車椅子を処分したい場合、どのような処分方法があるかご存知でしょうか?
「使わなくなったけれどまだ使える状態だから捨てられず家に置いてある」「どうやって処分したらいいかわからない」「処分しようと思いつつそのまま放置してある」…そんな車椅子があるなら持ち込む場所を選べば売れるかもしれません。
今回は車椅子の処分方法や処分する際の注意点について解説していきます。
車椅子をごみとして処分する方法だけでなく、売却や譲渡など、できるだけ捨てずに次の持ち主に引き継ぐ方法をお伝えいたしますので、車椅子の処分にお悩みの方はぜひ参考になさってくださいね。
▼この記事でわかること
- 車椅子の処分方法
- 車椅子を処分する際の注意点
車椅子の処分方法は7通り
車椅子を処分する方法は以下の7つです。
- 粗大ごみとして処分する
- ごみ処理施設へ持ち込む
- リサイクルショップや福祉用具専門店で売却する
- フリマアプリやネットオークションに出品する
- 人に譲る・ジモティーを利用する
- 支援団体や施設へ寄付する
- 不用品回収業者へ依頼する
※「ダスキン」をはじめとした福祉用具のレンタルサービスを利用した場合は、業者へ返却するのみとなりますので今回の処分方法からは省かせていただきます。
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
①粗大ごみとして処分する
粗大ごみの規定サイズは30cm角または地域によっては50cm角以上となり、壊れた車椅子は自治体を利用し「粗大ごみ」として収集するのが一般的です。
粗大ごみの出し方は自治体によりさまざまですが、今回は愛知県名古屋市を例に挙げて説明します。
- 自治体のホームページなどに記載された電話番号、または申請フォームで収集を依頼する
- 所定の場所、収集日時などを確認
- コンビニやスーパーなどで粗大ごみシールを購入する
- 指定された日付の当日の朝8時までに所定の位置へ運び出す
車椅子の取り扱いや収集費用、予約の有無など細かいルールは自治体ごとに異なるため、まずはお住まいの自治体のホームページを確認しましょう。
以下は各自治体の粗大ごみ手数料です。
見ていただくとわかるとおり、手動式のみとする自治体や電動式はバッテリーを外すといった条件は各々異なりますが、どの自治体も比較的安価で処分が可能です。
ただし、収集日が月に一度と少ない自治体が多く、処分の際には収集場所まで運搬する必要がありますので、お急ぎの場合やご自身での運搬作業が難しい場合は業者の利用を検討してください。
②ごみ処理施設へ持ち込む
車椅子は、自治体のごみ処理施設(クリーンセンター)に自己搬入するという方法でも処分可能です。
この方法であれば粗大ごみの回収日を待つことなく処分でき、車椅子以外の不用品もまとめて捨てられます。
以下は自己搬入について記載のあった自治体の一例です。
自治体名 | 自己搬入した場合の手数料 |
---|---|
愛知県名古屋市 | 10kgまでごとに200円 |
神奈川県横浜市 | 市が収集する場合と同じ料金が必要 |
大阪府大阪市 | 10kgごとに90円 |
福岡県福岡市 | 10kgにつき140円 |
上記のとおり、ごみ処理施設へ自己搬入すれば処分するものの重さ・数量によっては戸別回収よりも費用が安くなるため、処分費用を抑えたいという方にもおすすめの方法と言えるでしょう。
ただし、
- 車でしか搬入ができない
- 施設の稼働日は平日のみが多く日程の調整が必要
