習い事の中でも常に上位の人気をキープしているピアノ。
しかし「子どもがレッスンを辞めてしまった」「自分の趣味で購入したもののいつのまにか弾かなくなり、放置している」という方も多いのではないでしょうか?
大きくて重いピアノは自分で持ち運ぶには大変ですし、捨てるのはもったいないしと、なにかと処分に困る品なため、頭を悩ませてしまいますよね。
そこで今回のコラムでは、ピアノの処分方法と注意点を解説していきます。
買取や無料での引き取り、廃棄や寄付などさまざまな処分方法をお伝えしていきますので、ピアノの処分を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
▼この記事でわかること
- ピアノの処分方法
- ピアノを処分する際の注意点
ピアノの処分方法は全部で6通り!
ピアノの処分方法には以下の6通りがあります。
- 粗大ごみとして処分する
- ピアノ専門業者で売却する
- フリマアプリ・ネットオークションに出品する
- 人に譲る・ジモティーを利用する
- 施設や支援団体へ寄付する
- 不用品回収業者へ依頼する
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
①粗大ごみとして処分する
多く自治体ではアップライトピアノやグランドピアノなどのアコースティックピアノを「処理困難物」としており、粗大ごみとして受け付けていません。
しかし、中には処分を受け付ける自治体もあり、またほとんどの自治体では100kg以下のコンパクトな電子ピアノ・電子オルガンなら粗大ごみとして回収しています。
粗大ごみとして出すまでの手順は以下のとおりです。
- 電話やインターネットで粗大ごみ収集を申し込む
- 必要な手数料分の粗大ごみ処理券を購入する
- ピアノに粗大ごみ処理券を貼る
- 指定の日の朝に指定された場所に出しておく
ピアノの取り扱いや収集費用、予約の有無など細かいルールは自治体ごとに異なるため、まずはお住まいの自治体のホームページを確認しましょう。
以下は各自治体の粗大ごみ手数料です。
見ていただくとわかるとおり、自治体によって差はあるものの、比較的安価で処分が可能です。
しかし、収集日が月に一度を少ない自治体が多く、処分の際には収集場所まで運搬する必要がありますので、お急ぎの場合やご自身での運搬作業が難しい場合は業者の利用を検討してください。
②ピアノ専門業者で売却する
メーカー品のピアノでまだ見た目も綺麗なピアノを処分するなら、ピアノ専門の業者へ買取を依頼するのがおすすめです。
専門業者への依頼は以下のようなメリットがあります。
- 専門の知識を持ったスタッフがピアノを査定してくれる
- 取り扱いや搬出にも慣れており安心して引き取りを依頼できる
- 新しいピアノを購入するなら古いピアノを下取りしてもらえることも
- 買取不可のピアノを無料引取してくれる場合も
高価買取が期待できるメーカーには以下のようなものがありますが、
- ヤマハ(YAMAHA)
- カワイ(KAWAI)
- ディアパソン(DIAPASON)
- アポロ(APOLLO)
- スタインウェイ&サンズ(Steinway&Sons)
- ベーゼンドルファー(Bösendorfe)
- C.ベヒシュタイン(C.BECHSTEIN)
中でもとくに高価買取を期待できるのはヤマハやカワイのピアノです。
多少古かったり不具合があったりしても買取してもらえる可能性が高いので、どんな状態のものでも一度査定に出してみてはいかかでしょうか。
以下は各業者の買取条件です。
買取業者 | アコースティックピアノ | 電子ピアノ 電子オルガン |
---|---|---|
タケモトピアノ | 〇 | ー |
島村楽器 | 〇 | 〇 製造から8年以上経過しているものは不可 |
冨士楽器 | 〇 | 買取不可 引取りは可能 |
伸和ピアノ | 〇 | ー |
ピアノワン | 〇 | 〇 |
ヤマハピアノサービス | 〇 ヤマハのピアノのみ可 | ー |
このようにピアノ専門の買取業者でも「電子ピアノは不可」としているところがあったり、買い取ってもらえるメーカーが限定されていたりと、業者によって買取条件が異なるため注意が必要です。
依頼前には買取対象のメーカーや対応エリアなど、細かく確認しておきましょう。
「無料」引取は注意が必要
ピアノ買取業者の中には、買取不可のピアノを無料で引き取るとしているところもあります。捨てるには少なからず費用や搬出の手間がかかるピアノを無料で引き取ってもらえるなら、助かりますよね。
しかし、無料引取の対象となるのは新品に近い、まだ使えるピアノのみとなっていることが多く、故障しているものや古すぎるピアノは引取不可になってしまったり、回収自体は無料でも搬出費や出張費など別の費用が発生したりするケースも多いので注意が必要です。
依頼前には、引き取りの条件や処分費用の有無などを忘れずに確認しておきましょう。
③フリマアプリ・ネットオークションに出品する
