誰しもに等しく訪れる、”人生の終わり”について考えたことはありますか?
近年は医療技術の進歩によって健康寿命が伸び、90歳、100歳と長生きされる方も増えていますが、まだ身体の動くうちから人生の終わりに備えて「終活」をする方も増えているといいます。
人が亡くなった時には遺品の整理や、お葬式やお墓をどうするかなどしなくてはいけないことがたくさんありますが、遺された家族が手間取らないように「エンディングノート」を作っておくというのも終活のひとつです。
元気なうちからエンディングノートを書いておくことで、「自分の人生の締めくくりをどのように迎えたいか」、「そのために今からやっておくことは何か」がはっきりとしていきます。
自分が亡くなったときのことを考えるなんて…とどうしても難しく考えてしまいがちですが、エンディングノートをつけることで気持ちの整理ができ、やるべきことが明確になってきます。
終活を始める際には、まずはエンディングノートをつけてみるのも良いかもしれませんよ。
今回は、終活について触れていくとともに、「エンディングノート」の詳しい書き方、タイミングなどについてご紹介していきたいと思います。
そもそも終活ってどんなことをするの?
近年、テレビや雑誌、Webサイトなどさまざまなメディアで取り上げられるようになった「終活」。
今回取り上げた「エンディングノート」は、この終活の一部です。
「終活」自体は、遺された家族に負担をかけないための取り組みであることはすでに広く知られていますが、具体的に何をすれば良いのか、どんなメリットがあるのか分からないという方も多いものでもあります。
まずはそんな「終活」について見ていきましょう。
終活とは?
「終活」とは、その名のとおり「人生の終わりのための活動」の略です。
具体的には、介護のこと、保険のこと、お墓のこと、葬儀・お葬式のことなどの準備、財産の相続を円滑に進めるための計画などを行います。
そうすることで、遺された家族の負担や家族間のトラブルを大幅に減らすことができます。
さらに“自分”を見つめ、今をよりよく、自分らしく生きることができるようになるといったメリットがあります。
「終活」とは残された時間を健やかな気持ちで過ごすために、そして残された家族のためにも重要な作業なのです。
終活が必要な理由
昔は家族や地域とのつながりが強く、周囲に任せておけば安心して暮らすことができていましたが、今はそうはいきません。
自分が望む最期を迎えるためには、知識をつけ、選択をしていかなければいけないんです。
そこで、自分の希望や要望を事前に決めて伝えておく、いわゆる「終活」が必要になった…というわけです。
そのため、最近ではこうした終活で困ってしまう方に向けて、終活に必要な幅広い知識を持ち相談人の悩みに応えることができる専門家「終活ライフケアプランナー」のニーズも高まっているそうです。
終活はいつ始めれば良いの?
終活を始めるタイミングは人それぞれです。
何となく「終活」や「エンディングノート」に興味を持ったら、きっとその時が始めるタイミングかもしれません。
順番としては自分にとって優先順位の高いところから少しずつ始めることをお勧めします。
とは言っても、一度にすべてを行うことはできないので、ひとつひとつ焦らずに進めていきましょう。
- 自分が思い立ったタイミング
- 定年を迎えるタイミング
- 環境や体調の変化があったタイミング
- 子供が独立したタイミング
このように、一般的には、退職や還暦など人生の大きな節目に興味を持ち始めるケースが多いようです。
また、配偶者や子から節目のタイミングに万一の段取りについて準備するよう促されることもあります。
しかし一方で、必要に迫られて終活を始める方もいます。できることなら避けて通りたいところですが、例えばがんなどで余命告知を受けたケースなど。
どんな状況に置かれていても、終活は体力はもちろん、気力や判断力が充実した状況で始めることが理想です。
じっくり情報収集し考えて、準備していきましょう。
いずれにしろ、「そろそろかな」と思った時が終活を始めるベストなタイミングですね。
終活を早く始めるメリットって?
