ごみ出しのルールは地域によってさまざまですが、名古屋市のごみルールはほかの地域に比べて細かいこともあり、難しそう、面倒そう…というイメージの方も多いようです。
そもそも、名古屋に引っ越してきたばかりの方や、粗大ごみを出したことがない方には、何が粗大ごみなのかや、通常のごみの出し方との違いもわかりづらく感じてしまうかもしれません。
そこで今回は、名古屋市の粗大ごみルールについて、基本的な受付方法から出し方までの手順を紹介していきます。
また、粗大ごみを行政以外でお得に処分する方法もあわせて紹介しますので、この記事を参考に家の中を片付けてスッキリさせましょう!
▼この記事でわかること
- 名古屋市で粗大ごみとして処分できる品目と処分できない品目
- 名古屋市で利用できる粗大ごみの処分方法
- 名古屋市で粗大ごみを処分する際にかかる費用
名古屋市における「粗大ごみ」とは?
処分方法を見ていく前に、まずは名古屋市では何が粗大ごみに該当するのかを紹介していきます。
名古屋市では、30cm角を超える大型ごみを「粗大ごみ」としています。
この30cm角とは「立体の一辺」が30cmである状態のことを指し、すなわち処分したい不用品のいずれかひとつの辺が30cmを越えたもの=粗大ごみということになります。
以下は名古屋市で粗大ごみに該当する品目の一例です。
種類 | 品目 |
---|---|
電化製品 | 炊飯器、扇風機、電気掃除機、ストーブ、電子レンジ、ファンヒーターなど |
家具類 | じゅうたん、テレビ台、椅子、テーブル、タンス、ベッドなど |
寝具類 | 布団、毛布、マットレスなど |
遊具類 | 三輪車、スキー用具、サーフボード、自転車など |
なお、30cm角を超えるものでも、以下の品目は対象外としています。
- かさ
- 食器、皿(装飾用の大皿を除く)
- ざる
- 鍋(圧力鍋、中華鍋、ずん胴を除く)
- フライパン
- ボウル
- まな板
- じょうろ
- ほうき(竹ぼうきは除く)
- ちりとり(箕(み)を除く)
- バケツ(45L以上の大型バケツを除く)
- 火バサミ
これらは30cm角を超える場合でも粗大ごみにはならず、素材によって「可燃ごみ」または「不燃ごみ」に出すことが可能です。
名古屋市の粗大ごみで回収できない品目
手数料を払えば何でも回収してもらえるというわけではなく、以下のものは回収不可となります。
家電4品目
名古屋市では、家電4品目は粗大ごみの対象外となっているため、戸別収集はもちろん、ごみ処理施設への持ち込みも受け付けてもらえません。
「家電4品目」とは、以下の家電のことを指します。
- エアコン
- テレビ(ブラウン管・液晶・プラズマ)
- 冷蔵庫・冷凍庫
- 洗濯機・衣類乾燥機
これらは「家電リサイクル法」の対象であり、リサイクル料金や収集・運搬費用を支払い処分する必要があります。
- 一般廃棄物処理業の許可を所持している業者に依頼する
- 購入元の店舗に引き取ってもらう
- 新品買い替え時に引き取ってもらう
など、適切な方法で処分しましょう。
家庭用パソコン
パソコンはさまざまな有用な部品から構成されており、適切にリサイクル処理すれば、鉄や銅、アルミ、プラスチック、ガラス、希少金属などを資源として再利用できます。
限られた資源を有効活用するためにも、パソコンが不要になった場合はメーカーにパソコンの回収・リサイクルを依頼するか、専門業者を利用し適切に処分しましょう。
名古屋市でリサイクルの対象となるのは、ご家庭で使用済みとなった以下の製品です。
- デスクトップパソコン本体
- ノートパソコン本体
- CRTディスプレイ
- 液晶ディスプレイ
- CRTディスプレイ一体型パソコン
- 液晶ディスプレイ一体型パソコン
- パソコンの製品出荷時に同梱されていたキーボード、マウスなどの付属装置(パソコンと同時回収する場合に限り回収)
プリンタ、スキャナ、外付けドライブ、ワークステーション、サーバーなどはリサイクルの対象ではありません。
なお、名古屋市では縦15cm×横40cm×奥行25cm以下のパソコンの場合は、小型家電としても処分可能です。
パソコンの処分方法、名古屋市で小型家電を処分する方法については別ページにて解説しておりますので、詳しくはそちらをご参照ください。
事業系ごみ
事業系ごみの処分は、廃棄物処理法で「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない(第3条第1項)。」と定められています。
