若者に急増中?「セルフネグレクト」の症状やゴミ屋敷化した場合の解決策とは

目次

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  • 久しぶりに実家に帰ったら、ごみが捨てられておらず家が汚れている
  • 一人暮らしをしている子どもの部屋を訪れたら、足の踏み場もないほどごみが溜まっていた
  • 近所にごみ屋敷があり、対処に困っている

といったことでお悩みではありませんか?

もしかしたらそのごみ屋敷は、「セルフネグレクト」によって生み出されたものかもしれません。

「セルフネグレクト」とは、健康的に生きていくうえで必要不可欠な食事や家事、病気の治療などを自分自身の意思でやめてしまうことによって、健康状態や生活環境が悪化している状態のことを指します。

本人にセルフネグレクトであるという自覚がない、または自覚しているものの改善する意思もなく、助けも求めないという点から表面化しづらく、住居がごみ屋敷になる、または孤独死することによって初めて周囲が問題に気づくというパターンも多いようです。

今回のコラムでは、そんなセルフネグレクトの症状や原因、放置することで起こるリスクや解決策について詳しく取りあげ、また、セルフネグレクトを解決するために不可欠な「ごみ屋敷の片付け」について、業者を利用する方法もご紹介していきます。

「セルフネグレクト」について詳しく知りたい、家族にセルフネグレクトの兆候がある・・・という方はぜひこの記事を参考にしてみてください。

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1.セルフネグレクトとは

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ニュースや新聞などで「ネグレクト」という言葉を聞いたことのある方は多いのではないでしょうか。

「ネグレクト」とは幼児や児童、高齢者、障害者など、保護を必要とする者の世話や養育、介護などを保護者が怠ったり放棄したりする行為のことを指します。

「育児放棄」「育児怠慢」と呼ばれることもある、身体的・精神的虐待の一種です。

それに対して「セルフネグレクト」は、

  • 入浴
  • 歯磨き
  • 掃除
  • ゴミ捨て
  • 洗濯
  • 食事
  • 病院への通院や服薬

など、日常生活を送るうえで必要になる行為を自らが放棄し、本人の健康や安全に支障が出ている状態のことを指しています。日本語では「自己放任」「自己放棄」と訳される、自己虐待・自傷行為の一種です。

セルフネグレクトの状態が続けば、健康管理ができず体調を崩す、家がごみ屋敷化してしまうといったリスクがあるほか、最悪の場合には孤独死に至る恐れもあります。
セルフネグレクト初期の段階での発見・解決が何より大切といえるでしょう。

しかし、セルフネグレクトに陥った本人は自分がセルフネグレクトであるという自覚がない、または気づいていても改善する意思がないのでSOSを出さないケースがほとんどです。

そのため早期発見が難しく、さらにセルフネグレクトについての法律がないため行政の介入がしづらいといった点からも、解決が困難というのが現状となっています。


誰でもセルフネグレクトに陥る可能性がある

「高齢者の孤独死」が社会問題化し、メディアで取り上げられることも多いため、セルフネグレクトに陥るのは「1人暮らしの高齢者」という印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

しかし、年齢や性別、同居家族がいるかどうかは関係なく、誰でもふとしたきっかけでセルフネグレクトに陥る可能性があるため注意が必要です。

若いから、女性だからセルフネグレクトに陥るはずがない、「だらしないだけ」「めんどくさがり」「さぼっているだけ」と判断するのは危険です。

特に、若者のセルフネグレクトは行政のサポート対象外となることも多いのでなかなか発見できず、仮に発見されたとしても「自己責任」として取り扱われがちです。

その結果、餓死や自殺など、若者の孤独死も増加傾向にあります。

最悪の事態を避けるためには、年齢や性別には関係なく、誰しもセルフネグレクトに陥る可能性があることを知っておく、身近な人と頻繁に連絡を取り、些細な変化に気づくことが大切です。


