ニュース番組などで社会問題として取り上げられることも増えているゴミ屋敷問題。変色した食品や飲みかけのまま何か月も放置されたペットボトル飲料、洗濯されないまま積み上げられた衣類など、足の踏み場もないほどのゴミで埋め尽くされた室内の映像を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
ゴミ屋敷に住んでいるのは一人暮らしの老人や、片づけができない人、ものを捨てられない人、というイメージを持っている方もいらっしゃると思います。しかしそれだけでなく、激務で掃除する余裕のない一人暮らしの人や、精神的な病を抱えた人などが、住んでいる家をゴミ屋敷にしてしまうことも多々あるのです。仕事のストレス、病、ケガなど、きっかけがあれば誰でも自分の家をゴミ屋敷にしてしまう可能性があります。
ゴミ屋敷を片づけたいけれど、どこから手を付けていいのかわからない、だれに頼ればいいのかわからない、そう思ったら、まず民間のゴミ回収業者に頼ってみましょう。ゴミの回収・処分から清掃まで全てお任せすることができるので、片づけをする気力も時間もない・・・という状況を短期間で一気に解決できます。
今回の記事では、
- ゴミ屋敷を放置するとどうなるのか?
- ゴミ回収業者に依頼するメリットは?
- どんなゴミ回収業者を選んだらいいの?
- 金額が高いのでは?
- 依頼したらどんなふうにゴミを片づけてくれるの?
…など様々な疑問を解決していきます。
片づけたいけど時間が足りない…とお困りの方、実家がゴミ屋敷でどこから手をつけたらいいかわからない、と悩んでいる方など、ぜひ参考にしてみてください!
ゴミ屋敷について詳しくはこちらの記事をどうぞ↓
1.ゴミ屋敷を放置するとどうなるのか?
ゴミ屋敷を放置していることで起こる問題は多々ありますが、その影響はゴミ屋敷に住んでいる人だけにとどまらず、近隣の住民にも及んでしまいます。そのリスクについてご説明します。
健康被害
食べ物をそのまま放置しておけばゴキブリやハエなどの害虫、ネズミなどの害獣が発生します。ゴミやほこりを放置することにより、カビや雑菌が繁殖することもあるでしょう。害虫や害獣は感染症を引き起こす可能性がありますし、カビや雑菌、ほこりはアレルギー症状を引き起こす原因となります。
また、ものが部屋にあふれていることで、転倒によるケガのリスクも高まります。
ご近所トラブル
食べ物の放置によって発生したゴキブリ、ハエやネズミなどが近隣の住宅に侵入してしまったり、腐った食品や飲料などから悪臭がするため、近隣住民が窓を開けられない、洗濯物を干せないなどの問題が起こります。近隣の住民にとっては快適に暮らす権利を奪われてしまっている状態です。
そのような状況ですから、立ち退きを要求されたり、警察を呼ばれる、嫌がらせをされるなどのトラブルも起こりやすくなります。
火災・倒壊の危険性
ゴミ屋敷は火災の可能性も高くなります。ものが多いことによって、ストーブやコンロ、たばこの火から引火する可能性も高まりますし、ほこりの溜まったコンセントはショートして火災を引き起こします。家の外まではみだしたゴミが放火されてしまうケースも。
火事になってしまうと、近隣の家に燃え移ってしまうことも十分考えられます。ゴミ屋敷の住人の命だけでなく、近隣住民の命をも脅かすことになってしまうのです。
さらに、長年放置された湿気やカビなどで壁や床が傷み、溜まっていくゴミの重量に耐えられず、家屋が倒壊してしまう危険性もあります。
ゴミ屋敷を放置すれば、このように命にかかわるような甚大な被害をもたらす可能性があるのです。
2.業者に依頼するメリットは?