自分の死について考えるのはあまり良い気分はしないという方が多いとは思いますが、なるべく早く終活に取り組むことで得られるメリットもあります。
気力・体力が十分な状態で終活に取り組める
終活では、資産運用や財産整理といった経済面から医療・介護など健康面にいたるまで、やるべきことが多くあります。中には、時間や手間のかかる作業も含まれるため、気力と体力に余裕がある状態が理想的と言えるんです。
そこで、定年後の暮らしを見据え、気力・体力のある40代や50代から終活を始めてみることがおすすめです。また、20代や30代の元気な時期に終活を意識し、必要な準備に取り掛かることも良いかもしれませんね。
余裕を持って終活について考えられる
高齢になってから終活を始めるよりも、早くから終活を始めた方が、余裕を持って今後の人生について考えられるという大きなメリットがあります。
余裕のある終活なら、家族と時間をかけて相談できますよね。
生活資金を貯めたり、医療・介護に関する希望を周囲に伝えたりと、快適な老後生活に向けて少しずつ準備を進めていけるのでより安心なんです。
何から始めれば良いの?
終活はいつからでも始めることができますが、早くから準備するに越したことはないというのは理解していただけたかと思います。
しかし、いざ始めようと思っても何から手をつけて良いのかわからない…という方も多いかもしれません。
終活を実際に始める場合、一体どのようなことから取り組めば良いのでしょうか?
① エンディングノートを作成する
終活で最初にやるべきことの1番目は、今回取り上げた「エンディングノート」の作成です。
エンディングノートは、終活に関する自分の意向を詳しく記載できます。名前や生年月日といった自分のプロフィールは公的な手続きで必要となるケースも多いため、正確に書くようにしましょう。
また、医療・介護の希望や葬儀・お墓の準備などを生前に決めることによって、万が一の事態にも備えられます。さらに、資産情報を整理して相続の内容をまとめておくと、家族間の金銭トラブルを避けるのに有効です。
ただし、エンディングノートは法的効力を持たない点は要注意です。必要に応じて遺言書を作成し、その有無についてもエンディングノートに忘れずに記載することが大切です。
エンディングノートの詳しい書き方については、後ほど詳しく解説いたしますね。
② 生前整理を行う
2番目は、生前整理を行うことです。財産をはじめとする身辺整理は、一気に進めようとするとかなり大変です。
そのため、整理方法を具体的に計画してから整理をはじめると良いでしょう。不要な持ち物は前もって処分し、残しておきたいものはエンディングノートに記載することで、整理がスムーズに進められるはずです。
また、このとき財産目録を作成しておくと、相続時に家族にかかる負担を軽減できます。自分自身のみならず、家族のためにも生前からの活動を心掛けましょう。
不要なものを処分するなら「不用品回収業者」に依頼すると便利!
生前整理をする中で、誰もが困るのが”不用品の処分”。
家電や家具、はたまた書物や衣服など、整理をしていくとどうしてもさまざまな種類の不用品が出てきますよね。本来ならそれぞれ分別する必要があるため、一気に処分することは難しいです。
そんなとき、不用品回収業者への依頼がおすすめなんです!
不用品回収業者なら汚れたもの、壊れたものでも回収OK!また、依頼主がいちいち分別することなく、まとめて不用品を回収できるのは便利だと思いませんか?
さらに、「不用品回収業者」と聞くと、単にいらないものをまとめて処分してくれる便利な業者と思われる方が多いかもしれませんが、実は「買取」にも強いんです!
不用品回収業者の中には、「買取」により力を入れ、各ジャンルの専門知識を持った査定士が常駐している業者もあります!そんな不用品回収業者に依頼すれば、査定の難しいジャンルの不用品でも価値を分かったうえでしっかり査定してもらえます!