セルフネグレクトの特徴

セルフネグレクトの状態になると、以下のような言動が見られるようになります。

  • 入浴しない、歯磨きをしないなど身だしなみを整えなくなる
  • 髪を切らない、ひげをそらないなど身なりに無頓着になる
  • 洗濯をせず、汚れたままの衣服を着ている
  • 十分な食事、栄養の取れる食事をとらない
  • 体調不良でも病院に行かず、行ったとしても処方された薬を飲まない
  • 介護サービスを拒絶する 
  • ごみや不用品が捨てられない
  • ゴミを拾ってくるなど、物をため込むようになる
  • 必要ないものを大量に購入してしまう
  • 生ごみを放置し、害虫や害獣が大量発生する
  • 動物を適切に世話できず、多頭飼育になってしまう
  • 窓ガラスの割れ、壁に空いた穴などを放置する
  • 電気、ガス、水道などの支払いができず、ライフラインが止まってしまう
  • 郵便物をためこむ
  • 休日でもめったに外に出ず、横になって過ごすことが多い
  • 人との関わりを避ける

しかし、毎日忙しく過ごしていれば「お風呂が面倒で入らない」「ご飯を適当に済ませる」「休日に何もする気が起きず寝てばかりいる」、なんてことはよくある話ですし、人によってはゴミ屋敷に住みながらも、身だしなみは整えているといったように行動にムラがある場合もあります。

そうなると、どのような状態を「セルフネグレクト」とよぶのか、という判断するのは難しいですよね。

上記のリストだけでは判断がつきづらい場合は、東邦大学が提供している「アセスメント・支援ツール」の「セルフ・ネグレクトサインシート」を活用してみるという方法もあります。

「アセスメント・支援ツール」を利用すれば、セルフネグレクトに陥った際に見られるサインについて詳しくチェックできるほか、セルフネグレクトをどう支援するか、どう改善していくかのプロセスについても確認できます。

自分や、身近な人がセルフネグレクトかも?と疑った場合には、ぜひ一度確認してみてください。


2.セルフネグレクトの原因とは

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セルフネグレクトに陥る理由ははっきりしていないことも多いのですが、主な理由として考えられているのは以下の4つです。

  1. 体力や身体機能の低下
  2. 認知症や精神疾患による判断力の低下
  3. 孤独感
  4. 経済的困窮

それぞれくわしく見ていきましょう。


①体力や身体機能の低下

まずは加齢で身体機能が低下する、または病気やケガによる体力の低下がセルフネグレクトの原因になるケースです。

  • 視力や聴力が低下して外に出るのが怖い
  • 関節痛がひどく、車椅子なしでは外に出られない
  • 出歩く体力がない
  • 重たいものを持ち運べなくなった

など、本人には今まで通りの生活を送りたいという意思があるのに、体が思うように動かないという状況やそれによるストレスがセルフネグレクトを引き起こします。

その状態が長く続けば、セルフネグレクトに加えて他の精神疾患を発症するなど、複数の要因が重なり合い解決までに時間を要することも。

できるだけ早く「デイケア」や「訪問看護」等の支援・サービスの利用を検討し、本人の心の負担を軽減する、置かれている環境の改善をする必要があります。


②認知症や精神疾患による判断力の低下

セルフネグレクトに陥る高齢者の多くが発症していると言われている認知症や、若者に多いとされるうつ病や統合失調症などの精神疾患、アルコール依存症や買い物依存症などの依存症がセルフネグレクトにつながるケースもあります。

認知症や精神疾患を発症すると判断力が低下し、本来できるはずだったことができなくなります。また、自分の置かれている状況を客観的に見ることができなくなるので助けを求めることも困難になります。

