スマホやパソコン、ドライヤーや電子レンジなど、私たちの周りにあふれている小型家電。
当たり前のように毎日使用しているものの、使わなくなったり壊れてしまったりして処分が必要となった際にはどのように処分すればいいか迷うことも多いのではないでしょうか。
小型家電は小型家電リサイクル法に則ってリサイクルをすることが求められていますが、自治体でのごみ回収や売却・譲渡など、ほかにもいくつか処分方法があります。お手持ちの小型家電の種類や状態に合わせた処分を行うことが大切です。
この記事では、小型家電の処分方法や注意点、費用などについて詳しく解説します。意外と知らない「小型家電リサイクル法」についてもご紹介しますので、処分前にはぜひ参考にしてみてください!
「小型家電リサイクル法」とは?
スマホやパソコン、炊飯器や電子レンジ、ドライヤーといった小型家電を手放す際には「ごみとして捨てる」という方も多いかもしれませんが、実は小型家電は「小型家電リサイクル法」によってリサイクル、再資源化することが求められているのをご存じでしょうか?
「小型家電リサイクル法」とは以下のような法律です。
小型家電リサイクル法は、デジタルカメラやゲーム機等の使用済小型電子機器等の再資源化を促進するため、主務大臣による基本方針の策定及び再資源化事業計画の認定、当該認定を受けた再資源化事業計画に従って行う事業についての廃棄物処理業の許可等に関する特例等について定めた法律です。
引用:環境省「環境再生・資源循環」
有用な資源の含まれた小型家電は、自治体や認定事業者によって無料回収され、その後資源として再利用されています。回収に強制力はありませんが、限りある資源を有効活用するためにも、なるべくリサイクルして処分するのが望ましいでしょう。
小型家電リサイクル法の対象品目は?
小型家電リサイクル法の対象となるのは、家電リサイクル法対象の4品目(テレビ、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・乾燥機)を除くほぼすべての家電製品です。
【対象品目の例】
- パソコン・周辺機器(パソコン本体、ディスプレイ、プリンターなど)
- 通信機器(スマートフォン、固定電話機、ファクシミリなど)
- 映像用機器(デジタルカメラ、レコーダーなど)
- ゲーム機
- 電子楽器
- 電子時計
- 理容用機器(ドライヤー、ヘアアイロンなど)
- オーディオ機器(ステレオ、スピーカーなど)
- 家電類(炊飯器、掃除機、電動ミシンなど)
(参考:一般社団法人小型家電リサイクル協会|小型家電リサイクル法とは)
ただし、回収を実施している自治体・家電量販店・認定事業者によって対象品目が異なるケースもあります。その場合は小型家電回収以外の処分方法を利用する必要があるため、注意が必要です。
処分前にはお住まいの自治体の対象品目について確認しておき、確実に処分ができるようにしておきましょう。
小型家電の処分方法8選
ここからは、実際に小型家電を処分する方法をご紹介します!
