湿度の高い日本では、家庭で除湿器を使用している人も多いのではないでしょうか。
除湿器は部屋を乾燥させて結露やカビの抑制をしたり、洗濯物を乾かしたりといったメリットがあります。
そんな除湿器は頻繁に処分する機会がないため、いざ処分するシーンになると「除湿器の処分方法がわからない」「除湿器の処分が面倒」と悩む人も多いものです。
今回は除湿器の処分方法について解説していきます。
リサイクルについてや処分時の注意点もお伝えしますので、参考にしてみてください。
除湿器は小型家電リサイクル法の対象になる
除湿機の捨て方について調べていると、小型家電リサイクル法という言葉が出てきます。
小型家電リサイクル法とは、2013年から施行された「使用済小型家電電子機器等の再資源化の促進に関する法律」のこと。
従来、除湿器を含めたさまざまな小型家電は、各自治体の処理方法によって埋め立て処分されてきましたが、これらの小型家電には、鉄、アルミ、銅、貴金属、レアメタルと言われる有用な金属などが含まれています。
このような、有用な資源をリサイクルするために制定されたのが「小型家電リサイクル法」というわけです。
現在(2024年時点)では家電4品目(テレビ、エアコン、冷蔵庫、冷凍庫・衣類乾燥機)を除く、多くの家電28品目が対象となっています。
小型家電リサイクル法対象品目の処分方法
小型家電の回収に利用される主な方法は3つあります。
- ボックス回収
- 窓口回収
- ピックアップ回収
自治体ごとに回収の方法が異なっているため、ホームページや広報などで事前に確認しましょう。
■ボックス回収
ボックス回収は、一定サイズ以下の大きさの指定された小型家電をボックスまで持ち込む方法です。
ボックスの形状は自治体によって違っていますが、主に区役所やホームセンター、家電量販店などに設置されています。
事前の予約や申し込みが不要なので、自分の都合に合わせて利用できるのがメリットです。
■窓口回収
窓口回収とは、区役所や市の事業所などへ家電を持ち込み回収してもらう方法です。
自治体によって回収を実施していない場合や、回収方法が異なる場合があるため、事前に確認しておきましょう。
■ピックアップ回収
ピックアップ回収はゴミステーション(ごみ集積場)に持ち込み、回収してもらう方法です。
この方法は設置されているコンテナの大きさに入るもので、指定された回収品目のものに限ることがほとんどです。
ここで紹介した回収方法は、無料で処分することができます。
しかし、回収ボックスや区役所の窓口、ゴミステーションまで除湿器を運ばなくてはいけません。
また、除湿器が対象品目になっていない場合や、サイズが大きくて利用できない場合もあります。
その場合は別の方法で処分しましょう。
除湿器の処分の前に「フロンガス」の有無の確認を
除湿器には「コンプレッサー方式」と「ゼオライト方式」、2つを組み合わせた「ハイブリッド方式」の3つの種類があり、そのうちコンプレッサー方式とハイブリッド方式はフロンガスを使用しているものがほとんど。
フロンガスは、空調機器や冷凍庫・冷蔵庫などの冷媒として広く一般的に使用されていますが、フロンガスを使用した機器は自治体では捨てられないこともあるため注意が必要です。
フロンガスの使用の有無はここで確認
基本的に、フロンガスが使用されているのは、ハイブリッド方式とコンプレッサー方式の製品です。
お持ちの除湿器がどのタイプに該当するかは、機器の側面または背面に貼付してある銘板や、取り扱い説明書でご確認ください。
例えばパナソニック製の除湿器の一部は、本体に「HYBRID」と記載があります。
フロンガスが使用されている製品は冷媒フロン類の処理が必要
フロンガスが使用されている製品は、処分の際に冷媒フロン類の処理が必要です。
このフロンガスを含む機器の処分の仕方は自治体によってさまざまですが、回収してもらえない場合は次のような処分方法になります。
- フロンと機器の処理を別々の業者に依頼する
- フロンを機器ごと業者に依頼する
1の場合、販売店へ連絡してフロンの処理をフロン類充填回収業者へ依頼するのが一般的です。
この方法であれば手間はかかりますが、フロンを抜き取った除湿器を売却・下取りに出せる可能性があります。
また、売れない場合には粗大ごみや家電量販店などで処分しますが、その際には「回収証明書」を除湿機と合わせて出さなければならないこともあります。
