遺族がするもの、というイメージが強い遺品整理ですが、近年ではさまざまな理由から業者に依頼する方は増加傾向にあり、関心がある人も増えてきています。
しかし、
- 遺品整理を業者に依頼した人を身近で見つけることが難しい
- 直接口コミ情報などを聞く機会がない
- 大切な方を亡くした人にお金の話をするのはためらわれる
といった理由で、遺品整理の具体的な内容や費用を知ることができない、という方も多いようです。
今回のコラムでは、遺品整理を業者に頼んだ場合の費用の相場や、業者の選び方、もっと安く遺品整理サービスを利用する方法などをご紹介していきます。
遺品整理サービスの利用を検討中の方はぜひ、この記事を参考にしてみてくださいね。
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1.遺品整理サービスってどんなことをしてくれるの?
遺品整理サービスという言葉をよく聞くようになったものの、そもそもどんなことをしてくれるの?と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
かかる費用や業者選びのポイントをお伝えする前に、まずは遺品整理業者がどんなことをしてくれるのか、基本的なサービスの内容やオプション、また利用するメリットについて確認しておきましょう。
遺品整理サービスの基本的な作業内容
遺品整理サービスの基本的な作業内容は以下のようになっています。
- 遺品の仕分け(必要品、不要品、形見分け品と供養品など)
- 遺品の買取査定
- 不用品の分別・梱包・回収
- 不用品搬出時の家の養生
- 作業終了時の基本清掃(簡易清掃)
- 近隣対応(近隣へのご挨拶など)
- 完了報告書の提出 など
基本的には上記の内容が基本プランに含まれていることが多いですが、どこまで作業を担当してくれるのか、その範囲、また作業の内容や手順などは業者によって違いが大きい部分になります。
基本プランに含まれていると思っていたサービスがオプション扱いで、追加料金を支払うはめになってしまった、といったケースもありますので、必ず依頼前には基本プランの内容を詳しく確認しておくことをおすすめします。
オプションでしてもらえること
基本サービスのほかにも、遺品整理業者は幅広いサービスをオプションとして提供しています。
さまざまなことに対応してもらえて大変便利なサービスではありますが、利用には追加で料金がかかるため注意が必要です。
依頼を希望する場合は、事前に費用の確認を忘れずにしておくようにしましょう。
遺品整理業者が担当できるオプションサービスには以下のようなものがあります。
- 女性スタッフ指名
- 夜間作業・立ち合い無しでの作業
- 形見分けの梱包・配送
- 遺品の供養・お焚き上げ
- エアコンの取り外し
- ハウスクリーニング
- 引越し作業
- デジタル遺品の整理
- 廃車手続き代行
- 消臭除菌の作業
- 害虫の駆除
- 原状回復リフォーム
- 特殊清掃
- 除菌作業
- ごみ屋敷の片付け
- 畳の撤去
- 不動産業者の紹介
- 相続関係の専門家の紹介
- 空き家の管理・解体
- 家屋・物置・倉庫の解体
- 風呂釜の取り外し・撤去
金額は業者によって異なり、またサービスの細かい内容も会社ごとに違いがあります。
どこからどこまでが基本プランに含まれていて、どこからがオプションなのか、また作業内容と金額についてもきちんと見積もり時に確認しておくことが大切です。
遺品整理サービスを利用するメリット
遺品整理サービスの業者を利用した際、してもらえることや費用について確認しました。
では、遺品整理サービスを実際に利用した場合、どのようなメリットがあるのでしょうか?