自宅や実家がゴミ屋敷状態になってしまった場合、自分たちだけで何とかしようとするには膨大な時間と費用、体力と気力が必要になります。
その点、ゴミ回収業者に依頼すれば、費用は掛かりますが問題の大半は短期間で解決します。ゴミ回収業者に依頼するメリットをご紹介していきます。
時間がかからない
「すぐに片付く」というのはプロの回収業者にゴミ回収を依頼する最大のメリットです。自分たちで片づけた場合の過程を想像してみると、
- ゴミとそうでないものを分別する。
- ゴミになったものは、更にゴミに出せるように分別する。
- 分別したゴミは自分でゴミ集積場に持ち込みに行くか、ゴミ回収の日を調べてゴミ収集を待つ。
- ごみでないものは汚れを落としたり、衣類であれば洗濯して畳むなどして収納できるようにする。
- ゴミがなくなった室内の床や壁の汚れを落とす。
大まかですがこのようになります。簡潔に書いているため簡単に思えるかもしれませんが、実際にゴミ屋敷を片づける場合、1つの過程に数日から数か月かかることもあります。想像以上に体力と精神力を削られる作業です。毎日作業ができればいいですが、働いている方は作業できる時間や日数も限られますから、これ以上の日にちが必要となることでしょう。途中で心が折れてしまうのも致し方ないと思います。
その点、ゴミ回収業者は様々な現場を経験しているプロです。分別にも詳しいので作業スピードが速く、戸建て丸ごとの片付けでもほとんどの場合1日で片付けをしてくれます。(ゴミがあまりに多かったり汚れがひどい場合は数日かかることもあるようです)
また、ゴミ屋敷に発生するネズミなどの害獣、ゴキブリやハエ、ダニなどの害虫の処理や、悪臭や汚れが染みついてしまった床や壁の清掃をするのは精神的負担が大きいため、それらの処理を任せられる、というのも大きなメリットとなります。業者によってはハウスクリーニングを行ってくれるところもあるため、必要であれば検討してみるといいでしょう。
ゴミの分別や処理をしなくてもいい
ゴミ回収業者に依頼した場合、ゴミの分別や処理をしなくても良くなります。
ペットボトルを一つ捨てるだけでも、
- 中に残った飲みかけの飲料を捨てる。
- ペットボトルを洗う。
- ラベルをはがす。
- ラベル、キャップ、ペットボトル本体と、分解したものそれぞれを地域によって異なるルールに従って分別する。
という手間が生じます。今まで捨てずにいた大量のペットボトルをひとつひとつそのように分別するのですから、大変な作業量です。収集日が先の場合はそれまでゴミを手元に置いておかなければならず、場所をとってしまいます。まとめたゴミを、集積所まで運ぶのも一苦労です。
こうした手間を、ゴミ回収業者は引き受けてくれます。肉体的にも精神的にも楽になることは間違いありません。
周囲にバレないでゴミ屋敷をきれいにできる
「近所にバレないように片づけたい」「管理会社にバレないよう作業してほしい」と希望する方もいらっしゃるようです。集合住宅にお住まいの場合、片づけの際の騒音なども気になるところです。
周囲にバレないようにしてほしいと依頼があった場合、社名を記載していない無地のトラックで引越し業者を装って作業を行ったり、ゴミや不用品の搬出時もダンボールなどに詰めて中が見えないようにしたり、夜間の清掃にも対応してくれたり、とどのような手配をするかは業者によって様々ですが、希望通りに対応をしてくれます。希望がある場合は見積もりの段階で伝えてみると、どのような対応をしてもらえるかわかって安心ですね。
買取できる業者であれば費用が浮くこともある
片づけと同時に買取もしてくれる業者であれば、ゴミとして処分する予定だった家電や家具など、様々なものに値段をつけて買い取ってもらえるかもしれません。
自分でリサイクルショップに持っていったり、メルカリなどのフリマアプリに出品するのは労力がかかりますが、片づけと一緒に査定と買取をしてもらえれば処理が一度で済みますし、ゴミ回収にかかる費用を減らすことができるかもしれません。
3.ゴミ回収業者はどう選べばいい?
ゴミ回収業者に依頼するメリットをお伝えしてきましたが、ゴミ回収業者と一口に言っても様々な業者が存在しているので選ぶのが難しいですよね。そこでつまづくことでゴミ屋敷を片づける意欲をそがれてしまうこともあるでしょう。適当な業者に頼んだ結果、のちのち高額な費用を請求されたり、持ち出されたゴミが不法投棄されてしまった…などというトラブルに巻き込まれては元も子もありません。
どんな業者を選べばいいのか、悪徳業者の特徴など、大事なポイントをお伝えしていきます。
資格を持っている業者かどうか
ゴミを回収したり、さらに不用品の中から買取をする場合は、資格が必要となります。業者を選ぶ際はホームページを見てみると必ず資格の記載がありますのでまずそこを確認しましょう。「会社概要」のページの「許認可」や「取得許可番号」などという項目で書かれていることが多いです。資格には以下が挙げられます。