メルカリやラクマ、Yahoo!オークションなどのフリマアプリ・ネットオークションにも、たくさんのピアノが出品されています。
以下はメルカリで実際に取引されているピアノの一例です。
- YAMAHAアップライトピアノ・1982年製:190,000円
- YAMAHAアップライトピアノ・2000年製:350,000円
- KAWAIアップライトピアノ・1997年製:143,000円
専門業者に買い取ってもらえなかったピアノでもフリマアプリ・ネットオークションでは需要があり思いがけない価格がつく可能性があります。どんなものでも捨てる前に一度、出品してみるのがおすすめです。
手軽に出品でき、便利なフリマアプリ・ネットオークションですが、一方で以下のようなデメリットもあります。
- 梱包から発送までを自分ですべて行う必要があり手間がかかる
- ピアノは重量があるため送料が高額になる
- 配送時の故障を防ぐため厳重な梱包が必要
- 売却できた場合は販売額に応じて5%~10%の手数料がかかる
- すぐに売れるわけではないので急ぎの場合には不向き
ピアノは重量もサイズもあるため、送料が非常に高額になります。送料を自己負担にするなら販売価格の設定を慎重に行わないと、ピアノが売れても送料を差し引くと手元にお金が残らなかった…なんてことになる可能性も。事前に配送手段やかかる送料については念入りに確認しておきましょう。
④人に譲る・ジモティーを利用する
「ピアノを習いはじめた」「中古のピアノを探している」という友人や知人がいたら譲って使ってもらうのもひとつの手です。
もしも周りにピアノを必要としている人が見つからないなら、ジモティーのような地元掲示板を利用して譲り先を探してみるのもいいかもしれません。
この方法であればピアノを売ったり捨てたりする手間がなくなり、また引取に来てもらえるなら梱包や発送も不要になります。子どもとの思い出があるピアノを捨てたくない…という方も譲って使ってもらえるなら、手放しやすいのではないでしょうか?
ただし、重量のあるアコースティックピアノを自分たちで持ち出せない場合は業者への依頼が必要となり、その場合には解体費用や運搬費用などがかかります。
また、譲渡したピアノの状態が悪かったり譲渡先の部屋に入らなかったりすると譲った後でトラブルになることも考えられます。
譲る前にはピアノのメンテナンスや置くスペースの確認を済ませておき、問題なく譲渡を終えられるようにしておきましょう。
⑤施設や支援団体に寄付する
ピアノは高齢者施設、児童養護施設といった施設や支援団体に寄付することも可能です。
ネットで「ピアノ 寄付」と検索するといくつかヒットしますので、お住まいの近くで利用できる寄付先を探してみてはいかがでしょうか。
ただし、どの施設や団体でもピアノを受け入れてくれるというわけではなく、受入の方法や寄付された品がどう活用されるかなどは施設・団体ごとに異なります。いきなり持ち込んだり郵送したりせず、まず問い合わせて確認しておきましょう。
なお、ピアノを遠方へ郵送する場合の送料や運搬費はすべて自己負担となることがほとんどです。ピアノは運送費が高額になりがちなので、寄付前にはそちらも確認しておきましょう。
弊社が運営する「ユースマイル」でもピアノやエレクトーンといった楽器やそのほかの不用品の寄付を受け付けています。
寄付実績や寄付品目についてはホームページで詳しくご確認いただけますので、寄付に興味がある、どの団体に寄付するか迷っているという方は、ぜひ一度ご覧になってみてください。
⑥不用品回収業者へ依頼する
「自治体では処分できなくて困っている…。」
「急ぎでピアノを処分したい!」
このような場合は不用品回収業者への依頼がおすすめです。
不用品回収業者へ依頼する手順は以下のとおりです。
- 電話やメール、Web受付、LINEなどで見積もりを依頼する
- スタッフが現地を訪問し、見積もりを作成する
- 見積もり内容に納得でき次第契約する
- 作業日時の調整
- 当日、家の養生・不用品の回収・買取をスタッフが行う
- 作業完了後、費用の支払い
不用品回収業者であれば、自治体では断られてしまうアップライトピアノや大きなグランドピアノでも処分可能です。
汚れや破損がある場合ももちろん、そのほか処分したい不用品が大量にあったとしてもまとめて一度に回収してもらえます。
さらに、買取サービスのある不用品回収業者では、不用品の回収処分と同時に買取することが可能です。
ピアノをはじめ、そのほか買取可能な楽器・家具・家電などの不用品があれば作業費から買取額を差し引き、場合によっては無料で利用することも。
買取できそうにないという場合にも、複数点まとめての依頼で1点あたりの処分費用をお得にできる「積み放題プラン」もありますので、なるべく費用を抑えて利用したい方にぴったりの方法と言えるでしょう。
また、不用品回収業者には「自分の都合のいい日時に回収を依頼できる」という大きなメリットもあります。早ければ電話した当日に回収に来てもらえることもあるため、お急ぎの方は一度相談してみてはいかがでしょうか?