今言った「買取」を含め、不用品回収業者に依頼するメリットは数多くあります。
- 自分の都合に合わせて自宅まで回収に来てくれる。
- 不用品回収・買取を全てワンストップで行える。
- 回収・買取をしてくれる業者なら、査定額を差し引いてお得に処分できる。
- 買取不可な場合でも、引き取りに応じてくれる。
- 自分で運び出す必要がない。
- 他の不用品もまとめて処分してもらえる。(まとめて処分する方がお得になる。)
しかし、
不用品回収業者のほとんどがこういったメリットがある一方、中には悪徳業者もあるので注意が必要です。
どういった点を気を付けるべきなのかというと、
- 「無料」を謳い文句にする。
- チラシ投函を積極的にしている。
- トラックで町を巡回している。
こういった業者は、後から高額請求してきたり、不用品回収後に不法投棄したりするケースも。
「無料回収」を謳い文句に、出張費用や運搬費用などを後から請求するという悪どい業者も結構あるんです。
ましてや不法投棄の場合は、業者だけでなく依頼主も法で裁かれるので決して他人事ではありません。
不用品の回収や処分、買取には、「一般廃棄物収集運搬業許可」や「産業廃棄運搬業許可」、「古物商許可」などの資格が必要になります。資格を取得している業者であれば、まず安心して大丈夫です。
HPに記載されているはずなので、不用品回収業者に依頼を検討する場合、まず資格を持った業者なのか、見積もりはどうか、さまざまな方向から調べましょう。
不用品回収業者の費用は高いの?
信頼できる業者を見つけた後は、気になる費用について。
通常、不用品回収業者へ依頼すると、
基本料金 + 回収費用 = 支払い料金
という料金形態になっていることが多いのですが、まとめて不用品を処分する場合には「積み放題プラン」という料金形態もあり、決められた大きさのトラックに積める分であれば金額は据え置きというお得なプランになります。
100kg以下は11,000円〜、200kg以下は22,000円〜と重さで換算するため生前整理のようにまとめて処分したいものがある方にはこちらの方がおすすめなんです!
運搬のプロでもありますから、安心して大切な家財を任せられるのも魅力のひとつ!
さまざまな種類の不用品がある場合などに大変便利なので、一度検討して見ても良いかもしれませんね。
終活は、自分の人生を振り返り、より良い老後を送るための重要な準備です。終活を始めるタイミングはいつからでも問題ありませんが、早くから取り組むことで余裕をもって準備ができるはず。
まずはエンディングノートの作成と生前整理から始めてみましょう。
次の項目からは、本題の「エンディングノート」について詳しく解説していきたいと思います。
エンディングノートとは?
皆さんは「エンディングノート 」とはどんなものか知っていますか?先程も簡単にご紹介しましたが、聞いたことはあるけれどそう言えば詳しく知らないかも…という方は意外と多いんです。
「エンディングノート」とは、文字どおり自分の人生の終末について記したノートのこと。もしものときに備えて、自分の情報や家族、友人、ペットなどへの想い、自分の希望などを書き留めておけるものです。
数年前から書店や文房具店でもさまざまなデザインのものが販売されていますし、自治体によっては、無料で配布しているところもあるようです。記入しやすい専用のノートを利用することもできますが、普通のノートや手紙形式でも大丈夫。
先程お伝えしたように法的効力がないため、その分、気軽に書いて、何度でも書き直したりもできるので、お手持ちのノートや手帳などをエンディングノートとして使用してもOKなんです。
「エンディングノート」と呼ぶのは日本だけ
エンディングノートを単純に英語にすると、Ending + Note= Ending Note となります。実はこの「エンディングノート」という言葉は和製英語。ネイティブスピーカーには通じないのです。
てっきり海外から入って来たものかと思ったら実は全然違う言葉なんだそう。
アメリカではエンディングノートのことをPreplanning Note(プレプランニング ノート)、直訳すると、「事前の打ち合わせノート」。特に葬儀やお墓の購入検討時に使われるもので、Preplanning Funeral(葬儀の事前打ち合わせ。生前見積)のような使い方をするようです。
さらに、書き方も日本とは違うそう。
後ほど書き方については詳しく解説いたしますが、
大まかに言うとノートの中身は、葬儀、お墓、遺言書の有無など、日本のエンディングノートと似たような項目なんですが、ひとつだけ明らかに違うのは、「家族の判断に任せる」かどうかの項目の有無。
アメリカでは「自分がどうしたいのか」のみを記すのに対し、日本では葬儀やお墓の選択肢にも、そういった記述があります。これは日本特有の文化なのか、”周囲に迷惑をかけたくない”、”負担になりたくない”と思いやる気持ちから、「家族に任せる」という選択肢を作ったのかもしれません。
しかしながら、自分の人生の最期なのですから、できる限り自分の気持ちを尊重し、後悔のないように家族と話し合っておくことが大切なのではないでしょうか。
エンディングノートと遺言書はどう違うの?
