複数の荷物をまとめて運ぶのに使用される「パレット」。
パレットを使用することでフォークリフトで効率的に積み下ろしができるため、運送・物流業界では欠かせないものとなっています。
まだ記憶に新しい「物流の2024年問題」を境に、ドライバーの負担を軽減する目的でパレットを導入しはじめた企業も多いのではないでしょうか。
しかしその一方で、パレットの回収の手間や保管スペースの確保が負担となってしまい、レンタルパレットに切り替える企業も少なくありません。
こうした状況で、今まで使用していたパレットをどのように廃棄したらいいのか、コスト面や環境への影響について疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。
そこでこの記事では、パレットの正しい処分方法と注意点を詳しく紹介します。
家庭で使用していたパレットの捨て方についても解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。
▼この記事でわかること
- パレットの処分方法
- パレットを処分する際の注意点
- パレットの種類
- 家庭で使用したパレットの処分について
パレットの処分方法は7通り
オフィスや倉庫で使用した事業用パレットの処分方法は7通りあります。
- 取引先に引き取ってもらう
- パレットの製造元に引き取ってもらう
- スクラップ業者に買い取ってもらう
- 廃パレット買取業者で売却する
- フリマアプリ・ネットオークションに出品する
- 産業廃棄物処理業者へ依頼する
- 不用品回収業者へ依頼する
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
①取引先に引き取ってもらう
主に取引先からの納品時に使用されるパレットですが、商品の出荷が終われば、当然パレットは不要となりますよね。
不要となったパレットは、取引先に引き取ってもらうのが一般的な流れです。
しかし、取引先によっては「パレットの引取に別途費用が必要になる」「そもそも引取に対応していない」といった場合がありますので、あらかじめ確認の上で利用するようにしましょう。
②パレットの製造元に引き取ってもらう
パレットの製造元に不要なパレットの引取を依頼できる場合があります。
パレットに使用される木材や金属といった素材は資源としてリサイクル可能であり、多くの企業ではリサイクルを推進しているため、ほとんどの場合引き取ってもらえるでしょう。この場合、回収は無料なことが多いため、もっとも手軽な方法と言えます。
ただし「フォークリフトは依頼者側が用意する」「パレットを直接持ち込んだ場合のみ引取可」とするなど、企業によって対応はさまざまです。
また、回収できるパレットの種類が「木製のみ」「金属製のみ」と限られている場合もありますので、利用の際はご注意ください。
③スクラップ業者に買い取ってもらう
金属パレットなら、スクラップ業者に買い取ってもらうのもいいでしょう。
金属製のパレットはリサイクル可能な資源として価値があるため、資源を無駄にしないという点でもおすすめの方法と言えます。
ただし、買取価格は相場やパレットの状態に左右されるため、常に高額で買い取ってもらえるとは限りません。とくに状態が悪いパレットや損傷が激しい場合、買取不可となることもあります。
事前にスクラップ業者に問い合わせ、買取の可否や最新の価格相場を確認することが重要です。
④廃パレット買取業者で売却する
パレットの状態がよければ無料で回収、または買取してもらえることがあります。
多くの廃パレット買取業者が、プラスチックや金属などさまざまな素材のパレットを高価で買い取っており、プラスチックパレットの場合、1台あたり200~800円程度で売却できることもあります。
買取価格はパレットの状態、サイズ、メーカーによって異なり、割れや欠けがないものほど高い価格がつきます。