そうした状況が長く続いた結果、セルフネグレクトに陥ってしまうのです。

そのほか、精神疾患によるセルフネグレクトには下記のようなケースもあります。

  • 捨てることに恐怖心があり、物をためこむうちにゴミ屋敷化する(ため込み症)
  • アルコール以外の事がどうでもよくなり、身の回りのことをしなくなる(アルコール依存症)
  • 必要のないものを大量に購入してしまい、管理しきれずゴミ屋敷になる(買い物依存症)
  • 捨てるものと残すものの判断ができず、片付けができないでいるうちに家がゴミ屋敷化する(ADHD(注意欠如・多動性障害))

精神疾患や認知症が原因のセルフネグレクトは、なるべく早く適切な治療を受ける、またはデイケアや訪問介護などのサポートを受けることで今以上に状態が悪化するのを防ぐことが可能です。

しかしセルフネグレクトの特徴の1つでもある「治療途中で通院しなくなる、服薬の指示に従わない」「介護サービスを拒絶する」といった行動により治療が中断してしまうこともあるため注意が必要です。


③孤独感・社会的孤立

  • 核家族化
  • 単身世帯の増加
  • 晩婚化
  • 近所付き合いの希薄化
  • SNSが発達し、人と直接会話する機会が減った
  • コロナ禍による外出規制や在宅ワークの増加

といったことが原因で起こる、「コミュニケーション不足による孤独感・社会的孤立」がセルフネグレクトの原因になることもあります。

この場合、人と接する機会が少ないことからSOSを出しづらく、さらに助けてもらいたくても誰にどう頼ればいいかわからない、頼ったら迷惑をかけるかもしれないと遠慮しているうちに、誰にも気づいてもらえないまま症状がエスカレートする恐れがあります。

また、それまで普通に暮らしていた人でも、

  • こどもが家を出ていき一人暮らしになった
  • 仕事を退職した
  • 配偶者と死別した
  • 離婚を経験した
  • 災害に遭った

上記のようなさまざまな出来事をきっかけにして孤独感を強め、セルフネグレクトが引き起こされてしまうケースもあります。

この場合も、家族や地域の人が定期的に本人と連絡をとったり、家の様子を実際に見に行ったりすることで状態の悪化を防げる可能性があります。


④経済的困窮

失職や病気による休職、または低賃金労働などさまざまな理由で経済的に困窮しており、ギリギリの生活を送っていることがセルフネグレクトの原因になるケースもあります。

  • 健康保険に加入しておらず、自己負担の医療費が払えないので病気やケガを放置する
  • 物価の高騰で野菜や肉・魚などが気軽に買えなくなり、インスタント食品ばかり食べている
  • 娯楽にかけるお金がないので、生きる楽しみがなくなった
  • 必要最低限の暮らしをしているうちに趣味や新しいものへの関心を失った

このケースの場合、再就職や転職、スキルアップを目指して求職者支援制度を利用する、また生活保護など公的扶助制度を利用するなど、生活環境を変え、状況を改善していく必要がありますが、

  • そもそも支援が受けられることを知らない
  • 支援を受けるのが恥ずかしい
  • プライドがじゃまをして依頼できない
  • 手続きの煩雑さを面倒がって、結果的に現状維持を選んでしまう

という方も多いため、改善が難しいのが現状となっています。


3.セルフネグレクトを放置するリスクとは

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セルフネグレクトを放置した場合に起こるリスクは以下の3つです。

  1. 健康状態の悪化・孤独死
  2. 火災や家の倒壊
  3. 家族や近隣住民との関係の悪化

詳しく確認してみましょう。


①健康状態の悪化・孤独死

セルフネグレクトの状態を長期間続けることで、本人の健康状態は悪化していきます。

  • 十分な食事をとらないことによる栄養失調・脱水症状
  • 害虫や害獣を媒介した感染症にかかる
  • ホコリやカビでのアレルギー
  • 病気の治療・服薬の中断による症状の悪化

