風呂釜の撤去は資格が必要!処分方法5選と注意点をご紹介

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風呂釜の撤去は資格が必要!処分方法5選と注意点をご紹介


一般家庭では取り外しや処分の機会が少ない「風呂釜」ですが、状況によっては自分で捨てなければならない場合があります。
代表的なのが公営住宅(市営・県営・都営・区営・公社など)にお住まいの場合です。
ほかにも、公務員住宅、官舎、社宅などは、退去時の原状回復義務のため、風呂釜の処分が必要な場合があると言われています。

とは言え、「風呂釜の処分方法がわからない」「風呂釜は自分で取り外せるの?」と不明な点も多いですよね。

そこで今回の記事では風呂釜の種類や処分のタイミング、処分方法や注意点を解説していきます。

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風呂釜の種類や処分のタイミングについて

風呂釜の撤去は資格が必要!処分方法5選と注意点をご紹介

ところで「風呂釜」とは何のことを指すのかご存じでしょうか?
よく間違えられるのが「風呂釜」と「給湯器」との違い。
この2つの違いを簡単に説明すると以下のようになります。

風呂釜給湯器
・湯船(浴槽)にためた水を沸かしてお湯にする機能のみを持つ機械
・「追い炊き」が可能
・水道管を通って来た水圧のかかった「水」に
熱を加えて「お湯」に変える機能のみを持つ機械
・お風呂場以外の場所で使用することが可能

このように「風呂釜」は「浴槽にためた水を沸かす機械のこと」を指していますが、ひとくちに風呂釜と言っても複数の種類があり特徴も異なります。
ここでは風呂釜の種類と特徴、処分のタイミングについて確認してみましょう。

風呂釜の種類と特徴

風呂釜は吸排気の仕組によって次の5つに種類が分けられています。

BFタイプ(バランス式風呂釜)

BFタイプは、給排気を屋外でおこなうため一酸化中毒などのリスクも低く、安心して使用できる風呂釜です。
点火に乾電池を使用するため停電時も使用できるというメリットがある一方、「水圧が低くなりやすい」「本体を浴槽の横に置くため、浴室のスペースを圧迫する」といったデメリットもあり、現在では導入数が減少傾向です。

FFタイプ(強制給排気式風呂釜)

FFタイプは、本体を浴室内に設置し、給排気は屋外でおこなう風呂釜です。
ファンで強制的に排気されるため、逆流の危険性が少なく安全性が高いというメリットがあります。
また、排気筒が短いことから住宅環境や天候状況などによる影響をあまり受けず、雪が多い地方でも使用できます。

RFタイプ(屋外設置型風呂釜)

RFタイプは本体を屋外に設置するため、浴室内のスペースを取らない風呂釜です。
本体から直接、屋外に給排気をおこなうため排気筒やダクトも必要ありません。
また、壁掛型(設置フリータイプ)と据置型のものがあるので、設置場所に応じて選ぶことも可能です。

FEタイプ(強制排気式風呂釜)

FEタイプの風呂釜は、本体を屋内に設置し、給気も屋内でおこないます。
そのため、本体を設置する屋内には換気口が必要となり、その仕組みから、浴室内には設置できません。
FFタイプと同じくファンで強制的に排気されるため、排気ガスの逆流の危険性の少ない風呂釜です。

CF式(自然排気式)

CF式は浴室内や屋内に本体を設置し、屋内の空気を給気して燃焼させた後、排気筒を通して屋外に排気をおこなう仕組みです。
ファンがないので強制的に排気をすることができず、排気ガスが逆流して一酸化中毒などのリスクがあることから現在はあまり見かけません。

処分のタイミングはいつ?