- 積み下ろしは自分たちで行うため人手が必要
- 自己搬入に対応していない地域もある
というデメリットもあるため、利用が難しい方もいらっしゃるかもしれません。その場合は別の処分方法を検討しましょう。
③リサイクルショップや福祉用具専門店で売却する
リサイクルショップや専門店をはじめ、福祉用具や介護用品を取り扱っている店舗では、車椅子を売却することも可能です。
自走式、介助式といったタイプの違いでも買取価格が変動いたしますが、車椅子も基本的には電化製品や家具などと同じく、有名メーカーであるほど高値が付きやすくなっています。
以下は需要の高いメーカー例です。
- 松永
- MiKi
- ヤマハ
- カドクラ
- 日進
- カワムラ
- セリオ
買取対象となるメーカーが多いほど買い取ってもらえる可能性が高くなるので、ホームページで過去の買取実績をチェックしておきましょう。
なお、上記のような需要の高い車椅子を売却するならリサイクルショップは不向きです。
リサイクルショップは数多くのジャンルを幅広く取り扱う一方で、その分専門性に欠けるというデメリットがあり、本来なら価値のある車椅子でも、相場よりずっと低い価格で査定されてしまう場合も。
なるべく高く買い取ってほしい場合は、福祉用具専門の買取業者を中心に2〜3社程度比較し、高く買い取ってくれる業者を選びましょう。
④フリマアプリやネットオークションに出品する
リサイクルショップや福祉用具専門店での買取査定に納得がいなかった場合、フリマアプリやネットオークションに出品してみるのも一案です。
フリマアプリやネットオークションでは、すべて自分で購入者とのやり取りしなければなりませんが、実用性で探している利用者が多く、メーカーがわからなくても設定価格次第で買取業者よりも売却できる確率が高くなります。
フリマアプリやネットオークションでの売却までの手順は以下のとおりです。
- アカウントを登録しアプリをスマホにダウンロード
- 出品したい車椅子を撮影する
- 出品したい車椅子の状態や素材を説明した文章を入力し出品
- 購入されたら購入者とやり取りし、梱包して発送
- 到着連絡を受けたら評価を入れる
フリマアプリやネットオークションはご自身の好きな価格で出品でき、自宅にいながら気軽に処分できる便利な手段ではあるのですが、その反面、下記のようなデメリットもあるため注意が必要です。
- 売れた場合は配送料と手数料を負担しなければならない
- 出品から梱包、発送まですべて自分でするため手間がかかる
- 説明していたより車椅子の状態が悪いとクレームにつながる
なお、車椅子の場合、通常の宅急便では対応していないサイズになる場合も。
さらに相場に見合わない高い金額をつけてしまうと売れなかったり、売れた後に思わぬトラブルになったりする可能性もありますし、個人間での取引になるため慎重な対策が必要となるでしょう。
⑤人に譲る・ジモティーを利用する
売るような車椅子ではないものの、ごみとして処分するのはもったいない…と感じる方も多いかと思います。
そんなときは、知人や友人など周囲の方に譲るか、ジモティーという掲示板を利用し次の持ち主を募るのもいいかもしれません。
クラシファイドサービスと呼ばれるビジネスモデルの「ジモティー」は、
- ものを譲りたい人が譲りたいものの写真や詳細を無料掲示板に投稿する
- 希望者が出品者へ連絡する
- 譲り手と貰い手が相談し、受け取り方法や料金などを決める
このような手順で誰でも気軽に物品のやり取りができます。