大量のパレットを所有している場合、業者によっては出張査定が利用できるので、手間をかけずに売却することも可能です。
ただし、以下の点には注意が必要です。
- 少量のパレットの場合、送料がかかる
- 油や塗装で汚れたものは引取不可
- 対象エリア内での取引であること
といった買取条件を設けている場合があり、その条件は利用する業者によって異なります。必ず事前にご確認の上でご利用ください。
⑤フリマアプリ・ネットオークションに出品する
不要なパレットはフリマアプリやネットオークションで売れることもあります。
パレットは、テーブルやソファを作る材料や、庭の物置きとして使用するなど、さまざまな用途で楽しめます。売れれば臨時収入が手に入り、処分費用もかからないためお得な方法です。
実際に大手フリマサイトメルカリでも、中古パレットの取引がいくつかありました。
- 木製パレット2枚:6,000円(送料込み)
- 木製パレット3枚:1,500円(着払い)
- ユーロパレット1枚 木製:900円(引取)
誰でも気軽に出品できるフリマアプリやネットオークションですが、その反面、出品までの写真撮影や説明の入力、売れたら自分で梱包・発送するといった手間がかかる点はデメリットと言えます。
また、購入者がいつ現れるかわからないので、必ず処分できる保証はありません。
処分を急いでいる場合や、確実に処分したい場合にはほかの方法を検討しましょう。
⑥産業廃棄物処理業者へ依頼する
産業廃棄物処理業者にパレットの処分を依頼すると、法令に基づき適正に処理してもらえます。
処理方法は以下の3段階で行われます。
- 収集運搬:トラックで処分場に運び出す
- 中間処理:焼却・圧縮し、廃棄物を減量化する
- 最終処分:ごみ埋立地で廃棄
業者を選ぶ際は、パレットの処理実績があることや、設備が整っていることが重要です。自社での対応が難しい場合は費用が高くなる可能性もあるため、見積もりを取る際に注意しましょう。
⑦不用品回収業者へ依頼する
パレットの処分・買取を一度に済ませたいなら、不用品回収業者への依頼がおすすめです。
不用品回収業者は、リサイクル施設と連携して適正に処分できるだけでなく、買取サービスによってパレットの売却もまとめて依頼できます。
パレットの用途・量を問わず回収・買取OK!
不用品回収業者は、パレットの用途や量に関係なく引取や買取が可能です。木製、プラスチック製、金属製など、さまざまな材質のパレットを迅速に処分できます。
壊れたパレットや使わなくなったパレットでも、スタッフが回収し、適切に処分いたします。事業用・家庭用どちらのニーズにも柔軟に対応でき、搬出作業もスタッフがすべて行いますので手間がかかりません。
パレット以外の不用品も同時に回収!
パレットの処分と同時に、オフィス家具や不要な備品など、ほかの不用品もまとめて回収可能です。
不用品回収業者なら、パレット以外の廃材や作業道具など捨てにくいものでも、それぞれ分別する必要もなく簡単に処分できます。
また、マニフェストの作成も正確に行うため、法令遵守の面でも安心です。
最短即日でスピーディーに片付く!
不用品回収業者に依頼すれば、最短で即日対応できる場合があります。
急ぎでパレットを処分したい際にも迅速に対応できますし、片付けに時間をとれない場合でも、電話1本で見積もりに対応しているため、依頼主のスケジュールに影響を与えません。
その際に自宅やオフィスの片付け・清掃サービスも対応可能です。
不用品回収業者では、パレットをはじめ、さまざまな廃材・廃液の処分を承っています。以下の記事にて詳しく解説しておりますので、詳しくはそちらをご参照ください。
- いらない土の正しい処分方法7選|土は何ごみ?無料で処分できる?
- 炭の正しい処分方法4選|バーベキュー後の炭はどう捨てる?注意点は?
- 肥料はゴミに出せないって本当?正しい捨て方を知ってトラブル回避!
