主に油や薬品、塗料が入った一斗缶ですが、捨てるときに「何ごみなの?」と迷うことも多いのではないでしょうか。
業務用としてのイメージが強い一斗缶ですが、一般の人にも購入可能なため、DIY用として塗料を一斗缶で買うという人もいます。
また、「せんべい」「おかき」のようなお菓子や、「洗剤」「食用油」などを家庭で購入する方も。
そこで今回の記事では、一斗缶の処分方法や、余ってしまった中身の捨て方についてもご紹介します。
一斗缶の基本情報
そもそも一斗缶とはどのようなものを指すのでしょうか。
一斗缶(いっとかん)とは、塗料や油が入った角形の金属缶のことで、「石油缶」とも呼ばれます。
また、一斗缶の「斗」というのは体積の単位の一つであり、1斗は18.0391リットル。
容量が約18リットルであることから、「18リットル缶」というのが正式名称です。
ちなみに一斗缶の半分ほどの大きさのものは「半缶(半斗缶)」と呼ばれています。
中身や用途はさまざま
冒頭でもお伝えしたとおり、一斗缶の用途は「業務用」が一般的です。
例えば塗料や溶剤などは一斗缶に入れられていることが多いですが、一般の人でもホームセンターやネット通販などで購入可能です。
ほかに食品を入れるためにも一斗缶が使用されています。
醤油や食用油といった液体や、お菓子、牡蠣など、どんなものにも対応ができると言われています。
丈夫な一斗缶
一斗缶の主な素材は「ブリキ」や「ティンフリースチール(TFS)」など。
軽くて丈夫で、遮光性・密封性に優れており、さらにリサイクル性が高いことから幅広く使用されています。
また最近ではアウトドアブームもあり、一斗缶で燻製器やロケットストーブを作る人も。
丈夫な一斗缶は焚火や炭作り、炭入れとしても使えるため、災害時にもおすすめです。
一斗缶の処分方法は「業務用」か「家庭用」かがポイント
一斗缶を処分するには「業務用」か「個人用」であるかが重要になります。
業務用とは「事業活動で一斗缶を使用した」ということ。
該当する場合は「事業系ごみ」となり、家庭ごみのように自治体に収集してもらうことができません。
事業系ごみで一斗缶を捨てる場合
事業活動で使用された一斗缶は「事業系ごみ」となり、「産業廃棄物」に分類されます。
産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じた廃棄物処理法で規定される20種類の廃棄物のこと。
そのうちさらに「あらゆる事業活動に伴うもの」と「特定の事業活動に伴うもの」の2つに分類されますが、「あらゆる事業活動に伴うもの」には以下のようなものがあります。
産業廃棄物の種類 | 産業廃棄物の例 |
---|---|
燃えがら | 石炭がら・灰かす・焼却炉の残灰・炉清掃排出物等 |
廃油 | 動植物性油・鉱物性油・溶剤等 |
金属くず | 空き缶や鉄くず・非鉄金属くず・廃金属製品等 |
ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず | 空きビンや廃ガラス製品・廃陶器製品・廃石膏ボード・レンガくず等 |
一斗缶は空き缶や鉄くずと同様に、「金属くず」に分類されるでしょう。
産業廃棄物の処分は「産業廃棄物処理業者」へ依頼する
産業廃棄物の取り扱い(保管・収集運搬・処分)には許可や資格、適切な施設や車両が必要です。
そのため一斗缶を事業者が処分する場合、産業廃棄物収集運搬業者へ依頼し、回収・処分してもらわなければなりません。
産業廃棄物業者へ依頼するときは以下の点に気をつけてください。
- 産業廃棄物処分業の許可がある業者を選ぶ
- 産業廃棄物管理票(マニフェスト)を発行してもらう
マニュフェストとは、産業廃棄物の適正処理ができているか確認するための書類のことです。
もしもマニュフェストの発行をおこなわずに産業廃棄物を処分した場合、法律違反となり罰則の対象となるため注意しましょう。
家庭で一斗缶を処分する方法
ここからは家庭で出た一斗缶の処分方法をお伝えしていきます。
方法によってメリット・デメリットがありますので、状況に合わせて最適な方法を選択してください。
処分方法1.自治体で捨てる
一斗缶は自治体で「不燃ごみ」や「資源ごみ」、「粗大ごみ」として捨てることができます。
いずれも「中身を空にした状態で」自治体の指示に従い、出すようにしましょう。
お伝えしたように、一斗缶は「スチール」や「ブリキ」などでできていることが多く、「缶」として分類されています。
これらの素材はリサイクルが可能であることから、多くの自治体では「資源ごみ」として回収し、再利用する動きが多くなっています。