風呂釜の寿命は大体10年~15年程度といわれています。
使用頻度やメンテナンスによってはそれ以上使えることももちろんありますが、長く使用するほど以下のような不具合が見られるため注意しなければなりません。

  • 点火しづらくなる
  • お湯が出ない
  • お湯の温度が安定しない
  • 異臭、異音がする

お湯の温度が安定しないと生活に支障が出るほか、異臭がする場合はガス漏れや不完全燃焼が発生して一酸化中毒を引き起こすおそれもあるため大変危険です。

上記のような不具合が見られる場合は使用をすぐに取りやめ、点検を受けましょう。
古い風呂釜で部品がない、修理ができないような破損があるといった場合は、買い替えが必要です。

風呂釜の処分方法5選

風呂釜の撤去は資格が必要!処分方法5選と注意点をご紹介

ここでは風呂釜の処分方法をご紹介していきます。

①専門業者に依頼する 

風呂釜の処分として一般的なのは、ガス業者やリフォーム業者に風呂釜を取り外してもらい、そのまま処分してもらうという方法です。
新しい風呂釜を設置するのであれば、古い風呂釜の取り外しと処分、新しい機器の設置までワンストップでおこなってもらえます。

撤去や処分の費用は約30,000円ほどですが、取り外し工事費が別途かかるため、必ず見積もりを取りましょう。
この時、新しく風呂釜を買い替えることで、工事費用が割引されるといったサービスを利用できる場合もあります。

ただし、実際に工事がおこなわれるのは、ガス工事会社と打ち合わせをし日程を合わせてからです。
処分までに時間がかかる場合もあることを知っておきましょう。

②自治体の粗大ごみで出す

「風呂釜」が粗大ごみで捨てられるかどうかは自治体によって異なります。
お住まいの地域のルールを確認し、処分できる場合は次のような手順で捨てましょう。

  • 電話またはインターネットで粗大ごみ受付センターへ連絡し、予約をする
  • コンビニやスーパーなどで粗大ごみシールを購入する
  • 予約番号をシールに記載し、見える場所に貼り付ける
  • 指定日の当日の朝に指定の場所に運び出す

自治体で風呂釜を処分すると、手数料として1,000円~2,000円程度かかりますが、他の処分方法と比べるとかなり安く利用できます。
とは言え、風呂釜を取り外す必要があることや、自治体によっては引き取ってもらえないことなどデメリットもあることを知っておきましょう。

③売却する

風呂釜は新品のものを購入するとなると5万円以上するものが主流です。
そのため中古の風呂釜は、「新品にはなかなか手が出ない」「引っ越し後でなるべく出費を抑えたい」という方に需要があります。

正常に動作するものという前提条件はありますが、製造5年以内の風呂釜であれば買い取ってもらえる可能性があるでしょう。

売却する方法はリサイクルショップとフリマアプリ・ネットオークションの2種類あります。

売却手段メリットデメリット
リサイクルショップ・持込査定ならその日のうちに現金化できる
・持ち込みが難しければ宅配買取や出張買取も利用可
・そのほかの不用品もまとめて売れる
・買取金額は低め
・車など運搬手段がないと持込査定は利用できない
・買取不可になる可能性もある
フリマアプリ
ネットオークション
・自分で自由に値段を設定できる
・スマホがあれば手軽に出品できる
・リサイクルショップよりも高値で売れることが多い
・梱包・発送の手間がかかる
・売却できたら手数料・送料がかかる
・売れない場合もある

それぞれにメリットとデメリットがありますので、比較してみて希望に合う方法を選んでみてください。

④ジモティーで譲り先を探す

「売却はできないけど捨てるのはもったいない風呂釜がある」「なるべく手数料や送料をかけずに処分がしたい」ということでしたら、ジモティーで譲り先を探すことも可能です。

ジモティーは不用品を「譲りたい」「譲ってもらいたい」人が無料で利用できる掲示板。
スマホひとつあれば簡単に出品ができるほか、以下のようなメリットもあるため捨てる前には一度利用を検討してみてはいかがでしょうか。

  • 譲渡だけでなく値段をつけることもできる
  • 売れても手数料がかからない
  • 取りに来てもらえれば梱包も送料も必要ない

メリットが多いジモティーですがその反面、個人間でのやり取りを通して取引をおこなうことから、次のようなトラブルに巻き込まれてしまう恐れもあります。

  • 取引の最中に相手と連絡が取れなくなる
  • 取引と関係のないメッセージが送られてくる
  • 引き渡し時に勧誘や詐欺被害にあう
  • ドタキャンされる
  • 個人情報を悪用される