ここまでで、”遺言書とエンディングノートって結局どう違うの?”と疑問に感じる方も多いのでは?
エンディングノートと遺言書には、
- 法的効力
- 書き方
- 内容
- 作成費用
- 開封のタイミング
実はこれら5つの点で違いがあるんです。簡単にまとめると以下のようになります。
法的効力 | 書き方 | 内容 | 作成費用 | 開封のタイミング | |
---|---|---|---|---|---|
エンディングノート | × | どのように書いても良い(PC・スマホ可) | ・自分について ・資産について ・延命治療について ・葬儀について ・家族について など | 数百円~数千円 | 死後すぐに、もしくは生前でも確認OK |
遺言書 | ○ | 決まった形式で書く必要がある(自筆のみ) | ・相続分の指定 ・遺言書の執行に関する効力 ・相続人の廃除 ・遺産分割方法の指定と分割の禁止 ・相続財産の処分 など | 数百円~数万円 | 家庭裁判所の検認を受けたうえで、相続人全員がそろってないと開封不可 |
ではそれぞれについてもう少し詳しく見ていきましょう。
① 法的効力の有無
作成の仕方にもよりますが、何度かお伝えしたようにエンディングノートには基本的に法的効力がありません。そのため、自分の死後の相続手続きなどのことについて、お願いすることはできても、強制させることはできないんです。
一方、遺言書には法的効力があるため、相続財産の分割の仕方などについて、遺言書の内容に従わせることができるのは大きな違いですね。
② 書き方
エンディングノートには法的効力がないので、逆に自由に書くことができます。市販のエンディングノートで書いたり、PCやスマホで作成したりできるのは手軽で良いですよね。
一方、遺言書は決められた形式で書かなければなりません。決められた形式以外の書き方をした場合、遺言書の内容は法的効力を持たないと判断され無効となってしまうので要注意です。
③ 内容
エンディングノートは自分の生年月日や住所などを書いたり、葬儀の形式や遺影について書いたり、家族に感謝のメッセージを残したりすることもできます。
また、意識不明になってしまった場合の延命治療のことなど、生前のことについても書くことが可能であり、その形式は問いません。
一方、遺言書は生前について記載できませんし、先程もお伝えしたとおり所定の形式で相続財産の処理について書かなければならない縛りがあるため注意して書く必要があります。
④ 作成費用
エンディングノートの作成に費用はあまりかかりません。一般的な大学ノートなどで書いた場合は数百円、市販のエンディングノートを使うとしても数千円で済むはずです。
一方で遺言書の作成費用は数百円~数万円と幅があります。遺言書には“自筆証書遺言(※1)”と“公正証書遺言(※1)”の2種類があり、公正証書遺言の作成は2〜5万円と高額です。
ただし、高額である代わりに安心して任せることができます。
※1 「自筆証書遺言」とは、遺言を作成する人が、財産目録を除く全文を自筆で書く遺言書です。 自分で気軽に作成でき、書き直しもできる紙とペンさえあれば、いつでもどこでも作成できます。 思いついたときや空いた時間に自宅で気軽に遺言書を作成できるメリットがあります。
※2 「公正証書遺言」は公正証書という形で残される遺言書であり、作成時は法律の専門家である公証人が関与することになります。 遺言者は、遺言内容を公証人に口頭で伝えて、公証人はそれを筆記する形で作られるため、偽造や変造の恐れがないというメリットがあります。
⑤ 開封のタイミング
エンディングノートは死後すぐに、もしくは生前でも確認ができます。亡くなった方の希望をすぐに知ることができますし、意識不明の状態になってしまった場合にも内容を知ることができるので、遺族にとってはありがたいことかもしれません。
しかし、遺言書の場合は家庭裁判所の検認を受けたうえで、相続人全員がそろっていなければ、開封することができません。勝手に開封してしまうと過料を科される可能性も。
もっとも、エンディングノートという形式でも、自筆証書遺言としての体裁を備えたものであれば、遺言として取り扱う必要がある可能性は否定できません(ノートを利用して遺言書を作っては行けない…というルールはがないため)。
もし遺言書となるかどうかが気になる場合は、専門家に相談するのをお勧めします。
エンディングノートは若いうちに書こう!
