
身近なものの中では空き缶やネジ、釘などが該当する「鉄くず」。
鉄をはじめ、私たちの身の回りでは多くの金属類が存在しています。
ご家庭から出る鉄くずは、ネジをはじめ小さいものが圧倒的に多いものの、中にはオフィスや工場などで使用される専門機械のような大きなもの、重たいものもあるかと思います。
単純に鉄だけでできていれば問題ないのですが、鉄以外の成分が混在するものとなると分別が必要になりますので、処分の際には頭を悩ませてしまいますよね。
そこで今回は「鉄くずの処分方法」について解説していきます。
処分の際の注意点や家庭からと企業からの排出でどう違うのか、そもそも鉄くずとはどんな廃棄物なのかもまとめて紹介しますので、処分の際にはぜひ参考にしてみてくださいね。
▼この記事でわかること
- 鉄くずの処分方法
- 鉄くずを処分する際の注意点
- 鉄くずはどんな廃棄物か
鉄くずの処分方法は5通り

鉄くずの処分方法として考えられるのは以下の5つです。
- 不燃ごみとして処分する
- 粗大ごみとして処分する
- ごみ処理施設に直接持ち込む
- スクラップ業者に買い取ってもらう
- 不用品回収業者へ依頼する
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
①不燃ごみとして処分する
ご家庭から排出されたネジや釘といった小さな鉄くずであれば、自治体を利用し「不燃ごみ」として処分するのが一般的です。
以下は鉄くずについて記載のあった自治体の一例です。
自治体名 | 分別区分 | 備考 |
---|---|---|
愛知県名古屋市 | 不燃ごみ | ・刃物、針、ガラスなど危険なごみは厚手の紙や布などに包み「キケン」と表示 ・片手で持てる重さにし袋の口をしばって出す ・一度に多量の排出は不可 ・鉄塊は収集不可 |
東京都新宿区 | 金属・陶器・ガラスごみ | ・ふたつきの容器か中身の見えるポリ袋に入れて出す ・危険物は厚紙や布などで包み「危険」と表示して出す |
大阪府大阪市 | 資源ごみ | ・直径または最大の辺が30cm以下(フライパンは柄の部分を除く) ・棒状のものは1m以下 ※上記の大きさ以上は粗大ごみ |
福岡県福岡市 | 燃えないごみ | ・指定袋に入れて、袋の口をしっかり結んで出す |
不燃ごみとする自治体が多いものの、上記のとおり「金属ごみ」あるいは「資源ごみ」などと分類が異なる場合もあります。多くの場合収集は月に1度で、基本的に予約する必要はないため手軽に処分できるでしょう。
鉄くずに包丁やハサミのように鋭利なものが含まれる場合は、捨てる際にごみが危険であるとごみ袋に記載した上で処分する必要がある点にはご注意ください。
なお、事業で使用された鉄くず、規定サイズである30cmを超える鉄くずの場合はこの方法では処分できないため、ほかの処分方法を検討しましょう。
②粗大ごみとして処分する
規定のサイズよりも大きなものや多量の鉄くずは、不燃ごみではなく「粗大ごみ」として処分する自治体もあります。
細かいルールは自治体によって異なりますが、多くの場合指定のごみ袋に入らない程度の大きさや量のことを指します。
愛知県名古屋市の場合の処分手順は以下のとおりです。
- ネットか電話で回収を依頼する(その際に処分料金が確定)
- 料金分の手数料納付券をスーパー・コンビニ・郵便局などで購入し処分する鉄くずに貼っておく
- 収集日当日の朝8時までに指定の場所に運び出して完了
以下は鉄くずについて記載のあった自治体の一例です。
自治体名 | 鉄くずの粗大ごみ手数料 |
---|---|
岐阜県瑞穂市 | 長辺1m未満:200円 長辺1m以上:400円 |
長野県長野市 | 指定袋に入らない大きさのものは粗大ごみシール(40円)を貼り出す ※1m×50cm×50cmを超える大きさのもの、金属製タイヤチェーン、ジャッキ、鉄パイプ、鉄アレイなどは不可 |
沖縄県沖縄市 | 300円〜600円 ※大きさによって手数料が異なる ※50cm以下はもやせないごみ |
数百円程度での処分が可能ではありますが、自治体での回収は指定された収集場所へ運ぶ必要があるため大量の鉄くずを処分する際には不向きです。