- エンジンオイルの処分方法5選!正しい廃棄の手順や注意点を解説
とても便利な不用品回収業者ですが、残念なことに悪徳業者によるトラブルも増えています。
悪質な業者の特徴は以下のとおりです。
- 見積もり内容が曖昧
- 料金を事前に提示してくれない
- 突然自宅に押しかけてくる
- 無料回収と広告している
このような業者は、断りづらい状況を作って高額な支払いを求めることも。
被害に遭わないためにも、契約前に追加料金やキャンセル料の有無を確認し、複数社で見積もりを取ると安心です。
別ページにて悪徳業者の特徴や見分け方についてや、安心して依頼できるおすすめの不用品回収業者についても紹介しています。業者選びの際にぜひ参考にしてくださいね。
パレットを処分する際の注意点
パレットの処分方法を確認したところで、ここで処分の際の注意点も併せて見ていきましょう。
事業活動に使用したパレットは産業廃棄物扱い
事業に伴い発生したパレットは、種類を問わず産業廃棄物とみなされます。
法令で定められた産業廃棄物は以下の20種類です。
産業廃棄物の種類 |
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燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラスくず、コンクリートおよび陶磁器くず、鉱さい、がれき類、ばいじん、紙くず、木くず、繊維くず、動植物性残さ、動物系固形不要物、動物のふん尿、動物の死体、その他 |
上記のうち、パレットは素材によって廃プラスチック類、木くず、金属くずなどに該当し、事業者はこれらを適切に処理しなければなりません。
産業廃棄物の処分については別ページにて解説しておりますので、詳しくはそちらをご覧ください。
少量の事業用パレットも産業廃棄物として処分する
事業活動から出たパレットは、たとえ少量であっても産業廃棄物として処分しなければなりません。
廃棄物処理法では、事業活動に伴って発生した廃棄物は、その量にかかわらず産業廃棄物として適切に処理しなければならないと定められています。
もし、廃棄物処理法に違反すると、5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金が科される恐れがあるため注意しましょう。
マニフェストを作成・保管する
「マニフェスト」とは、廃棄物が適切に処理されたことを確認するための重要な書類です。
産業廃棄物として扱うパレットを処分する際は、このマニフェストの作成・保管が必要となり、排出事業者は、収集運搬から最終処分までの全工程でマニフェストを使用し、処分が完了するまで適切に管理する責任があります。
なお、マニフェストの保管期間は5年間と法令で定められています。
不備があると、罰則や行政指導の対象となるため、慎重に準備しましょう。産業廃棄物処理業者に依頼する際には、きちんとマニフェストを作成してくれる業者を選ぶと安心です。
無許可の業者に依頼しない
無許可の業者にパレットの処分を依頼することは、法律違反です。悪質な業者に依頼すると、不適切な方法で処分されてしまう恐れがあり、結果として排出事業者自身が罰則を受ける可能性もあります。
相場より極端に安い料金で宣伝している業者にはとくに注意が必要です。産業廃棄物の処理は、産業廃棄物収集運搬業の許可を持つ業者に依頼しましょう。
パレットの種類
パレットには主に、木製・プラスチック製・金属製・ダンボール製の4種類があります。
それぞれの特徴と捨て方についても、改めて確認しておきましょう。
木製パレット
木製パレットは、物流においてもっとも一般的なパレットのひとつです。
主な処分方法はリサイクル業者に依頼し、木くずとして再資源化することです。回収した木材パレットは破砕されてチップに加工され、製紙原料や燃料として再利用されます。
事業用木製パレットは産業廃棄物扱いとなるため、専門業者に相談することが望ましいでしょう。
自宅でDIYをして組み立てたパレットなら、一部の自治体で処分できる場合があります。
プラスチック製パレット
プラスチック製パレットは、軽量で耐久性が高く、折り畳んで保管できるのが特徴です。
処分方法はパレット買取業者に依頼し、中古パレットとして再利用するのが一般的です。破損があるパレットは、破砕されて原料として再生されることもあります。
金属製パレット
金属パレット(スチールパレット)は、重い荷物の輸送に適しており、長期間使用できます。洗浄しやすいことから衛生的で、医薬品・食品の物流で活躍しています。
処分方法としては、スクラップ業者に売却でき、リサイクルに貢献しながら処分費用を削減することが可能です。一方で、摩擦によって傷つきやすい点や腐食のリスクには注意が必要です。
ダンボール製パレット
ダンボール製パレットは、リサイクル率が高く環境に優しいのが特徴です。
回収せずに片道で使い捨てるワンウェイパレットとして利用でき、きれいなものはリサイクルされます。
ただし湿気に弱いため、保管する環境には注意が必要です。
ダンボール製パレットは産業廃棄物として処分するだけでなく、有価物として買取も可能となっています。