昨今、エンディングノートを書く若者が増えているそうです。”まだ若いのにどうして?”と思いますよね。
いったいどういった理由で書いているのか、気になる理由を見ていきましょう。
思い出を振り返る・残すためにも使うことができるから
最近のエンディングノートは、現在にいたるまでの出来事を“自分史”といった形でまとめられるようになっています。子供のころから大人になるまでにあったことを振り返りながら書いてみると、意外な発見があって面白いですよね。
お子さんがいる方なら、お子さんの写真を一緒にまとめるのも成長記録のようにもなりお勧めですし、料理が得意な方ならレシピを一緒にしておくと、いつか見直したときに面白いかもしれませんね。
現在主流のFacebookやInstagramのような、SNSとは違った思い出の残し方ができるのでおすすめですよ!
将来のことを見つめ直すきっかけになるから
過去を振り返りながらエンディングノートを書くことで、自分のことを改めて客観視することもできるはずです。
「あのとき、ああしておけば良かったかも…。」、「昔はこんなことを考えていたんだな。」といった思いは誰にでもありますよね。自分が現在までに歩んできた人生を知ることで、これからの人生の歩み方を考えるきっかけになるのではないでしょうか?
とは言え、病気も事故もなければこの先何十年と人生は続いていくもの。しかし、年齢は関係なく”そのとき”は唐突に訪れます。
エンディングノートなら、いざというときの準備に加え、今後の人生設計を見直せるんです。
まだまだある!エンディングノートを書いておくメリットとは?
エンディングノートには遺言書のような法的効力はありませんが、その分決められた形式というものに縛られることなく、自由に自分の意思や希望を書いておき、いざというときに備えておけます。
さらに、先程お伝えしたように、若いうちにエンディングノートを書くことでこれまでの思い出を振り返ったり、将来の計画を立てたりもできるんです。
自分と向き合い、残された時間を充実したものにするためにも役に立ちますが、エンディングノートを書いておくことにはほかにも以下のようなさまざまなメリットがあります。
普段伝えるのが難しいメッセージを家族に残せる
「両親への感謝の気持ち」や「パートナーへの愛のメッセージ」などは、普段照れくさくて上手く伝えられないものですよね。そんな内容でも、ノートになら書きやすいのではないでしょうか?
急に大切な方が亡くなったとき、お別れをできなかった無念さや、よりどころとしていたものがなくなった喪失感など、残された家族の悲しみは計り知れません。
エンディングノートはそんな家族の心の支えになったり、悲しみを和らげたりしてくれることも…。たったそれだけだとしても、書く価値があると言えるでしょう。
もしものときに家族に迷惑をかけずに済む
自分の身にいつ何が起こるかは誰にもわかりません。
人が亡くなった後には、葬儀の準備や相続財産についての手続き、携帯電話の解約手続きなど、さまざまなことを行う必要があります。
一人暮らしで普段親と連絡を取っていない方や単身赴任中でご家族と離れて暮らしている方であれば、電気やガス、インターネットなどの支払い方法、ID、パスワードがわかるようにしておくと良いでしょう。
また、介護などを必要とする方の場合は、違った苦労もあるでしょう。
いつ終わるとも知れない介護をするのは、恩のある家族相手であっても大変なものです。ときには仕事をやめて介護に専念しなくてはならなくなり、家族はとても疲弊してしまいますよね。
そんなとき、エンディングノートに介護や延命措置をしてほしいのかが記載されていれば、もしものときに家族は最善の方法を取ることができるんです。
また亡くなった後も、葬儀やその費用をどこから出すかなどが生前からわかっていれば家族も安心できるため、エンディングノートにはぜひ書いておくべき項目と言えるでしょう。
自分の経済状況を知らせておく
エンディングノートに自分の資産を詳しく記入しておくことは、自分の死後、相続の際にも関わってきますが、まずは生きている自分のためにも大切な作業なんです。
