企業には大量の書類や機密書類が多く、どうやって処分するのが適切なのか迷う方もいるかもしれませんね。
紙の処分の悩みは「大量の書類の中に、機密文書が紛れているかもしれない」「紙と一緒に保存しているファイルやクリップを取るのが面倒」「人の手で処理をしているが、本当に破棄できているのか不安」など、さまざまです。
大切な情報が入った紙を適切に処理できていないと、情報漏洩となるおそれもあるため注意しなければなりません。
また、個人であっても自宅には「DM」や「請求書」といった個人情報の記載があるものもあり、これらの取り扱いも重要です。
今回は書類の安全な処分方法をご紹介しますので、参考にしてみてください。
機密文書について
機密文書は情報資産とも呼ばれ、会社の維持には欠かせない重要な書類です。
まずは機密文書についておさらいしていきます。
機密文書の種類
企業にはさまざまな機密文書があります。
その中でもさらに3つの種類に分けられるため、まずは機密文書の種類についてお伝えしていきます。
社外秘文書 | 企業内全体で共有できるが、社外に漏らしてはいけない情報のこと 社外に漏洩すると企業の競争力を損なう可能性がある 顧客リスト、会議の議事録、企画書、見積書など |
秘文書 | 企業内でも一部の関係者だけが閲覧できる情報のこと 商品原価、経営関係の資料、重要契約書、人事ファイルなど |
極秘文書 | 最も重要度の高い文書 役員や一部の役職者など、企業内のごく一部の人だけが閲覧できる情報のこと 未公開の財務・経理情報、合併情報、新製品の開発資料、研究データなど |
機密文書の保管方法・保管年数
機密文書は会社の大切な資産であるとともに、重要な情報の宝庫となっています。
そんな機密文書ですから、取り扱いには正しい知識が必要です。
情報漏洩を防ぐためにも、社内で規則を統一し、厳重に管理する必要があります。
■機密文書の保管方法
機密文書の保管方法は、機密文書の種類によっても異なりますが、一般的には決められた社員以外には触れられないように、鍵付きの書庫や書類棚に保管します。
セキュリティ面だけではなく、湿気や日焼けなどにも気を付ける必要があり、書類の量が多いとオフィスでの管理が難しい場合も。
そのようなときは、機密文書を書類保管サービスへ預ける方法もあります。
■機密文書の保管年数
機密文書は「法定保存文書」と呼ばれ、法律で保管を義務づけられています。
法定保存文書の保存期間に従い、管理や破棄をするようにしましょう。
【機密文書を含む】書類の破棄方法6選
人に見られては困る書類を処分するには、どのような方法があるのでしょうか。
書類の破棄方法は次の6通りです。
それぞれのメリット・デメリットとともにご紹介していきます。
- シュレッダーで処分
- 水につける
- 書類の溶解処理サービスを利用
- 書類の破砕処理サービスを利用
- ごみ処理施設へ持ち込む
- 不用品回収業者に依頼
処分方法1.シュレッダーで処分
メリット | デメリット |
---|---|
・その場で処分が確認できる ・処分をしたいときにすぐできる | ・機械を購入しなければならない ・手間がかかる ・会社の場合は人件費、光熱費、機械の維持費がかかる ・裁断された紙片はリサイクルには不向き |
「シュレッダー」は、家庭やオフィスで手軽にできる書類の破棄方法です。
業務用のシュレッダーであればスピーディに大量の紙を破棄できますし、その場で破棄したことを確認できます。
ただし、シュレッダーで粉砕した紙の処分をしなくてはなりません。
シュレッダーした紙はリサイクルに回せないため、「可燃ごみ」となりますが、事業で出た紙ごみは業種によって「一般廃棄物」や「産業廃棄物」のどちらかになります。
ちなみにオフィスで使われている業務用シュレッダーの相場は15万円~30万円程度。
家庭用シュレッダーなら5千円ほどから購入できます。
処分方法2.水につける
メリット | デメリット |
---|---|
・費用がほとんどかからない ・シュレッダーがないときにもすぐ処分できる ・手軽にできる | ・大量の書類の破棄には不向き ・労力がかかる |
少量の書類であれば「水につけて処分する」という方法もあります。
大きめの容器に水を入れ、紙を浸せばあとは丸めて捨てるだけなので、家庭や個人事業主など、手軽に紙を処分したい人に向いています。
この方法は、紙を水につけるとインクが水に溶け出し、文字がにじんで読めなくなる効果を利用しており、なかでもインクジェットプリンタで印刷された文書に効果的です。
処分方法3.書類の溶解処理サービスを利用
メリット | デメリット |
---|---|
・文書が完全に廃棄されるため、情報漏洩のリスクが低い ・大量の文書も効率的に処分できる ・クリップ、紙ファイルなども一緒に溶解できることがある ・証明書発行などセキュリティ対策が充実している | ・法人契約が必要な場合が多い ・個人で利用すると割高になることもある |
溶解サービスとは、回収した書類を特殊な液体に漬けて溶かしてくれる方法のことです。
「ヤマト運輸」や「アスクル」、「郵便局」といった大手企業が手掛けていることも多く、安全で確実な破棄方法として注目されています。