自ら処理施設に持ち込む、または廃棄物を処理できる業者に委託し、適正に処理しなければなりません。
事業系ごみの分類 | ごみの種類 | 処理方法 |
---|---|---|
事業系一般廃棄物 | 事業活動で出たごみのうち、産業廃棄物ではないもの (可燃ごみ、粗大ごみ、し尿、浄化槽に係る汚泥) | ・ごみ処理施設に自己搬入する ・一般廃棄物処理業許可を所持した業者へ依頼する ・自治体に回収してもらう(一部地域のみ) |
産業廃棄物 | 燃えがら、汚泥、廃油、廃プラスチック類、ゴムくず、金属くずなどを含む20種 | ・産業廃棄物収集運搬業許可を所持した業者へ依頼する |
名古屋市の場合、戸別収集においては上記のどちらも回収できませんが、事業系一般廃棄物であればごみ処理施設へ自己搬入することも可能です。
なお、一般廃棄物処理業、産業廃棄物処理業の許可を受けていない業者へ委託することは違法となり、排出事業者も罰則を受けることとなりますので、業者を選ぶ際はくれぐれもご注意ください。
産業廃棄物の詳しい処分方法についてはこちらのページをご参照ください。
処理困難物
家電4品目、家庭用パソコン、事業系ごみのほかに、名古屋市では以下のものの収集もしていません。
- ガレキ
- 鉄塊
- 自動車用タイヤ
- ガスボンベ(LPガス・一般高圧ガス)
- オートバイ、原動機付自転車
- 火耐金庫
- 消火器
- 自動車鉛蓄電池
- ピアノ
- FRP浴槽
- 大型電気温水器
- 収集または処理が著しく困難なもの
- 市の処理施設の機能に支障が生じるもの
戸別収集はもちろん、ごみ処理施設への持ち込みもできないため、販売店やメーカーに引き取ってもらうか、専門業者に依頼する必要があるでしょう。
名古屋市では処分できない品目のうちタイヤの処分方法、ピアノの処分方法については別ページにて詳しく解説しております。気になる方はそちらもあわせてご覧くださいね。
名古屋市で利用できる粗大ごみの処分方法は3通り!
名古屋市ではどのような品目が粗大ごみに該当するのか確認したところで、次は具体的な処分方法について見ていきましょう。
名古屋市で利用できる粗大ごみの処分方法は以下の3つです。
- 粗大ごみ受付センターへ戸別収集を依頼する
- ごみ処理施設へ自己搬入する
- 不用品回収業者へ依頼する
それぞれメリット・デメリットも一緒に紹介していきますので、ご自身の状況にあわせて処分方法を選択してくださいね。
①粗大ごみ受付センターへ戸別収集を依頼する
名古屋市では、手数料を支払うことで、自宅前やごみの収集場所まで回収しに来てもらう「戸別収集」を利用することが可能です。
【名古屋市粗大ごみ受付センター】
フリーダイヤル電話番号:0120-758-530
電話番号:052-950-2581(通話料有料)
受付時間:祝日を含む 午前9時〜午後5時
(土曜、日曜、年末年始は受付不可)
ネット受付:24時間、年中無休
以下は名古屋市で戸別収集を利用する場合の手順です。
- ネットか電話で回収を依頼する(その際に処分料金が確定)
- 料金分の粗大ごみ処理手数料納付券をスーパー・コンビニ・郵便局などで購入する
- 手数料納付券に氏名または受付番号を記入して処分する粗大ごみに貼っておく
- 収集日当日の朝8時までに指定の場所に運び出して完了
粗大ごみの収集は立ち合い不要となっており、月に1回、地域ごとに収集日が決まっています。
必ず収集日の7日前(前週の同一曜日)までに申し込みを済ませておきましょう。
粗大ごみの手数料は、以下のように大きさや種類によって250円・500円・1,000円・1,500円に分かれています。
品目 | 手数料 |
---|---|
炊飯器 | 250円 |
扇風機 | 250円 |
応接いす(1人用) | 500円 |
自転車 | 500円 |
テーブル | 1,000円 |
電子レンジ | 1,000円 |
食器棚(高さ120cm以上または幅90cm以上) | 1,500円 |
ベッド(マットレスを除く) | 1,500円 |
インターネットを利用した粗大ごみ受付画面では、さらに詳しい品目一覧が記載されていますので、詳しくはそちらをご参照ください。
手数料が市のホームページに載っていないものや、あっているか不安という場合は、直接名古屋市粗大ごみ受付センターへ電話で問い合わせたほうが確実かもしれません。
戸別収集を依頼した場合のメリット・デメリット
