
皆さんは余った灯油をどのように処理していらっしゃいますか?
使いきれなかった灯油は来シーズンに持ち越そうとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、灯油は保管方法次第で簡単に劣化してしまうものです。
劣化した灯油を使用してしまうと、場合によっては不完全燃焼による事故や暖房器具の故障につながることもありますので、早めに処分することが重要になります。
しかし、いざ処分しようと思っても、どう処分していいのかわからない方も多いでしょう。
そこで今回は灯油の処分方法について解説していきます。
灯油は「特別管理産業廃棄物」に指定されている廃棄物で、適切な処理が求められます。
処分時の注意点から灯油の使用期限、劣化の見分け方についてまで役立つ情報をまとめてお伝えしますので、処分の際にはぜひ参考にしてみてくださいね。
▼この記事でわかること
- 灯油の正しい処分方法
- 灯油を処分する際の注意点
- 灯油の使用期限
- 灯油をこぼした際の対処法
灯油の処分方法は5通り

灯油の処分方法は、主に以下の5つが挙げられます。
- 劣化する前に使い切る
- 布や紙に染み込ませ「可燃ごみ」として処分する
- ガソリンスタンドに引き取ってもらう
- ホームセンターに引き取ってもらう
- 不用品回収業者へ依頼する
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
①劣化する前に使い切る
もっとも手軽な方法なのが、ストーブやファンヒーターといった暖房器具を使用し灯油を使い切る方法です。
単純ですが、使い切ってしまえば処分する手間も費用も必要ありませんし、余ってもったいない、ということもありませんよね。
灯油がほんの少しだけ残ってしまっているという場合は、空焚きするのもおすすめです。
灯油の量が多いと長時間空焚きする必要がありますので、ごく少量の灯油が残った際に行うのがいいかもしれません。
ただし、空焚きをするとタールの独特な臭いが強くなるため、体調が悪くなってしまうことも考えられます。
空焚きの際には必ず換気を怠らないようにすることが重要です。
暖房器具の中に灯油を残したままにしていると、故障の原因になることもあります。
毎シーズンで残さず使い切ってしまうことは暖房器具の寿命を延ばすことにもつながりますので、できるだけ使い切るよう心がけましょう。
②布や紙に染み込ませ「可燃ごみ」として処分する
残った灯油の量が50~100㏄ほどの場合は、布や新聞紙に染み込ませてから「可燃ごみ」として捨てる方法もあります。
ただし、灯油は環境省により「特別管理産業廃棄物」に指定されているため、自治体によって扱いや管理についてさまざまな基準が設けられている点には注意が必要です。
以下は、灯油の処分について記載のあった自治体の一例です。
自治体名 | 分別区分 | 備考 |
---|---|---|
愛知県名古屋市 | – | ・販売店に相談 |
長野県長野市 | 集積所に出せないもの | ・少量なら紙や布に吸わせて可燃ごみとして出せる |
東京都江東区 | 収集不可 | ・専門業者に依頼 |
大阪府大阪市 | 収集しないもの | ・販売店、ガソリンスタンドなどに相談 |
見ていただくとわかるとおり、少量なら収集可能な場合もあるものの、ほとんどの自治体では販売店や専門業者への相談を促しています。
なお、少量の灯油を可燃ごみとして処分する場合は、火災を防ぐため厳重に布や新聞紙でくるんで小袋に入れてから破棄しましょう。
③ガソリンスタンドに引き取ってもらう
大量に残った灯油の処分方法でもっとも一般的なのは、ガソリンスタンドへの持ち込みです。
持ち込む手間はかかるものの、灯油を販売しているガソリンスタンドなら多くの場合問題なく引き取ってもらえます。注入用ノズルや吸引ポンプを外して、ポリタンクは密栓してから持ち込みましょう。