溶解処理のメリットは、クリップやホチキスの針などを外さずに、段ボール詰めで一気に溶解してもらえることですが、業者によっては「ホッチキスはOKだけどプラ製品はNG」など、溶解処理できないものもあるため事前の確認が必要です。
また、費用や回収方法もさまざまで、段ボール箱や専用ボックスでの回収のほか、キャビネットへ書類を投入するだけという方法もあります。
例えば個人での利用も可能な「郵便局」での溶解サービスは、2,880円(税込)。
専用キット発送料、セキュリティゆうパック運賃、溶解処理料などが含まれており、1箱にハガキが2,500枚程度入ります。
郵便局での溶解処理は、処理された資源がリサイクルされるため環境に優しいのもポイントです。
処分方法4.書類の破砕処理を利用
メリット | デメリット |
---|---|
・クリップ、ラミネートといった書類以外も一緒に破砕できる ・会社への回収、工場への持ち込みが可能 ・セキュリティ体制が整っている | ・業者によって費用がさまざま |
破砕処理とは、大型破砕機を用いて紙をばらばらに砕き、判読不能にする方法です。
溶解処理と同様に、さまざまな専門業者が破砕処理をおこなっています。
溶解処理と同様に、ホッチキス止めのままやファイルごとなど、書類の分別をせず段ボールごと出せるのがメリットですが、業者によっては処理の工程で金属を取り除く作業がある場合も。
セキュリティ教育をされた専任のスタッフが作業をおこなうとは言え、書類が人の目に触れるリスクも考えられます。
依頼する前に、業者に対してどのような工程がされるか確認しておくと安心です。
また、こちらも破砕された紙はリサイクルされるため、地球に優しい方法だと言えるでしょう。
処分方法5.ごみ処理施設へ持ち込む
メリット | デメリット |
---|---|
・自分で運搬するため費用が安い ・自分の都合に合わせて動きやすい ・個人でも法人でも利用が可能 | ・運ぶ手間がかかる ・自治体によっては書類の受付をしていない |
各自治体にある、ごみ処理施設へ自分で書類を持ち込み、処分する方法もあります。
自治体の運営する施設なので、安心して利用ができるうえ、処理費用が安いのもメリットです。
例えば名古屋市では10㎏あたりの処分費用が200円。
A4用紙5,000枚だと約20㎏ですので、20㎏の書類が400円で処分できる計算です。
ヤマト運輸では同じA4用紙5,000枚の処理が2,079円(税込)ですので、処理費用だけで言えばかなり安いと言えるでしょう。
・「名古屋市でごみを自己搬入する方法」を別ページにて紹介しています
ただし、施設の営業時間やごみの受付ルールは自治体によって異なります。
地域によっては事前受付が必要な場合や、書類を受け付けていない場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
処分方法6.不用品回収業者に依頼
メリット | デメリット |
---|---|
・書類以外の不用品も回収してもらえる ・書類の分別が不要 ・業者によっては証明書発行をしてもらえる ・個人でも法人でも利用が可能 ・スタッフが回収に来てくれる ・土日や祝日の利用も可能 | ・業者によって費用や対応がさまざま |
不用品回収業者は、家庭で出た不用品の回収・処分をおこなっている業者ですが、「産業廃棄物処理」の資格を保有する業者であれば、オフィスから出た不用品の回収も可能です。
書類についても「シュレッダーごみ」「機密文書」など、どんな形体でも回収してもらうことができ、業者によっては「溶解証明」や「マニュフェスト」などの書類ももらえます。
ほとんどのものが回収可能ですので、オフィスの整理や引っ越しといった、不用品が多く出るタイミングにまとめて依頼するのがおすすめ。
スタッフが運び出しや車への積み込みをおこなうため、手間がかからないのもメリットと言えます。
ただし、業者によって料金体系がさまざまで、書類の溶解処理に関しては対応不可な場合も。
そのため、事前に見積もりを取り、費用やサービス内容を確認しておきましょう。
機密書類の処理で注意したいこと
冒頭でもお伝えしたように、機密文書の取り扱いには注意が必要です。
処分の際に知っておきたい注意点について解説していきます。
企業での機密書類処分には「廃棄証明書」が必要
「廃棄証明書」とは、機密文書を廃棄する業者などへ依頼した機密文書が正しく廃棄されたことを証明する書類のこと。
証明書の発行は機密文書を廃棄した業者がおこない、証明書の名前は「溶解証明書」「溶解処理証明書」「処理証明書」など、さまざまです。
発行は「紙」または「データ」での電子発行などがあります。
廃棄証明書は多くの書類廃棄業者が発行していますが、なかには、こうした証明書の発行をおこなっていない業者も存在します。
しかし証明書の発行がなければ処理を依頼した側は、適切に処理がなされたかどうか確認ができません。
万が一個人情報や機密情報の漏洩があった場合、処理を依頼した側にも責任が問われてしまいます。
そのようなリスクを避けるためにも、廃棄証明書の発行をおこなっている業者へ依頼するようにしましょう。