そのほか、ゴミ屋敷化した家に住んでいる場合は物に引っ掛かって転倒する、崩れてきたものの下敷きになるといった事故に遭い、ケガをする可能性も高くなります。

セルフネグレクトに陥った人の多くは人との関わりを絶ってしまっているので、健康状態が悪化、またはケガをして動けなくなっても、だれもそれに気づくことができません。

社会問題となっている孤独死は、そのようにして生まれているのです。


②周囲との関係の悪化

セルフネグレクトによってゴミ屋敷化した家で発生する悪臭や害虫・害獣の大量発生は、近隣の住宅にも大きな被害を及ぼします。

発生した害虫が周りの家に広がることで健康被害に遭うこともありますし、夏場は特に強い悪臭があたりに漂うことから、近隣住民は窓を閉めて生活し、洗濯物を外に干せないなど、通常の暮らしができない状態を強いられます。

そのほか、多頭飼育崩壊に陥ってしまっている場合は、昼夜問わず動物の鳴き声が響き渡るなど、騒音の問題も発生します。

まずは話し合いで解決したいところではありますが、セルフネグレクトに陥ってしまっている人は現状を変えることを望んでいないので、話し合いどころか、話を聞くことすら拒絶するというケースも少なくありません。

その結果、

  • 近隣住人から嫌がらせを受ける
  • 立ち退きを要求される
  • 近隣住人がノイローゼになり、訴訟を起こされる
  • 警察を呼ばれる

といったトラブルに発展する恐れがあります。

特に、訴訟を起こされた場合、ゴミ屋敷を片づけるだけでは済まず、慰謝料を支払う、引っ越しせざるを得なくなるなど、思っていた以上に大きな問題に発展することも。

そうした事態に陥る前に、状況を改善する必要があります。


③家の倒壊や火災を引き起こす

ゴミ屋敷化した家は湿気がこもりやすく、さらに床や壁は害虫・害獣の糞、生ごみから漏れだした液体などで傷みやすい状態となっていますが、セルフネグレクトの状態ではそれを修理・手入れすることが困難になります。

その状態が長期間続くことで床や柱が腐り、ごみの重さに耐えられず家屋が倒壊する恐れがあります。

また、ゴミ屋敷は火災が起こる可能性も高いです。

掃除が行われないゴミ屋敷では、コンセントとプラグのすきまにたまったホコリが原因で発火する「トラッキング現象」が起こりやすいのに加えて、燃えやすいものがそこら中に広がっています。

たばこの不始末や電気機器のショートなど、小さな火種からでもあっという間に燃え広がり、大きな火災に発展する恐れがあります。

家の倒壊も火災も、どちらも命にかかわる大事故になりかねないほか、火災は燃え広がって他の家にまで被害が及ぶ可能性があり、大変危険な状態です。


4.セルフネグレクトを解決するには?

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重度のセルフネグレクトになると、様々な要因が絡まりあい、解決するのが非常に困難になります。セルフネグレクトの兆候に気づいた時点で、すぐに適切な対応をすることが大切です。

身近な人がセルフネグレクトに陥った場合、解決するためにできることを確認してみましょう。


①本人と対話する・状況を把握する

セルフネグレクトを解決するためとはいえ、いきなり家を片づけはじめたり、本人に片づけを強要したりするのはNGです。本人が事態の改善を望んでいないのに無理やり介入しようとすることで、事態が悪化する場合があります。

まず本人と対話し、精神状態や健康状態、部屋の状況などを把握するところから始めましょう。

セルフネグレクトに陥ってしまっている人は、自分がセルフネグレクトであるということ、また、置かれている環境に無自覚な場合が多いので、まず自分の状況を自覚してもらうことが大切になります。

そのうえで、セルフネグレクトによる健康被害やゴミ屋敷で起こるリスクを説明し、納得してもらってから次のステップに進むようにしましょう。


②本人が適切な治療を受ける

精神疾患や認知症を患ってセルフネグレクトに陥ってしまっている場合は、まず治療を受けて病気を治すのが最優先です。

医師から適切な治療・服薬を受けることで症状が改善され、それによってセルフネグレクトの状態が解消することも期待できます。

人によっては治療の最中で病院に通わなくなってしまうということも考えられるので、その場合「デイケア」や「訪問看護」等を利用する、そのほか、症状が重度で通院が難しい場合などは入院治療という方法もあります。