ただし、一斗缶は「塗料」や「薬品」が入っていることも多く、その場合はリサイクルできずに「不燃ごみ」となる場合もあるため注意しましょう。
一部の自治体での一斗缶の処分方法をご紹介します。
自治体名 | 一斗缶の処分区分 |
---|---|
東京都港区 | 不燃ごみ |
神奈川県横浜市 | 粗大ごみ |
愛知県名古屋市 | 資源ごみ ただし、食品・飲料用以外は不燃ごみで出す |
大阪府大阪市 | 資源ごみ ただし、薬品や塗料の入った缶は、購入店・販売店やメーカーなどに相談 中身が残り、落ちない場合は「普通ごみ」で出す |
京都府京都市 | 粗大ごみ |
✔粗大ごみで捨てる場合は自治体へ申し込みを
一斗缶は自治体によっては「粗大ごみ」で捨てることになりますが、粗大ごみとして捨てるには自治体へ申し込みが必要になることがほとんどです。
申し込み方法や粗大ごみの回収ルール、出し方などは自治体によって異なるため、確認しておきましょう。
また、粗大ごみは「不燃ごみ」や「資源ごみ」とは違い、費用がかかります。
費用は自治体によって違いますが、一斗缶の場合は数百円程度と比較的安い値段で回収してもらえるでしょう。
一般的な粗大ごみの利用手順をご紹介します。
- 自治体のホームページや電話から申し込みをする
- 手数料納付券(シール)をスーパーやコンビニなどの指定販売店で購入する
- シールに受付番号や氏名などの必要事項を記入し、一斗缶に貼る
- 指定された日時に指定場所へ出す
✔自治体にあるごみ処理施設へ持ち込むこともできる
一斗缶を不燃ごみや粗大ごみで捨てる場合、多くの自治体では回収日が一か月に1~2回と少ないため、すぐに捨てることができません。
車をお持ちの方であれば、自治体にあるごみ処理施設へ直接ごみを持ち込む方法もあるため、検討してみましょう。
この方法はごみ処理施設の営業時間内であれば、自分の都合に合わせていつでも利用することができます。
また、戸別回収のようにごみ一つずつに申し込みが必要になるわけではなく、重さで料金を支払うため、量が多い場合はお得に処分できるでしょう。
利用手順については自治体のごみ処理施設によって異なりますが、戸別回収とは違い事前予約が不要であることも多いです。
ただし、受付は必要になり、費用もかかりますので利用方法を確認しておきましょう。
処分方法2.専門業者に引き取ってもらう
一斗缶はリサイクルができる素材であることから、回収を引き受け、リサイクルをおこなっている専門業者もあります。
「全国18リットル缶工業組合連合会」では、個人の家から出た一斗缶についても回収をおこなっているため、たくさん処分したい場合や自治体での回収が困難な場合などは利用を検討してみてください。
ただし、回収には条件があり、対象は「塗料、化学工業品、油脂、油糧、食料品、石油等の容器として用いられている金属製の18リットル缶及び鋼製ペール缶」となります。
また、当然ですが中身が残っている場合は回収してもらえません。
ほかに手続きなどもあることから、多少手間や時間がかかることを想定して利用しましょう。
処分方法3.売って処分する
一斗缶は資源としての需要があるため、買取をおこなっている業者もあります。
買取をしている業者は主に「鉄スクラップ卸売業者」や「製鋼化加工所」など。
お近くにこのような買取業者がないか検索してみるとよいでしょう。
利用方法は持ち込みが基本ですが、一斗缶の量が多いには自宅まで引き取りに来てもらえる場合もあるため、問い合わせてみてください。
ほかにも、フリマアプリやネットオークションなどを利用して処分する方法もあります。
アウトドア用品として人気のある一斗缶は、空容器だけ欲しいという人もいますので、処分までの時間がかかってもよいという人は出品してみてはいかがでしょうか。。
処分方法4.不用品回収業者へ依頼する
「一斗缶の中身ごと処分したい」「一斗缶以外にも処分したいものがある」という方は、不用品回収業者へ依頼するのがおすすめです。
不用品回収業者は不用品を回収・処分してもらえる民間の業者で、自宅まで引き取りにきてもらえるという特徴があります。
不用品の分別をする必要がなく、そのままの状態で回収してもらえるため、一斗缶の中身を処分したり、缶を洗ったりする手間もありません。
回収日時についてもこちらの希望に合わせてもらえるので、土日や祝日、早朝や夜間なども対応してもらえます。
ただし、不用品回収業者の利用には費用がかかり、回収費用以外にも人件費や車両費などが発生することも。
そのため、一斗缶1点だけの利用ではなく、ほかの不用品も一緒に依頼するほうがお得に利用できるでしょう。
また、事前に見積もりを取り、サービス内容や費用についても確認しておくと安心です。
一斗缶を捨てるときの注意点