なお、この方法も事業系の鉄くずは処分できす、さらに不燃ごみと同様に収集は月に1度程度の自治体が多いです。鉄くずの分別および回収する手順は各自治体によって異なりますので、必ず事前に確認してから処分するようにしましょう。
③ごみ処理施設に直接持ち込む
できるだけ早く鉄くずを処分したい場合、ご自身で自治体のごみ処理施設(クリーンセンター)へ持ち込んで処分する方法もあります。
以下は、愛知県名古屋市でのごみ処理施設への持ち込み手順です。
- ごみを車両に積んだ状態で、ごみが発生する区の環境事業所で受付する
- 申し込み後、指定された搬入先へ持って行く
- 処理施設にて計量、手数料を支払う
- ごみを搬入して完了
重さによって処分料金が決まることがほとんどで、自治体によっては無料としている場合もあるため、通常の粗大ごみ収集に出すよりもさらに安く済む可能性が高いです。
以下は自己搬入について記載のあった自治体の一例です。
重さで料金を計算する自治体が多いため、戸別回収と比べて安価で済みますし「自分の好きなタイミングで利用できる」「鉄くず以外のごみも一緒に処分できる」といったメリットもあります。
ただし、ごみ処理施設へ持ち込むには車が必須です。
また事業からの排出には対応していない場合や、営業日が平日のみ、そもそも自己搬入に対応していない自治体もあるという点で、利用できないケースも多いかもしれません。
その場合は戸別回収の利用や、自宅・事業所まで回収に来てくれる不用品回収業者の利用を検討しましょう。
④スクラップ業者に買い取ってもらう
鉄くずは再生可能な資源ですので、場合によってはスクラップ業者に買い取ってもらうことも可能です。
錆びたものでも買い取ってもらえるの?と思うかもしれませんが、実は鉄であれば多少錆びていても変形していても買い取ってもらえます。
ごみとして処分した場合は費用がかかってしまいますが、逆に業者に買い取ってもらえばお金になるだけでなく、資源の有効活用にもつながります。
しかし、あくまでリサイクルを前提としての買取なため、ひどい劣化の場合や、純粋な鉄のみでなく不純物が混じっている場合には買取できず廃棄となる可能性も。
さらに、事業系の鉄くずのように大量であればいいのですが、一般家庭から出るような少量の鉄くずだと買い取ってもらえないこともあるため、事前の確認が必要となるでしょう。
⑤不用品回収業者へ依頼する
「鉄くずが少なく業者から断られてしまった」「分別が面倒」「手間や時間をかけずにお得に鉄くずを処分したい!」といった場合におすすめなのが不用品回収業者への依頼です。
不用品回収業者に依頼するメリットは、以下のとおり。
- 細かい分別やごみ捨てをする時間がない
- 処分したい鉄くずが大量にあり、手に負えない
- 鉄くず以外にも捨てたいものがある
- 売却・廃棄を一度で済ませたい
このような方に、ぜひ利用していただきたいおすすめのサービスです。
家庭で出た不用品を回収・処分してもらえる不用品回収業者では、大量の鉄くずや鉄塊などの回収もしてもらえます。
スクラップ業者では断られるような部品や不純物が付いたものでもそのままの状態で回収してもらえるため、思うように売却ができなかった方にもおすすめです。
また不用品回収業者なら、依頼主の希望した日時に自宅まで回収・買取に来てもらえます。
自分でごみを分別したり搬出したりする必要もありませんし、手間がかからず、早急に処分したい場合にも大変便利です。
鉄くずをはじめとした廃材・廃液はもちろん、家具や家電など、さまざまな不用品回収が可能です。一般家庭から企業までどのような立場の方でも利用可能ですので、不用品を処分したい!とお考えなら一度検討してみてはいかがでしょうか?
不用品回収業者では、鉄くず以外にもさまざまな廃材・廃液の処分を承っています。以下の記事に詳しく記載しておりますので、気になる方はそちらも併せてご覧ください。
- いらない土の正しい処分方法7選|土は何ごみ?無料で処分できる?
- 炭の正しい処分方法4選|バーベキュー後の炭はどう捨てる?注意点は?
- 肥料はゴミに出せないって本当?正しい捨て方を知ってトラブル回避!