「マニュフェスト」との違い
「廃棄証明書」とよく間違われるのが「マニュフェスト」です。
マニュフェストとは企業が出したごみである「産業廃棄物」の処理をおこなった際に、処理業者が発行するもので、適切に処理ができていることを証明する書類になります。
書類の廃棄にマニュフェストは必要ありませんが、一部の業種の場合はマニュフェストの発行が必要となるため注意してください。
マニュフェストが必要な業者は以下のとおりです。
- 建設業
- パルプ・紙・紙加工品の製造業
- 新聞業
- 出版業
- 製本業
- 印刷物加工業
※これらの業種で、業種特有の業務で発生した廃棄物(建築現場から出たもの、印刷・製本の作業工程で出たものなど)が産業廃棄物にあたり、マニフェストが必要な廃棄物となります。
業者へ依頼する際は「証明書」の発行ができる業者へ
企業が書類の処分をするときは、業者への依頼が一般的です。
書類の内容が見られても構わないものであれば、古紙回収や事業ごみとして廃棄する方法でも大丈夫でしょう。
しかし、企業で扱う書類は機密文書であることも多いものです。
内容が外部に漏れると心配な場合は、きちんと「破棄証明書」の発行をおこなっている業者への依頼が安心です。
また、破棄を依頼した業者が「破棄証明書は出せない」というような業者であれば、適切に処理されていない可能性もあります。
業者を選ぶときは費用も大切ですが、「信用できるかどうか」もチェックして選ぶようにしましょう。
書類の処分でよくある質問
Q.必要な書類と廃棄したい書類の分別ができていません。それでも大丈夫ですか?
A.その場合は、当社のスタッフが分別のお手伝いをすることもできます。
書類の量が多い場合、中には大切な書類がまぎれていることもございます。
ご自分でなかなか分別できない場合にも丁重に当社スタッフがご対応いたしますのでお気軽にご相談ください。
Q.書類以外のものも一緒に引き取ってもらえますか?
A.はい、可能です。 書類もご自分で運ぶとなると重く大変かと思います。
その他ご自分では運べない粗大ゴミや自治体では収集してもらえないリサイクル家電など、処分したいものがございましたらご相談ください。
まとめて処分することで料金が割安になることもございます。
当日思い立ったものも追加で回収することが可能ですので、ぜひお気軽にご相談くださいませ。
Q.書類にホチキスが留めてあるのですが、そのまま回収は可能ですか?
A.もちろんそのままで大丈夫です。
他の書類回収業者や自治体ですと外す必要がある場合があり、かなり大変かと思います。
当社はホチキスやクリップ、ファイルなどもそのままで回収可能でございます。
お客様の手間を省いて当社スタッフが回収いたしますので、書類の整理でお困りの際はぜひご利用ください。
Q.処分したい書類の中に個人情報が入った物もありますが対応していただけますか?
A.はい、書類に個人情報が含まれる場合も回収可能です。
当社は、たとえDMなどが紛れていても、個人情報が漏洩しないよう細心の注意を払いご対応いたしますのでご安心ください。
Q.かなり大量の書類でも回収可能なのでしょうか?
A.はい、もちろん可能です。
当社の場合、少ない量で回収されるよりもよりお得にご利用いただけるかと思います。
お見積もりは無料ですので、お気軽にご相談ください。
書類の処分まとめ
ここまで書類の処分方法についてご紹介してきました。
書類の処分方法はたくさんありますが、実は法律上、どの方法を取っても構わないことになっています。
しかし、「機密情報や個人情報が漏洩しない方法」を取らなければなりません。
書類の処分をお考えの場合は、以下の点に気を付けましょう。
- 確実に書類を破棄できる方法か
- 企業(または個人)に合った処理方法・費用であるか
- 業者へ依頼する場合は信頼できる業者であるかどうか
- 「破棄証明書」を出してもらえるか
多くの企業では紙の処理をシュレッダーでおこなうことがありますが、機密情報や個人情報などが含まれる書類の処理は、溶解処理や破砕処理が安全です。
もちろん、その際は信頼できる業者を選び、「破棄証明書」を出してもらうことも忘れないようにしましょう。
また、状況によっては不用品回収業者を選択するのも一つの方法です。
紙は大量になるとかなりの重要になるもの。
法人ではなく個人での利用では、自宅まで回収しにきてもらえる不用品回収業者は、手間がかからず大変便利です。
また、オフィス用品の取り扱いに強い業者であれば、書類の処分と同時にオフィス家具やパソコンなど電子機器の回収・処分も依頼できます。
事業ごみは「産業廃棄物」となるため、いつでも依頼ができる業者を知っておくとよいでしょう。
当社「出張回収センター」でも書類の回収・溶解処理をおこなっています。
溶解処理は協力会社での処理となりますが、「破棄証明書」や「溶解証明書」の発行も対応していますので、安心してご依頼ください。
もちろん、書類・紙類以外の不用品の回収もおこなっています。
事業ごみの回収もできますので、個人・法人問わず、ぜひご利用ください。
・別ページで「シュレッダーの処分方法」について解説しています。