身近なものの中では空き缶やネジ、釘などが該当する「鉄くず」。
鉄をはじめ、私たちの身の回りでは多くの金属類が存在しています。
単純に鉄だけでできていれば問題ないのですが、鉄以外の成分が混在するもの…となると分別が必要になり、処分の際には頭を悩ませますよね。
ご家庭から出る鉄くずは、ネジをはじめ小さいものが圧倒的に多いかもしれませんが、中にはオフィスや工場などで使用される専門機械のような大きなもの・重たいものもあるかと思います。
「重くて自分で運べない…。」
「鉄くずが大量にある場合はどうすれば良いんだろう?」
このようなお悩みはありませんか?
そこで今回は「鉄くずの処分方法」について解説していくとともに、処分には大体いくらかかるのか、また処分の際の注意点についてもまとめてご紹介したいと思います!
別ページにて一斗缶の処分方法についても解説しておりますので、気になる方はそちらもご覧ください。
鉄くずってどんなもの?
処分方法を見ていく前に、適切な方法を選択するためにも、まずは「鉄くず」がどんなものなのか確認しておきましょう。
そもそも「鉄くず」とは?
「鉄くず」と聞くと”工場で鉄製品を加工する際に生じた不要なもの”をイメージされる方も多いかもしれませんが、実はそれだけではありません。
金属の廃棄物の中で鉄が主成分のものを「鉄くず」と言い、ご家庭から出たものでも事業で使用されたものでも、鉄製のごみであれば総じて「鉄くず」と呼ばれています。
鉄くずの種類
ひとことに「鉄くず」と言っても、その種類は多種多様です。
- 建築素材
- 自動車素材
- 機械部品
- 工具部品
- 新断スクラップ
- スチール缶プレス
- グレーチング
- ドラム缶
- ビス・ネジ・ナット・ボルト類のくず
- ワイヤー類 など
これだけの種類が存在します。
また、鉄くずとなる過程によってもさらに名称が異なり、
- 自家発生スクラップ…製鋼や製品加工の際に生じる鉄くず
- 市中スクラップ…できあがった製品から生じる鉄くず
大きく分けるとこのように分類されています。
一般のご家庭から排出されたものは、このうちの「市中スクラップ」に該当すると覚えておきましょう。
「鉄くず」はリサイクルが推奨されるごみ
鉄くずは非常にリサイクル率が高い廃棄物なのはご存知ですか?
そのリサイクル率はなんと92%にもおよび、これは産業廃棄物のリサイクル率で説明すると、がれき類の97%、動物の糞尿の95%に次いで3番目に高い数値となっています。
なぜこんなにもリサイクルされているのかと言うと、鉄という素材が大変貴重だからです。
リサイクルされた鉄くずは、家電や船、鉄道のレールや建設現場といったさまざまなことに役立ちます。
鉄くずは再加工することで何度も新しい鉄製品としてリサイクルすることができるだけでなく、ごみの排出も抑えられることから、鉄くずのリサイクルは国内で積極的に行われているのです。
「家庭で使用した鉄くず」と「事業で使用した鉄くず」とでは処分方法が異なる
鉄くずはリサイクルが推奨されているとお伝えしましたが、実際に処分するとなるとどう分別するのか分からない方もいらっしゃいますよね。
まず、一般のご家庭で出た空き缶やネジ、釘のように少量だけ鉄くずを処分したい場合は、自治体を利用し一般ごみとしての処分が可能です。
後ほど詳しく解説いたしますが、一般的には「不燃ごみ」あるいは「金属ごみ」「資源ごみ」に分類され、回収後に自治体がリサイクルに回す…という流れになります。
一方で事業所や工場などから出た鉄くず場合は「産業廃棄物」に該当するため、量に限らず自治体を利用して処分することはできず、廃棄する場合は原則「産業廃棄物収集運搬業許可」を持っている業者に依頼しなければなりません。
しかし、鉄は貴重な資源なため専門業者にて積極的に買取が行われており、事業で使用した鉄くずは業者に回収・買取してもらうことでリサイクル処分が可能です。
状況によって捨て方が違って面倒だな…と感じてしまうかもしれませんが、環境のためにも鉄くずの処分は正しく行いましょう。
鉄くずの処分方法は全部で5つ!