家庭から出たパレットの処分方法
主に企業で使用されることの多いパレットですが、中にはご家庭で使用しているという方もいらっしゃるでしょう。
一般家庭で使用したパレットの処分方法は以下を参考にしてみてください。
粗大ごみとして処分する
家庭で使用したパレットは粗大ごみとして処分する際は、自治体の分別ルールに従う必要があります。
自治体によって粗大ごみとなるサイズや品目が異なるため、必ず確認しましょう。
一般的に、粗大ごみの申し込みは以下の手順で行います。
- 自治体のホームページまたは電話・FAXなどで粗大ごみの収集を申し込む
- 手数料納付券(シール)を、コンビニ、スーパーなどの指定販売店で購入する
- 粗大ごみの見やすい場所に貼り、収集日当日の朝までに指定された場所へ出す
しかし、パレットは一般家庭で使用することが少ないため、粗大ごみの品目一覧に明記されていないことがほとんどです。
そのため、粗大ごみ受付センターに電話をして、パレットが収集可能かどうか、また処理手数料がいくらかかるのかをまずは問い合わせる必要があるでしょう。
解体して自治体で捨てる
木製パレットでDIYした家具を処分するなら、解体して可燃ごみとして排出する方法も選択できます。たとえば、埼玉県川口市では、長さ40cm以下・太さ10cm以下であれば一般ごみとして処分可能です。
ただし、分解されたものは、原形が判断できない場合、建築廃材とみなされ回収してもらえない可能性も。
また、元の大きさが粗大ごみに該当するものは、解体したとしても粗大ごみとして処分しなければならない自治体もありますので、事前に自治体のホームページや窓口にて確認しておくと安心かもしれません。
不用品回収業者へ依頼する
事業で使用されたパレットと同様に不用品回収業者を利用することももちろん可能です。
自治体を利用しての処分には手間や時間がかかってしまいますが、不用品回収業者ならご自身の都合に合わせて処分できるだけでなく、搬出や運搬といった面倒な作業は一切必要ありません。
自力での運搬が難しい場合、処分を急いでいる場合にはぜひご検討ください。
パレットの処分時に出やすい不用品
事業者の方でしたらパレットを処分する際に、ほかの廃材や廃液もまとめて処分したい!という場合もあるでしょう。
弊社では木くずの処分や木材の処分、鉄くずの処分をはじめ、以下の記事でも廃材・廃液の処分について解説しています。処分を検討している場合にはぜひ参考にご覧くださいね。
パレットの処分でよくある質問
Q.大きなパレットが何枚もあるのですが、すべて回収してもらえますか?
A.弊社ではパレットの大きさや枚数を問わず、すべて回収可能でございます。
トラックや作業に従事するスタッフの数を増やす必要はあるものの、回収する物品につきましては数量を限定しておりませんので安心してご利用ください。
Q.マニフェストを作成してもらえますか?
A.はい、もちろんです。
弊社は産業廃棄物を扱うことが可能な正規許可業者ですので、マニフェストの作成ももちろん可能となっております。
Q.パレットがひどく汚れていますが引き取ってもらえますか?
A.弊社は状態を問わず、ご不要なパレットを回収しております。
パレット全体がひどく汚れている場合でも回収は可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
Q.パレットの回収時に壁や床などを傷つけないで回収可能ですか?
A. 弊社ではご不要になったパレットを屋外へ運び出す際は、事前に入念に養生を施してから作業に取り掛かっております。搬出・運搬作業に長けた熟練スタッフが丁寧に運び出しいたしますので、壁や床などを傷つける心配はございません。
搬出後の清掃も併せて行っておりますので、ご希望の場合は見積もり時にお申し出ください。
Q.昼間は仕事なので夜間にパレットを回収してほしいのですが可能ですか?
A.弊社はお客様のご都合に合わせた回収作業が可能です。
夜間の回収作業においても受け付けておりますので、日中は対応できないという方でも安心してご利用いただけます。
なお、予約状況によっては特定の日時を利用できない可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
Q.パレット以外の不用品も回収してもらいたいのですが可能ですか?
A.もちろん、喜んで承ります。弊社は不用品の種類や物量を問わず回収しております。
不用品の量によっては追加トラックや作業スタッフの手配などが必要となりますので、前もってお伝えいただければより迅速に対応いたします。
まとめ
今回はパレットの処分方法について解説してまいりました。
主に事業で使用されることの多いパレットは、産業廃棄物として適切な処分が求められます。
たとえ少量であっても誤った方法で処分してしまうと違反とみなされ、罰則や罰金の対象となってしまうかもしれません。この記事を参考に、正しく処分してくださいね。
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