それぞれの手順や費用について、詳しく確認していきましょう。
①小型家電回収に出す
小型家電は自治体の小型家電回収を利用すれば無料で処分できます。小型家電回収ボックスでの回収が一般的ですが、自治体ごとに実施している回収方法には違いがあるので、利用しやすい方法を選びましょう。
- 小型家電回収ボックス
- ステーション回収
- ピックアップ回収
- 資源物の集団回収
- 市町村窓口への持込
- 戸別訪問回収
- 認定事業者による郵送での回収
自治体の小型家電回収は自己搬入が基本となっているため、「複数台の小型家電を処分したい」「近くに回収場所がない」という場合には利用できないこともあるかもしれません。そのほか、小型家電の大きさによっては、回収ボックスの投入口に入れられないケースもあるため注意が必要です。
【回収ボックス投入可能サイズの一例】
- 神奈川県横浜市:30×15㎝(長さ30cm未満)
- 愛知県名古屋市:縦15×横40×奥行25㎝以下
- 大阪府大阪市:15×30cm
回収ボックスに入らない小型家電の処分は、別の方法を検討しましょう。
▼小型家電回収について詳しくはこちらの記事でも解説しています▼
②不燃ごみとして捨てる
小型家電は多くの自治体で不燃ごみとして処分できます。
その場合はごみ袋に家電を入れ、指定日時に収集場所にごみに出すだけで処分が完了。予約や手数料納付券の購入などは必要ないので、手軽に小型家電を手放すことができます。
ただし、自治体によっては「可燃ごみ」「プラスチックごみ」「金属ごみ」など同じ小型家電でも分別が異なるケースもあるため事前の確認が必要です。また、自治体の規定サイズを超える大きさの小型家電は粗大ごみに分別されることもあるので、サイズの確認も忘れずに行っておくようにしましょう。
③粗大ごみとして捨てる
小型家電のサイズが自治体の規定サイズを超えるものであった場合は、粗大ごみとして処分する必要があります。処分の手順は以下の通りです。
- 受付締切日までに粗大ごみ受付センターに電話かインターネットで申込
- 収集日、収集場所、料金を確認する
- スーパーやコンビニなど指定の販売店で手数料納付券(シール)を購入
- 処分する小型家電に受付番号や氏名を記入した手数料納付券を貼る
- 収集日に指定場所に出す(立ち合いは不要)
比較的安い費用で小型家電を処分できますが、その一方で「予約や手数料の支払いが必要で手間がかかる」「すぐに捨てられない」といったデメリットもあるため注意が必要です。
お急ぎの方や、収集日に捨てに行けないという方は別の方法を検討したほうがいいかもしれません。
④販売店での引取サービスを利用する
小型家電は、家電量販店やホームセンターなどの販売店で回収してもらうこともできます。
販売店 | 回収 | 費用 |
---|---|---|
エディオン | 〇 | 無料~2,200円(税込) |
ノジマ | △ ※モバイル会員限定 同等商品の購入が必要 | 無料 |
ヨドバシカメラ | 〇 | 無料~2,200円(税込) |
ビックカメラ コジマ | 〇 | 小型家電まとめて回収 一括1,958円(税込) |
ヤマダ電機 | 〇 | 無料~2,200円(税込) |
カインズ | 〇 ※対象製品の購入が必要 | 無料 |
コメリ | 〇 ※対象製品の購入が必要 | 無料 |
ニトリ | 〇 ※ニトリネット限定 対象製品の購入が必要 | 小型家電まとめて回収 一括1,990円(税込) |
上記の表で確認できるように、回収する品目によっては数百円~2,000円程度の処分費用がかかったり、お店によっては回収に対応していなかったりするなど店舗ごとに回収品目や費用、回収方法には違いがあるため注意が必要です。
持込前には一度、利用店舗に問い合わせて確認しておくのをおすすめします。
⑤リサイクルショップに売却する
状態の良い小型家電をお持ちなら、捨ててしまうよりもリサイクルショップで買い取ってもらうのをおすすめします。
- Panasonic(パナソニック)
- SHARP(シャープ)
- TOSHIBA(東芝)
- YAMAZEN(山善)
- IRIS OHYAMA(アイリスオーヤマ)
- dyson(ダイソン)
- BALMUDA(バルミューダ )
上記のような国産メーカー・海外有名メーカーの製品や、最新モデルの小型家電は高価買取が期待できます。
リサイクルショップでは持込買取のほか「宅配買取」「出張買取」を実施しているので、自分の利用しやすい方法で査定を受けてみてはいかがでしょうか。