名古屋市で戸別収集を依頼した場合のメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
・最低限の運搬で処分できる ・収集時に立ち会う必要がない | ・月に一度しか収集してもらえない ・納付券を事前に購入する手間がかかる ・回収場所まで運ぶ必要がある ・平日のみの対応 |
②ごみ処理施設へ自己搬入する
名古屋市では粗大ごみの回収が月に一度しかないため、申し込みが間に合わず捨てられないこともあるかもしれません。
そのような場合は、以下のごみ処理施設へ直接持ち込むことも可能です。
【大江破砕工場】
住所:名古屋市港区本星崎町字南4047番地の13
電話番号:052-611-8313
受付時間:月〜金曜日 午前8時45分〜午後3時40分まで(正午〜午後0時45分までは搬入不可)
※12月29日〜1月3日、祝日および休日を除く
以下は大江破砕工場へ自己搬入する場合の手順です。
- 区分ごとにごみを分別しておく(区分によって持ち込む施設が異なる)
- 搬入するごみを車両に積んだ状態で、受付時間内にごみの発生した区の環境事業所へ持ち込む
- 受付にて申し込み用紙に必要項目を記載し、搬入許可証カードと搬入用紙をもらう
- 必要書類を持参し、受入時間内に大江破砕工場へ持ち込む
- 職員の指示に従い、ごみを自分で下ろす
- 搬入後に計量し、処理手数料を現金にて支払う
捨てるごみを「可燃ごみ」と「不燃・粗大ごみ」に分別し、袋を使用する場合は、透明または中身の見える半透明の袋を利用しましょう。
大江破砕工場を利用した場合の手数料は、10kgまでごとに200円となっています。
現金にて支払うため、事前に納付券を購入する必要もなく、戸別収集の手数料よりも安価で処分できるのが嬉しい点です。
環境事業所の受付時間は8時~正午まで、午後1時〜受付終了時間までとなっていますが、受付終了時間は各区によって異なります。詳しくは各区の環境事業所の受付終了時間をご確認ください。
なお、繁忙期は希望の日程で受け付けてもらえないこともあるため注意が必要です。
また処理施設では、入場からごみの投入、手数料の支払いおよび退場までを受入時間内にすべて済ませなければなりません。時間には十分に余裕をもって搬入するようご注意ください。
ごみ処理施設に持ち込む場合のメリット・デメリット
大江破砕工場に持ち込む場合のメリット・デメリットをまとめると以下のとおりになります。
メリット | デメリット |
---|---|
・事前に納付券を購入する必要がない ・受入時間内であれば自分の都合にあわせて処分できる ・戸別収集よりも安く処分できる | ・種類別に分別しなければならない ・ごみの種類によって持ち込む施設が異なる ・運搬や荷下ろしを自分で行う必要がある ・車がないと利用できない ・繁忙期は希望日に処分できない場合がある |
③不用品回収業者へ依頼する
急ぎで戸別収集の収集日を待っていられない、自分で搬入する手段がなくて困っている…という場合には、不用品回収業者へ依頼するのがおすすめです。
不用品回収業者であれば、屋外まで粗大ごみを運搬する必要もありませんし、細かく分別する手間も一切必要ありません。
名古屋市では粗大ごみ収集は月に一度しかありませんが、業者の多くは年中無休で稼働しているため、お客様の都合にあわせて即日の回収や場合によっては夜間作業にも対応可能です。
「急な引っ越しが決まりごみの処分が間に合わない!」
「仕事が忙しく夜間でないと対応が難しい…。」
といったお悩みも、不用品回収業者であればもちろん解決できます。
しかし、いくら便利だからといっても、費用がどのくらいかかるのか不安な方も多いですよね。
以下は、不用品回収業者の単品回収を利用した際の費用目安です。
品目 | 単品回収の費用目安 |
---|---|
炊飯器 | 500円〜 |
扇風機 | 1,000円〜 |
応接いす(1人用) | 1,500円〜 |
自転車 | 1,500円〜 |
テーブル | 2,000円〜 |
電子レンジ | 500円〜 |
食器棚(高さ120cm以上または幅90cm以上) | 3,000円〜 |
ベッド(マットレスを除く) | 3,000円〜 |
上記のとおり、不用品回収業者を利用した際の費用はほかの方法と比べて決して安価ではありません。
不用品回収業者の場合、これらの費用に加え、車両費や人件費、リサイクル料金・処分費といった費用が必要になるため、どうしても高くついてしまいます。