③行政やボランティアのサービスを利用する

  • 近所にゴミ屋敷があって困っている
  • 本人が支援を拒絶している
  • どこから手を付けていいかわからない

という場合は一人で問題を抱え込むのではなく、行政やボランティアの相談窓口を利用しましょう。

自治体の多くは高齢福祉、生活保護、障害福祉、環境衛生等の担当部署をもっていて、市民・区民の生活をサポートしてくれます。まずお住まいの自治体の担当部署を調べ、連絡をとってみてください。

担当部署は、利用できる制度や補助金の申請方法などの案内をしてくれるほか、

  • 介護支援専門員
  • 介護サービス事業所
  • 社会福祉協議会
  • 民生委員
  • 医療機関
  • 地域包括支援センター
  • 保健所・保健センター
  • 精神保健福祉センター

など、本人の状態に応じた施設を紹介してくれることもあります。

社会問題化しているゴミ屋敷の解消のため、独自のゴミ屋敷条例を制定している自治体もありますので、近所にゴミ屋敷があって困っているという場合も一度、相談してみるのをおすすめします。


④治療と並行して家の片づけを行う

せっかく本人がセルフネグレクト解消のため治療をしたとしても、家が汚いままでは治療が進まなかったり、悪化したり、さらには治療後に再発する可能性も高くなってしまいます。

本人の治療と並行して、できるだけ早く家の片づけも完了させましょう。

しかし、自治体はゴミ屋敷解消のサポートはしてくれるものの家の片付けまでは担当してくれないことがほとんどです。

そうなると自分たちの力で片づけを行う必要がありますが、治療を受けている本人が家の清掃を行うのは非常に困難ですし、家族や親族などが協力するにしても慣れていない作業のため大変な労力と莫大な時間が必要になります。

無理して作業するとケガをする危険性があり、また、片づけても片づけてもまたゴミを溜めてしまう・・・という悪循環に心が折れてしまい、作業が中断する可能性も。

自力では無理、と分かった時点でゴミ屋敷を清掃してくれるボランティアを探してみるか、業者に依頼することを検討してみてください。


5.ゴミ屋敷の片付けは業者に依頼がおすすめ

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セルフネグレクトを解決するためには、できるだけ早くゴミ屋敷を片づけることが大切とわかりましたが、

  • 地域にゴミ屋敷に対応してくれるボランティアがいない
  • 遠方の実家のお片付けがなかなか進められない
  • 物が多すぎて心が折れそう
  • 仕事が忙しく、時間がない

といった事情ですぐには作業できない、まとまった時間が取れないという方も多いのではないでしょうか。

そんなときにはゴミ屋敷清掃を専門で行う業者の利用を検討してみるのがおすすめです。

部屋の広さやゴミ屋敷の状態によっても作業内容は違いますが、自分たちでゴミ屋敷を片づける場合、メインになるのは「溜まったごみを分別して捨てる」という作業です。

これは文字にしてみれば一見簡単そうに見える作業ですが、ゴミ屋敷に溜められたゴミの数は普通ではありません。

まず「分別して捨てる」、これだけでも膨大な手間と時間が必要になります。

さらにゴミを分別している途中で出てくる害虫や害獣を駆除しつつ、汚物や生ごみの処分、汚れた床や壁の掃除も行い、必要に応じて傷んだ壁や割れた窓ガラスの補修といった慣れない作業も行わなくてはなりません。

上記のような作業は、とても1日では終わりません。少なくても数週間、長くて数か月は時間が必要になります。

仕事をしている方が、数週間から数か月の間、片付けのために仕事をずっと休むというのは現実的ではありませんし、少し片づけてはまたゴミを溜める、という繰り返しになってしまい、なかなか改善に至らない、なんてことになる可能性も。

