
店舗やオフィスでは、ほとんどの場合室内を整える「什器」を使用することになるでしょう。
便利な什器ですが、使わなくなってしまったときや、移転や閉店により不要になったときには適切な形で処分しなければいけません。
その際には、家庭用のごみとは違った正しい処分方法で処分する必要があるため「どうやって処分しよう?」と悩んでしまいますよね。
今回は、悩んでしまいがちな什器について処分方法について解説していきます。
手元の什器をどう取り扱うべきか悩んでいるときには、ぜひ参考にしてくださいね。
▼この記事でわかること
- 什器の処分方法
- 什器を処分する際の注意点
- 什器の処分費用
- 什器の基礎情報
什器の処分方法は5通り

什器の処分方法として考えられるのは以下の5つです。
- 自分で什器を処理施設に持ち込む
- 買取業者に売る
- 企業や人に譲る
- インターネットで売る、譲る
- 不用品回収業者へ依頼する
それぞれの処分方法について見ていきましょう。
①自分で什器を処理施設に持ち込む
産業廃棄物は、処理施設へ持ち込むことによって処分してもらえます。
詳細は自治体ごとに違うため処理施設はどこにあるのか、またどのような基準で処分してもらえるのか検索してみましょう。
施設によっては対象企業や受入基準といったルールが厳しく設定されています。
たとえば愛知県名古屋市の場合、産業廃棄物の受入は不可としており、苦労して持ち込んでも受け入れられない可能性もあるので、あらかじめよく調べておく必要があるでしょう。
また、持ち込みは基本的に自分で行います。
多くの什器を一度に処分する際には運搬する手間や負担が大きくなるのでくれぐれも注意してください。
②買取業者に売る
一部のリサイクルショップでは、オフィスや店舗用の什器を買取しています。
什器専門業者へ依頼することによって、需要と供給が噛み合いやすく高値での買取も可能かもしれません。
ただし、什器の買取に対応している業者は、一般家庭の家具や家電の買取業者に比べて少ない傾向にあります。
近くに店舗がなければ、遠くの店舗まで持ち込むことになります。
一部の店舗では出張回収・買取を行なっている場合もありますが離れすぎると対象地域でなくなることもあるため、事前に確認しましょう。
③企業や人に譲る
企業や店舗で使用する什器を探している方を探し、譲渡するのもひとつの手段です。
きれいな什器、使用上問題のない什器など、まだ十分使えるものであれば引き続き活用してもらえるので環境保全の観点でもおすすめの方法と言えるでしょう。
また、もし交渉できた場合には譲るのではなく買取してもらえるかもしれません。
その場合には経理上の処理が必要になりますので、きちんと手続きすることも忘れないようにしてください。
④インターネットで売る、譲る
フリマアプリやネットオークション、さらには掲示板とのようなサービスを使うことによって、より広く什器を必要としている方とつながりやすくなります。
「今すぐ欲しい!」「どうしても欲しい!」といった需要があれば、多少高額でも売却できるかもしれません。
売ることが目的でないのであれば「譲ります」という形で募集をかけると「ぜひ欲しい」という方も見つかりやすくなります。
ただし、売るにしても譲るにしても相手が見つかるまで時間がかかる場合も。
すぐに処分してしまいたい什器を取り扱う際には、不向きとなるかもしれません。
また、什器の種類によっては発送が難しいケースもあります。
とくに大きな什器はそのぶん配送料もかかりますので、負担が大きくなってしまう点に注意してください。
⑤不用品回収業者へ依頼する
「処分したい什器がたくさんある」「とにかく急ぎで什器を引き取ってほしい」といった場合には、不用品回収業者の利用がおすすめです。
不用品回収業者とは、家具や家電をはじめとしたさまざまな不用品を回収してくれる専門業者です。
家庭の不用品はもちろんのこと、オフィスや店舗などのいわゆる事業ごみ、産業廃棄物も同じように回収いたします。
さまざまな製品の回収について詳しい専門家が処分にあたるため、安心して任せられるでしょう。
回収業者によっては回収処分だけでなく買取も利用できるため、とくに状態のいい什器に関しては「廃棄」から「売却」へとその場で変更可能です。
また、不用品回収業者には都合のいい日程で回収してもらえるという大きなメリットもあります。
早ければ依頼したその日のうちに回収に来てもらえる可能性があるほか、夜間の回収に対応してもらえる場合もあるため、店舗移転の期日が迫っていてお急ぎの方や、営業時間の関係で対応できる時間が限られている場合にも大変便利です。
不用品回収業者では什器に該当するさまざまなオフィス用品の処分を承っています。以下の記事で詳しく解説していますので、処分の際は一度目を通してみてください。
- ホワイトボードの処分方法6選|売却はできる?処分費用・注意点も解説
- シュレッダーの処分方法7選!家庭用・業務用の捨て方の違いと注意点を徹底解説!
- オフィス家具の処分方法6選!引き取りサービスや費用相場・注意点を解説
ただし注意点として、中には悪徳業者も潜んでいる可能性があることを忘れないようにしてください。
後ほど注意点の項目でも解説しますが、無許可業者へ処分を委託してしまった場合「5年以下の懲役、1000万円の罰金またはこれの併科」となり、依頼した側も相応の罰を受けることとなります。
公式サイトに各種許可証や登録番号を掲載している業者もありますので、依頼の際にはそれらをきちんと確認し、悪徳業者でないか確認しましょう。
悪徳業者の特徴や見分け方についてや、安心して依頼できるおすすめの不用品回収業者についてはこちらの記事で詳しく解説しております。ぜひ参考にしてみてくださいね。
什器を処分する際の注意点