そこで利用して欲しいのが不用品回収業者の買取サービスです。
大きな家具や家電などの粗大ごみはもちろん、そのほか買取可能な不用品があれば査定額を作業費から差し引くことで、場合によっては無料で利用することも可能になります。
もしも買取できない場合でも、複数点まとめての依頼で1点あたりの処分費用をグッと抑えるプランもありますので、なるべくお得に利用したい方におすすめしたい方法なのです。
不用品回収業者を利用する際の注意点
不用品回収業者の多くは上記のようなメリットがあるものの、中には悪徳業者も紛れている可能性がある点には十分ご注意ください。
皆さんも一度は目にしたことのある、
- トラックで町を巡回している
- チラシ投函を積極的にしている
- 「無料回収」を謳っている
こういった業者は、残念ながら悪徳業者である可能性が非常に高いです。
見積もり時にはなにも問題がなくても、後から追加作業として高額請求されたり、回収後に不法投棄されてしまったり…このようなトラブルに巻き込まれてしまった方も実際に大勢いらっしゃいます。
不法投棄は業者だけではなく業者を利用した依頼主まで裁かれてしまうため、他人事とは思わずに、しっかりと警戒する必要があります。
不用品回収業者へ依頼する場合のメリット・デメリット
不用品回収業者へ依頼した際のメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
・年中無休、即日対応、夜間対応可 ・屋外に運び出す必要がない ・分別する必要がない ・どんな粗大ごみでも確実に処分できる ・回収できる点数に制限がない ・複数点まとめての依頼、買取サービスを利用することでお得にできる | ・単品の回収の場合は費用が割高になる ・業者によって費用やサービスが異なる ・悪徳業者が紛れている可能性がある |
以下のページで「安心して依頼できるおすすめの不用品回収業者」についても紹介しています!
どこに依頼するべきかわからない、信頼できる業者を知りたい!という場合に参考にしてみてくださいね。
名古屋市で粗大ごみ処分にかかる費用
名古屋市における粗大ごみの処分方法についてはおわかりいただけたかと思いますが、処分方法によってどれくらい費用に差があるのかも確認しておきたいですよね。
今回ご紹介した処分方法別に費用を比較すると以下のようになります。
処分方法 | 家庭から出た粗大ごみの金額 | 事業所から出た粗大ごみの金額 |
---|---|---|
戸別収集を利用した場合 | 250円〜1,500円 | 受け入れ不可 |
ごみ処理施設へ持ち込む場合 | 10kgまでごとに200円 | 10kgまでごとに200円 |
不用品回収業者へ依頼した場合 | 1点あたり3,000円〜 ※利用する業者・サービス内容によって異なる | 1点あたり3,000円〜 ※利用する業者・サービス内容によって異なる |
持ち込み処分が可能あればその分費用を抑えられますが、お近くに回収場所がない方、持ち込む手段がない方にとっては容易ではありません。
必ずしも費用が安ければいいというわけではなく、ご自身の状況にあわせて、安全で確実な方法を選択することがなによりも大切になります。
まとめ
今回は「名古屋市における粗大ごみの処分方法」について詳しく紹介してまいりました。
昨今はごみ問題が環境に及ぼす影響についてさまざまな場面で叫ばれていますが、私たちにできるのは日々のごみを減らし、分別を正しく行うことです。
ごみ出しのルールは日々変化し自治体ごとに大きく異なるため、定期的に確認し直す必要があります。
少々面倒に感じる部分もあるかと思いますが、誤ったごみの排出は周辺住民とのトラブルにもつながり兼ねません。
環境のためにも未然にトラブルを防ぐためにも、ごみ出しルールはしっかりと確認しておくのが安心です。
メリットやデメリットを踏まえつつ、ご自身の状況にあった処分方法を選択してくださいね。
弊社「出張回収センター」でも家具や家電といった粗大ごみをはじめ、さまざまなジャンルの製品を買取・回収しています。
大量のごみの処分で困っている、粗大ごみを処分したいけど自分では運び出せない、そんな方は弊社へご依頼ください。
分別・搬出・回収など、手間や時間のかかる面倒な作業はすべてスタッフにお任せいただけます。
お見積もりは無料ですので、名古屋市にお住まいの皆さんからのご依頼を心よりお待ちしております!