一方、2の方法は除湿器をそのまま引き渡すだけで処分できるため、手間はかかりません。
しかし機器本体の処分も依頼するため費用が高くなりがちです。
フロンと一緒に除湿器の処分も依頼できる業者は、自治体に問い合わせると紹介してくれることがあります。
また、不用品回収業者でも対応している業者があるため、ほかの不用品の処分と一緒に依頼するのもおすすめです。
除湿器の処分方法
小型家電リサイクル法対象の家電は、はじめにお伝えした3つの方法では無料で処分が可能です。
ただし、除湿器はコンパクトなものから大型のものまでサイズがさまざま。
中型~大型の除湿器であれば「ボックス回収」や「ピックアップ回収」の利用は難しいことも。
さらに「車の免許がなく、除湿器を運ぶ手段がない」「除湿器をお得に処分したい」と思う方も多いでしょう。
そんな方のために、小型家電リサイクル法以外の除湿器の処分方法を紹介していきます。
処分方法1.粗大ごみとして処分する
最も一般的な方法は、除湿器を自治体の「粗大ごみ」で出すことです。
ただしフロンガスを使用している除湿器については、自治体で回収してもらえるか確認しておきましょう。
なお、除湿器を粗大ごみで捨てる場合の手数料は数百円程度と、比較的安く処分できます。
この方法は、費用を抑えて捨てることができますが、回収場所まで運ばなくてはいけないという手間がかかります。
また、粗大ごみの利用は事前予約制となることがほとんどで、回収日は月に1回程度と少なめです。
そのため、申し込みをしてもすぐに捨てられないことが多く、タイミングによっては1か月程度待たなくてはなりません。
一般的な粗大ごみの利用手順は以下のとおりです。
- 電話やインターネットから粗大ごみ回収の申し込みをする
- コンビニ、スーパーなどの指定販売店で手数料納付券(シール)を購入する
- 収集日当日の朝、指定場所にシールを貼ったごみを出す
処分方法2.ごみ処理施設に持ち込んで処分する
除湿器を自分でごみ処理施設に持ち込む「自己搬入」を受け付けている地域もあります。
持ち込む方法は車のみという地域が一般的なので、運転できる人、車両がある人におすすめの方法となります。
粗大ごみの戸別収集と違い自分で持ち込む日が選べるため、予定が立てやすいでしょう。
ただし地域によっては対応していないところもあるので、詳しくは各市町村のホームページなどでご確認ください。
自己搬入の手順
一般的な例として名古屋市を紹介します。
名古屋市の「自己搬入」手続きは2段階になっているので、注意が必要です
- 処分するごみ(この場合は除湿器)を車に積んだ状態で、各区の環境事業所で手続きをおこなう
- 指示されたごみ処理施設へごみを持ち込む
- ごみの計量をおこない、10kgにつき200円の処理手数料を現金で支払う
環境事業所、ごみ処理施設のどちらも営業時間内に行かなくてはならないため、事前に日にちや時間をチェックしておきましょう。
粗大ごみを出すうえでの注意点
除湿器のコードなど、長いものを粗大ごみとして出す場合は、長さ1.5m、直径15cm以下になるように束ねておいてください。
また、除湿器のタンクに溜まった水も抜いておきましょう。
なお、大掃除をする人が多い年末や引っ越しが増える3~4月などはごみを出したい人が集中し、希望の日程で受け付けてもらえない可能性があります。
処分したい品物があるときは、余裕をもって申し込みましょう。
処分方法3.家電量販店で引き取ってもらう
家電量販店では、除湿器を含むリサイクル家電について、店舗で回収をおこなっていることがほとんどです。
除湿器の買い替えを検討している方は店舗での回収がスムーズですので、引き取り可能か確認しておくとよいでしょう。
基本的に店舗での回収方法は、自分での持ち込みとなります。
その場合はリサイクル費用のみで処分できますが、自宅まで引き取りに来てもらった場合は運搬料が別途かかります。
また、店舗によって回収方法が異なるためご注意ください。
以下は、店舗での回収費用や条件の一例です。
店舗名 | 回収費用・条件など |
---|---|
ケーズデンキ | ・2,200円 フロン排出抑制法に基づく第一種特定製品は対象外 |
エディオン | ・550円 フロン未使用のもの |
ジョーシン | ・2,200円 |
ヨドバシカメラ | ・2,200円 |
処分方法4.リサイクルショップを利用する
まだ十分に使える状態の除湿器は、中古家電を専門に取り扱う店舗や、リサイクルショップなどで売ることができます。