ここでは什器処分の際の注意点について解説していきます。
什器は家庭ごみのように処分できない
什器のように事業で扱うものは、処分の際に一般的な家庭ごみと区別され、「産業廃棄物」「事業系一般廃棄物」の2種類に分けられます。
廃棄物の分類 | 該当する什器 | 処分方法 |
---|---|---|
産業廃棄物 | ・金属加工されたもの ・ガラス、プラスチックの割合が高いもの | ・「産業廃棄物収集運搬業許可」を所持する業者への依頼 ・自治体が運営するごみ処理施設への自己搬入 |
事業系一般廃棄物 | ・木製(一部金属部品が使用されたものも可) | ・「一般廃棄物収集運搬許可」を所持する業者への依頼 ・自治体が運営するごみ処理施設への自己搬入 |
どちらもごみ集積所に出したとしても回収してもらえませんので、必要な許可・資格を持った業者へ依頼し、適切に処分しなければなりません。
産業廃棄物の処分については別記事でも解説しています。詳しくはそちらをご参照ください。
違反した場合はさまざまな罰則がある
適切に処理せず違反した場合は、次のような刑罰を受けることになりますのでご注意ください。
違反内容 | 主な罰則 |
---|---|
不法投棄および不法投棄未遂 | 5年以下の懲役、1000万円の罰金またはこれの併科 ※法人に対しては3億円以下の罰金 |
無許可業者へ処分を委託 | 5年以下の懲役、1000万円の罰金またはこれの併科 |
委託契約書を作成せず収集・運搬を委託 | 3年以下の懲役、300万円以下の罰金またはこれの併科 |
マニフェストの不交付、虚偽記載、報告義務違反および保存義務違反 | 1年以下の懲役または100万円以下の罰金 |
自治体の指示をホームページで確認し、記載がなくわからない場合は直接問い合わせましょう。
マニフェストの交付・保管は必須
マニフェストとは、処理を委託した業者が廃棄物を法令に従って処分しているかを確認するための書類です。産業廃棄物を排出する事業者には、この産業廃棄物管理票(マニフェスト)の交付・保管が義務付けられています。
一般的にマニフェストは「産業廃棄物の処理時」に必要なものとされていますが、地域によっては事業系一般廃棄物にも義務付けられている場合もあるため注意が必要です。
マニフェストを交付しなかった場合や、保管義務(5年間)を怠った場合には、収集業者だけでなく排出事業者自身も重い罰則が科せられます。
マニフェスト交付の有無で優良な業者かどうかの判断材料にもなりますので、「事業系一般廃棄物だからいらないだろう」「業者側から報告がなかったから」と勝手に判断するのではなく、必ずマニフェストの交付について確認しましょう。
什器の処分にかかる費用は?