その点、ゴミ屋敷専門清掃業者はこれまで数々のゴミ屋敷をきれいにしてきたプロです。

どのように片づけるのが一番効率がいいかわかっており、さらに複数人のスタッフで集中して作業してくれるので時間や手間をかけずにゴミ屋敷を片づけることが可能。

また、大量発生した害虫や害獣、放置された生ごみや汚物といったものの処理も専門業者であれば、専用の道具で匂いや汚れを落としきり、害虫や害獣も確実に駆除してもらえるので安心です。

また、セルフネグレクトに陥ってしまう方の中には、「家族や親族に迷惑をかけたくない」「ゴミ屋敷を見られるのが恥ずかしい」といった心理が理由でゴミ屋敷の清掃を拒否するケースもあります。

その場合にも、第三者である業者が間に入ることで、本人の気持ちの負担を和らげる効果が期待できます。


専門業者に清掃を依頼するメリット

  • 作業の時間と手間をなくすことができる
  • 害虫駆除や汚物の処理などもおまかせできる
  • 第三者が介入することで気持ちの負担が減る場合も

  • 費用相場は?

    ゴミ屋敷の清掃にはまとまった費用が必要になります。そのため、費用がいくらかかるか不安、相場だけでも知っておきたい!という方は多いのではないでしょうか。

    ゴミ屋敷清掃にかかる費用は、部屋の広さだけでなく、

    • 不用品の種類や数
    • 処分するゴミの多さや種類
    • 汚れの度合い
    • 作業時間や作業内容
    • 作業人員の数
    • 作業する場所の立地
    • オプションを利用するかどうか

    といった点によっても変わってきます。

    そのため費用は一定でなく、相場が出しづらくなっているのが現状です。

    見積もりをとる前に、だいたいでいいので費用が知りたいということであれば、業者のホームページに記載されている「ゴミ屋敷清掃の事例」を見てみるのがおすすめです。

    どんな部屋の間取りで、作業人員が何人いたか、ゴミの量がどれくらいで、片づけにどれだけの時間がかかったかを知ることができます。

    場合によってはお客様の声も載っていることがあるので、経験談を知ることができて依頼時の参考になるかもしれません。

    ちなみに、弊社出張回収センターゴミ屋敷片付けの事例については以下のようになっています。

    間取り作業時間作業人数金額ゴミの量
    1K3時間2名25,000円軽トラ1台分
    5階/1LDK5時間3名154,000円2tトラック1台分
    2階/1K5時間3名176,000円2tトラック1台分
    1LDK7時間3名300,000円腰の高さ以上のゴミ(飲食物ゴミ・ペットの糞などの処理を含む)

    ホームページには細かい状況、作業内容も掲載されていますので、ぜひご覧になってみてください。


    業者の選び方は?

    インターネットで調べると、たくさんの業者が出てきてどの業者を選べばいいかわからない、ということがあるかもしれません。

    そんなときのために、業者選びのポイントをお伝えします。


    ①ゴミ屋敷専門の業者がおすすめ

    ゴミ屋敷清掃を担当する業者でも、不用品回収をメインにしている業者や、遺品整理をメインで扱う業者など、さまざまな形態の業者がいます。

    できればゴミ屋敷専門で、特殊清掃や除菌作業をメインに担当してくれる業者を選ぶのがおすすめです。

    ゴミ屋敷専門の業者であれば経験もサービス内容も豊富ですし、いろいろなケースを担当してくれているので安心して依頼ができます。


    ②訪問見積を取ってくれる業者を選ぼう

    業者を選ぶ際は、現地まで来てくれ、実際の家の状態やゴミの量を見て見積もりをしてくれる業者を選びましょう。

    電話やメールで見積もりを取ることもできるのですが、部屋の状況やゴミの種類を電話やメールでは正確に伝えられない場合も多く、また、作業に慣れている業者と慣れていない依頼主との間で認識の違いが起こる場合も。