一斗缶を処分する際には、以下の点に注意しましょう。
中身を処分してから捨てる
一斗缶を処分する場合は、基本的にどの方法であっても中身を空にしなければ処分ができません。
できれば空にしたあとに中を水ですすいだり、布で拭き取ったりしてキレイにしてから処分するようにしましょう。
一斗缶の状態によってはリサイクルができない
一斗缶は状態によってはリサイクルができないため、捨て方が異なる場合もあります。
例えば錆びてボロボロになった一斗缶や、中に入っていた塗料が固まってしまった場合などは、不燃ごみになる可能性が高くなります。
お持ちの一斗缶が何ごみになるか不明な場合は、自治体へ問い合わせてみてください。
無理に潰して捨てない
一斗缶は大きくてかさばるため、潰してから捨てようと考える方もいます。
結論から言うと一斗缶を潰すことは可能ですが、潰すためには道具や労力が必要で、ケガをするおそれもあるためおすすめできません。
潰さなくても回収してもらえることがほとんどですので、無理に潰さないほうがよいでしょう。
中身の処分は適切に
一斗缶の処分時に中身が入っていた場合、まずは中身の処分もおこなわなければなりません。
油や塗料などの液体の場合は、新聞紙や雑巾、ホームセンターなどで売っている吸着マットに吸わせて、可燃ごみで捨てましょう。
もしも残っている液体が多い場合は、固化剤を使用してから捨てると簡単です。
これらの液体は排水溝に流すと環境汚染に繋がるおそれがあるため、適切に処分するようにしてください。
・「ペンキの処分方法」「油の処分方法」については、別ページにてご紹介しています
一斗缶の処分でよくある質問
Q.自分で運べないほど大量にありますが回収してくれますか?
A.出張回収センターは不用品の数量に制限を設けておりません。
一斗缶が大量にある場合でも車両やスタッフの数を増やして対応させていただきますのでお気軽にお問い合わせください。
逆に1個か2個ほどの少ない数でも回収のご依頼を受け付けております。
Q.マンションの6階に住んでいますが回収可能でしょうか?
A.お客様のお住まいを問わず回収作業は可能です。
マンションの上層階にお住まいになられているお客様からのご依頼にも対応しておりますが、エレベーター使用の可否や回収する一斗缶の数量によってはスタッフを増員することになり、その分だけ費用が加算されることをご了承ください。
Q.一斗缶がひどく汚れていますが回収できますか?
A.不用品の状態を問わず回収可能ですが、一斗缶の中に塗料などの液体が入っている場合はお手数おかけしますが、予め取り除いていただくようお願いいたします。
出張回収センターでも代行して液体の処分まで行える場合もございますので、一度ご相談ください。
Q.日中は忙しいので夜間に来てほしいのですが可能ですか?
A.ご安心ください。
出張回収センターはお客様が希望される日時に合わせて回収作業を行っております。夜間指定のご依頼にも対応しておりますのでお気軽にお問い合わせください。
静かで迅速な作業を行いますので近所迷惑になることはございません。
土日祝日のご依頼も受け付けておりますのでご不明な点はお気軽にお問い合わせください。
Q.引っ越しをするので急いで処分して欲しいです。
A.お客様からのご依頼を受け付けた当日に不用品を回収することも可能でございます。
出張回収センターは常に複数の車両を巡回させておりますので、お客様のご自宅からもっとも近い位置にいる車両を手配できるようになっております。
一斗缶・中身の液体の処分は不用品回収業者がラク
今回は一斗缶の処分方法についてご紹介してきました。
基本的には自治体での処分が可能ですが、「中身を空にする」「状態によって分別区分が異なる場合がある」といったルールがあり、場合によっては洗浄する必要もあるため注意しましょう。
また、一斗缶は自治体以外での処分方法が多いとは言えません。
業者でリサイクルしてもらったり、買い取ってもらう方法もあるとは言え、時間や労力がかかる可能性もあります。
お持ちの一斗缶が大量にある場合や、中身が残ったままの一斗缶を簡単に捨てたいときには、不用品回収業者がおすすめです。
どんな一斗缶でもそのまま回収してもらえますし、依頼後すぐに対応してもらえるため、手間や労力がかからないのが大きなメリット。
一斗缶と一緒にほかの不用品も処分してもらえるので、まとめて依頼してみましょう。
当社「出張回収センター」でも一斗缶の回収をおこなっています。
「産業廃棄物運搬処理業」の許可も保有しているため、事業から出たごみの回収も可能です。
対応地域であれば最短30分でかけつけ、その場での回収ができる場合もありますので、まずはお気軽にご相談ください。