ただし、すべてのガソリンスタンドで引取対応しているわけではありませんし、引取の際の料金も店舗によって異なります。
せっかく重い灯油を苦労して持ち込んでも、引き取ってもらえないとなれば無駄足となってしまいますので、持ち込む前にあらかじめ問い合わせしておくと安心です。
④ホームセンターに引き取ってもらう
ガソリンスタンドのほかにホームセンターで引き取ってもらうのも手軽でいいかもしれません。
普段利用している店舗なら、灯油の引取も安心して依頼できるでしょう
以下は、灯油の引取について記載のあったホームセンターの一例です。
ホームセンターでは石油ストーブやファンヒーター本体の引取は行っているものの、余った灯油の回収を依頼できる店舗はごく一部です。
また、店舗での灯油の購入が条件となっていたり、自分で持ち込む必要があったりと不便な点もデメリットと言えます。
お近くに引取サービスが利用できる店舗がない場合や、持ち込むのが難しい場合には別の方法を検討しましょう。
⑤不用品回収業者へ依頼する
「近くに灯油を引き取ってくれる店舗がない」「余った灯油が大量にあって困っている」といった場合には、不用品回収業者への依頼がおすすめです。
不用品回収業者に依頼すると以下のようなメリットがあります。
- 回収できる量に制限がない
- 重い灯油も運ぶ必要がなく、即日処分できる
- 自分の都合に合わせて回収に来てもらえる
- 売却・廃棄を同時に済ませられる
不用品回収業者の強みはなんと言っても即日対応可能な点です。
電話1本で自宅まですぐに回収に来てもらえるので、忙しくて灯油を持ち込む時間が取れない場合や、急ぎで処分したい場合には大変便利です。
少量の灯油であれば難なく持ち運びできるかもしれませんが、大量の灯油を持ち運ぶとなると車が必要となるだけでなく、かなりの労力を必要としますよね。
そんなときに頼りになるのが不用品回収業者です。
不用品回収業者の場合、重いもの・大量の不用品はもちろん、ごみの分別が済んでいない状態であってもそのまま回収し、適切に処分いたします。
その上、ジャンルを問わず家中の不用品を回収でき、価値のあるものは「買取サービス」を利用しその分回収費用を値引くことも可能です。
回収品が多いほど1点1点にかかる費用がお得になるため、複数まとめて回収を依頼するのがおすすめです。
不用品回収業者では、灯油の回収をはじめ、以下のような廃材・廃液の回収・買取を承っております。処分を検討する際にはぜひ一度ご覧になってみてくださいね。
- レンガの正しい処分方法!注意点や大量のレンガの捨て方も解説
- 余ったペンキの処分方法!引き取りは可能?一斗缶の廃棄や注意点も解説
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- 肥料の正しい捨て方7選|ごみとして処分できる?処分の際の注意点は?
- 産業廃棄物を安全に処分する3つの方法!業者の選び方・注意点まで解説
多くのメリットがある不用品回収業者ですが、残念ながら中には悪質な業者も存在しています。
実際に「作業後の過請求」「回収品の不法投棄」といったトラブルも頻繁に起きているため、依頼するのが不安に感じる方も多いかもしれません。
優良な業者では「無料回収」を謳うことや、「地域を回って不用品を回収する」といったことは一切しません。
ホームページで業者の業歴や実績を確認し、可能であれば3社程度見積もりを取ってから依頼すると安心です。
悪徳業者の特徴や見分け方についてや、安心して依頼できるおすすめの不用品回収業者については以下のページにて紹介しています。業者選びの際の参考になるかと思いますので、利用を検討される場合はぜひ参考にしてみてください。
灯油を処分する際の注意点