直接店舗へ持ち込む方法であれば、その場で現金化することも可能ですので、処分費用がかからずお得に手放せるでしょう。
また、店舗への持ち運びが難しい方は、「出張買取」や「宅配買取」を利用すれば自宅にいながら除湿器の売却ができます。
ほかにも売りたいものがある、という場合はこちらを利用すると運搬や梱包の手間がなく便利です。
ただし、除湿機を売りたい場合は製造から5年以内のものが目安となります。
除湿器の寿命は使用頻度や環境にもよりますが、5年から10年程度。
そのため、製造後5年以上経過した除湿器は買い取ってもらえないことが多いでしょう。
また、除湿器は毎年新しいモデルが発売されるため、少しでも高く売りたい場合は早めに査定に出すのがおすすめです。
中古でも売れやすい除湿器の特徴は以下のとおりですので、参考にしてください。
中古でも売れる除湿器の特徴
- まだ新しい商品(製造年度から5年未満)
- しっかり手入れされていて見た目がきれい
- 一流メーカーの人気機種(アイリスオーヤマ、コロナ、シャープ、三菱、Panasonicなど)
- 場所を取らないコンパクトサイズのもの
処分方法5.フリマアプリやネットオークションを利用する
ほかに除湿器を売却する方法では、「メルカリ」や「ラクマ」といったフリマアプリ・ネットオークションを利用する方法があります。
この方法は自分で販売価格を設定することができるため、買取店での査定に納得できなかった人や、買取を断られた人にもおすすめ。
しかし、必ず売れるとは限らず、売れるまでに時間がかかることもあるため、その場合は自宅で除湿器を保管し続ける必要があります。
また、売れた場合は自分で除湿器を梱包し、発送手続きをしなくてはならないため、多少の手間がかかることを理解しておきましょう。
特に除湿器は家電のため、雨に濡れないようしっかりとした梱包が必要になったり、大きさや配送先によっては送料が高額になったりするでしょう。
ほかに、売れた際の金額の5~10%が販売手数料として、サイト運営側へ支払う場合もありますので、事前にサイトの条件を確認してから出品すると安心です。
処分方法6.不用品回収業者に依頼する
不用品回収業者は、家庭から出るさまざまな不用品を処分してもらる民間の業者です。
自宅まで引き取りに来てもらうことができ、回収日も選べるため、忙しい方や処分を急いでいる方でも手間をかけずに捨てられます。
また、フロンガスを使用した除湿器も対応しているため、コンプレッサー方式やハイブリッド方式などタイプに関わらず、回収してもらえるのも嬉しいポイント。
お持ちの除湿器のタイプが不明な場合や、ほかの家具や家電と一緒に回収してもらいたいという方には特におすすめです。
ただし、不用品回収業者は回収費用以外にも運搬費、人件費などが発生する場合があります。
業者によって買取サービスの有無や料金体系などが異なるため、2~3社で見積もりを取り、希望に合った業者を選ぶようにしてください。
例えば買取サービスのある業者であれば、除湿器やそのほかの家電の買い取ってもらうことができるかもしれません。
回収と同時に買取をしてもらえれば、回収費用からその分を差し引いてもらうことができるため、お得に利用できるでしょう。
不用品回収業者を利用するメリット
- どんな除湿器でも回収可能(フロンガスも対応)
- ほかの家具や家電も同時に回収可能
- 好きな日時に回収できる
- 面倒な手続きや運搬が不要
- 業者によっては買取が可能
まとめ
今回は「除湿器」の処分方法や注意点について紹介しました。
小型家電リサイクル法対象となる除湿器ですが、一般的な大きさだと「幅30㎝×奥行20㎝×高さ60㎝」ほど。
サイズに指定がある「ボックス回収」や「ピックアップ回収」は利用できないことが多いでしょう。
また、お伝えしたように除湿器はタイプによって「フロンガス」が使用されており、自治体や家電量販店での回収ができない場合もあります。
お持ちの除湿器のタイプや状況に合わせて、最適な方法を選択してください。
当社「出張買取センター」は、どんなタイプの除湿器でも回収・処分をおこなっています。
「買取サービス」や「トラック積み放題」といった定額プランも用意していますので、お得にサービスを利用したいという方は、お気軽にご相談ください。
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