具体的に見ていきましょう。
時間がかからない
遺品整理業者に依頼する最大のメリットは、作業の時間を大幅に短縮できるということです。
自分たちで遺品整理をした場合、遺品を残しておくか、売るか、捨てるかといった判断だけでも膨大な時間が必要になります。
そして遺品を残しておくか、処分するかの判断ができたら次は、
- 形見分けする方と連絡を取る
- 形見分けの品を梱包して発送する
- 遺品それぞれに適した売却先を探して売りに行く
- ごみの分別や回収日を確認して準備し、回収日当日に捨てに行く
といった作業に移らねばなりません。
それと並行して相続関係の手続きや不動産の売却手続き、賃貸物件であれば契約の確認など、手間のかかる作業をしなければならないこともあります。
そのため、遺品の量が少ない方でもすべての作業を終えるまでには少なくとも数日は時間が必要で、遺品の量が多い場合は長くて数か月から一年以上かかることもあります。
その点、業者に依頼すれば、遺品整理のプロが迅速に遺品整理を行ってくれます。
複数のスタッフが分担して作業を担当してくれるので、1日で作業が完了となることも多いです。
退去まで時間がない、または遠方に住んでいて作業時間に制限があるという方には特に業者の利用がおすすめです。
経済的な負担の軽減も
遺品整理サービスを利用したいけれど、費用がネックという方は多いかもしれません。
しかし、遺品を置いてある場所が賃貸マンションの場合や、依頼主が遠方に住んでいるケースでは、結果的にかかる費用がお得になることもあります。
たとえば、遺品を置いてある場所が賃貸マンションであれば、荷物が残っていて退去できないと、翌月分の家賃を支払わなければなりません。
遺品整理が長引けば長引くほど、支払う家賃の額は増え続けていきますし、契約期間内に部屋を出られないことで違約金が発生する、また、契約更新時には更新費用を支払わなければならないこともあるでしょう。
また、家賃のほかにも遠方に住んでいて仕事を休みつつ何度も遺品整理に通う方であれば、そのぶん交通費も負担する必要があります。
作業に何日もかかる場合は有休を使い切ってしまい、仕事を休んだぶん収入が減ってしまうということもあるかもしれません。
その点、業者に依頼すれば、自分でする作業を減らせるうえに、作業が長引くことによって発生する出費を失くすことができます。
余計な出費を避けるためにも、期限までに整理が間に合わないと分かった時点で業者に依頼するのをおすすめします。
心の負担を軽くできる
「遺品整理」はただの荷物の処分ではなく、故人との思い出を振り返り、自分の気持ちを整理する機会でもあります。
そのため無理してでも自分がやり遂げたい、という方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、大切な人を亡くした辛さを抱えながらの慣れない片付け作業や事務的な手続きは、想像以上に精神的な負担が大きいものです。
無理して作業することで、精神的または肉体的な不調に悩まされて作業がストップしてしまうこともあるでしょう。
さらに作業がストップすることによって発生する経済的な負担や、作業が進まないストレスを抱え込んでますます負のループに陥ってしまう可能性もあります。
そんな時に心強い存在となるのが、遺品整理業者です。
作業が楽になるのはもちろん、慣れないデジタル遺品整理や相続手続き、空き家対策などについての相談もできるので精神的な負担も軽減することができます。
遺品を見るだけでも辛い、不調が出て作業が進まないという場合は、無理せず作業を中断し、業者に依頼をして心を休める時間をつくってみてはいかがでしょうか。
2.遺品整理サービスにかかる費用はどれくらい?