処分方法別に費用がどのくらいかかるのかも比較しておきましょう。
処分方法 | 処分費用の目安 |
---|---|
自分で什器を処理施設に持ち込む | 10kgごとに200円〜 ※利用する施設によって異なる |
買取業者に売る | 無料〜 ※出張費用がかかる場合がある |
企業や人に譲る | 無料〜 ※遠方の場合は配送料がかかる |
インターネットで売る、譲る | 無料〜 ※遠方の場合は配送料がかかる |
不用品回収業者へ依頼する | 単品回収:3,000円〜 積み放題プラン:22,000円〜 ※利用する業者・作業内容によって異なる |
什器を1点だけ廃棄するのであればそこまで費用はかかりませんが、店舗・オフィスごと処分したい!という場合には注意が必要です。
もちろん、廃棄する什器ごとに処分費用が必要となりますし、オフィスチェア1なら3,000円程度で処分できても、大型のロッカーやデスク、複合機を複数点…となるとそのぶん費用はかさみます。
利用する方法、業者によっても異なりますが、10万〜30万以上かかる場合もありますので、必ず見積もりを確認し、納得した上で利用しましょう。
什器を処分する上で知っておくべきこと

什器を処分する前に確認しておくべき基本情報も確認しておきましょう。
什器とは?
そもそも什器とは、店舗やオフィスで使用されている家具・道具・備品といったアイテムの総称です。
たとえば、次のようなものが什器に該当します。
- テーブル
- チェア
- 棚
- ワゴン
- ロッカー
- レジ台
- 厨房機器
- パソコン
- コピー機
家庭で使っているものと同じ家具や家電なども、店舗やオフィスで使用しているのであれば「什器」として取り扱われます。
上記の内、オフィスチェアの処分、ロッカーの処分をはじめ、さまざまな什器関連の処分について別記事にて解説しています。詳しくはそちらをご参照ください。
什器の処分でよくある質問

Q.店舗にある什器をすべて処分し、空っぽの状態にして欲しいのですができますか?
A. お任せください、弊社はさまざまな不用品の品目に対応しており、まとめて回収可能です。
ごみの分別、重たい店舗什器の運び出しもすべて弊社スタッフがサポートいたします。店舗内はそのままの状態でお待ちください。
Q.店舗の入口や通路が狭いのですが、什器の搬出は大丈夫ですか?
A.弊社は車両に20種類以上の養生セットを準備しております。
店舗や建物、物品に損傷を与えないよう対策をしっかりとして搬出・運搬し、経験豊富なスタッフが慎重に作業を進めてまいります。
なお、損害賠償補償保険にも加入しておりますので、安心してお任せくださいませ。
Q.回収当日に什器以外の不用品が増えても大丈夫ですか?
A.もちろん、当日に什器の数が増えても減っても問題はございません。
現場担当のスタッフが再度数量を確認しお見積もりいたしますので、遠慮なくご相談ください。
Q.什器の回収料金はどれくらいかかりますか?
A.回収料金は什器のサイズや数によっても変動しますので、まずはご連絡ください。
弊社としましては直接現場でのお見積もりを推奨しておりますが、事前にメールやLINEでのお見積もりも可能ですので、画像や製造年、メーカーなどの詳細を送っていただければ折り返し見積もり金額を返信いたします。
お見積もり・ご相談は無料です。お見積もり金額に納得いただけない場合のキャンセルも無料で承りますので、安心してご依頼ください。
Q.夜間に什器を回収してもらえますか?
A.基本的には営業時間内に作業しておりますが、お客様のご要望があれば夜間でも什器の引取にお伺いいたします。
その際はトラックやスタッフの手配が必要となりますので、夜間帯の作業をご希望の場合はお早めにスタッフまでご相談ください。弊社は年中無休で営業しておりますので、土日や祝日に回収に伺うことも可能です。ぜひ
まとめ

今回は什器の処分方法について解説いたしました。
使わなくなった什器は一般ごみと同じように処分できないため、産業廃棄物、事業系一般廃棄物として適切な処分を必要とします。
「産業廃棄物」というと取り扱いが難しいように感じるかもしれませんが、自分で処理施設に持ち込んだり、買取可能なリサイクルショップで売ったり、インターネットの各種サービスを活用して売る、譲る相手を見つけたりといった方法で処分できます。
この記事を参考に自分に合った方法を選んでくださいね。
「什器の数が多く、持ち運んだり配送したりするのが難しい」という時には、不用品回収業者へ依頼するのもおすすめです。
自分で運搬する必要がなく、便利な方法である一方で業者によっては不適切な処分をされてしまう可能性もあるため、じっくり業者を選んでください。
弊社「出張回収センター」では、一般ごみはもちろん什器のような不用品を回収・買取しています。
無料でお見積もり可能ですので、まずはお気軽にご相談ください!
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