自分の現在の経済状況を正しく把握しておくことで、人生の終末期をどう過ごすかを見つめ直し、それに合った準備をしていくのに役に立つはずです。
どんなことを書こう?エンディングノートに書くべきこととは
エンディングノートを書くことのメリットを理解したところで、次は具体的な「書き方」についてです。
エンディングノートにとくに決まった形式はないため自由に書けばいいのですが、自分と向き合い、家族が困らないようにするのが目的でもあるので、終末期医療やお葬式についての希望や自分が亡くなった際の連絡先リスト、財産などについての情報は記しておいたほうが良いでしょう。
まずは自分の基本情報を書こう
家族が亡くなった際に大変なのは書類関係の仕事です。本籍地や、家族がすぐわかるよう、年金証書などの基本情報はまず書いておきましょう。
さらに誕生から現在までの自分史や、趣味や好きなこと、ものなどパーソナルな部分から書き始めると自分自身を振り返り、今後よりよい人生を過ごすためになにをすべきかが見えてくるはずです。
- 生年月日や血液型
- 本籍地
- 家系図
- マイナンバーや運転免許書、健康保険証の番号
- 家族のこと
- 自分がどんな性格か
- 趣味
- 大切な思い出
- 好きなもの、こと
遺言書があるかどうか
遺された家族同士で争うことにならないよう、遺言があるなら自筆証書なのか公正証書なのかなどの方式と、その保管場所を記載しておくとスムーズです。
遺言執行者を指定しているのならその方の氏名と連絡先もエンディングノートに書いておきましょう。
財産・資産については忘れずに記入を
保険の証書などの重要な書類や、印鑑や通帳などの貴重品は家族であっても保管場所や金庫の鍵の開け方を知らない場合があります。
そのため、まずは何があるかということと、その保管場所などを書いておくとあとで遺品整理の際に家族が対応しやすくなります。(遺品整理について詳しく知りたい方はこちら)
- 預貯金
- 金庫などに保管している現金
- 不動産
- 株式・国債・投資信託などの金融商品
- 生命保険、家財保険などの保険
- 貴金属
- 貸金庫
- 骨董品や絵画など価値のあるコレクション
財産に関しては、今後変動する可能性もありますが、現時点の状態を詳しく書いておくと良いでしょう。
ローンや定期購入サービスについて
車や住宅のローン、定期購入サービスなどの支払いに関する情報も、エンディングノートにまとめておきたい項目です。
車の購入ローンや住宅ローンは、あなたが亡くなった後に家族が支払うことになるケースが多く、記載しておかないと「誰が負担するか」など家族間のトラブルに発展する恐れがあるので、くれぐれも注意しましょう。
また、サブスクなど定期的に利用料が発生するサービスは、解約しない限り料金が引き落とされてしまいます。もしも利用していないサービスがある場合は、前もって解約しておくようにしましょう。
反対に、今後も利用し続けたい定期購入サービスがある場合は、エンディングノートに解約に必要な情報や手順をまとめておくと安心ですね。
パソコンやスマホのID・パスワード
パソコンやスマホを持っているのなら、IDやパスワードをエンディングノートにまとめておくのがおすすめです。IDやパスワードを伝えていないと、ログインできず、デジタルデータを引き継げない可能性があります。
利用しているアプリやWebサイトがある場合は、ログインに使っているメールアドレスやパスワードなども、アプリ・サイトごとにまとめておきましょう。また、携帯電話を解約する際はスマホ本体が必要になるので、どこにスマホを保管しているかも合わせて記入しておくと安心です。
家族や親類について
家族や親類との思い出や、日頃の感謝の気持ちを残しておきましょう。
法的な効力はないのであくまで希望にはなりますが、形見分けリストもエンディングノートに書いておくのもいいと思います。
誰に何を渡そうかと考えていると、不用なものもはっきりと明確になっていくので元気なうちに断捨離を始めるのもおすすめです。
形見分けについて詳しく知りたい方はこちらから、また断捨離についてはこちらの記事を参考にしてみてくださいね。