鉄くずがどんなもので何ごみに該当するの確認したところで、次はその処分方法についてです。
鉄くずの処分方法として考えられるのは以下の5つです。
- 不燃ごみとして処分する
- 粗大ごみとして処分する
- ごみ処理施設に直接持ち込む
- 専門業者へ買い取ってもらう
- 不用品回収業者へ回収を依頼する
それぞれの方法のメリット・デメリットについてもあわせてお伝えしますので、処分の際の参考にしてくださいね。
1.不燃ごみとして処分する
ご家庭から排出されたネジや釘といった小さな鉄くずであれば、自治体を利用し「不燃ごみ」として処分するのが一般的です(自治体によっては「金属ごみ」あるいは「資源ごみ」などと分類が異なる場合があります)。
事前に予約する必要はなく、自治体によっても異なりますが、多くの場合収集は月に1度です。
鉄くずに包丁やハサミのように鋭利なものが含まれる場合は、捨てる際にごみが危険であるとごみ袋に記載した上で処分する必要があります。
なお、事業で使用された鉄くず、規定サイズである30cmを超える鉄くずの場合はこの方法では処分できないため、ほかの処分方法を検討しましょう。
2.粗大ごみとして処分する
規定のサイズよりも大きなものや多量の鉄くずは不燃ごみではなく、「粗大ごみ」として処分してもらうことになります。
細かいルールは自治体によって異なりますが、多くの場合指定のごみ袋に入らない程度の大きさや量のことを指します。
以下に、名古屋市の場合の処分手順をご紹介いたしますので参考にしてください。
【粗大ごみを出す手順】
- ネットか電話で回収を依頼する(その際に処分料金が確定)
- 料金分の手数料納付券をスーパー・コンビニ・郵便局などで購入し処分する鉄くずに貼っておく
- 収集日当日の朝8時までに指定の場所に運び出して完了
300円〜1,500円程度の比較的安価での処分が可能ではありますが、自治体での回収は指定された収集場所へ運ぶ必要があるため大量の鉄くずを処分する際には不向きです。
なお、事業系の鉄くずは処分できす不燃ごみと同様に収集は月に1度程度の自治体が多いです。鉄くずの分別および回収する手順は各自治体によって異なりますので、必ず事前に確認してから処分するようにしましょう。
3.ごみ処理施設に直接持ち込む
できるだけ早く鉄くずを処分したい場合、ご自身で自治体のごみ処理センターへ持ち込んで処分する方法もあります。この方法であれば事業で使用された鉄くずも処分可能です。
重さによって処分料金が決まることがほとんどで、自治体によっては無料としている場合もあるため、通常の粗大ごみ収集に出すよりもさらに安く済む可能性が高いです。
ただし、粗大ごみ回収と同様にご自身で搬出し、車への積み下ろしや運搬は自力で行わなくてはいけません。
また、センターによっては持ち込みに予約が必要な場合や、本人確認が必要な場合、さらに受付時間が決まっていることもあるので事前にきちんと確認しておきましょう。
4.専門業者へ買い取ってもらう
鉄くずは再生可能な資源ですので、場合によってはスクラップ業者に買い取ってもらうことも可能です。
錆びたものでも買い取ってもらえるの?と思うかもしれませんが、鉄であれば多少錆びていても変形していても買い取ってもらえます。
ごみとして処分すると費用がかかりますが、逆に業者に買い取ってもらえばお金になるので嬉しいですよね。
しかし、あくまでリサイクルを前提としての買取なため、ひどい劣化の場合や、純粋な鉄のみでなく不純物が混じっている場合には買取ではなく廃棄となる可能性も。
さらに、事業系の鉄くずのように大量であれば良いのですが、一般のご家庭から出るような少量の鉄くずだと買い取ってもらえないこともあるため、事前の確認が必要になります。
5.不用品回収業者へ回収を依頼する
鉄くずの処分方法をいくつか見てきましたが、処分までに時間がかかったり、場合によっては利用できなかったり、思うように処分できず頭を悩ませてしまう方もいらっしゃいますよね。
「鉄くずが少なく業者から断られてしまった…。」「分別が面倒…。」「手間や時間をかけずにお得に鉄くずを処分したい!」…そんなときは不用品回収業者の出番です。
不用品回収業者に依頼するメリットは、以下のとおり。
- 事業系の鉄くずも回収できる
- 自分の都合に合わせて自宅まで回収に来てくれる
- 不用品回収・買取をすべてワンストップで行える
- 回収・買取をしてくれる業者なら、査定額を差し引いてお得に処分できる
- 買取不可な場合でも、引き取りに応じてくれる
- そのほかの不用品もまとめて処分してもらえる(まとめて処分する方がお得になる)
これだけ多くのメリットがあります。
気になる費用は?
とは言っても、心配なのは費用がどれくらいかかるのかですよね。
通常、不用品回収業者へ依頼すると、
基本料金 + 回収費用 = 支払い料金
という料金形態になっていることが多く、基本料金相場が3,000円〜と鉄くずの回収費用相場が1,000円〜となっているので、
3,000円 + 1,000円 = 4,000円〜
この程度が妥当かもしれません。
単体の回収費用だけで比べると割高に感じるかもしれませんが、まとめて不用品を処分する場合にはお得になる料金形態もあるため、鉄くず以外にもまとめて処分したい不用品が大量にある!という場合には単体で依頼するよりもずっとお得に処分できるでしょう。
また重い鉄くずも搬出から回収まですべてお願いできるため、労力は一切かかりませんし、多少費用を払ってでも急いで鉄くずを処分したい方にはぴったりの方法なのではないでしょうか?