- エンジンオイルの処分方法5選!正しい廃棄の手順や注意点を解説
- 洗剤の処分方法5選!余った時は再利用も!捨て方の注意点も解説
不用品回収業者のほとんどがこういったメリットがある一方で、中には悪徳業者も紛れている可能性があるため注意が必要です。
悪質な業者は、後から高額請求してきたり、不用品回収後に不法投棄したりするケースも。
「無料回収」を謳い文句に、出張費用や運搬費用などを後から請求するという悪どい業者も少なくありません。
こうした被害に遭わないためにも、ホームページで業者の業歴や実績を確認し、3社程度見積もりを取ってから依頼するようにしましょう。
悪徳業者の特徴や見分け方についてや、安心して依頼できるおすすめの不用品回収業者については以下のページにて紹介しています。業者選びの際の参考になるかと思いますので、ぜひ併せてご覧くださいね。
鉄くずを処分する際の注意点

ここまで鉄くずの処分方法について見てきましたが、ここで処分時の注意点についても確認しておきましょう。
危険性はないか確認する
鉄くずの中には、適正に処分しないと危険が伴うものもあります。
- 包丁・ハサミ・カミソリ・金串・刃物が付いた工具など
- カセットボンベ・スプレー缶
- 塗料缶・オイル缶
これらは多くの場合「危険ごみ」に該当します。
以前はスプレー缶やカセットボンベは穴を開けて処分、というのが一般的でしたが、発火や爆発といった危険性があるため、分別ルールが改正されたのは記憶に新しいのではないでしょうか?
現在は多くの自治体で、不要なスプレー缶・カセットボンベは穴を開けず、中身の見える袋に入れ「危険」と記載し集積所に出す方法へと変更されました。
また、包丁やハサミといった刃物類は、回収の際に作業員がケガしてしまう事例が多いことから、布や新聞紙などで丁寧にくるんだ上で袋に入れ、こちらにも「危険」と記しておきましょう。
細かいルールに関しては自治体によって異なりますので、お住まいの自治体にあらかじめ確認し、安全で正しく処分してください。
家電リサイクル法対象の鉄くずは自分で処分できない
ご家庭から排出した少量の鉄くずは不燃ごみ、大量・大型の鉄くずは粗大ごみとお伝えしましたが、「家電リサイクル法」対象の鉄くずの場合はこれに該当しません。
家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)は、一般家庭や事務所から排出された家電製品から有用な部分や材料をリサイクルし、廃棄物を減量するとともに、資源の有効利用を推進するための法律です。
家電リサイクル法の対象となるのは以下の4品目の家電です。
- エアコン
- テレビ(ブラウン管、液晶・プラズマ)
- 冷蔵庫・冷凍庫
- 洗濯機・衣類乾燥機
これらは鉄くずとして自治体を利用し処分できません。
上記4品目を処分する場合には、家電量販店に引取を依頼する、または不用品回収業者を利用し適切な方法で処分しましょう。
事業から排出された鉄くずは「産業廃棄物」になる
事業所や工場、オフィスなどで使用した鉄くずは、「産業廃棄物」に該当し、自治体での処分はできません。
たとえ少量であっても、事業で使用した鉄くずである以上は粗大ごみをはじめ自治体のごみ回収を利用することはできませんので注意しましょう。
事業で使用して出たごみの処分が正しく行われなかった場合には業者だけでなく依頼主にも罰則が科せられ、その内容は、
- 資格を持っていない業者に産業廃棄物の処理を依頼した場合…5年以下の懲役、1,000万円以下の罰金もしくは両方
- 契約書を作成せず業者に依頼した場合…3年以下の懲役、300万円以下の罰金もしくは両方
など、非常に重いものです。
引き渡し後のトラブルを防ぐためにも、産業廃棄物は必ず資格や許可を得た業者に依頼しましょう。
産業廃棄物の処分についてはこちらの記事でも解説しておりますので、詳しく知りたい場合は一度目を通してみてください。
鉄くずってどんなもの?

さまざまな処分方法や注意点を確認してきましたが、適切な方法を選択するためには「鉄くず」がどんなものなのか知っておく必要があります。
ここで改めて鉄くずについて詳しく見ていきましょう。
そもそも「鉄くず」とは?
「鉄くず」と聞くと”工場で鉄製品を加工する際に生じた不要なもの”をイメージされる方も多いかもしれませんが、実はそれだけではありません。
金属の廃棄物の中で鉄が主成分のものを「鉄くず」と言い、ご家庭から出たものでも事業で使用されたものでも、鉄製のごみであれば総じて「鉄くず」と呼ばれています。
鉄くずの種類
一括りに鉄くずと言っても、その種類は多種多様です。
- 建築素材
- 自動車素材
- 機械部品
- 工具部品
- 新断スクラップ
- スチール缶プレス
- グレーチング
- ドラム缶
- ビス・ネジ・ナット・ボルト類のくず
- ワイヤー類
など、これだけの種類が存在します。
また、鉄くずとなる過程によってもさらに名称が異なり、
- 自家発生スクラップ:製鋼や製品加工の際に生じる鉄くず
- 市中スクラップ:できあがった製品から生じる鉄くず
大きく分けるとこのように分類されています。
一般のご家庭から排出されたものは、このうちの「市中スクラップ」に該当すると覚えておきましょう。
鉄くずはリサイクルが推奨されるごみ
鉄くずは非常にリサイクル率が高い廃棄物なのはご存知ですか?