仲介人はおらず利用者同士ですべてを決めるため「余計な手数料が発生しない」「玄関先や最寄り駅などに取りに来てもらえた場合は送料や梱包の手間がない」ことが大きなメリットです。
しかしそのぶん、トラブルが発生した場合もすべて自分たちで対応しなくてはならない点には注意が必要となります。
自分が車椅子を手放したい条件を提示し、ニーズに合う方が現れるまで待つスタイルですから「無料で車椅子を手放せるなら時間をかけてもいい」ならジモティーの利用も検討してみてください。
⑥支援団体や施設へ寄付する
処分するにあたってとくにお金を必要としていないけれど、車椅子の状態もよく、誰かに使ってもらいたいなら、車椅子を必要とする団体に寄付するのもいいでしょう。
寄付先の多くはNPO法人や社会福祉協議会などの、車椅子を必要としている方を支援する団体です。誰でも気軽に参加できるので、各団体のホームページを確認してみましょう。
NPO法人や社会福祉協議会は使わなくなった車椅子を回収し、ボランティアの手で整備や清掃し、その後、海外や国内の車椅子を必要としている方の中から、購入が難しい方へ優先的に寄付しています。
寄付できる車椅子はモデルやメーカーは問わず、状態のいいものが対象となっていますが、団体によっては状態がよくても中古品は不可となっている場合もありますので注意が必要です。
また基本的に送料はこちらで負担する形となりますので、遠方の団体に寄付する場合にはいくらかかるのか確認しておくと安心でしょう。
弊社でも「ユースマイル」という世界の恵まれない人達に寄付する取り組みをしています。
ご興味のある方はぜひ一度ご覧になってみてくださいね。
⑦不用品回収業者へ依頼する
「自治体では回収してもらえない…。」「すぐに車椅子を処分したいけれど、粗大ごみ回収まで期間があいてしまう…。」とお困りなら、不用品回収業者への依頼がおすすめです。
- 車椅子以外にも捨てたい不用品がある
- 処分したいものが大量にある
- とにかく急ぎで処分したい
- 売却と廃棄を一度で済ませたい
このような場合に大変便利な方法です。
不用品回収業者であれば、状態・種類問わず車椅子の回収が可能ですし、車椅子以外にも処分したいものがある場合、一緒に回収を依頼することも可能です。
そのほかにも、不用品回収業者には「自分の都合のいい日時に回収を依頼できる」という大きなメリットがあります。
早ければ電話したその日のうちに回収に来てもらえることもあるので「引っ越しが迫っているので早く来てほしい」「邪魔だから早く処分したい」などお困りの場合におすすめです。
費用面が心配…という場合にも、買取サービスが利用できる不用品回収業者なら、まずは車椅子の状態や機種から査定し買取してくれるため、多くの場合回収費用と差し引きされ、結果安価で処分できる場合も。
もし買取できない状態であっても不用品処分として処理できますし、ほかに査定できる家具・家電をお持ちの場合はそちらの査定額を作業費から差し引くことも可能です。
なお、不用品回収業者では、車椅子以外にも以下のようなさまざまな不用品の処分を承っております。詳しくは以下の記事をご覧ください。
- ロードバイクを売りたい方必見!ロードバイクの買取相場と高価買取してもらう方法とは
- 原付バイクの処分方法7選!廃車手続きの方法や注意点を詳しく解説
- 一輪車をオトクに捨てる方法とは?運搬用一輪車(猫車)の捨て方も解説
- いらない三輪車の捨て方6選!気になる処分費用や注意点は?