一般廃棄物収集運搬業許可 | 一般家庭から家具や家電、ごみなどを回収する場合に必要 |
産業廃棄物収集運搬業許可 | 法人からゴミを回収する場合に必要 |
古物商の許可 | 回収した不用品を売ったり、リサイクル品の買い取りをする場合に必要 |
もし回収された粗大ゴミなどが不法投棄された場合は、業者だけでなく依頼主も処罰の対象となってしまいます。トラブルを回避するため、業者を選ぶ際にはまず、資格を持った業者であるかどうかを確認してみましょう。
一般廃棄物収集運搬業の許可を取得していない業者でも問題ないパターンも
許可を取っていない業者が、自社では不用品の分別だけを行い、一般廃棄物収集運搬業の許可をとっている別の業者へ運搬のみ委託している場合もあります。
その場合は、「運搬を一般廃棄物収集運搬業者へ委託している」という旨を別で記載していれば問題ありません。
見積もりを取ってくれる業者を選ぶ
訪問して見積もりを取ってくれる業者がおすすめです。電話やメールだけで見積もりをとって、実際現地で作業した後に追加料金を上乗せしたりしてくる業者も存在するので、すぐに依頼せず実際に現地まで来てもらい、ゴミの量などを見せたうえで見積もりを取ってもらいましょう。見積もりを提示された際は、追加料金が発生しないか、または追加料金が出る場合の条件などを確認しておくと回収当日のトラブルを防止できます。
できれば複数の業者に見積もりを取り、対応や価格と併せて信頼できそうな業者に依頼しておくと、さらに安心です。
料金体系が明確な業者を選ぶ
ゴミ回収業者のホームページには料金表が書いてあることが多いので、
- 極端に安い金額が書いてある
- 細かい料金設定が書いていない
- 車両費・出張費・梱包作業費・分別作業費・スタッフ追加の際の費用に言及していない
- 追加料金について説明がない
上記のような場合は作業後に追加で出張費やスタッフ追加費用などを請求される場合がありますので注意しましょう。相場がわからない場合は、複数社の料金表を見比べて検討してみてください。
まとまった量のゴミの回収には、多くの業者が定額プランを提供しているのでそちらのプランを利用してみるのもおすすめです。
ゴミ屋敷の清掃相場
ゴミ屋敷の清掃費用は、部屋の広さで設定されていることが多いですが、それに加えて、作業人数・所要時間・ゴミの量などで金額が変動します。だいたいこのくらいだろう…と予想していた金額と大きく開きがある場合がありますので、依頼の際はそのことを念頭に置いておきましょう。費用の相場は以下のようになります。
部屋の広さ | 所要時間 | 作業人数 | 費用の相場 |
---|---|---|---|
1R・1K | 1~3時間 | 1~2名 | 30,000円~ |
1DK~2DK | 2~4時間 | 2~3名 | 50,000円~ |
2LDK~3DK | 3~10時間 | 3~7名 | 80,000円~ |
3LDK~4DK | 4~12時間 | 4~8名 | 160,000円~ |
4LDK~オフィスなど | 6~15時間 | 4~10名 | 210,000円~ |
ゴミ屋敷の清掃事例
ゴミ屋敷清掃の際の作業時間や人数、金額の具体例を挙げてみます。
間取り | 作業時間 | 作業人数 | 金額 | ゴミの量 |
---|---|---|---|---|
1K | 3時間 | 2名 | 25,000円 | 軽トラ1台分 |
5階/1LDK | 5時間 | 3名 | 154,000円 | 2tトラック1台分 |
2階/1K | 5時間 | 3名 | 176,000円 | 2tトラック1台分 |
1LDK | 7時間 | 3名 | 300,000円 | 腰の高さ以上のゴミ(飲食物ゴミ・ペットの糞などの処理を含む) |
出張回収センター|ゴミ屋敷片付け
間取りの他に、ゴミの量や作業時間によって金額が大きく変わっているのがわかりますね。クリーニングが必要であったりすると、金額の変動は大きくなるため、事前の見積もりの確認が大切と言えます。
口コミを見てみる
インターネット上の口コミを調べてみるのもいいかもしれません。実際に利用した人でないとわからない、作業員の雰囲気や作業内容がわかれば判断材料の一つになります。
口コミや評判をランキング形式にしてあるサイトも多くあるため参考にするのもいいのですが、個人のブログや、ツイッターやインスタグラムなどのSNSで調べてみるとかかった費用や所要時間など、具体的な事例をみることができるかもしれないので一度調べてみるのもいいでしょう。
4.ゴミ回収業者への見積依頼・回収依頼後の手順
依頼したいゴミ回収業者が見つかったら、実際に電話やメールで見積もり依頼をしてみましょう。見積もり依頼から、実際の作業までの過程をご説明していきます。
見積を依頼する方法は複数ある