そのリサイクル率はなんと92%にもおよび、これは産業廃棄物のリサイクル率で説明すると、がれき類の97%、動物の糞尿の95%に次いで3番目に高い数値となっています。
なぜこんなにもリサイクルされているのかと言うと、鉄という素材が大変貴重なためです。
リサイクルされた鉄くずは、家電や船、鉄道のレールや建設現場といったさまざまなことに役立ちます。
鉄くずは再加工することで何度も新しい鉄製品としてリサイクルできるだけでなく、ごみの排出も抑えられることから、鉄くずのリサイクルは国内で積極的に行われているのです。
鉄くずの処分時に出やすい不用品

ネジや缶といった鉄くずの処分時に出やすいというわけではありませんが、似たような製品にペンキやオイルが入っていた「一斗缶」があるかと思います。
弊社では一斗缶の処分をはじめ、そのほかさまざまな廃材・廃液関連の処分について解説しております。処分の際に参考になるかと思いますのでそちらもぜひご覧ください。
鉄くずの処分でよくある質問

Q.急いでいるのですが、鉄くずを今日中に回収してもらうことは可能ですか?
A.はい、可能でございます。
1番近くにいるトラックをすぐにご自宅に向かわせますので、名古屋市内や近郊エリアであれば最短1時間以内に伺うことが可能です。
ただし、ほかのご予約状況によってはお待たせすることもありますので、早めにご連絡をいただければ幸いです。
Q.鉄くずの回収は土日や祝日にも対応してもらえますか?
A.もちろん対応可能です。
弊社は年中無休で不用品を回収しておりますので、鉄くずの回収においても土日・祝日のご依頼も大歓迎です。平日は仕事が忙しく時間が取れないという方も、ぜひお気軽にご連絡ください。
Q.錆びて汚い鉄くずでも回収してもらえますか?
A.はい、もちろん大丈夫です。
状態に関わらずどんな鉄くずでも回収いたしますので、安心してご依頼ください。
Q.1人では持てないほどの大量の鉄くずも回収してもらえますか?
A.弊社はお客様からのご依頼であれば回収する鉄くずの量を問わず、回収可能でございます。
出張見積もりで必要な車両やスタッフの数を算出した上で回収作業に取り掛かりますので、当日になって車両やスタッフが足りないという事態にはなりません。
また、マンションの上層階にお住まいの方からのご依頼も受け付けておりますが、階層の高さやエレベーターの使用の可否などによって必要なスタッフの人数が変わることをご了承ください。
Q.鉄くずの回収作業の際に立ち合いは必要ですか?
A.鉄くずに限らず、基本はお客様ご本人にお立ち会いいただきますが、ご家族および代理人の方でも問題はございません。
状況によってはお客様がお立ち会いいただかなくても回収作業が可能ですので、事前にスタッフへご相談ください。
Q.鉄くず回収を依頼したいのですが、見積もりだけの利用は可能ですか?
A.はい、お見積もりだけのご依頼も大歓迎です。
お客様のご都合に合わせてご自宅まで伺い、しっかりとお見積もりいたします。
お見積もり後のキャンセル料金はかかりませんので、安心してご相談ください。
Q.鉄くずに該当すると思うのですが、自営で使用していた機械の買取は可能ですが?
A. 弊社には買取専門事業部があり、さまざまな品目を買取しております。
残念ながら鉄くずとしての買取は行っておりませんが、現物を確認の上で査定し、機械として買取が可能か判断する形となります。ご納得いただけない場合にはキャンセルも可能ですので、まずはお見積もりからご依頼ください。
まとめ

今回は鉄くずの処分方法について詳しく解説してまいりました。
さまざまな場面で再利用される「鉄くず」。
適切な方法で処分すれば、資源を無駄にすることなく、また環境への配慮にもつながります。
記事の中ではごみとして鉄くずを処分する方法のほか、業者へ売却してお得に処分する方法も紹介しています。
状況によって選択できる処分方法が異なりますので、処分前に一度目を通していただき、ご自身の希望に合わせた処分方法を選べるようにしてみてくださいね。
弊社「出張回収センター」でも鉄くずを含め、さまざまなジャンルの製品を買取・回収しています。
分別や運び出し、積み込みなど面倒な作業はすべてスタッフにお任せいただけます。
お見積もりは無料ですので、お気軽にご相談くださいませ!
▼こちらの記事もおすすめです▼