遺品整理サービスが便利であることはわかりましたが、多くの方が気にされているのはやはり、費用がいくらぐらいかかるのか、という点でしょう。
ここからは遺品整理サービスを利用した場合の費用についてくわしく解説します。
基本的には「部屋の広さ」で料金が決まる
遺品整理の基本的な費用は、「部屋の広さ」で設定されていることが多いです。
部屋の間取りで費用を設定した場合の作業人数、作業時間、そして料金の目安は以下のようになっています。
間取り | 作業人数 | 作業時間 | 合計料金(税抜) |
---|---|---|---|
1K | 1〜2名 | 2〜4時間程度 | 30,000 ~ 90,000円 |
1DK | 2〜3名 | 2〜5時間程度 | 60,000 ~ 140,000円 |
1LDK | 2〜3名 | 3〜6時間程度 | 90,000 ~ 170,000円 |
2DK | 3〜4名 | 3〜7時間程度 | 120,000 ~ 200,000円 |
2LDK | 4〜5名 | 4時間〜1日程度 | 150,000 ~ 230,000円 |
3DK | 4〜5名 | 5時間〜1日程度 | 180,000 ~ 260,000円 |
3LDK | 5名〜 | 6時間〜1日程度 | 210,000 ~ 290,000円 |
4DK | 5名〜 | 1日〜2日程度 | 240,000 ~ 320,000円 |
4LDK | 5名〜 | 2日〜 | 270,000円 〜 |
(参考:遺品整理サービス ウィルケア|ご利用料金)
しかし、遺品整理の費用は、遺品の量や置かれている状況、また業者の費用設定によっても変動します。
上記でご紹介した費用はあくまで目安であり、実際にかかる費用はこの通りにはならないと考えていたほうがいいでしょう。
費用に影響する要素は5つ
部屋の広さ以外に、遺品整理サービスでかかる費用に影響する要素は以下の5つです。
- 遺品の量
- 処分品の種類
- 建物状況や周辺環境
- 買取品の多さ
- 作業する日程
くわしく確認していきましょう。
①遺品の量
まず、遺品整理サービスの費用に一番大きな影響をあたえる要素は遺品の量です。
遺品の量が多ければ多いほど、
- 作業完了までの時間
- 必要とされる人員
- 運搬する車両の積載量や台数
が増えていくので、そのぶんの人件費や燃料代が加算され、費用は高額になりがちです。
たとえワンルームでも、遺品の量によっては予想以上に高額の費用が必要になる可能性があるため注意しましょう。
②処分品の種類
処分するものの種類によっても費用に差が出ることがあります。
例えば、布や紙、金属など資源として再利用できるものは「資源ごみ」「リサイクルごみ」として回収され、そのぶん費用が安くなる、というケースがあります。
その一方で、遺品の中に、
- 生ごみ
- ペットの排せつ物などの汚物
- 灯油などの液体
- 医療器具や薬品
- 火薬、爆発物、銃器などの危険物
などの遺品整理業者が回収できないものが含まれていた場合は、別の業者の利用やオプションの利用が必要になり、そのぶんの費用が加算されてしまいます。
そのほか、
処分品 | 搬出以外にかかる作業・費用 |
---|---|
物置 | 解体作業 |
ピアノや大型家具 | クレーン車利用 |
冷蔵庫・洗濯機・エアコン・テレビ | リサイクル料金 |
金庫 | 開錠作業・解体作業 |
表のように処分に別途作業・費用が必要になるものもあります。
特に解体作業やクレーン車を利用した場合などは、数万円費用が跳ね上がる場合があるため注意が必要です。
③建物状況や周辺環境
遺品整理を依頼する建物の立地や、周辺の環境によっても遺品整理の費用は変動します。
特に、遺品整理する場所が一戸建てかマンションか、さらにマンションだった場合はエレベーターがあるかどうか、という点は重要な要素になります。
エレベーターがない市営住宅やマンション、またエレベーターがあったとしても高層階で移動に時間がかかるといった場合は、不用品を外に搬出するだけでも時間がかかってしまいます。