    その結果、作業当日になってゴミの量が聞いていた量と違うからと追加費用を請求される、また、一部しか清掃してもらえないといったトラブルに巻き込まれてしまう恐れがあります。

    優良業者であればそのようなトラブルを防ぐため、業者の方から訪問見積を提案してくれます。

    訪問見積を拒否する業者もまれにいますが、トラブルを未然に防ぐためにも利用しないでおくのが無難です。


    ③地域密着型の業者がおすすめ

    インターネットでゴミ屋敷清掃、と調べると全国対応可能な業者、地域密着型(東海地方エリアのみ対応、○○県全域対応など)の業者など、さまざまな業者が出てくるのでどこを選べばいいか迷ってしまいますよね。

    業者選びの際は、なるべくご利用の地域の近くに会社や営業所のある業者を選ぶのがおすすめです。

    遠方の業者でも利用できないことはないのですが、あまりにも営業所が遠いと見積もりや作業での移動に時間がかかるほか、追加で出張費(高速料金や燃料代など)がかかってしまう場合があります。

    その一方で、地域密着型の業者は近場ということもあり、迅速に見積もりや作業に対応が可能。

    地域での作業実績もあるため、近隣の不動産情報に詳しかったり、地域特有のごみ捨てルールに理解があったりと、臨機応変に対応をしてもらえるのも魅力といえるでしょう。


    ④相見積もりを取ろう

    高額な費用になりがちなゴミ屋敷清掃をなるべく安く利用したいなら、複数の業者に見積もりを取る「相見積もり」が有効です。

    相見積もりを取り、費用やサービス内容を比較することで、同じ作業内容でも費用がより安い業者を探すことができ、さらに、費用が高額すぎる、または安すぎる、項目がざっくりとしか書かれていない、といった見積書の不審な点に気づくことができるので、悪徳業者を見分けるのにも役立ちます。

    そのほか、対応してくれるかどうかは業者によって違いがありますが、他社の見積もりの金額を参考にして、値引きの交渉ができることも。

    相見積もりをするとしないでは、数千円~数万円費用に差が出る場合もあります。複数の業者と連絡を取るのは忙しい時には面倒ですが、できれば3社以上から相見積もりをとるのをおすすめします。

    ▼ゴミ屋敷専門清掃業者について詳しくはこちら▼


    6.まとめ

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    今回のコラムでは、ゴミ屋敷や孤独死の大きな原因と言われる「セルフネグレクト」の特徴や原因、解消方法について取り上げました。

    忙しい生活の中では、生活に必要な行為が面倒くさくなって投げ出してしまいたくなる・・・なんて経験は誰にでもあるものですが、しかしそれが一時的なものではなく長期間に及び、健康や生活に支障をきたすようになってしまう場合は「セルフネグレクト」に陥ってしまっている可能性があるため注意しなければなりません。

    セルフネグレクトは放置すればするほど、リスクが大きくなり解決も難しくなります。
    家族や友人に定期的に連絡を取るようにする、家に様子を見に行き直接会話をするなどしてできるだけ初期の段階でセルフネグレクトを発見、問題を解決するのが望ましいでしょう。

    記事の中では、家族や友人、近隣住人にセルフネグレクトの兆候があるという場合、解決のためにやることをご紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。

    1. 本人と対話する・状況を把握する
    2. 本人が適切な治療を受ける
    3. 行政やボランティアのサービスを利用する
    4. 治療と並行して家の片づけを行う

    セルフネグレクトは精神疾患やゴミ屋敷など、さまざまな要因が絡まりあい、すぐに解決できないケースが多いです。

    全てを一人で抱え込むのではなく、行政やボランティアに頼り解決策を模索する、また家の片づけについては業者に依頼するなど、なるべく早く、状況が改善できるようにすることが大切です。

    対応可能品目数、業界随一!

    不用品回収対応品目一例