そしてもうひとつ大きな魅力として「買取サービス」があります。
残念ながら不用品回収業者では鉄くずの買取は行っておりませんが、そのほかの不用品の中で買取可能なものがあれば買取金額と相殺し、状況によっては費用がかかるどころか無料で利用できる場合もあるのです。
悪徳業者に要注意!
しかし不用品回収業者のほとんどがこういったメリットがある一方で、中には悪徳業者も紛れている可能性があるため注意が必要です。
どういった点に気を付けるべきなのかというと、
- 「無料」を謳い文句にする。
- チラシ投函を積極的にしている。
- トラックで町を巡回している。
こういった業者は、後から高額請求してきたり、不用品回収後に不法投棄したりするケースも。
「無料回収」を謳い文句に、出張費用や運搬費用などを後から請求するという悪どい業者も少なくありません。
ましてや不法投棄の場合は、業者だけでなく依頼側も裁かれてしまうので、決して他人事ではないのです。
- 対応が丁寧
- 訪問見積もりに対応している
- 口コミが高評価
- 見積もり書が明解
- 値段交渉に応じてくれる
など、これらの条件に当てはまっている業者であればまず安心して大丈夫です。信頼できる業者であれば、楽してお得に鉄くずを処分できるでしょう。
鉄くずの処分でよくある質問
Q.今日中に回収してもらうことはできますか?
A.はい、可能でございます。
名古屋市内や近郊エリアであれば、1番近くにいるトラックをすぐにご自宅に向かわせることができ、最短30分で伺います。
ただし、ほかのご予約状況によってはお待たせすることもありますので、早めにご連絡をいただければ幸いです。
Q.土日や祝日にも対応してもらえますか?
A.もちろん対応可能です。
当社は年中無休で不用品の回収を行っておりますので、土日や祝日のご依頼も大歓迎です。平日は仕事が忙しく時間が取れないという方も、ぜひお気軽にご連絡ください。
Q.錆びて汚い鉄くずでも回収してもらえますか?
A.はい、もちろん大丈夫です。
状態に関わらずどんな鉄くずでも回収させていただきますので、安心してご依頼ください。
Q.1人では持てないほどの大量の鉄くずも回収してもらえますか?
A.弊社はお客様からのご依頼であれば回収する鉄くずの量を問わず、回収可能でございます。
出張見積もりで必要な車両やスタッフの数を算出した上で回収作業に取り掛かりますので、当日になって車両やスタッフが足りないという事態にはなりません。
また、マンションの上層階にお住まいの方からのご依頼も受け付けておりますが、階層の高さやエレベーターの使用の可否などによって必要なスタッフの人数が変わることをご了承ください。
Q.鉄くずの回収作業の際に立ち合いは必要ですか?
A.鉄くずに限らず、基本はお客様ご本人にお立ち会いしていただいておりますが、ご家族および代理人の方でも問題はございません。
状況によってはお客様がお立ち会いいただかなくても回収作業を行うことが可能ですので、事前にスタッフへご相談ください。
Q.見積もりだけで来てもらうことはできますか?
A.はい、お見積もりだけのご依頼も大歓迎です。
お客様のご都合に合わせてご自宅まで伺い、お見積もりいたします。
お見積もり後のキャンセル料金はかかりませんので、安心してご相談ください。
Q.鉄くずに該当すると思うのですが自営で使用していた機械の処分をしたいです、買取は可能ですが?
A. 弊社には買取専門事業部があり、さまざまな品目の買取を行っております。
残念ながら鉄くずとしての買取は行っておりませんが、現物を確認の上で査定いたしまして、機械として買取が可能か判断させていただきます。
買取可能な場合は回収費用と相殺しお得に利用していただけますので、まずはお見積もりからお気軽にご相談ください。
鉄くずを処分するのに必要な費用は?