そのぶん作業する人員と作業時間が増えてしまうため、費用が高額になってしまいがちです。
また、家の近くにトラックが停められるかどうか、駐車場から家までの距離が近いかどうかも重要です。
家の近くにトラックを停められず、駐車場が遠い場合も行き来する距離が増えるため、同様に作業時間が増えてしまい、費用が増える原因になります。
そのほか駐車スペースがなくコインパーキングを使用した場合は、駐車料金も請求されます。
お近くに利用できる駐車場がない場合は注意が必要です。
④買取品の多さによっても金額が変わる
遺品整理業者のほとんどが、不用品の中から再販可能なものを買い取ってくれる「買取サービス」を行っています。
買取金額を作業費用から差し引いてくれるため、遺品の中に買取品が多ければ多いほど、作業費用を安くすることができます。
遺品整理業者を選ぶのであれば買取をしてくれているかどうか、どんなものを買い取り対象としてくれるかを事前に確認しておくのがいいでしょう。
⑤作業する日程
遺品整理業者の中には即日対応可能、お急ぎの依頼でも対応可としているところがあります。
時間がないときにも利用できるので、とても便利ですよね。
しかし、作業する日程によっては作業費用が高くなってしまうことがあるので注意しましょう。
まず注意すべきは土日祝日の作業です。
仕事が休みの土日、祝日の間に作業を終えてほしいと希望する人は多いので、そのぶん費用を高めに設定している業者は多くなっています。
土日祝日でも費用は変わらないとしている業者もありますが、そのぶん人気があり予約が取りづらいといったことが起こりやすくなります。
土日祝日の作業を希望するのであれば、できるだけ早く予約を取っておくのがおすすめです。
また、1週間前~当日など、時間に余裕がない中で作業を依頼する場合も費用が高くなってしまいがちという点にもご注意ください。
業者は急な依頼が入った場合、もともと入っていた予定を調整し、人員や車両をいつもよりも多く配置して、迅速に遺品整理を終わらせる必要がでてきます。
そのぶん、人件費や燃料費がかさむことで、費用が高くなってしまうのです。
急ぎの場合は仕方ないのですが、できるだけ費用を減らしたいのであれば「業者の空き状況に合わせて依頼する」のがおすすめです。
業者の都合に依頼主が合わせる形になるため、そのぶん費用を大幅に削減できる場合があります。
遺品整理を急いで終わらせなくてもいい、時間に余裕がある、ということであれば、見積もりの際に業者の空き状況を問い合わせてみてください。
3.業者選びのポイントは?
どういった要素で費用の額が決まっていくのかを確認したところで、ここからは実際に業者を選ぶ際のポイントを5つご紹介します。
数ある業者の中、どんな業者を選べばいいかわからないという方はぜひ、参考にしてみてください。
①希望するサービスに対応しているかどうか
遺品整理業者と一口に言っても、料金体系やサービス内容はさまざまです。
もちろん費用も重視すべきですが、まず依頼しようとしている業者が希望するサービスに対応しているかどうかを確認してみてください。
特に、ごみ屋敷化した家や孤独死の現場での遺品整理や、ここ数年で話題になることも多いデジタル遺品についての取り扱いは専門の知識や道具が必要になるため、対応していない業者も多いです。
まず遺族・親族の間でどんなサービスが必要かをあらかじめ確認してから、業者選びを行うことが大切です。
②訪問見積をしてくれる業者を選ぼう
業者に依頼する場合、現地まで来てくれ、実際の遺品の量を見て見積もりをしてくれる業者を選びましょう。
電話やメールで見積もりを取ることも可能ですが、遺品の量や部屋の状況などを電話やメールで正確に伝えられない場合も多く、また、作業に慣れている業者と慣れていない依頼主との間で認識の違いが起こる場合もあります。
その結果、作業当日になって遺品の量が聞いていた量と違うとして追加費用を請求される、また、トラックに積めなかった不用品をそのまま置いて行かれる、といったトラブルに巻き込まれてしまう恐れがあります。