ただし、リサイクルショップで買い取ってもらえるのは製造から5年~7年以内の比較的新しいモデルの小型家電のみという点に注意が必要です。
- セカンドストリート:家電は10年以内に製造されたものが買取対象
- ハードオフ:基本的に製造後7年以内のものが買取対象(オーディオ製品は年式問わず受付)
- トレジャーファクトリー:製造年数が7年以内
いつか使うかも…と押し入れにしまっているうちに、小型家電の買取額はどんどん安くなってしまいます。不要になった小型家電はできるだけ早く売却し、お得に処分できるようにしましょう。
⑥フリマアプリ・ネットオークションに出品する
「製造年数が古い」「使用感がある」といった理由でリサイクルショップで買取不可になった小型家電でも、フリマアプリ・ネットオークションなら売れる可能性があります。故障したものでもジャンク品として買い取ってもらえることもあるため、どんなものでも一度出品してみるのがおすすめです。
【メルカリでの出品の手順】
- 利用登録をする
- 商品写真の登録や商品詳細の入力を行う
- 配送方法や販売価格を設定する
- 「出品する」をタップ
- 取引成立
- 「コンビニ/ATM払い」の場合は購入者が支払いを完了するのを待つ
- 商品を梱包し、発送する
- 購入者の受取評価を待つ
- 購入者を評価し、取引完了
便利なフリマアプリ・ネットオークションですが、出品したからといってすぐに売れるわけではないので、急ぎで処分したい場合には不向きな手段です。販売価格を相場より安くすればそのぶん買い取ってもらいやすくなりますが、送料や手数料を差し引くと損になる可能性もあるため注意しましょう。
⑦譲渡する・ジモティーを使う
小型家電をもっと手軽に処分したい!ということであれば友人や知人に譲って使ってもらうという手段もあります。身近な人に手渡しできれば梱包も発送も必要ないので、一番手軽な手段と言ってもいいかもしれません。
身近で譲り先が見つからない場合は、地元の掲示板「ジモティー」を利用してみるのもいいでしょう。
ただし、お譲りする小型家電は「使用可能なもの」であることがもちろん前提条件なので、不具合があるものや著しく汚れているものをお譲りすると受け渡し当日にトラブルになる可能性も。お譲り前には小型家電の動作確認とメンテナンスを忘れず行っておくようにしましょう。
⑧不用品回収業者に依頼する
処分する小型家電が複数あったり、小型家電以外にも処分したいものがあったりすると、いちいちそれらを分別して、捨て方や捨てる日を調べて…というのは意外と面倒なもの。なかなか捨てられず放置しているという方も多いのではないでしょうか。
そんなときは、不用品回収業者を利用するのが便利です。
【不用品回収業者のメリット】
- 電話一本で自宅まで不用品を回収しに来てくれる
- 分別や運び出しなどはすべてスタッフにおまかせしてOK
- 自分の都合のいい日時に作業してもらえる
買取を実施している不用品回収業者なら、まだ使える小型家電をその場で査定して買い取ってくれます。もし買い取れないものがあったとしてもそのまま回収していってくれるので、とにかく手間をかけずに不用品を手放すことが可能です。「買取と回収を一度に済ませたい!」「時間がなくてなかなか売りに行けない」という方は一度、問い合わせて相談してみてはいかがでしょうか。
小型家電処分時によくある質問
Q すぐに回収に来てくれますか?
A. 即日、早ければ30分ほどで小型家電の回収にお伺いいたします。 当社ではコールセンターを設置し、GPSを搭載したすべてのトラックの位置情報を把握しております。 運搬状況によって回収にお伺いするまでの時間に変動がございますので、お電話、またはホームページからご相談ください。
Q 小型家電1つだけや少量の回収でも対応してもらえますか?
A. 小型家電お一つだけや少量の回収でも対応いたします。 近くで回収しているトラックに伝達し、他のお客様の不用品と一緒に回収することで、お一つだけでも低料金でのサービス提供をさせていただいています。 ただし、小型家電以外の不用品も合わせて回収させていただくと、よりお得に処分できますのでぜひご検討ください。
Q 見積もりが希望と違う場合は断ってもいいですか?
A. 当社は、お見積もりは無料でご利用いただけます。 小型家電回収におきましても、提示させていただく料金がお客様のご希望に沿わない場合はもちろん断っていただいて構いません。 ぜひ、お気軽にご相談ください。
Q 壊れた小型家電も回収してもらえますか?