なお、不用品回収業者を利用する際には、複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」は必須となります。
複数の業者と連絡を取り合うのは面倒だと思ってしまう方もいらっしゃるかと思いますが、するとしないでは費用に数千円〜数万円の差が出ることもあります。
できれば3社以上から見積もりを取って比べてみるのがおすすめです。
別ページでは悪徳業者の特徴や見分け方についてや、安心して依頼できるおすすめの不用品回収業者についても紹介しています。業者選びの際に参考にしてみてくださいね。
車椅子を処分する際の注意点
車椅子の処分方法を確認したところで、ここで処分の際に注意したいポイントについても見ていきましょう。
車椅子を粗大ごみで収集していない自治体もある
車椅子は地域によって分別区分が異なり、中には粗大ごみとして収集していない場合もあります。
自治体名 | 車椅子の捨て方 |
---|---|
千葉県松戸市 | 手動式はごみと張り紙をした上で「不燃ごみ」 電動式は「粗大ごみ」 |
神奈川県横須賀市 | 解体できない場合は「粗大ごみ」 細かく解体できる場合は「燃やせるごみ」「缶以外の金属」に分別 ※手動式のみ |
また、処分できたとしても”手動式のみ”としている場合もあり、自治体によって大きく処分方法が異なる点には要注意です。
車椅子をごみとして廃棄する際には、お住まいの地域で車椅子の分別がどのように指定されているのか確認の上で正しく処分してください。
電動車椅子のバッテリーは別で処分しなければならない
多くの場合手動式の車椅子はそのまま収集に出せますが、電動式の場合はバッテリーを取り外して本体だけを粗大ごみとして収集してもらうことになります。
取り外したバッテリーは車椅子の販売店やJBRCに加盟するバッテリーリサイクル協力店などに引き渡しましょう。
バッテリーの処分に関してはこちらの記事でも解説しておりますので、該当の場合はご参照ください。
車椅子の処分時に出やすい不用品
車椅子の処分時に、せっかくなら関連製品もまとめて処分してしまいたいとお考えの方は多いでしょう。
以下に関連製品の分別区分をまとめましたので、処分の際に参考にしてみてください。
関連製品 | 分別区分 |
---|---|
車椅子用シート | 可燃ごみ |
クッション | 可燃ごみ |
階段移動用リフト | 粗大ごみ |
上記はあくまで一例ですので、分別はお住まいの地域のルールに従い正しく行いましょう。
車椅子関連以外にも、年配の方が利用することの多いセニアカーの処分についてやそのほか乗り物関連の処分方法について以下の記事でも解説しておりますので、該当する場合はぜひご参照くださいね。
車椅子の処分時によくある質問
Q.高層階からの車椅子の回収だと料金は割増になりますか?
A.搬出するルートによっては、床や壁などを傷つけないための養生が必要になってきます。その場合もあわせてお見積もりを出しますので、ご安心ください。
とくにマンションのような集合住宅の場合、共用部分を気にされるお客様は多くいらっしゃいます。弊社スタッフが丁寧に作業いたしますので、安心してお任せくださいませ。
Q.車椅子を自分では運べなくても回収してもらえるでしょうか?
A. はい、もちろん大丈夫です。運び出し作業は、基本的に弊社スタッフが行いますので、重さのある車椅子でもお客様自身で運んでいただく必要はございません。
また車椅子だけでなく、ほかにも回収して欲しい電化製品や家具がある場合も、すべて弊社で搬出いたします。
Q.当日に車椅子以外の不用品が出た場合も一緒に回収してもらえますか?
A. もちろん回収可能です。お引っ越しや大掃除などで複数不用品が出た際にも車椅子と一緒に回収いたします。ただし、事前にお見積もりを出している場合は、当日品目が増えた分、料金も変動いたしますのでご注意ください。
なお料金に変動があった際には、必ずお客様にご提示しご納得いただいた上で作業に移りますので、安心してご依頼ください。
まとめ
今回は車椅子の処分方法について紹介いたしました。
一口で車椅子と言っても、手動式や電動式といった種類があり、処分方法もさまざまでしたね。
車椅子の寿命は5年と言われていますが、使用頻度が多い場合や、スポーツタイプなど激しい動きに対応した車椅子などによってはもっと短くなる場合もあります。
車椅子を処分することになった際は、ごみに出してしまう前にまず車椅子の状態を確認しましょう。
状態のいい車椅子であれば、売却はもちろん、寄付して有効活用することも可能です。
故障してしまっていたり、残念ながら買取不可になってしまった車椅子は粗大ごみとして処分するのが一般的ではありますが、中には回収不可としている自治体も。
処分が難しい車椅子を手放す場合や、車椅子以外にも処分したい不用品がある場合には不用品回収業者への依頼がおすすめです。
弊社「出張回収センター」でも、車椅子はもちろん、それ以外のさまざまな不用品を回収・買取しています。
年中無休で受付しておりますので、お急ぎの方はぜひ一度ご相談くださいませ!
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