お伝えしたように、灯油は「特別管理産業廃棄物」に指定されており、誤った方法で廃棄すると火災の原因にもなるため、安易に廃棄することはできません。
ここでは灯油を処分する際に注意すべき点について解説していきます。
余った灯油を土に埋めるのは絶対にNG
余った灯油がたとえ少量でも土に埋めるのは絶対にやめてください。
灯油は生態系や土壌を汚し、環境汚染につながります。
何も栽培されていない土地や所有地であっても、環境への影響がまったくないとは言い切れません。
土中に樹脂性の管が使用されていると腐蝕する可能性があり、地下水を汚染する危険性もあります。
このような理由から、灯油を埋めるという行為は避けましょう。
下水や河川に流すのもNG
土に埋めるのと同様に、余った灯油を下水に流すのも絶対にやめてください。
下水に流した場合、灯油が下水道管の中で爆発を起こす恐れがあります。
下水道管は修理費もかかるため、高額な損害賠償が請求されることになります。
また生態系に悪影響を及ぼしてしまいますので、河川に流すのもNGです。
万が一見つかった場合、罪に問われるだけでなく、灯油を除去するため多額の費用の支払いを命じられます。
灯油は凝固剤で固めてはいけない
調理油を捨てるときに使う凝固剤を灯油に使用して処分しよう、とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、凝固剤の使用はやめましょう。
凝固剤は温めた油に入れることで薬剤を溶かし、その後冷める過程で固まるようにできています。
しかし、灯油は40度程度で引火してしまうため、凝固剤を使用できる温度まで上げるどころか、火災のリスクが非常に高く危険です。
凝固剤の使用は灯油の処分において適切ではありませんので、絶対にやらないようご注意ください。
暖房器具を使用せず燃やすのは非常に危険
暖房機器を使用せず灯油を燃焼させることは、非常に危険な行為なため絶対にやめてください。
火災の恐れだけでなく、健康被害・環境被害のリスクなど、さまざまな危険性があります。
灯油は引火性に非常に優れているため、一度燃えだしてしまうと自力で消し止めるのは難しいでしょう。
ご自宅だけでなく近隣住居への引火、植物へと燃え移り山火事へと被害が大きくなってしまう恐れも。
これらの危険性を考慮し、多少面倒であっても安全な方法で灯油を処分しましょう。
灯油を長年放置しない
灯油が残った場合は、できるだけ早めに処分を心がけましょう。灯油を長年放置していると変質を起こし、通常の灯油よりも処分に手間がかかってしまいます。
お伝えしたように灯油は40度を超えると引火する可能性がありますので、放置しておくことで火災の原因になってしまう恐れも。
また、独特な臭いを発し近所迷惑になることもあるため、放置するのではなく早めに処分が望ましいでしょう。
灯油の使用期限はどれくらい?

多くの販売店では安全性を考慮し、「灯油は6ヶ月程度が使用期限」としていますが、実は灯油には明確な使用期限はありません。
保管状態がよければ何年経っても使用可能であり、その一方で保管状態が適正でなければ半月ほどで劣化してしまうこともあります。
- 日光、紫外線、温度、水分、空気が適正な状態に保たれていること
- 保管に適した容器を使用していること
これらが守られていない状態で保管された灯油は劣化してしまいますので、保管の際はくれぐれもご注意ください。
灯油の変質を確認する方法
どんな状態だと劣化し、変質した状態なのかも気になりますよね。
以下を確認すれば変質しているかどうか簡単に判断できますので、ぜひ参考にしてみてください。
見た目
確認したい灯油を透明な容器に少量入れます。
灯油は無色透明ですので、水と比較して同様の無色透明な状態であれば問題ありません。
反対に少しでも色がついていると感じるなら、その灯油は変質しています。
このとき、水が混入していないかも確認しましょう。
灯油は無色透明であっても水と分離するため、見た目で混入しているかどうか判断できますので、混入が確認できた場合は使用せず処分してください。
臭い
灯油にはもともと薬品臭とも言える、特有の臭いがあります。
それが変化し、酸っぱい感じ、もしくは刺激が強く感じるようであれば、変質しています。
変質した灯油を使うとどうなる?
そもそも暖房器具は正常な灯油を使用することを前提として設計されているので、変質した灯油では正常に動作しない可能性があります。
動作しない、消化できない、といった異常だけでなく、不完全燃焼を引き起こし一酸化炭素中毒になってしまうこともあり非常に危険です。暖房器具の故障にもつながりますので、おかしいと感じた灯油は使用しないようにしましょう。
去年の灯油は使わないほうがいい?
一見すると目立った変質や不純物がないように見えても、昨シーズンから保管していた灯油を使用するのは危険です。
国民生活センターのホームページでも、古い灯油を使って暖房をつけようとして新品のストーブやヒーターが故障してしまった事例が紹介されています。
できる限り灯油はシーズン内で使いきり、余ったぶんは適切な方法で処分しましょう。
灯油をこぼしたときの対処法