見積もりを依頼する方法は業者によって様々です。電話やメールで対応しているところが多いですが、現在増えているのはLINEでの見積依頼です。まだ依頼するか決めかねていたり、とりあえずだいたいの金額が知りたい、という場合に気軽に連絡ができますし、電話が苦手な人にも便利な手段です。そのほか、LINEで見積を依頼することで支払い時に使用できるクーポンがついている場合もありますので見積もりの際は利用を検討してみてください。
LINEでの見積依頼
LINEでの見積依頼の大まかな流れは、
- ホームページなどに表示されている「友だち追加」ボタンやID検索から、ゴミ回収業者を友達登録する
- トーク画面に、ゴミ回収を依頼する部屋の写真や、回収してほしいものの写真を撮って送る(写真の他に、回収を依頼する場所や、ものの年式や情報があるとよりスムーズに見積もりができます)
- 見積もり結果が返ってくるのを待つ
※業者によって方法が異なりますので、ホームページに書いてある手順に従いLINEの操作を行うようにしてください。
以上になります。電話やメールで依頼する場合も、場所やどれくらい回収するものがあるか、回収を希望する日時など必要事項を伝えればOKです。その後、大量の不用品やゴミがある場合などは訪問見積で実際にかかる金額を出してもらいます。
見積もりで気を付ける点
見積を出してもらったら、見積書に費用項目が詳細に記載されているかどうかを確認しましょう。ざっくりとした概要と金額しか書いていない場合は、後から追加で費用を請求されることがあるので注意が必要です。見積書に記載される項目は、
- 人件費
- 車両費
- 処分費
- ハウスクリーニング費
- リサイクル費用(家電リサイクルにかかる費用や、代行手数料など)
などがあります。定額プランを選んでいる場合は、定額プラン内に何の費用が含まれているのかまで確認しておくといいでしょう。
不用品、ゴミを回収してもらう
希望の日時を伝えて見積もりをとったら、実際に不用品やゴミの回収作業となります。
当日は、回収するものと、残しておくものの最終確認をして、後は業者にお任せするだけです。作業の立ち合いが不要のこともあります。
作業終了後に部屋の最終チェックを業者と依頼主で行い、支払いをして終了となります。当日の搬入の手順や支払方法は業者によって異なりますので、見積もりの際に確認しておくことをおすすめします。
少しでも費用を安くしたいなら
ゴミの回収、清掃を業者に頼む際に少しでも費用を安くするためにできることがあります。
できる範囲は自分で分別、片づけを行う
ゴミ屋敷のゴミ回収にかかる費用は、片づけるのにかかった作業時間やゴミの量などで金額が変動するため、できる範囲で片づけておけば費用が安くなります。「業者で処分してほしいもの」をまとめておくだけで、作業時間の短縮になります。時間や気持ちに余裕があればチャレンジするのもいいでしょう。
3~4社から見積もりを取る
ゴミ回収業者にもさまざまなプランやサービスがあるため、できれば3~4社から見積もりを取るのが望ましいです。複数の業者の見積もりを見比べることで、作業にかかる費用が妥当なものであるかの判断ができます。一番料金の低いところに依頼するのもいいですし、自分の求めているサービスの提供がある業者に依頼したりと、選択肢も広がります。相見積もり可能な業者であれば、見積もり結果を価格交渉に使うこともできます。
買取可能なものを買い取ってもらう
買取可能な業者であれば、家電などを買い取ってもらうことで費用の足しにできます。
ゴミの回収の途中で、価値のあるものが出てくるかもしれません。その際に買取可能な業者でなければそのままゴミとして処分されてしまうこともあるため、できれば買取可能な業者を選ぶようにしましょう。
5.まとめ
ゴミ屋敷の清掃やゴミの回収を業者に依頼するメリット、注意点などについてご紹介しました。
誰もが好き好んで自分の家をゴミ屋敷にしてしまう訳ではありません。なにか小さなきっかけからゴミを捨てられなくなり、日常生活を送るうちに気づいたら自分の手に負えない状態になってしまっていた、というパターンがほとんどです。
ゴミ屋敷を放置していると自身の健康を脅かすうえに、ご近所トラブルを引き起こしたり火事の危険性があったりと大きなリスクを背負うことになってしまいます。
自分だけではどうしようもないと感じたら、または部屋がゴミ屋敷になってしまいそうな危険を感じたら、まずは、業者に電話をして相談することから始めてみましょう。
業者に依頼をする際は、
- 資格を持っているかどうか
- きちんと見積もりを取ってくれる業者かどうか
- 料金体系が明確であるかどうか
などを確認することが大切になります。
ゴミの量や状態によっては、回収や片付けの金額が高くなる可能性もあるので見積もりを一つ一つ確認するようにしましょう。
自分の置かれている環境を変えるのは大変ですし億劫な作業です。そんな中で思い切って業者に片づけを依頼するのですから、信頼できる業者に依頼して納得できる片づけをしてもらいたいですよね。
業者に依頼を検討する際は、この記事をぜひ参考にしてみてください!
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