親しい友人や知人について
仲の良い友人や近所の方、日頃お世話になっている方へ感謝の言葉を記し、感謝の気持ちを残しておきましょう。一緒に写っている写真などがあれば、アルバムのように貼ってメッセージを書いても良いかもしれませんね。
また、入院したときや、いよいよ最期が近いという段階になったとき、いざ亡くなられたときに誰に連絡してほしいかも合わせて記入しておきます。
連絡先と一緒にどんな関係かや、どの段階で連絡してほしいかを書いておきましょう。
ペットについて
家族と同居の場合は良いのですが、一人暮らしでペットがいる場合は残されたペットを誰が引き取りお世話するのかは絶対に決めておかなくてはいけないポイントです。
お世話することになる人やペットが困らないよう、性格や食べ物の好き嫌い、病歴やアレルギー、飲んでいる薬などがあれば細かく記入しておきましょう。
医療・介護についての希望
終末期になると、家族は延命措置をするかどうかを決めなくてはいけません。
自分が延命措置や介護を望むかどうかを記しておくことは、意思の疎通ができない状態になったときにとても役に立つので忘れずにエンディングノートに記載しておきましょう。
介護のことやその費用をどうするか、またご自身のアレルギーや病歴、常備薬などについても書いておくと家族の精神負担が軽くなるはずです。
葬儀・お墓についての希望
このご時世、あまり大きなお葬式はしない方が増えてきてはいますが、もしも希望があるなら詳細を記載しておきましょう。
- 喪主は誰に努めてもらうか
- 互助会に入っているなど、葬儀会社が決まっていれば会社名や連絡先、会員番号など
- 葬儀の内容(家族葬や密葬などの規模や、宗教、宗派について)
- 遺影に使いたい写真があれば用意しておく
- 訃報の連絡をしてほしい人
- 葬儀に呼んでほしい人
- 納骨方法
このほか、とくに葬儀に関して希望がない場合は”親族に一任したい”という旨を記入しておきましょう。
エンディングノートを書き終わったら
貴重品の保管場所やSNSのアカウント情報など、重要な個人情報が満載のエンディングノート。
悪意のある人には簡単に見つからないよう、厳重に保管する必要がありますが、エンディングノートに書かれた情報は家族や親族、友人などにメッセージが伝わって初めて意味があります。
そのため、せっかく苦労してエンディングノートを作成しても、自分の死後、誰も存在に気づかないままでは意味がありませんよね。エンディングノートを見れば必要な情報が全部まとまっているのに、家族や親族がそれを見ることがなければ、希望する葬儀の方法であなたを見送ってくれないかもしれません。
そのような悲しい事態にならないよう、信頼できる家族がいれば日頃からエンディングノートの場所を伝えておくか、ノートを託しておき、いざという時にすぐ中を見られるようにしておくことが大切です。
また、エンディングノートには完成はありません。
心境は月日とともに変化するものですし、身体の状態が変わったり資産状況なども変動するものなので、その都度更新していく必要があります。
1年に1回など、定期的に見直すペースを決めておくと、日々の生活の中で人生を振り返る良いきっかけになるかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「エンディングノート」についてご紹介いたしました。
自分の人生の終わりについて考える…と言っても決して暗い話ではありません。
自分と周囲がよりよい人生を過ごし、「より自分らしく」、「家族や親族の負担を減らし」、理想的な人生の最期を彩るためのノートなのです。
死についての話は家族間でもなかなかしづらく、”まだ先の話だから…”と後回しにされている方も多いかと思いますが、いつ何が起こるかわからないのが人生です。
まだまだ頭も身体も元気なうちに、「エンディングノート」から始めてみてはいかがでしょうか?
当社でも生前整理で出た不用品の出張回収・買取を行っています。
もちろん遺品整理もご依頼いただけます!
不用品の処分でお悩みなら、ぜひ一度「出張回収センター」までご相談くださいませ!