優良業者であればそのようなトラブルを防ぐため、業者の方から訪問見積を提案してくれることがほとんどです。
訪問見積を拒否する業者もまれにいますが、トラブルを未然に防ぐためにも利用しないでおくのが無難です。
③地域密着型の業者がおすすめ
インターネットで遺品整理、と調べると全国対応可能な業者、地域密着型(東海地方エリアのみ対応、○○県全域対応など)の業者など、さまざまな業者が出てくるのでどこを選べばいいか迷ってしまいがちです。
業者選びの際は、なるべくご利用の地域の近くに会社や営業所のある業者を選ぶのがおすすめです。
遠方の業者でも利用できないことはないのですが、あまりにも営業所が遠いと見積もりや作業での移動に時間がかかるほか、追加で出張費(高速料金や燃料代など)がかかってしまう場合があります。
その一方で、地域密着型の業者は近場ということもあり、迅速に見積もりや作業に対応が可能。
その地域での作業実績もあるため、近隣の不動産情報に詳しかったり、地域特有のごみ捨てルールに理解があったりと、臨機応変に対応をしてもらえるのも魅力といえるでしょう。
④遺品整理士がいる業者を選ぶのが◎
業者選びをする際は、一般財団法人 遺品整理士認定協会が認定する「遺品整理士」やそのほか遺品整理に関する資格を持つスタッフがいるかどうかをチェックするのもおすすめです。
遺品整理士は遺品の取り扱いの手順や、遺品整理に必要な法規制はもちろん、マナーや遺族への心配りを学び、試験に合格した者のみ取得できる民間資格です。
一般の不用品回収業者やハウスキーピングのスタッフよりも遺品整理の経験も豊富なので、安心して依頼ができるでしょう。
そのほか、遺品整理に関する資格には以下があります。
資格名 | 内容 |
---|---|
遺品整理アドバイザー | 遺品整理に必要な知識をもち、依頼者に寄り添いアドバイスを行う。 一般社団法人遺品整理士認定協会により認定。 |
遺品査定士 | 遺品の査定と買取に特化した専門家。 一般社団法人遺品整理士認定協会により認定。 |
事件現場特殊清掃士 | 専門の知識と機材を持ち、孤独死や事件事故、自殺等の現場の原状回復を行う。 一般社団法人 事件現場特殊清掃センターが認定。 |
生前整理技能Pro1級 | 依頼者が生前整理や終活を問題なく終えられるために必要な知識をもち、アドバイスを行う。 一般社団法人遺品整理士認定協会により認定。 |
業者選びの際にはかかる費用だけでなく、業者がどのような資格をもっているか、という点にも注目してみてください。
⑤悪徳業者にご注意を
遺族に寄り添い、前へ進む手助けをするはずの遺品整理業者ですが、業者の中には残念ながら悪徳業者も存在しており、依頼の際には注意する必要があります。
たくさんあるうちから遺品整理業者を選ぶのは大変だし、どこも同じようなサービス、料金だからどこでもいいだろうと適当に業者選びをすると、
- 事前説明に無い追加費用を請求された
- 不当なキャンセル料を請求された
- 契約したのに作業してくれない
- 思い出の品まで処分されてしまった
- 頼んでいないものまで捨てられた
- 不用品を不当な金額で買い取られてしまった
- 貴重品の窃盗被害にあった
- 作業時に家に傷をつけられた
- 回収された不用品が不法投棄された
・・・といった被害に遭う可能性があり、大変危険です。
国民生活センターには実際に、遺品整理サービスを依頼した際の契約トラブルについての相談が多く寄せられています。
(参考:国民生活センター|こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル-料金や作業内容に関するトラブルが発生しています-)
大切な人を亡くしたあとで上記のような業者とのトラブルに巻き込まれてしまった場合、遺族が受ける精神的なストレスは計り知れません。
余計なストレスを受けてしまわないよう、業者選びは慎重に行う必要があります。
悪徳業者と優良業者を見分けるには、「相見積もり」が有効です!