灯油を処分する際、うっかりこぼしてしまった…!なんてこともありますよね。
灯油をこぼしてしまった場合は、速やかに清掃することが重要になります。灯油は火災のリスクがあるため、落ち着いてすぐに拭き取り、その際には必ず換気してください。
拭き取りには、
- 新聞紙
- 乾いた布(雑巾・使い古した衣服)
- 小麦粉
上記の3点が使用できます。
拭き取る際はごしごしと擦らず、上から押さえて染み込ませるように拭き取りましょう。
拭き取りに使用した布や紙は完全に乾かした後、火気から遠ざけた風通しのいい場所で保管し、可燃ごみとして処分してください。
なお、拭き取り後に臭いが気になる場合は食器用洗剤やアルコール消毒が有効になります。灯油が手についてしまった場合にも活用できますので、灯油を扱った際にはぜひ試してみてくださいね。
灯油の処分時に出やすい不用品

灯油を処分する際に、灯油の入っていたポリタンク、一斗缶もまとめて処分したいという場合もあるかもしれません。
これらの関連製品の分別区分は以下のとおりです。
関連製品 | 分別区分 |
---|---|
ポリタンク | 不燃ごみ 大きさによっては粗大ごみ |
一斗缶 | 資源ごみ・不燃ごみ 大きさによっては粗大ごみ |
灯油ポンプ | 可燃ごみ・不燃ごみ 大きさによっては粗大ごみ |
なお、上記はあくまで一例ですので、詳細は自治体にてご確認ください。
弊社では関連製品である一斗缶の処分をはじめ、そのほかさまざまな廃材・廃液の処分について解説しております。処分の際にはぜひ参考にしてみてくださいね。
灯油の処分でよくある質問

Q.ポリタンク1つ分の灯油なのですが回収に来てくれますか?
A.もちろんポリタンク1つ分の灯油でも回収可能です。お見積もりはラインやメールでも受け付けております。お気軽にご利用ください。
Q.事前に伝えた量より処分して欲しい灯油が増えてしまったのですが、大丈夫ですか?
A.回収する灯油の量が増えても減ってもまったく問題ございません。変更があった場合には再度見積もりし、回収費用をご提示いたします。その後お客様にご納得いただけましたら回収作業を開始いたしますので、安心してご利用ください。
Q.灯油を一か所にまとめておいたほうがいいですか?
A.いいえ、その必要ございません。灯油を保管してある場所をご案内いただければスタッフがすべて運んで回収いたします。お客様にしていただく作業は一切ございませんので、くつろいでお待ちください。
Q.夜間しか時間が取れませんが灯油の回収をお願いできますか?
A.通常、営業時間は19時までとなっておりますが、弊社の営業時間とお客様のご都合が合わない場合は、時間外でも対応いたします。
なお、その際はトラックの手配およびスタッフなどを調節する必要がございますので、営業時間外での灯油の回収をご希望の場合はなるべくお早めにご相談くださいませ。
まとめ

今回は灯油の処分方法について解説してきました。
灯油は自治体での処分が難しく、適切な処理が求められる廃棄物です。
誤った灯油の扱いや捨て方をすると、環境を破壊するばかりでなく、思わぬ事故につながってしまうことも忘れないようにしましょう。
「近隣で灯油を引き取ってもらえない」「灯油を運搬する手段がなくて困っている」なら、不用品回収業者が便利です。
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