ジモティーでの取引の際は、「やりとりにはジモティー内のチャットを利用する」「受け渡しはコンビニや駅など人気がある場所でおこなう」いった対策を徹底し、余計なトラブルに悩まされることのないようにしておきましょう。

⑤不用品回収業者に依頼する

公営住宅の退去は、荷造りの必要があったり、家具・家電を新居に移動させたりと、さまざまな作業をしなくてはなりません。
ほかにも次のようなことをおこなう場合があるでしょう。

  • 風呂釜やバスタブの取り外しを業者に依頼する
  • 取り外したものは粗大ごみで捨てるか別の方法で捨てる
  • エアコンや室外機などそのほかの設備の取り外しと処分
  • 畳や壁、ふすまなどを破損している場合は復旧しなけれならない

重たいものは一人では運び出せないので、なかなか作業が進まないということもあるのではないでしょうか。

そんな時に便利なのが不用品回収業者です。
不用品回収業者の利用は、次のようなメリットがあげられます。

  • 資格を持った業者であれば風呂釜や給湯器の取り外しから処分までワンストップで済む
  • エアコンや室外機の取り外しも対応できる
  • 重たいものもすべてスタッフが運び出してくれる
  • 畳や壁、襖の復旧作業も依頼できる
  • 引っ越しのお手伝いもしてもらえる
  • 荷物の搬出後のハウスクリーニングも依頼できる

そのほか、希望する日時に作業してもらえるため、急いでいる方や平日は忙しいという方でも安心です。
業者のほとんどは年中無休で稼働しており夜間や即日対応可能ですので、問い合わせをしてみてはいかがでしょうか。

相見積もりを取ってサービス内容を確認するのがおすすめ

便利な不用品回収業者ですが、業者によって提供しているプランがさまざまで、「サービス内容の差がわかりにくい」「費用の相場がわかりにくい」というデメリットもあります。
そんなときは、複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」を試してみてください。

相見積もりを取れば費用の差やサービスの内容の差は一目でわかりますし、見積書の不審な点にも気付けます。
見積もり内容でチェックしたい項目は以下のとおり。

  • 費用が明確でない
  • サービスの内容がざっくりとしか書かれていない
  • 費用が高額すぎる、または安すぎる
  • 実際の荷物の量を見ずに見積もりを出している

また、不明な点は業者に確認してください。
「明確な回答をしてもらえない」「返信が遅い」などの不審な点があるなら利用を避けておいたほうがいいでしょう。

▼業者選びについて詳しくはこちらのコラムをどうぞ▼

風呂釜処分の前に知っておきたい注意点

風呂釜の撤去は資格が必要!処分方法5選と注意点をご紹介

ここからは風呂釜を処分する前に知っておきたい注意点について解説します。

公営住宅を退去する場合は風呂釜やバスタブの処分が必須

冒頭でもお伝えしたように、公営住宅では元々備わっていなかった設備を自ら持ち込み設置した場合、退去時にはそれらをすべて撤去することが決められています。
対象となるのは次のような設備です。

  • エアコンや室外機
  • 給湯器やガス設備
  • ウォシュレット
  • カーテンレール
  • 網戸 など

公営住宅に自分で風呂釜やバスタブを用意した場合も例外でなく、退去時にはすべて撤去が必要です。
処分できずに置いていった場合、高額な撤去費用を負担しなければならない可能性もありますので計画的に処分をするようにしましょう。

別ページにてバスタブ(浴槽)の処分方法についても解説しておりますので、詳しくはそちらをご確認ください。

自分で撤去できない

電気機器や配線に詳しい方やDIYに慣れた方であれば、自分で風呂釜の取り外しをおこないたい方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、風呂釜の設置や撤去には以下のような専門の資格が必要と法律で定められています。