なお、不用品回収業者では、以下のようなさまざまな楽器の処分を承っております。詳しくは以下の記事をご参照ください。
- ドラムセットの処分方法7選!お得な買取とは?注意点も解説
- ギターアンプの処分方法7選|買取はできる?処分の際の注意点も解説!
- ギターケースの処分方法6選!無料の捨て方や注意点を詳しく解説
- サックスを処分する方法とは?買取や手順についても解説
悪徳業者に注意
このように便利な不用品回収業者ですが、残念ながら中には「高額な費用を後から請求してくる」「引き取った不用品を不法投棄する」ような悪質な業者も存在しています。
被害に遭わないためには、相見積もりは必須です。
複数の業者と連絡を取るのは面倒…と避けてしまいがちですが、相見積もりをするかしないかで数千円~数万円の費用の差が出ることも。
なるべく2~3社以上の業者から見積もりをとって比較してみるのをおすすめします。
別ページでは悪徳業者の特徴や見分け方、不用品回収業者に必要な「古物商許可」について、安心して依頼できるおすすめの不用品回収業者についても紹介しております。業者選びの際の参考になるかと思いますので、ぜひご活用ください。
ピアノを処分する際の注意点
ここではピアノを処分する際の注意点を解説します。処分前には参考にしてみてください。
売却前には付属品を揃え、メンテナンスする
大切にしてきたピアノをより高く売りたいということなら、査定前に以下のポイントを確認しましょう。
- ホコリや汚れを取り除き、きれいな状態にしておく
- 取扱説明書や保証書、付属の椅子やカバー、補助ペダルなど、付属品はすべて揃えておく
- 動作確認する(電子ピアノ)
- 種類・メーカー名・型番といった基本情報をまとめておく
- 複数の店舗で査定を受ける
ピアノはそのまま査定に出すことももちろん可能ですが、手入れされていないピアノよりも普段から手入れされているピアノの方が査定額もアップします。
業者に査定してもらう前に、できる限りメンテナンスしてピアノをきれいにしておきましょう。
また、売却前にピアノ椅子や補助ペダル、ピアノカバーなど、ピアノを購入した時についていた付属品を出来るだけ揃えておくことも大切なポイントです。
査定依頼をする前には、処分したいピアノの情報をまとめておくとスムーズに査定を依頼できますので、忘れずに調べておきましょう。
自力での解体や運搬はおすすめできない
前述したように、ピアノの搬出費や運搬費は非常に高額になります。そのため自分たちでピアノを運搬したい!とお考えの方も多いのではないでしょうか?
しかし、ピアノは家庭用のアップライトピアノでも重量が200kgを超えるものがほとんどで、大人2人で運ぶとしても相当な重量です。慣れない作業の最中にピアノを壊してしまう可能性があり、運搬には2トン以上のトラックを使用するため、そちらの手配も必要になります。
また、ピアノは重量がある上に複雑な構造をしているので解体するのも一苦労です。無理して作業すると中途半端な状態で解体が止まってしまったり重いパーツを落としてケガしてしまったりする可能性も。
上記のようなデメリットを考えると、自力での解体や運搬はおすすめできません。費用はかかりますが業者に依頼して、安全にピアノを手放しましょう。
追加料金に注意!
