許可法人からゴミを回収できる資格
古物商の許可回収した不用品を売ったり、リサイクル品の買い取りできる資格

ホームページ上の「会社概要」のページの中に、「許認可」や「取得許可番号」といった項目で記載がありますので、依頼をする前に確認してみてください。

資格を持っていないのにごみを回収したり、不用品を買い取る業者は法律違反です。
各市町村から許可を受けた業者から選べば、資格を所持した業者しかいないので安心です。

また、不用品回収業者へ依頼する際には、業者によって価格が異なりますので、相見積もりを取りある程度の相場を把握しておくこともお勧めします。

複数の業者の見積もりがあれば、自分に提示されたプランや料金が適切なものであるかを判断する材料になります。

無料で訪問して見積もりを取ってくれる業者であれば、さらに安心です。

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不用品買取業者には必須!「古物商許可」とはどんなもの?

まとめ

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日本国内から海外まで、さまざまなごみの分別ルールについて見てきました。

ごみの分別は細かすぎると面倒だと感じてしまいますが、どれも限りある資源。
焼却して灰を埋めるごみ埋め立て地にも、受け入れには限りがあります。

将来的には徳島県上勝町やサンフランシスコ、スウェーデンのようにゼロ・ウェイストを目指していくのが理想的なのかもしれませんね。

出張回収センターでは、幅広い不用品の回収を行っています。

中には状態のいいもの、購入して間もない物などでしたら買取が出来るものもあります。
回収費用から買取価格を差し引いて、結果お得に不用品を処分することが出来るかもしれません。

また、急ぎの相談も承っております。
「ごみの収集日が引っ越しまで間に合わない」といった場合も、お気軽にご相談ください!

対応可能品目数、業界随一!

不用品回収対応品目一例