A. もちろん、回収可能でございます。 壊れた小型家電でも問題なく回収いたしますのでご安心ください。
Q 土日祝日でも対応可能ですか?
A. 弊社では、土日祝日にも小型家電を始めとする不用品の回収作業を承っております。 ただし、他のお客様からのご依頼で混みあう恐れもございます。 お早めにご予約いただけますと幸いです。
Q まだ使用出来る小型家電は買取してもらえますか?
A. はい、当社スタッフが査定いたしまして、買取可能と判断した場合、買取させていただきます。 もし買取不可であった場合でも、回収は可能ですので処分にお困りでしたらお気軽にご相談ください。
小型家電処分時の注意点
ここでは、小型家電を処分する際の注意点を解説します。知っておかないと損をしたりトラブルになったりする可能性もありますので、処分前には一度目を通してみてください。
個人情報の取り扱いに注意
パソコンやスマホ、ゲーム機などの小型家電には、写真や動画、氏名や住所、クレジットカード情報など重要な個人情報が記録されています。そのまま捨てたり売ったりすると個人情報の流出や悪用などトラブルに発展する恐れがありますので、処分前には内部に残ったデータはすべて消去するようにしましょう。
初期化やデータの移行方法は、製品やメーカーごとに異なります。取扱説明書やメーカーのホームページを確認しつつ、作業を行ってください。
パソコンはごみにだせない
パソコンは小型家電リサイクル法の対象製品ですが、同時に資源有効利用促進法によって指定再資源化製品にされている家電でもあります。そのためほかの小型家電のように自治体で不燃ごみや粗大ごみとして捨てることができないので注意してください。
パソコンの処分は、パソコンメーカーの無料回収を利用するのが一般的ですが、そのほかにも「環境省・経済産業省認定事業者による回収」「小型家電回収ボックス」などいくつか方法があります。
詳しくは以下の記事でも解説しているので、処分前には一度チェックしてみてください。
電池やバッテリーは取り外してから捨てる
電池やバッテリーが内蔵されている小型家電は、そのままごみとして捨ててしまうと爆発や火災を引き起こす恐れがあります。必ず本体から取り外して、個別で処分するようにしましょう。
取り外した電池やバッテリーは、端子部分をテープで絶縁してから「不燃ごみ回収」や「電池の一括回収」、「回収ボックス」などを利用してごみに出すことができます。ただし、分別方法や捨て方は自治体ごとに異なるため、まずはお住まいの自治体のルールを確認しましょう。
電池の処分については以下の記事でも詳しく解説しています。処分時には参考にしてみてください。
業務で使用した小型家電はごみに出せない
事業で使用した小型家電はほとんどの自治体で「産業廃棄物」として扱われ、自治体でごみに出すことができません。業務用でなく家庭用の小型家電であっても「産業廃棄物」に分類されるため、処分時には注意が必要です。
産業廃棄物となった小型家電は、自治体が指示している処理方法に従って処分を行います。不明点があるなら直接自治体に問い合わせてみて、確実に処分ができるようにしておきましょう。
参考:環境省|小型家電リサイクル法ガイドブック
まとめ
小型家電は小型家電リサイクル法に則り、適切に処分を行う必要があります。限りある資源を有効活用するためにも、まずは自治体の無料回収での処分を検討しましょう。
もし「小型家電回収が利用できない」「すぐに処分したい」ということでしたら、おすすめなのは不用品回収業者を利用する方法です。
- 電話一本で自宅まで不用品を回収しに来てくれる
- 分別や運び出しなどはすべてスタッフにおまかせしてOK
- 自分の都合のいい日時に作業してもらえる
- その場で査定もしてくれる
業者の多くは無料の見積もりを実施しています。不用品の処分にお困りでしたら一度、問い合わせをしてみてはいかがでしょうか。
弊社「出張回収センター」でも小型家電をはじめとしたさまざまな不用品の回収・買取を行っています。
小型家電やそのほかの不用品の処分にお困りでしたら、ぜひご相談ください!