重量があるピアノは搬出費用が高額になりがちですが、
- 2階以上の部屋やエレベーターがない建物からの搬出
- クレーンや手吊りといった特殊作業が必要になった
- ピアノを解体して運び出した
- 遠方への配送
といったケースはさらに追加で費用がかかり、処分費用が跳ね上がることもあるため注意が必要です。また、ピアノの種類や重量で金額が変わることもあります。
費用 | グランドピアノ | アップライトピアノ | 電子ピアノ・エレクトーン |
---|---|---|---|
解体・組立費 | 30,000円~ | 30,000円~ | – |
搬出費 | 20,000円~ | 10,000円~ | 10,000円~ |
運送費 | 30,000円~ | 18,000円~ | 13,000円~ |
業者によって設定されている費用は異なるため、できるだけ多くの業者に見積もりを出してもらい費用の確認をしておくことをおすすめします。
搬出当日になって「追加費用がかかるなんて知らなかった」「搬出できないと言われた」などトラブルにならないよう、追加費用や搬出方法についてはあらかじめ業者としっかり確認を済ませておきましょう。
ピアノの処分時に出やすい不用品
ピアノを処分する際に、楽譜やメトロノームといった付属品をまとめて捨てるという方も多いかもしれません。
以下に分別区分をまとめましたので、処分時には参考にしてみてくださいね。
関連品目 | 分別区分 |
---|---|
ピアノカバー | 可燃ごみ・不燃ごみ |
楽譜 | 可燃ごみ・資源ごみ |
メトロノーム | 不燃ごみ 大きさによっては粗大ごみ |
専用クロス | 可燃ごみ |
なお、自治体によってごみ出しルールは異なります。必ずお住まいの自治体に確認した上で処分してください。
電子ピアノの処分をはじめ、以下にエレクトーンの処分やオルガンの処分について詳しく解説した記事もありますので、処分を検討される場合はそちらもあわせてご覧くださいね。
ピアノの処分でよくある質問
Q.ピアノ1台でも、取りに来てくれますか?
A. はい、もちろんピアノ1点からのご利用も承っております。しかしながら1点のみのご利用の場合、どうしても費用が割高となってしまいますので、可能であれば何点かまとめてのご依頼をおすすめいたします。
Q.ピアノ回収の見積もりの後、キャンセルしたら費用はかかりますか?
A. 弊社では、ピアノの回収においても、お見積もりでしたら出張費や違約金などは一切いただいておりません。お見積もりにご納得いただけない際には、気兼ねなくキャンセルをお申し付けください。
Q.ピアノを回収する際に追加費用は発生しませんか?
A. 作業内容に変更がなければ、お見積もり以上の費用は発生いたしません。
ピアノの回収時にもしも追加費用が発生する場合は、事前にご連絡を差し上げ、その上でご納得いただけてから作業に移りますので、安心してお任せください。
Q.破損したピアノでも処分してもらえますか?
A. もちろん、ピアノの状態に関わらず回収いたします。また、状態のいい楽器は買取いたしますので、良品がございましたらご予約時にスタッフまでお伝えくださいませ。
Q.ピアノを回収する前にしておいた方がいいことはありますか?
A.お客様にしていただくお手間は何もございません。
ピアノの回収や運搬、その後の清掃まで弊社スタッフが責任を持って行います。
たとえピアノに破損や汚れがあっても問題ございませんので、スタッフが訪問するまでくつろいでお待ちくださいませ。
まとめ
今回は「ピアノの処分方法」について解説してまいりました。
有名メーカーのものやまだ新しいピアノが買取や無料引取でお得に処分できる一方で、古いピアノは買取・回収不可になることが多く、処分費用も高額になりがちです。
なるべく費用を節約したいからと重いピアノを自力で運び出そうとするとケガや家の破損の恐れもありますので、無理せず業者に処分を依頼しましょう。
「ピアノが自治体で回収不可になっていて捨てられない」「ほかにも処分したいものがある」などお悩みの方は不用品回収業者に依頼するのがおすすめです。
弊社「出張回収センター」では、処分に困るピアノだけでなく、さまざまな楽器を買取・回収しています。
査定や見積もりは無料でご利用いただけますので、まずはお気軽にご相談ください!
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