全部で5つの処分方法を見てきましたが、それぞれどのくらいかかるのかも比較しておきたいですよね。
鉄くずの処分費用を処分方法別にまとめると以下のようになります。
処分方法 | 費用目安 |
---|---|
不燃ごみとして処分する | 無料 |
粗大ごみとして処分する | 300円〜1,500円 ※ 自治体によって異なる |
ごみ処理施設に直接持ち込む | 無料〜 ※ 自治体によって異なるが、重さによって決まる場合が多い |
専門業者に買い取ってもらう | 無料 |
不用品回収業者へ回収を依頼する | 4,000円〜 ※ 利用する業者・作業内容によって異なる |
見ていただくと分かるとおり、処分にかかる費用は安価なものが多いです。
しかし、必ずしも費用が安ければ良いというわけではなく、鉄くずはリサイクル可能な大切な資源なので、安全かつ正しい方法で処分することが大切になります。
処分方法でご紹介したメリット・デメリットを考慮した上で、ご自身の状況にあわせて処分方法を選択しましょう。
鉄くずを処分する際の注意点
ここまで鉄くずの処分方法やかかる費用について見てまいりましたが、最後に注意点についても確認しておきましょう。
危険性はないかしっかりと確認をする
鉄くずの中には、適正に処分しないと危険が伴うものもあり、
- 包丁・ハサミ・カミソリ・金串・刃物が付いた工具 など
- カセットボンベ・スプレー缶
- 塗料缶・オイル缶
これらは多くの場合、「危険ごみ」に該当します。
以前はスプレー缶やカセットボンベは穴を開けて処分…というのが一般的でしたが、発火や爆発といった危険性があるため、分別ルールが改正されたのは記憶に新しいのではないでしょうか?
現在は多くの自治体で、不要なスプレー缶・カセットボンベは穴を開けず、中身の見える袋に入れ「危険」と記載し集積所に出す方法へと変更されました。
また、包丁やハサミといった刃物類は、回収の際に作業員がケガをしてしまう事例が多いことから、布や新聞紙などで丁寧にくるんだ上で袋に入れ、こちらにも「危険」と記しておきましょう。
細かいルールに関しては自治体によって異なりますので、お住まいの自治体にあらかじめ確認し、安全で正しく処分しましょう。
家電リサイクル法対象の鉄くずは自分で処分できない
ご家庭から排出した少量の鉄くずは不燃ごみ、大量・大型の鉄くずは粗大ごみとお伝えしましたが、「家電リサイクル法」対象の鉄くずの場合はこれに該当しません。
家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)は、一般家庭や事務所から排出された家電製品から有用な部分や材料をリサイクルし、廃棄物を減量するとともに、資源の有効利用を推進するための法律です。
家電リサイクル法の対象となるのは以下の4品目の家電です。
- エアコン
- テレビ(ブラウン管、液晶・プラズマ)
- 冷蔵庫・冷凍庫
- 洗濯機・衣類乾燥機
これらは鉄くずとして自治体を利用し処分できません。
上記4品目を処分する場合には、家電量販店に引き取りを依頼する、または不用品回収業者などを利用し適切な方法で処分しましょう。
事業から排出された鉄くずは「産業廃棄物」になる
何度もお伝えしておりますが、事業所や工場、オフィスなどで使用した鉄くずは、「産業廃棄物」に該当し、自治体での処分はできません。
たとえ少量であっても、事業で使用した鉄くずである以上は粗大ごみをはじめ自治体のごみ回収を利用することはできませんので注意しましょう。
事業で使用して出たごみの処分が正しく行われなかった場合には業者だけでなく依頼主にも罰則が科せられ、その内容は、
- 資格を持っていない業者に産業廃棄物の処理を依頼した場合…5年以下の懲役、1,000万円以下の罰金もしくは両方
- 契約書を作成せず業者に依頼した場合…3年以下の懲役、300万円以下の罰金もしくは両方
など、非常に重いものです。
引き渡し後のトラブルを防ぐためにも、「産業廃棄物」は必ず資格や許可を得た業者に依頼しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は「鉄くずの処分方法」について詳しく解説してまいりました。
鉄くずの処分方法をおさらいすると、
- 不燃ごみとして処分する
- 粗大ごみとして処分する
- ごみ処理施設に直接持ち込む
- 専門業者へ買い取ってもらう
- 不用品回収業者へ回収を依頼する
これら5つの方法がありましたね。
さまざまな場面で再利用される「鉄くず」。
適切な方法で処分すれば、資源を無駄にすることなく、また環境への配慮にもつながります。
記事の中ではごみとして鉄くずを処分する方法のほか、業者へ売却してお得に処分する方法もご紹介しています。
状況によって選択できる処分方法が異なりますので、処分前に一度目をとおしていただき、ご自身の希望に合わせた処分方法を選べるようにしてみてくださいね。
「鉄くずを運搬する手段がない」「できるだけ早く処分したい」という場合は、不用品回収業者の利用がおすすめです。
弊社「出張回収センター」でも鉄くずを含め、さまざまなジャンルの製品の買取・回収を行っています。
分別や運び出し、積み込みなど面倒な作業はすべてスタッフにお任せいただけます。
お見積もりは無料ですので、お気軽にご相談くださいませ!
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