  • ガス可とう管接続工事監督者(都市ガス)
  • 液化石油ガス設備士(LP(プロパン)ガス)
  • 給水装置工事主任技術者
  • ガス機器設置スペシャリスト(GSS)
  • 特定ガス消費機器設置工事監督者

専門知識を持たずに風呂釜の設置や撤去をおこなうと、ガス漏れによる一酸化中毒や火災などのリスクがあり大変危険です。
専門の業者へ依頼する前にはご自宅のガスの種類(都市ガス・LPガスなど)を確認し、ガスの種類に応じた資格を持っている業者に作業を依頼しましょう。

粗大ごみとして捨てられないこともある

取り外した後の風呂釜は、処分費用の安い自治体のごみ回収を利用して捨てようと考える方もいるでしょう。
しかし、業者に依頼して撤去した風呂釜は「産業廃棄物」とされ、受入不可としている自治体もあるため注意してください。

例として、以下の自治体での「風呂釜」の分別区分をご紹介します。

自治体分別区分備考
埼玉県朝霞市受入不可
神奈川県横浜市粗大ごみ
神奈川県中郡大磯町金属類※業者によって取り外しを行ったものについては、業者に引き取ってもらう
千葉県松戸市50㎝未満は「不燃ごみ」
50㎝以上は「粗大ごみ」
風呂釜(金属製)と記載あり
奈良県御所市搬入不可購入先・専門業者に処分依頼する
2024年10月時点

大磯町のように「業者によって取り外しをおこなったものは回収できない」と記載がある場合や、横浜市や松戸市のように特に記載がない自治体もあるなど、自治体によって対応はさまざまです。
一度お住まいの地域の分別ルールを確認してみてください。

また、粗大ごみとして回収できるとしている自治体でも風呂釜の種類や大きさ、重さによっては引取不可となることもあります。
どちらにしても、ごみに出す前には一度自治体に問い合わせておくと安心です。

バスタブ(浴槽)の取り扱いには注意が必要

風呂釜を撤去するのと同時にバスタブを撤去する、という方は多いでしょう。
しかし、バスタブについても業者に取り外しをおこなってもらったものは「産業廃棄物」となり、自治体の粗大ごみを利用できない場合があるため注意してください。

自治体分別区分備考
神奈川県横浜市粗大ごみ
千葉県千葉市排出禁止物等購入店、メーカーなどに相談(又は千葉市が許可した下記処理業者)
2024年10月時点

また、バスタブはステンレス、ホーロー、FRP(繊維強化プラスチック)などさまざまな素材のものがありますが、ものによっては非常に重量があります。
無理して運ぼうとすると落としてケガをする可能性や、家の壁や床を傷つけてしまう恐れもあるため注意してください。

バスタブが粗大ごみとして捨てられる場合でも運搬が難しければ無理せず、業者に依頼して安全に処分ができるようにしましょう。

まとめ

風呂釜の撤去は資格が必要!処分方法5選と注意点をご紹介

今回のコラムでは、風呂釜の種類や処分時の注意点、処分する方法をご紹介しました。

風呂釜の撤去は危険が伴うため、資格を持った業者に依頼することが法律で決められています。
資格を持たないまま自分で取り外しをおこなったり、資格を持たない業者に依頼したりすれば法律違反となるのはもちろん、ガス漏れで火災や爆発、一酸化中毒など大きなトラブルに発展する可能性があり、大変危険です。

信頼できる業者に作業を依頼し、確実に撤去を終えられるようにしましょう。

また、取り外した後の風呂釜やバスタブは自治体での処分を利用できない場合もあります。
お住まいの自治体のルールを確認し、ごみとして捨てられない場合は、別の方法で処分を検討しましょう。

「風呂釜の取り外しと処分をまとめて終わらせたい」「自治体で風呂釜が回収不可となっていて捨てられない」ということでお困りでしたら、不用品回収業者へ依頼するのがおすすめです。
当社「出張回収センター」でも風呂釜の取り外しや、回収・処分をおこなっています。
ハウスクリーニングもおこなう当社でしたら、撤去後の清掃も可能です。
年中無休で受け付けていますので、引越しでお急ぎの方も一度ご相談ください。

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