相見積もりとは、複数の業者に見積もりをとることを指します。
複数の業者から見積もりをとることで、費用の相場を知ることができるだけでなく、悪徳業者が出してきた見積書の不審な点も見つけやすくなります。
遺品整理以外にも遺族にはたくさんやることがあるので、複数の業者に連絡をとる時間がないという方は多いかもしれませんが、できれば3社以上に見積もりをとるのをおすすめします。
また、見積書を出された際は、内容を細かくチェックしておくことも大切です。
見積書には本来であれば以下のような内容が細かく書かれているはずです。
- 買い取った家財道具等の点数や単価
- 買取によって値引きになった金額や内訳
- 遺品整理の基本料金
- 車両費や作業費
- 人件費
- 作業内容や作業範囲 など
しかし業者によっては、見積書に「作業一式」などざっくりとしか作業内容が書かれていない場合があります。
その内容のまま契約をしてしまうと、当日の作業内容によっては追加費用が発生する可能性も。
契約前には必ず業者に追加料金が発生しないか、または追加料金が出る場合の条件などを確認しておき、回収当日のトラブルを防止しましょう。
そのほか、業者のホームページに載っている体験談や口コミサイトを確認してみる、訪問見積に来たスタッフの雰囲気を判断材料にしてみるのもおすすめです。
最近では遺品整理の様子をYouTubeにアップしたり、ブログに回収した不用品の写真を掲載したりして、作業風景や雰囲気をわかりやすくしている業者も増えています。
まずそういったものから確認してみるのもいいかもしれません。
4.遺品整理をなるべく安く済ませる方法
ここまで遺品整理を業者に依頼した場合の作業内容や、費用の決まり方、また業者選びのポイントなどを確認してきました。
遺品整理業者に依頼するとたくさんのメリットがあることが分かったものの、それでもやっぱり費用が高い!・・・と依頼をためらう方ももちろんいらっしゃるかと思います。
そんな方のために、遺品整理をなるべく安く業者に依頼する方法をお伝えします。
ぜひ依頼前には確認してみてくださいね。
①できることは自分でやる
遺品を業者に依頼する前に、自分にできる範囲で遺品整理を進めておくという方法があります。
そうすることで業者の作業する時間を減らし、費用を安くすることができます。
自分でできる作業としては、
- 貴重品を先に探し出しておく
- 捨てるものと残しておくものを分けておく
- 部屋の汚れが軽い場合は、自分で清掃を行う
- 明らかにごみとわかるものだけでも捨てる
- 家具や家電を自治体のごみ回収で捨てておく
といったものがあります。
もちろん、忙しくて難しい、遺品を見るのもつらい、家具を運び出す体力がない・・・という場合は無理する必要はありません。
費用を節約するために、重たい家具を無理やり運ぶとケガの危険性もあります。
作業が難しいのであれば無理せず、業者にお任せすることも大切です。
②できるだけ買取してもらう
買取も行う遺品整理業者であれば、遺品の中の不用品遺品を査定・買取してもらうことで、大幅に費用の削減が期待できます。
高く買い取ってもらえるものには以下があります。
- 書籍
- 骨董品
- 美術品
- 製造年数5年以内の家電製品
- ブランドものの食器
- 貴金属類(金やプラチナなど)
- メガネや時計
- カメラ
- ブランドものの洋服、カバンや靴
- 未開封のお酒
- 着物
- 切手などのコレクション
- 趣味の道具 ほか
色々なものをまとめてその場で買い取ってくれるので便利な遺品整理業者ですが、さまざまなジャンルのものを取り扱っているぶん買取額は専門店より低くなってしまいがちです。
もし、売るものの数が少ない、時間や手間をかけられるということであれば、ジャンルごとに専門店に売却する、フリマアプリやネットオークションを利用する、という手段がおすすめです。
③相見積もりをとろう
悪徳業者と優良業者を見分ける際には必須とお伝えした「相見積もり」は、費用を安くしたい場合にも有効です。
業者それぞれを利用した場合の費用やサービス内容を比較することで、同じ作業内容でも費用がより安い業者を探すことが可能になります。
対応してくれるかどうかは業者によって違いがありますが、他社の見積もりの金額を参考にして、値引きの交渉ができることもあります。
相見積もりを取るのと取らないのでは、費用が数千円~数万円違うこともあるので大切なポイントです。
5.まとめ
今回のコラムでは、「遺品整理サービス」について、その費用の相場や業者の選び方について取り上げてきました。
業者を利用する際にかかる費用の目安は、「部屋の広さ」で表されることが多いですが、実際にかかる費用は
- 遺品の量
- 処分品の種類
- 建物状況や周辺環境
- 買取品の多さ
- 作業する日程
上記のような条件によっても大きく変動します。
たとえワンルームの部屋であっても、遺品の量が多い場合や、特殊清掃が必要になった際などは費用が高額になる場合もありますので注意が必要です。
そのほか、記事の中では業者選びのポイントや、高額になりがちな遺品整理サービスをできるだけ安くする方法などについても取り上げています。
遺品整理サービスの利用を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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